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福井を愛するがゆえに、地域や身の回りのいろんなことに勝手にコメントしています。

はじめに

福井を中心に、地域や身の回りのことに勝手にコメントしています。話題はいろいろですが、基本は福井への愛です。福井とあまり関係ない話もありますが、それは福井人としての視点ということでご了承ください。 なお、当然ですが、このブログの内容については、stanzaが所属する組織(公表していませんが)の考え方とは無関係です。 ブログランキング参加中=いいね!と思っていただけたらクリックをお願いします

東京都知事選の争点と脱原発

2014-01-26 | 政治・行政

東京都の知事選が始まった。このブログは政治色はなるべく出さないことにしているのでだれかを応援するようなことはしないが、気になるのはその「争点」である。なぜか、原発あるいは脱・原発が争点になっている。東京にはもちろん原発はない。東京にもあってもかまわないと思うが、実際にはない。それなのに、原発が争点になっている。不思議な話だが、単に聞こえのいい、ウケそうな話を争点にしただけのことだろう。

確かに東京電力は東京にあって、都も株主、それも大株主になっているのだろうが、それは地方自治とはまた別の問題である。また、広くエネルギー問題が争点であると考えても、それは基本的には国の問題であって地方自治の問題ではない。東京に原発を新設するとか、既存の火力発電所を廃止するとかいうのなら東京という地方自治の問題で、それは東京都民の勝手であるが。

いずれにしても権限のない問題を争点にするのはおかしいのではないか。福井の知事や市長の選挙で、たとえば東京オリンピックの中止とか、リニア新幹線の早期実現とかが争点になっていたらどう見たっておかしいだろう。ちなみに、かつて世田谷区の区長も脱原発を唱えて当選したらしいが、世田谷区に何の権限があるのだろうか。区長として原発反対のデモに参加するのか、それとも川のある二子玉川に原発でも作るのか。

東京の知事だから国政も争点になると本気で考えているのだというのなら、それは東京の驕りにすぎない。そもそも国の原子力政策を受け入れてきた原発のある県やその住民に対してきわめて失礼である。票欲しさであっても、本気で東京の問題と解釈しているのであっても、安易に言っていただきたくはない。東京都民だけの意見で国政を決めてもらうわけにはいかない。

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地方公務員の給与引下げに思うこと

2013-02-02 | 政治・行政

国家公務員の給与が東日本大震災の関係で引き下げられたことに伴い、地方公務員の給与も引き下げるべきとの要求が高まっている。もちろん地方公務員法では、国や他の地方公共団体とのバランスは求められているが、地方公務員の給与は、国が決めるものではなく、人事委員会の答申に基づき、地方の条例で決めるべきものである。それに、すでに自主的な削減に踏み切っている団体も多い。

もともと今回の国家公務員給与の引き下げは合理的理由がない引き下げで、それ自体不合理なものであるが、そちらはとりあえず東日本大震災の復興費に充てるということでまだ大義名分はある。しかし、地方公務員の給与は何の関係もない。そこで、地方交付税を削り、引き下げを強要する強硬手段に出たのである。公務員バッシングの波にうまく乗ったわけであるが、東京都などは引き下げないと言っており、論理に無理がある。

それでも、こうした事情もあるので引き下げ自体が絶対いけないとは言わない。引き下げそのものよりも問題なのは、国が地方に言うことを聞かせたいときに、地方交付税という方法を使うことだ。地方交付税はもともと地方の財源を代わりに国が徴収しているだけなのに、あたかも国の固有のもののように取り扱い、国が地方をコントロールする道具にするという考え方は許せない。地方は国の従属物ではない。

ちなみに、地方公共団体といってもその給与水準はまちまちで、国より高い自治体もあるが、今や安い自治体がほとんどである。ラスパイレス指数というもので比較することになっているのだが、これがさすが官僚、うまく仕組まれていて、霞が関の官僚だけに支払われる18%という高率の地域手当が含まれず、また、国の方だけ局長など給料の高い職員が含まれないという巧妙な仕組みになっている。

県や市町村が給与を引き下げれば、たぶん関連団体にも引き下げが及ぶことになるだろう。地方の会社もこれに乗じて引き下げを画策するかもしれない。昔はA社(あるいはA役所)の方が給料が高いからうちもそれに合わせろというのが労働者の主張だったのに、今やA社(A役所)はうちより給料が高いからもっと安くしろという世論になってきている。足の引っ張り合いだ。不思議なことである。

