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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

晴天の日の歴史ある運河沿いの散歩道、小舟をすみかに現代英国の水上生活の諸事情

2025年04月15日 02時40分27秒 | ストックポートとその周辺

マープル・カナルウォーク Marple Canal Walk 、前回の続きです。

前回記事のリンクです☟

用事で行った10年ぶりのマープル、晴天の日のカナルウォーク

マープルの町から再びカナル沿いの遊歩道を経て、駅から続く広い道路に戻り、道を渡って続く有名なマープル・アクアダクト Marple Aqueduct への遊歩道を歩きました。

天気のいい週末、遊歩道はウォーカーたちがいっぱい。カナルの水面にも多くのバージ barge(ナロウ・ボート narrow boat ともいうカナル運行用の英国独自の幅の狭いボート)が行き来していました。

かつては産業輸送に欠かせない重要な運搬手段だったバージ、今ではレジャーも兼ねた移動手段として大人気です。そして居住設備としても多くの人に利用されています。

運転するのに免許は不要です!休暇旅行用に貸しだされています。

夏のシーズンには人気のルートはバージの交通渋滞になるそうです。狭いロックLock (水深を調節するために水をせき止める扉;昨日のストックポート日報 参照)はー艘ずつしか通れないため順番待ちも長いでしょうね。

新婚時代、ロンドンのフラットの高額な家賃を払うのが惜しく、バージを買って数年間住み、第ー子が生まれるまでにマンチェスター郊外に家を買う頭金を貯めた、という人が私の友人にいます。

夫のインターネット・ゲーム仲間にも、夫婦共に50代でリタイアし、老後資金のため不動産が高騰している都市のー軒家を売り格安のバージを1艘購入して、イングランド中を水路伝いに旅して生活している人がいます。

数年前、自前のバージ(=自宅)でやはり英国中を旅してまわる年配の俳優夫婦を追う旅番組がありました。停泊する先々で隠れた名所や地域の興味深い活動を紹介する楽しい番組でした。

バージに居住すれば「住所不定」になるので銀行口座が開けなかったりローンが組めなかったり不自由はありそうです。それでも憧れる、旅から旅の水上生活...

 

カナルが各地で開通し、バージがひっきりなしに行きかっていた産業革命当時から20世紀の初頭まで、バージの動力はウマでした。

バージをひくウマとともにバージの持ち主が終日、岸辺を歩いたそうです。夫婦や家族が運転担当と時々交代するー家総出の家族経営の物資運搬ビジネス。通常、先頭の居住バージの後ろに運搬用の小舟をいくつか曳いて運行したようです。ウマの頭数は積荷の重さによって違いました。

現在ならトラック輸送で半日ぐらいで着く行程を徒歩で、雨の日も雪の日も歩き続ける水路輸送、「納品期日」なんかもあったはず、たいへんな重労働です。

ー連の写真は私たちと同じ方向にゆっくりと移動するバージです。

男性が岸辺でカナルのロック を開け閉めして、奥さんが運転するバージを通していました。

屋根にソーラーパネルのついた実用的なこのバージはレジャー用の短期貸し出し用ではなく、住居用だと思われます。

観光用の貸し出しバージは、花や果物のモチーフの伝統的な装飾「トール・ペインティング」が施されたりロマンチックなつくりのものが多そうな印象です。

岸辺で遊んでいた学齢の女の子がいる家庭なので通常はーか所のエリアにとどまり子供を学校に通わせて親は通勤(今はリモートワークも可能でしょう)、今はイースター休暇(春休み)なので旅行中...かな?(推測)

バージの旅行を何度も経験している夫がロックの開け閉めを得意そうに手伝いました。

この先の、マープル・アクアダクトに行って、20分ほどたってまた引き返してきた時、まだこの家族はアクアダクト直前のベイスン basin(船溜まり)には到達せず、最後のロックを開け閉めしている最中でした。ノロノロ運行...

ウマにひかせたバージでマンチェスターから綿織物をサザンプトン(イングランド南部の港町)に運搬するのにいったいどのくらいかかったのでしょう!?

長くなるので次回に続きます。

 

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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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犬と暮らす日々 (浅井洋)
2025-04-15 10:01:22
お元気に 投稿され
 blogも 写真も 良かったです

お舟で 生活すると トイレとお風呂は 如何するのか 心配ですね
返信する
浅井さんへ (江里)
2025-04-17 03:51:29
浅井さん、
夫に聞きました。私も気になっていて、今回の記事の本文に書こうかと思ったものの長くなるのでやめました。

船底に巨大な貯水タンクを積み、エンジンオイルで瞬間湯沸かしも稼働しています。
シャワーも流しの洗い物もお湯が使えます。トイレは水洗ですが、出したものはやはり船底のスチールタンクにたまります。
休暇用の貸し切りバージなら、被災地の避難所にあるような可動式の便座がついた箱のような「カセット・トイレット」を使うそうです。2人なら2日にいちど中の袋を出し、密閉しておけば、船のレンタル業者が処分してくれるらしいです。
船底の汚水タンクは2週間に1度をめやすに各地の処理センターで所定の料金を払ってバキュームパンプで引き取ってもらうそうです。いっぱいになってもすぐにカラにできない諸事情が実に数多くあるらしく(そばに処理センターがない、冬はタンクが凍る等)カセット・トイレットとの併用は必須だそうです。
各地にバージ専用の給油、給水施設が併用してあるそうです。給水は無料ですって!基本料金を払っているはずですから。英国では一般家庭も水道は基本料金のみの支払いですから。
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