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はじめに

福井を中心に、地域や身の回りのことに勝手にコメントしています。話題はいろいろですが、基本は福井への愛です。福井とあまり関係ない話もありますが、それは福井人としての視点ということでご了承ください。 なお、当然ですが、このブログの内容については、stanzaが所属する組織(公表していませんが)の考え方とは無関係です。 ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします

玄海原発やらせメール事件に思う

2011-07-09 | 政治・行政
玄海原発の再開に向けての説明会における九州電力のやらせメール事件が世間を騒がせている。世間的には、電力会社がそんな依頼をするとはけしからん、電力会社は腐りきっている的な意見が主流のように思う。

ワタクシはあまりそこまで思わないのであるが、問題とされていることを分類すると、
1 一般市民を装って関係者がメールするのは番組の公正・公平を損なうからいけない
2 地位を利用して関連会社に強制するのがよくない
3 原発は危険なので、再開すべきという方向で広報するのはよくない
というところだろうか。

1に関しては、この説明会は経済産業省が開いたもので、主催者の経済産業省は公正・公平に実施する必要があるが、九州電力は一方の当事者であり、もう一方の当事者である再開反対派(たいてい特定の政党がらみである。)がさまざまな勧誘活動をするように、九州電力も企業存続のための勧誘活動はすることができると思われる。

2に関しては、九州電力は別に何かを強制しているわけではなくて、自分たちの意見に賛同するよう協力を依頼しているだけである。協力に応じるかどうかはそれぞれの自由だし、事実上自由が認められていないならそれは企業内、あるいは企業間の問題で、われわれとは関係がない。関連会社の社員も立派な住民であり、意見を表明することは自由だし、それに、そうすると関連会社じゃなくて、家族や親戚や友人なら許されるのだろうか。

3は手法ではなくコンテンツの問題になり、理論的には一見あり得ないようだが、現実には批判者の心にあると思う。もしこの説明会が違うテーマであったらどうだろう。たとえば、原発の再開ではなくて、「新聞購読料だけ消費税を10%にする」という政策の説明会だったら、新聞社はそれに反対するメールを出すよう関連会社などに呼びかけるだろう。コカコーラとペプシコーラのどちらが好きかというコーラの味の優劣に関する説明会だったら両社とも一生懸命メールを出すよう呼びかけるだろう。これらもここまで批判されるのだろうか。

もともと、この説明会自体、経済産業省が地元広告代理店に委託して選んだ県民7人に参加者を限定しており、反対派にも声をかけたとは言っているものの、そもそも人選に一定の意向が働いていることは大人なら当然わかるはずで、いわば「やらせ会議」である。5年から10年ほど前、いわゆる「タウンミーティング」で内閣府が県を通じて質問原稿を作って参加者に示し、賛成の質問をするよう依頼して問題になったケースがあったことを覚えているだろうか。

そもそも報道機関だって、街の声の取材として、何人も話を聞いたうえで、いちばん世論形成に都合のいい答えを選び出して放送しているではないか。いわゆる「やらせ」までは行かないにしろ、都合のいい考えの人を選び出すという意味では同じである。

今回、九州電力の組織ぐるみと言われているが、組織ぐるみではなく、むしろ組織を超えて、経済産業省(の役人)あたりの意向(明示か黙示かはわからないが)を十分踏まえてのものだと想像できる。政府も、「耐性テスト」への批判を回避するため、ことさらに九電に不快感を示しているようだが、もし身内の関与が発覚すれば大変な問題になるだろう。

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