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衆議院議員総選挙に思うこと~選挙事務について

2012-12-16 | 政治・行政

今日は、衆議院議員選挙の投票日であった。駆け引きのあげくの突然の解散宣言で衆議院議員選挙が急に決まって、年末近くの投票日となった。当の議員たちももちろん大変であろうが、選挙をやる方もかなり大変なようだ。選挙結果については執筆時点(投票締切り後)ではほぼ明らかになっているが、ここでは国や地方公共団体の選挙事務について書こうと思う。

国や県は啓発や取りまとめ・集計をするだけなのでまあいいとして、実際に選挙を実施するのは市町村である。市町村ではほぼ職員総動員らしく、市町村の職員に聞いてみると、忙しい中に選挙事務が上乗せされるということで、かなりのグチが聞こえてくる。そもそも国政選挙なのだから国がやるべきであって、当然のように県や市町村の職員を使うのはいかがなものかと思う。

市町村では、もちろん、前日までも期日前投票やリハーサルをはじめ、さまざまな業務があるのだが、当日は、朝早くから投票所に出向き、一日中投票所で仕事をした後、夜は開票所で深夜まで拘束されるらしい。しかも絶対に間違いが許されない仕事だから大変である。いろんな仕事があるが、入試と選挙は間違いが許されない代表格であろう。間違いがあっても金では解決できない。

それに、冬場の選挙業務は、何よりまず寒いだろう。自分の投票場所は、近くの小学校であるが、投票に行くだけでも寒い。暖房のない体育館に一日いる寒さはいかばかりかと思う。今日は、最高気温が10度を超え、冬にしてはまだましな気候だったとは思うが、それにしても早朝や夕方だと相当冷え込むだろう。職員はまだいいが、立会人は結構高齢のようで、大変である。

ところで、自分が行く投票所は市の中心部ではないので行くとたいていがらんとしており、スタッフは多いが投票する人はほとんどいない。みんなにじろじろ見られているようで落ち着かない。というか不正がないか確認しないといけないのだから実際に見ているのだろうが。今回のように4回(福井市は県議会議員の補欠選挙もあった。)も投票となるとなかなかややこしく、間違いも起きそうだ。

もっとも、それより、投票所では入場券さえ持っていけば本人確認をしないので他人の入場券でもたぶん投票が可能だと思う。よほどの田舎なら立会人に見破られるであろうが、普通はどこのだれかはわからないので、年齢と性別が合っていれば投票できるだろう。やはり免許証なので本人確認をした方がいいと思うのだが、選挙をやるスタッフの方はこれ以上勘弁してくれという感じだろうか。

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田中真紀子ちゃぶ台返し事件~ついに3大学認可へ

2012-11-07 | 政治・行政
緊急連載になってしまった。田中真紀子文部科学大臣が、来年度の開設を申請していた大学3校すべてを、大学設置審査会が開設妥当とする答申を出していたにもかかわらず、「不認可」とする決定をした問題である。今になって、いつのまにかあれは不認可ではなく、通知をしていないので保留だったみたいな話になっている。どうやら事務方の説明ミスにされてしまったらしい。自分も記者会見をネットで聞いたが、確かに「認めるわけにはいかない」と言っていた。断じて保留などではない。

法的手段も辞さないなどと追求されて、新基準で判断すると言っていたのに、政局上の問題なのか、突然全面撤回して認可にすると言っている。権限濫用もはなはだしい。人の迷惑など何も考えていない女である。「大学設置のあり方の見直しはかなりの方が賛成していると分かった。」のでもういいとのことだ。あきれてモノが言えない。自民党もまだ追及すると言っているし、頼むからなんとか辞めさせてほしい。

今後は、設置基準を見直すとのことであるが、設置基準をいくら厳しくしても放漫経営や教育水準の低下はなくならない。見直すべきは設置基準ではない。開学から4年後、第1期の入学生が卒業する年度を学年完成年度といって、文部科学省は、開学からその時点までは厳しくチェックをするが、その後は事実上放任状態であり、普通に運営していれば報告一つする必要がない。

4年間がまんすれば、教員が足りなかったり、学生が定員割れしていても特におとがめはなく、まあ、やりたい放題である。今ある大学に手をつけないで、新しく設置しようとする大学だけ厳しくしても、まったくもって無意味である。そもそも設置認可の際は、必要性やニーズ、学生の確保の見通しなどは今でも十分問われている。そのあたりのところを何も理解せずに、思いつきでコトを運ぶのでこんなことになるのだ。

