つぶよりのつぶやき The Twinkling Twitter

福井を愛するがゆえに、地域や身の回りのいろんなことに勝手にコメントしています。

はじめに

福井を中心に、地域や身の回りのことに勝手にコメントしています。話題はいろいろですが、基本は福井への愛です。福井とあまり関係ない話もありますが、それは福井人としての視点ということでご了承ください。 なお、当然ですが、このブログの内容については、stanzaが所属する組織(公表していませんが)の考え方とは無関係です。 ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします

長距離通勤者の孤独と連帯

2011-07-30 | 旅行・交通

地方都市の長距離通勤の話である。電車に乗っている時間だけで片道約1時間。例によって電車は2両しかないが、出発が早朝なのに立ち客も結構いる。長距離通勤を始める前はこんな時間に電車に乗っている人ってどんな人なんだろうと思っていたが、同じように早朝から長距離を通勤している人がたくさんいることに驚く。

早朝の車内はおおむねみんな寝不足の顔で、話し声などほとんど聞こえない。景色を見続けている人、眠り続けている人、読書をしている人、新聞を読んでいる人、音楽を聴いている人、ただぼうっとしている人、さまざまである。車内観察をしているとなかなかおもしろい。自分としては、景色(福井の自然は美しい。)+読書+音楽というところであろうか。

ところで、人間だいたい毎日乗る位置は決まっているもので、たいていは同じ人と近くに座ったり立ったりして顔を合わせることになる。もちろんお互いにあいさつや世間話をするわけではないが、なんとなく、ああ彼や彼女(もちろん彼女の場合の方がより強く思うのであるが)も朝早くから大変だなという連帯感を覚える。もっとも向こうもそれを感じているかどうかはわからないが。

その距離感は、会社で言うと同じフロアのほかの課にいる社員、あるいは、いつも行く飲み屋によくいる相客というイメージだろうか。顔はよく見るがあいさつや話はしたことがないという意味で。電車が運休になったり、どこかほかの場所で偶然会ったり、何かきっかけがあると意外に話がはずんだりするのかもしれない。

そういうことで、たまに、いつも乗ってくる駅で目立つだれかが乗って来ないと、あれ、あの人、今日はいないな、どうしたのかな、という老人向け病院の待合室のような雰囲気になるし、たまに新参者(失礼)が混じっていると、あれ、そこ自分の席なのになという気分にもなるのである。都会の人にはわからないだろうが、結構社会学的に見て興味深い集団なのではないだろうか。(写真は、山の緑がきれいな夏の湯尾駅付近を走る北陸線の普通電車。福井の自然は美しい。)

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敦賀のケーキ屋さん「プルミエ」または「つるかめ」

2011-07-26 | グルメ




敦賀駅から若狭方面へ国道27号の旧道を車で10分。「パティスリー・プルミエ」というケーキ屋さんがある。喫茶スペースもあり、パン屋さんも併設されている。昔はもっと市街地にあったが、移転してここになったそうだ。一番人気は、「アイドル」というフルーツケーキ?で、次が、レモンケーキということなので、両方買ってみた。

フルーツケーキの方は、いちご、バナナ、みかんなどのフルーツにカスタードクリームと生クリームを混ぜてスポンジでくるんだもので、フルーツもクリームもおいしく、自分が食べた中では最高の部に属すると思う。399円とそれなりの値段はするが、かなり大きく、半分に切って食べてもいいぐらいだ。

生レモンをたっぷり生地の中に絞り込んで作ったというレモンケーキも美味だったが、アイドルにはちょっと劣るようだ。ほかにもかなりの種類のケーキと焼き菓子などが並んでいる。奥行きのある敷地で、ケーキ屋はいちばん奥になる。ほかの建物は中に入っていないのでよくわからないが、喫茶とパン屋だと思われる。

ところで、この店、「パティスリー・プルミエ」というおしゃれだが印象に残らない(しょせん「第一菓子店」ぐらいの意味だろう。)名前と、「アイドルつるかめ」というきわめてインパクトのある名前を持つ。「つるかめ」の方は昔の名前のようだが、敦賀市民の間では「アイドル」や「つるかめ」の方が通りがいいらしい。「アイドル」の意味はわからない(idolだと思うがidleかも?)が、「つるかめ」の方がネーミングとしてははるかにいいと思うのである。

