第150回記事(2013年6月17日(月)発行)
バランス・スコアカードの本の紹介も今回が5冊目になります。
今回の櫻井先生の本は約500ページもある大作です。
櫻井先生はキャプラン先生ノートン先生の著作の翻訳に関わられており、
私が知りたかったことに関して、細かな点まで記載があり、
大変参考になりました。
タイトル
[戦略的マネジメント・システム]
バランススコアカード
理論とケーススタディ
著者
櫻井通晴(城西国際大学客員教授。専修大学名誉教授。)
(上記は現在の調査結果で、既に本は手元にありませんが、出版時は専修大学教授をされていたように思います。)
出版社
同文館出版
定価
4500円(当時)
おすすめ度
内容は大変重いです。ただし、櫻井先生は日本でのBSCの研究の第一人者で、内容を読み解ければ役に立つ部分は多いと思います。読み込まれることを条件に、5段階中4.5。
また、日本的経営の問題点とその解決の方向性についてもかかれており、参考になると思います。
おすすめポイント
この大作の本を読ませていただいた理由・目的は、
BSCと経営品質の関係
について知りたいと思ったからなのですが、読み進むにつれて
日本的経営への失望を感じ
読破する気持ちが次第次第に薄れてしまいました。
その理由は、この本は2004年ぐらいに書かれている筈ですが、日本的な経営の欠点として、
戦略の欠如
あいまいな業績評価
(製品自体の)クオリティ至上主義
などがありました。しかし、約10年を経過してもそれが直っていない、修正できていないため、日本経済の停滞・後退を招き、中国・韓国企業の追い上げを受け、具体的にはシャープ社やパナソニック社などの経営問題を引き起こしているように思えてなりません。残念です。
以上の点を認識(むしろ再認識)されたい方にはお薦めです。
本の内容については、他の本ではあまり記載されていない
バランス・スコアカード導入の留意点
バランス・スコアカードとEVA、ABCとの統合
企業価値創造のシステム
経営品質の向上
についても詳しく書かれています。
特に私が参考になった点を2点挙げておきます。
①BSCは戦略の策定と実行のシステム、業績の評価システムとして認識がされていますが、そのほかに「企業価値創造の経営システム」としての認識が必要です。他の先生の本にはこの点の記載は無かったと思います。
②経営品質・TQMを実施している企業は
戦術的で、
内部プロセスの改善や既存の業務プロセスの改善が中心で、
資源配分に戦略的な優先順位が付けられていない、
点に関して、BSCを一緒に実行することで改善できる可能性があり、より大きな効果を発揮できると書かれています。BSCとの両立と補完が可能との事です。この内容も他の本にきさいされている方は無かったと思います。
これらの2点は読まれたら参考になると思います。
外観
現在無し
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