ところであの女、常に注目を浴びていたいタイプなのか、無能で自己中な人間によくあるタイプである。もともとコメントにも値しない話であるし、このブログは大学ブログというわけでもないので、この辺で連載をやめることにしたい。

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続・大学設置不認可問題~田中大臣の暴挙に法的手段で対抗してほしい

2012-11-05 | 政治・行政
あまりに腹が立つので、続編を書いてみた。田中真紀子文部科学大臣が、来年度の開設を申請していた大学3校すべてを、大学設置審査会が開設妥当とする答申を出していたにもかかわらず、不認可とする決定をした問題である。徐々に世間にも問題の大きさが知られてきたようで、オープンキャンパスが中止になったとか、建物の建設工事をどうするとか、報道が続いている。

普通はこの段階まで来ると、新しく就任する教員は、現在所属する大学に退職願を出して(通常、最初のうちは所属大学には秘密にして引抜き交渉が行われる。)、新しい大学への転勤の準備を進めている。また、認可までは表向きの募集はできないが、募集要項などを用意して高校で受験者を募り、認可と同時に推薦入試をスタートできるよう準備している。

自民党が国会で追及するということで楽しみにしているのだが、それはそれとして、3大学は、田中大臣と面談を希望する一方で、法的手段も辞さないという勢いである。おもしろいことになってきたので、法的手段について考えてみた。

まずは、行政処分であるので、不服申立て(この場合は上級庁がないので異議申立てとなる。)ができるのだが、よく調べてみると、なんと学校教育法に「文部科学大臣がした大学又は高等専門学校の設置の認可に関する処分については、行政不服審査法 による不服申立てをすることができない。」との規定がある。なぜか異議申立てはできないのだ。ひどい話である。

ただし、調べた範囲では、行政事件訴訟法の除外規定はないようなので、抗告訴訟(違法な不認可処分の取消し)が提起できると思う。これで裁判所から判決をもらえば、文部科学省は認可をせざるを得なくなるが、それでもしないときは認可を求める義務付け訴訟をすればよい。重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、処分の執行停止も認められる。

裁判にはある程度時間がかかるので、来年度の開学には間に合わなくなるかもしれない。そこで損害賠償の請求となる。国家賠償法で、「国又は公共団体の公権力の行使に当る公務員が、その職務を行うについて、故意又は過失によつて違法に他人に損害を加えたときは、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。」との規定があり、今回はまさにこれに該当する。損害額は1大学で少なくとも数億円にはなるだろう。

さらに、「前項の場合において、公務員に故意又は重大な過失があつたときは、国又は公共団体は、その公務員に対して求償権を有する。」との規定がある。どう見ても故意であるし、前回、国に対する住民訴訟はないと書いたが、この規定を使って、国は田中大臣個人に対し、損害賠償額を請求してほしいものだ。国会で辞任を要求されるかもしれないし、目が離せない。そもそもあの品のない女が教育行政を語るという時点で間違っているのだが。

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大学設置認めず~驚くべき大臣の無能っぷり

2012-11-02 | 政治・行政
田中真紀子文部科学大臣が、来年度の開設を申請していた大学3校すべてを、大学設置審査会が開設妥当とする答申を出していたにもかかわらず、不認可とする決定をしたらしい。公立大学も1校含まれている。大学設置の申請内容にはまったく問題がないが、設置認可のあり方を抜本的に見直す必要があるという理由で不認可になったらしい。とばっちりにあった大学は泣くに泣けない。

公立大学で言えば、一般的に大学の開設に至るためには、その準備段階で、地域のニーズを踏まえ、合意形成を図った上で、学長候補者、担当教員の確保や施設・設備の整備、認可申請書の作成などに多額の経費とマンパワーがかかっている。教員の就任承諾書や施設整備の計画書がないと申請を受け付けてもらえないのだ。そのために、文部科学省への事前相談制度があり、素案の段階から調整を行いながら準備を進めていくのである。

設置審査会の委員構成が気に入らないとか、大学の質が低下しているとかが理由に挙げられているが、そんなことは設置申請を受け付けるまでに考えておくことで、申請をした大学とは関係がない。当該大学は審査会が通ったことで祝杯をあげていただろうに、突然の不認可の連絡でどう対応していいか苦慮しているだろう。来年度から採用予定の教員や事務職員は職を失うことになってしまうし、施設整備なども無駄になってしまう。損害は計り知れない。