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地デジ化を契機にNHK受信料問題を問う

2011-07-24 | 社会問題

ついに本当にアナログ放送が映らなくなってしまった。うちはケーブルテレビなので例のデジアナ変換でまだまだ放送が見れるのだけれど、カーナビでは美しい音楽とブルーの画面が出たままである。しかし、前にも書いたが、難視聴対策としてBSデジタルですべての東京キー局を放送していて日本中どこでも受信できるのに、わざわざスクランブルをかけて受信できないようにしている。

受信できるのは福井県内では勝山市などのたった5世帯だけである。試しにBSデジタルで291から298チャンネルを見てみてください。これを利用すれば地デジ化などいらなかったのだ。そこにはローカルテレビ局を維持するという以外の意味は何もない。

ところで、アナログ放送しか見れないテレビだけしか持っていないみなさんは、当然、NHKの受信料を支払う必要がありません。「廃止のお届けのあった月の前月まで」となっているので、6月分まででいいようだ。NHKはだんまりを決め込んでいるが、解約も増えているそうで、ほとんど税金のような受信料で運営している割には、運営内容が不透明で改革も不十分であり、むしろいい気味である。

それは別としても、受信料に関する放送法の規定は、こうなっている。
「協会(注:NHK)の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。ただし、放送の受信を目的としない受信設備(中略)のみを設置した者については、この限りでない。 」

この「放送の受信を目的としない受信設備」の解釈をめぐっては、いろんな意見が交わされている。自分はNHKを見ないから自分のテレビは「放送の受信を目的としない受信設備」だという意見が多いが、この「放送の受信を目的としない」は、「受信設備」にかかっているのであって、所有者の意思とは無関係に客観的に判断すべきであり、この解釈は無理である。

一方で、携帯電話、パソコン、カーナビなどでテレビ放送が見られるものについては、NHKは受信料の対象だと言っているが、これは間違っていると思う(明確な判例はない。)。たとえば、携帯電話は、通話(最近ではメール、ウェブサイトの閲覧も)を目的とする設備であって、放送の受信は可能ではあっても携帯電話の「目的」ではない。買った携帯電話にたまたまチューナーが付いているからといって、それで受信料を払わされてはたまらない。

NHKはネットで視聴する場合も受信料を取りたいと息巻いているが、そもそも、今の時代、テレビをもともと国営(と言って悪ければ公共放送)でやる必要があるかどうか大いに疑問である。NHKも民放も放送内容にそれほど違いがあるようには思わないし、当たり前だが新聞は全部民間の会社が発行しているではないか。国営新聞を作って強制的に宅配し、購読料を取ったら大問題である。

末筆ながら、うちはもちろん受信料はイヤイヤながらも払ってますので念のため。

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なでしこ熊谷さんと法政チャラ男に情報管理のあり方を思う

2011-07-22 | スポーツ・芸能

サッカー女子ワールドカップで優勝したなでしこジャパンのDF熊谷紗希さんが私的な合コンで話したという内容が、同席した法政大学バカ学生にリアルタイムでツイッターに書き込みされ、ネット上で大騒ぎとなった。

ツイッターでは、熊谷さんが監督やキャプテンの悪口とかを言ったことになっており、熊谷さんの写真も掲載されていて、すぐに削除されたにもかかわらずツイートした本人が大学名、顔写真付きで特定され、「魚拓」といわれるキャッシュ処理によって発言が拡散した模様である。

熊谷さんもディフェンダーにしては守りが甘いが、まだハタチの少女だ。いきなり有名人になってしまってまだその自覚がなかったのだろう。一時はどうなるかと思ったが、別に悪いことをしていたわけではなく、幸い、サッカー協会の巧みな対応(これからの企業はこういう才能がとっても大事だ。)もあり、大問題にはならなかったようで、むしろ法政がウソを言っているということで落ち着いたようだ。

一方、法政チャラ男の方は、情報弱者なのか、ただのバカなのか、はたまた故意に陥れようとしたのか、ネット上でかなりの攻撃を受けている。最近はミクシーなどで自己の悪事(未成年の飲酒や喫煙など)を告白したりする学生も多い。こんなネタだけを日夜探している暇人がたくさんいるのだ。大学はワードやエクセルの使い方より、ネット上での情報管理のあり方を教えなければならない。

