経済対策により高速道路の料金が休日1000円となって、個人的には喜ばしいことである。
考えてみると、従来、行政が施策を立案するときには、その実施によって国民や県民の間で大きな不公平が生じないということを念頭に行われてきたと思う。これは法の下の平等ということを持ち出すまでもなく税金を使う以上当然のことであろう。
そういう意味では、この施策はバランスを欠いていることは確かである。
都市部の問題やETCの問題など、高速料金の中だけでもバランスの問題は多く指摘されている。
それはそれとして、高速料金の値下げにより、宿泊や外食など、関連して潤う業界ももちろんあるが、逆にダメージを受ける業界も多い。
自家用車での旅行は増えるものの、旅行のニーズは無限ではないので、当然、異なる交通手段、すなわち鉄道や航空、バス、船などの利用者は減少する。
JR西日本などは、対抗して特急乗り放題(極めて格安である。)のパスを出しているし、フェリーなど値下げしたところもあるが、もちろんこれらはそれぞれの事業者負担で行われている。それより、こうしたことをやりたくてもできない事業者も多いと思う。
経済対策をするのはいいが、こうした負の相関となる業界への配慮も必要であろう。例えば、鉄道やバス、飛行機の半額利用券を交付するなどはできないだろうか。事業者にも一部負担を求めてもいいと思う。
制度設計や事務手続がなかなか難しいと思うが、最近の経済対策を見ていると何でもアリで、定額給付金やエコポイント制ができるのだから、やればできるものだ。