それにしても、論旨が支離滅裂である。民主党政権下の思い付き行政(というか政治だが)にはあきれてモノも言えないが、つくづく無能な人たちが権力を握る国は恐ろしい。行政手続も何も知らない大臣に国の役人も困りきっているだろう。だれか止めることはできなかったのか。単なるパフォーマンスがしたいだけなのか、自分の行為に起因する影響を推測することができないのか、いずれにしてもその精神構造はとうてい理解することができない。

今回不認可となった大学には、国に行政訴訟でも損害賠償請求訴訟でも何でもしてがんばってほしい。こういう理由で不認可にすればたぶん国は負けると思う。地方自治体のような住民訴訟の制度があると、大臣個人の損害賠償責任を問えて、国が損害賠償した額を大臣個人が国に支払うことになる。そうなると少しはこうしたばかげた行為の抑制になるのだが。

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選挙と公務員の政治活動

2012-02-07 | 政治・行政

普天間飛行場のある沖縄県の宜野湾市長選をめぐり、防衛省沖縄防衛局長が、関係部局にメールで照会して宜野湾市に住む職員と親族に関するリストを作り、市長選への投票を呼びかけていたことが問題になっている。またまた沖縄防衛局かという感じである。

局長は、職員に対し、「講話」を行ったようで、「私は職員に、特定の候補者に投票しなさいと言える立場ではありません。」と断った上で、候補者の2人の主張の違いを紹介し、重要な選挙であり、ぜひ投票に行くよう述べたそうだ。

この講話の内容については、公職選挙法の地位利用はもちろん、国家公務員法や自衛隊法の政治的行為の制限に微妙に触れないようにし、かつ、特定の候補者への投票の誘導を想起させて意図した効果を上げられるよう、なかなか周到に計算されている。発言内容は頭のいい官僚が考え、組織的に十分検討されたことであろう。

局長の弁解のように、公平な立場で単純に投票に行くよう呼びかけるために職員を集めて局長が講話をすることは、組織として100%ないと断言できる。何かの都合で本当にそのような周知を行う必要があったとしたら、総務課あたりから、投票に行きましょうという、通りいっぺんの通知が出されるだけである。

一方で、wedgeの報道によると、今回、宜野湾市の職員労働組合においても、特定の候補者(どうみても防衛局長が示唆する候補者とは別の候補者)を支持するチラシや支持者カードの配布・回収などが公務員の手により日常的に勤務時間中に行われているそうだ。

これは、役所の友人から聞いた話とも合致しており、労組の政治活動はどうやら日常茶飯事らしい。特に、日教組など、教員系の組合で多いようだ。民主党も、最初は息巻いていたのに、局長の行為は法令違反ではないなどと軌道修正してきているが、支持団体である労組の方に波及するとまずいので、ひとまず追求をあきらめたのではないだろうか。

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環境影響評価書の「受理」とは

2012-01-07 | 政治・行政

昨年12月28日、防衛省の職員が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古への移設に向けた環境影響評価書を入れたダンボール箱(箱には差出人もあて先も書いてないようだ。)を、午前4時に沖縄県庁の守衛室に運び入れたそうである。前日の運送業者による搬入を住民団体に妨害されたからではあるが、まあ、姑息な話である。

ここでは、普天間飛行場の移転問題について触れるつもりはないが、この評価書、沖縄県は、正月明けの1月4日に開封し、形式審査を経て1月5日に「受理」することを決定し、12月28日付で「受理」したと発表した。ちょっと変な話である。当然ながら、実際に「受理」した日(1月5日)が受理日であり、まだ受理していない日にさかのぼって受理するというのはどういうロジックなのだろう。

そもそも、行政手続法(国や地方公共団体相手には適用がないが考え方の参考に)では、「受理」という概念はなく、到達したら遅滞なく審査を開始しなければならないとされているが。しいて言えば、審査をして形式的な要件を満たしていると判断されたときが「受理」であり、受理日は1月5日、到達日(受領日)は12月28日とすることが正しいのだろう。

本来ならば大勢に影響はないのだが、4月1日から法令が改正され、知事の意見書提出期限の90日の起算日がいつになるかで新旧法令の適用が異なってくるため、大きな問題となっている。行政手続法の考え方や環境影響評価法の書きぶりなどからは、到達日を起算日にするのが正しいように思われるが、受理日を起算日とすべきとの考えもあり、今回は部数も不足していることもあって、問題がより複雑になっている。

