三ツ谷洋子のスポーツ21・ブログ

Jリーグ開幕前から理事として17年間かかわったスポーツビジネスコンサルタントの三ッ谷洋子が日々の話題を取り上げます。

ワールドカップのチケット騒動

2006年06月02日 | 2006年
サッカー・ワールドカップのチケット騒動と聞いて、
8年前のフランス大会の悪夢を思い出しました。

私はJリーグ役員の応援ツアーに参加することにしていたのですが、
その日程にあわせて「試合観戦とスタジアム視察ツアー」を企画しました。
ちょうど、4年後の日韓大会で試合を招致していた各自治体が
スタジアムの建設計画が進めていたからです。

オリンピックが開催されるたびに、大会後の施設利用が問題になっていました。
ワールドカップで使用されるスタジアムにも
同様の運命が待ち受けていることは明らかでした。

ならば建設前に大会後の利用も想定して施設計画を作ればいいいのです。
その際、地域に溶け込んだヨーロッパのスタジアムのあり方は、
日本にも必ず役立つものです。

6月13日から始まる大会日程にあわせて、
T旅行社と相談して日程を練りました。
1カ月ほど前に「まだチケットが来ないんですよ」と心配顔だった担当者に、
私は「大丈夫ですよ」と楽観的に答えていました。

しかし、それから何日待ってもチケットは届きません。
当社のツアーにはすでに3人ほどの申込がありました。
少人数でジックリ視察することを考えていたので
ちょうどよい人数と踏んでいました。

大会まで指折り数えられるころになると、
あちこちの旅行社から「チケットが来ない」と悲鳴が聞こえてきました。
日本サッカー協会はFIFAの公認旅行代理店に人を派遣して
チケット送付の準備状況を確かめることもしていました。

「日本人向けのチケットに名前を刻印しているので、時間がかかっている」
などという理由も聞かされました。
出発3日前。T旅行社から「チケットは取れません」と最終的な返事が入りました。

ツアーの実施か否かを検討した結果、実施することにしました。
試合応援をプログラムから抜いてツアー料金を見直しました。
その結果、H社のFさんが参加希望の返事をしてきました。
ビジネスとしては成り立ちませんが、
スポーツ施設の視察は私ひとりでも実施したかったことです。

現地では、Jリーグの理事として試合を応援し、
試合の合間は、当社企画のツアー添乗員として仕事をしました。
オランダの「アムステルダム・アリーナ」。
開閉できない透明の屋根で覆った屋根付きスタジアムです。
驚くべきことに高速道路の上に建設されていました。

自動車レースが行なわれるモナコグランプリの街には
ビルの屋上に1万5千人収用のスタジアムがありました。
「ルイ二世スタジアム」です。
ビルの下階は体育館やプールがあり、近所の学校の生徒が利用しています。
スタジアムを都会のビルの屋上に造るという発想に驚かされました。

風邪を引いて声も出ないという最悪の体調。
知らない外国の地で、お客様を連れて歩くという難しい仕事。
それでも予定どおりのツアーを遂行でき、
視察したスポーツ施設は十二分に私の期待に応えてくれるものでした。

今年のドイツ大会では当社独自のツアーはありません。
それでも試合の応援だけでなく、
プラスアルファの収穫を得られないかと、テーマを思案中です。

株式会社スポーツ21エンタープライズ】 
  代表取締役 三ッ谷洋子
  スポーツビジネスコンサルタント
  スポーツプロデューサー
http://www.sports-21.com 
コメント
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