なでしこのイメージは幸いにも修復された一方で、法政大学のイメージはかなりダウン(ネット上ではイメージどおりという説もある。)したと思われる。大学も後になって謝罪したようだが、もともと大学はこういう方面の才能はあまりないものだ。それに、大学内では謝罪すべきとかすべきでないとかの意見が責任者でもない者たちの間で声高に叫ばれるのである。

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お役所からの郵便物のこと

2011-07-20 | 政治・行政

お役所から郵便物が届いた。詳しい内容を書くとどこのお役所のどこの部署かわかってしまうので、内容はあいまいにしておくが、お役所が行う事業やイベントへの参加を促す文書とチラシが封入されている。

まず、封筒の封のしかたである。写真はわかりやすく補助線を入れたものだが、セロハンテープで封をしてあり、しかも、その封のしかたがものすごく雑で、かなり斜めになっており、しかもテープが余ったのか端を表側に折り返してあるのでとても開封しにくい。自分はB型なので(B型の人ごめんなさい。)それほど気にはならないものの、この封のしかたを見てそれだけで不愉快になる人は少なくないと思う。

こういう封のしかたはお役所からの郵便物以外にはあまり例を見ないような気がする。普通は糊付けである。手間がかかるのはわかるので百歩譲ってセロハンテープを使うにしても、きれいに貼ってほしい。できれば両面テープがベターである。相手に本当に伝えようとするならばそれぐらいの気遣いは必要ではないだろうか。

もうひとつは、その中身である。案内文には最初にこの事業の趣旨が長々と書いてある。内容はぼかすが、いわく、○○の状況の中、○○は福井の最重要課題のひとつであるが、こういうことでなかなか進まず○○な状況にある、これを解決するためには今後○○をしなければならない、よってこういう事業を企画したのでぜひ参加してほしい、という話である。(抽象的でわかりにくいが、別の例で言うと、たとえば、ファッションショーの案内をするのに、福井の繊維の現状と振興の方策を延々と述べるようなものか。=あくまで例えです。)

しかし、ボランティアの参加ならともかく、普通、市民はお役所に協力するために事業に参加するのではないので、事業の背景など聞かされてもあまり意味がない。これは内部向けに予算をとったり合意を得たりするときの文章であろう。この案内文は、「こういう事業を企画しましたが、参加いただくとこういう情報が得られ役に立ちますよ。いかがでしょうか。」という相手の立場に立った文章でなければならないのではないだろうか。

どうもお役所の文書には相手の立場に立つというのが欠けているように思う。それとも、お役所の課題は市民の課題でもあるから、おまえたちも協力しろということなのだろうか。

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祝・なでしこJAPAN世界制覇

2011-07-18 | スポーツ・芸能

女子サッカーのなでしこJAPANがワールドカップに優勝し、世界一となった。実力に加え、大舞台で実力を発揮できる精神力はすごいと思う。しかも、大女(失礼)を相手に立ち向かう姿は、みんなさわやかである。フランクフルトの奇跡(そういえば決勝はずっとフランクフルトだ。)である。アメリカからいうと悲劇か。

このなでしこ、大会前はそれほど話題に上がらなかったようで、正直な話、自分も今年女子のワールドカップがあるというのはすっかり忘れており、予選リーグのニュースで知ったというお粗末さである。

しかし、ここまできたら決勝だけでも生放送で見るしかないだろう。日本時間で午前4時前の試合開始、この年になると、寝ずに起きているというのは不可能であるから、朝早く起きるしかない。こんなに早く起きたのはいつのワールドカップ以来だろうか。NHKの地上波は、この状況の中で、粛々とコパアメリカ(サッカー南米選手権)の中継をやっていて笑ったが。

それにしても、耐えに耐えて勝ち取った勝利、すばらしかった。早起きの甲斐があったというものだ。月並みな言い方だがここしばらくマイナス方向のニュースしかない日本と日本人に勇気と希望を与えたと思う。

ところで、この日本の状況の中でも管首相はドイツまでこれを見に行きたかったらしい。バカじゃないだろうか。まあ、いなくても特に問題はないのだけれど。心配なのは、首相が、なでしこJAPANに勇気をもらったとか言って、オレも我慢すれば報われるとばかりここでさらに忍耐力を発揮することだ。そうならないことを願うばかりだ。