また、別の問題だが、これ以前の12月27日に、「宅配業者」のトラックが評価書を運び込もうとして、住民団体に妨害されたようである。未遂?ではあるものの「信書」は郵便でしか送れず、宅配便などでは送れないはずだが、これは「信書」ではないのだろうか。

信書とは、郵便法で、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」となっており、日本郵政のホームページに照らしてみても(彼らはダイレクトメールなども信書だと主張している。)信書になるはずで、政府は郵便法違反であると思う。これが認められるのならば(国がやっているのだからいいのだろう。)、これまで高くつくのにわざわざ郵便で送っていた書類なども安い宅配便やメール便で可能になるのだが。

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国の当初予算案発表でまったく違うことを思ってみると

2011-12-25 | 政治・行政

国の平成24年度政府予算案が発表された。予算の中身については、やはり民主党だけあって、これで日本がよくなるとは思えない怪しいものであるが、それを論じる意見はほかにたくさんあると思うので、その報道の仕方でちょっと気がついたことを書いてみたい。

問題だと思うのは、福井新聞に掲載された予算の説明である。電子版の産経新聞にも同じ図が載っていたので、共同かどこかの配信と思われる。国債=ローンの返済など、国家予算を家庭の予算に例えるありがちなものだが、地方交付税のところが、「地方の子どもへの仕送り」となっている。

ちょっと待ってほしい。地方の子ども(?)への仕送りは親が親の負担でするものであるが、地方交付税は国の金ではない。地方交付税は都市と地方の財源の偏在を調整するためのもので、地方公共団体の固有かつ共有の財源であり、国が地方公共団体に代わって便宜的に一括徴収し、その分が地方に交付されているだけである。

もともと国と地方の支出割合が2対3であるのに対し、租税収入全体の中における国税と地方税の比率は制度的に3対2となっているため、それを適切に補正しようとするためのものであり、国にお願いしていただくものではない。強いて家庭の予算に例えるなら「地方の家族への預かり金の返済」である。よくわからないか。

ともかく、報道機関がこういう感覚でいるから、知事に上から目線で対応して暴言を吐くバカな大臣や、国の職員は県や市町村の職員より偉いと思っている困った役人が現れるのである。

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国家公務員の給与引き下げの違憲性

2011-11-02 | 政治・行政

国家公務員の給与について、民主党はやはり人事院勧告を無視して引き下げるつもりらしい。国家公務員給与が妥当かどうかは別として、法治国家の根幹を揺るがす事態であるが、総理大臣は国会で憲法違反ではないと答弁している。「人事院勧告を内包している」という説明の意味がわからないが、人事院勧告とはまったく趣旨も金額も違い、かなりの強引さである。

自分は国家公務員や労働組合を擁護する気はまったくなく、特に地方の国家公務員の働きぶりを見ているとなおさらであるが、憲法では「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する。」とされており、公務員だけそれを制限(できるかどうかも疑わしいが)するためにはそれなりの代償措置が必要である。明らかに憲法違反であり、訴訟になれば国が敗訴すると思う。そうなったら巨額の追加支給が発生してしまう。

それだけなら国の問題だが、民主党の前原氏は、地方公務員の人件費についても削減を求めると言っているらしい。地方公務員の人件費に国がコミットすること自体おかしいと思うが、地方公務員の給与(被災地は除く。)と災害復興とはどんな関係があるというのだろうか。そもそも、総務省の発表によると、すでに6割の地方自治体が独自の給料削減措置を行っており、すでに10%以上の削減をしている県もある。地方公務員の給料の方が削減が進んでいるのだ。

民主党はその分の地方交付税を減らすとも言っているが、仮にそうすることができたとしても自治体に人件費の削減を強制する根拠は何もない。国と地方は対等であり、いい加減、地方への上から目線をやめてほしい。仮に訴訟になれば自治体自らが被告となるし、それに、災害復興との関連がないので国より地方の方がより敗訴可能性が高い。従わない自治体も多いだろう。交付税の不交付団体には関係ないし。

東日本大震災の被災地の復興のためには、国民が等しくその資産や所得に応じて負担をするべきであって、公務員が「率先して」行うのはいいと思うが、公務員バッシングの流れを利用して何の責任もない公務員に押し付けるのはおかしいと思う。そもそも国会議員の歳費も半年間だけ減額したが、ちゃあんと元の額に戻っているのである。ただし、公務員の給料と働きぶりが見合っているかどうかは別の問題であり、それについてはまたあらためて。

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