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著作権法の改正に思うこと

2012-10-03 | 社会問題

著作権法の一部を改正する法律が10月から施行された。その内容は大きく2つに分けられるが、1つ目は、「違法にアップロードされた音楽・映像を違法と知りながらダウンロードする行為」について罰則が設けられたこと。なぜか音楽と映像だけで、ゲームや漫画などは含んでいない。YouTubeなどで視聴する行為は、パソコンにキャッシュが作成されることがあるものの適法らしい。ダウンロードとキャッシュの区別は難しいし、立法者が完全に理解しているかどうかは不明である。

こちらは、どうやって取り締まるかの問題はあるものの、違法な映像や音楽が氾濫している現状ではある程度やむを得ないと思う。しかし、今流行の音楽を違法にアップロードするのはさすがにまずいと思うが、今では手にはいらないような昔の懐かしい映像や音楽をアップロードするのはある程度容認されていいのではないだろうか。これをYouTubeで鑑賞することは結構な楽しみであったのだが、残念なことにこれを録画・録音することも罰せられることになった。

もう1つは、さらに問題がある。「技術的保護手段」の回避等を行うことにより著作物を複製する行為は、私的利用の範囲であっても違法となってしまったのである。CDやDVDのコピー、リッピングである。もともと強引な法律が、国会審議の過程でさらに修正され、条文のできが悪いのでわかりにくいが、要は普通にコピーできないものを何らかのソフトを使ってコピーすることは、自分で使うためであっても違法になってしまったということである。

よって、今後は、CDについては一般的に(なぜか)技術的保護手段が施されていないので私的利用の範囲でコピーすることは適法(一部のコピーコントロールを除く。)だが、DVDについては一般的に技術的保護手段が施されているので自分が買ったものをコピーするのは私的利用であっても違法と解される。すなわち、自分で買ったDVDの映像をスマートフォンやタブレットに取り込んで自分で鑑賞することも違法なのである。

しかし、フリーソフトが1つあれば難しいことを考えなくてもたいていのコピーは可能であり、普通のユーザーが「技術的保護手段」について思いをはせることはほとんどないだろう。結局、明確なビジョンを持たずに、圧力団体の都合だけを聞いてその都合のいいことに関してだけ立法を進めるからこんな矛盾した法制度になる。CDやDVDが売れないからと制度改正しても、これではますます売れなくなるだろう。売り上げの推移を見守りたい。

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1 コメント

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OVAビデオアニメは令和の今日ではほぼ没落傾向 (紅野ヒロミ)
2022-09-18 11:44:58
OVAは令和の今日ではほぼ没落傾向
平成後期の一時期の円盤ビジネスである程度売り上げを伸ばしていたovaオリジナルビデオアニメーション(らき☆すたovaなど)は、令和の今日ではNetflixオリジナルアニメなどのweb配信アニメ(インターネットアニメ)が爆発的に製作数を増やし続けたのとは対照的に20分物の単発作品ばかりに偏ったため(やくざ映画などの特定ジャンルが主体の実写のオリジナルビデオ映画(Vシネマ)は60分か90分で製作しているため良好)製作数が激減しておりほぼ没落傾向へと突き進んでいます(OADオリジナルアニメDVD・Blu-ray Discに至ってはかなり深刻)。よって、OVAがなくならないという保証はもうないと思う。

KADOKAWA会長逮捕
東京オリンピック汚職事件で、KADOKAWAの社員2人が逮捕され、遂に角川歴彦会長までも逮捕されました。KADOKAWAは、絶望先生やのんのんびよりなどの付録oadの会社でもありましたね。
角川会長は2012年付の著作権法改正を行わせた発起人の一人でもあったそうです。
KADOKAWA会長逮捕を受け、円盤ビジネスの団体である日本映像ソフト協会(JVA)はどう思うのかな。
のんのんびよりoad最終巻リリースの年にKADOKAWA会長逮捕とは、何かの伏線を感じますね。
朝日新聞の記事より引用
東京五輪・パラリンピックをめぐる汚職事件で、東京地検特捜部は14日午後、大会スポンサーだった出版大手「KADOKAWA」の会長・角川歴彦(つぐひこ)容疑者(79)を贈賄容疑で逮捕した。事件はKADOKAWAトップの逮捕にまで発展した。
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