ドラゴン事件で書くのが遅くなってしまったが、今年の「路線価」が発表になった。「路線価」とは、道路に面する標準的な宅地の1平方メートル当たりの価格をいい、宅地の評価額の基準となるもののようだ。
北陸3県の最高路線価は、石川が金沢駅東広場通りで48万円(平方メートル当たり)。富山は富山駅前広場通りで43万円。これに対し、福井は福井駅前電車通りで29万円。金沢の6割、富山の3分の2の価値だ。ついでに言うと、金沢、富山は、繁華街が駅前以外のところにあり、評価が分散していると言える。
金沢に負けるのは仕方がないと思う。問題は富山である。富山とそんなに差があるとは思えないので、過去からの変化を調べてみた。そうすると、10年前は、金沢が89万円、富山が74万円であるのに対し、福井は67万円で、金沢の4分の3、富山の9割である。少なくとも富山とは今ほど差がなかったのに、どんどん引き離されていっている。
路線価だけがすべてではないが、なんで福井はこんなになってしまったのだろう。富山と福井は現状で東京までは同じぐらいの時間距離だが、富山には空港がある反面、福井は京阪神や中京にはかなり近く、地理的にはほぼ同等かむしろ優っている。自然環境もあまり変わらない。
そうすると、やはり街の発展が鍵だろうか。北陸新幹線については言わずもがなと思うが、富山にはシティホテル(ANAクラウンプラザ+いちおう東急も)や「マリエとやま」と「総曲輪フェリオ」という再開発ビルもあり、たくさんのテナントがはいっている。高岡には巨大なイオンモールもある。行政だけの責任とは思わないが、これらすべて、シティホテルも再開発もショッピングモールも福井ではすべて失敗であった。そして、今もまだ福井駅前がどうなるか決まらないのだ。悲しいことである。(図は筆者作成)
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