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角川文庫「かまわぬ」バージョン発見

2011-07-16 | 教養・娯楽

ふらっと入った書店の文庫本のコーナーで、思いがけずユニークな表紙の文庫本を見つけた。角川文庫なのであるが、カバーがどうみても、有名な「かまわぬ」の柄である。どうやら「かまわぬ」とのコラボらしい。

「かまわぬ」といえば、手ぬぐいの老舗で、ディスプレイを見ているだけで楽しい。最近では東京駅や丸ビルなどでも買えるが、あいにく北陸はもちろん関西にもなく、ネット販売もしていない。昔、代官山の本店(かな?)まで行ったこともある。ときどきおもわぬところで見かけるときもあり、金沢の「コニーズアイ」という雑貨屋さんでうちわを買ったことがある。

文庫のカバーは残念ながら布ではないが、なんとなく手ぬぐいをイメージするような手触りにはなっている。内容は6種類あって、夏目漱石「こころ」、川端康成「伊豆の踊り子」、遠藤周作「海と毒薬」など古典のラインアップで、それぞれ内容をイメージした(かどうかはわからないが)異なる柄になっている。

著作権が切れているからか300円台と安く、しかも、ハッケンくんのストラップのおまけも付くという。これは買うしかないだろう。迷ったが、カバーと内容を総合的に検討して、読んだようでたぶん読んでいない「二十四の瞳」にした。少なくともうちの在庫にはないはずだ。

しかし、そういう買い方なのであるから、予想どおりまだ積んであるだけで読んでいない。まあ、かまわないだろう。残念なのは、これはいわゆるブックカバーではなく、文庫の表紙カバーなので、もちろん書名などが印刷されており、他の本のブックカバーとしては使えないことだ。かまわぬのブックカバーがほしいな。

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敦賀は港町であることを実感

2011-07-14 | まちづくり




敦賀には港がある。もちろん港があることは知っていたが、実際に見ないとなかなかイメージがわかないものだ。訪れてみると、岸壁の数も多く(どう数えるのかわからないが)、港湾区域は思っていたよりもかなり広範囲に広がっている。

地方空港のような新しい立派なフェリーターミナルもあって、大型フェリーが、苫小牧へは直行便が毎日出航、新潟・秋田を経由して苫小牧へ週3便出航している。直行便は深夜発なので昼間はがらんとしており、あまり目立たないが。また、RORO船(トレーラーが直接乗り込める貨物船で荷役のクレーンがいらない。)が苫小牧へ週6便、コンテナ船が韓国・プサンへ週3便出ている。意外に活発だ。

こないだ、豪華客船「ぱしふぃっくびーなす」が接岸したというので、見に行ってみた。といってももちろん中には入れてもらえないが雰囲気は味わうことができた。秋には最大の豪華客船「飛鳥Ⅱ」が来るということで、楽しみである。

ということで、港は意外に街に活気をもたらしている。赤レンガ倉庫や、再現敦賀港駅舎、人道の港ムゼウム、港の見える公園などもあり、横浜や神戸ならきっと多くの人たちでにぎわうだろう。何とかもっと観光に役立てられないものかと思う。港めぐりの遊覧船を動かし、海上から原発見学などもトレンディだ(笑)。

また、敦賀駅から港に向かってJR敦賀港線があり、大昔は旅客列車、それも国際列車が、ちょっと前までは貨物列車が走っていた。廃止されてしまったが、まだレールはある。これを復活して観光鉄道にならないものだろうか。


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路線価にみる北陸3県の格差

2011-07-11 | まちづくり

ドラゴン事件で書くのが遅くなってしまったが、今年の「路線価」が発表になった。「路線価」とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格をいい、宅地の評価額の基準となるもののようだ。

北陸3県の最高路線価は、石川が金沢駅東広場通りで48万円(平方メートル当たり)。富山は富山駅前広場通りで43万円。これに対し、福井は福井駅前電車通りで29万円。金沢の6割、富山の3分の2の価値だ。ついでに言うと、金沢、富山は、繁華街が駅前以外のところにあり、評価が分散していると言える。

金沢に負けるのは仕方がないと思う。問題は富山である。富山とそんなに差があるとは思えないので、過去からの変化を調べてみた。そうすると、10年前は、金沢が89万円、富山が74万円であるのに対し、福井は67万円で、金沢の4分の3、富山の9割である。少なくとも富山とは今ほど差がなかったのに、どんどん引き離されていっている。

路線価だけがすべてではないが、なんで福井はこんなになってしまったのだろう。富山と福井は現状で東京までは同じぐらいの時間距離だが、富山には空港がある反面、福井は京阪神や中京にはかなり近く、地理的にはほぼ同等かむしろ優っている。自然環境もあまり変わらない。

そうすると、やはり街の発展が鍵だろうか。北陸新幹線については言わずもがなと思うが、富山にはシティホテル(ANAクラウンプラザ+いちおう東急も)や「マリエとやま」と「総曲輪フェリオ」という再開発ビルもあり、たくさんのテナントがはいっている。高岡には巨大なイオンモールもある。行政だけの責任とは思わないが、これらすべて、シティホテルも再開発もショッピングモールも福井ではすべて失敗であった。そして、今もまだ福井駅前がどうなるか決まらないのだ。悲しいことである。(図は筆者作成)

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玄海原発やらせメール事件に思う

2011-07-09 | 政治・行政
玄海原発の再開に向けての説明会における九州電力のやらせメール事件が世間を騒がせている。世間的には、電力会社がそんな依頼をするとはけしからん、電力会社は腐りきっている的な意見が主流のように思う。

ワタクシはあまりそこまで思わないのであるが、問題とされていることを分類すると、
1 一般市民を装って関係者がメールするのは番組の公正・公平を損なうからいけない
2 地位を利用して関連会社に強制するのがよくない
3 原発は危険なので、再開すべきという方向で広報するのはよくない
というところだろうか。

1に関しては、この説明会は経済産業省が開いたもので、主催者の経済産業省は公正・公平に実施する必要があるが、九州電力は一方の当事者であり、もう一方の当事者である再開反対派(たいてい特定の政党がらみである。)がさまざまな勧誘活動をするように、九州電力も企業存続のための勧誘活動はすることができると思われる。

2に関しては、九州電力は別に何かを強制しているわけではなくて、自分たちの意見に賛同するよう協力を依頼しているだけである。協力に応じるかどうかはそれぞれの自由だし、事実上自由が認められていないならそれは企業内、あるいは企業間の問題で、われわれとは関係がない。関連会社の社員も立派な住民であり、意見を表明することは自由だし、それに、そうすると関連会社じゃなくて、家族や親戚や友人なら許されるのだろうか。

3は手法ではなくコンテンツの問題になり、理論的には一見あり得ないようだが、現実には批判者の心にあると思う。もしこの説明会が違うテーマであったらどうだろう。たとえば、原発の再開ではなくて、「新聞購読料だけ消費税を10%にする」という政策の説明会だったら、新聞社はそれに反対するメールを出すよう関連会社などに呼びかけるだろう。コカコーラとペプシコーラのどちらが好きかというコーラの味の優劣に関する説明会だったら両社とも一生懸命メールを出すよう呼びかけるだろう。これらもここまで批判されるのだろうか。

もともと、この説明会自体、経済産業省が地元広告代理店に委託して選んだ県民7人に参加者を限定しており、反対派にも声をかけたとは言っているものの、そもそも人選に一定の意向が働いていることは大人なら当然わかるはずで、いわば「やらせ会議」である。5年から10年ほど前、いわゆる「タウンミーティング」で内閣府が県を通じて質問原稿を作って参加者に示し、賛成の質問をするよう依頼して問題になったケースがあったことを覚えているだろうか。

そもそも報道機関だって、街の声の取材として、何人も話を聞いたうえで、いちばん世論形成に都合のいい答えを選び出して放送しているではないか。いわゆる「やらせ」までは行かないにしろ、都合のいい考えの人を選び出すという意味では同じである。

今回、九州電力の組織ぐるみと言われているが、組織ぐるみではなく、むしろ組織を超えて、経済産業省(の役人)あたりの意向(明示か黙示かはわからないが)を十分踏まえてのものだと想像できる。政府も、「耐性テスト」への批判を回避するため、ことさらに九電に不快感を示しているようだが、もし身内の関与が発覚すれば大変な問題になるだろう。

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