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書籍「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 /佐々木 健一 著」辞書にも人格?あり

2014-06-30 19:09:40 | 読書の時間
書籍「辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 /佐々木 健一 著」★★★☆佐々木 健一 著 ,
文藝春秋、2014/2/12
(347ページ , 1.944円)


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「一冊の辞書(『明解国語辞典』)を
ともに作ってきた二人はなぜ決別したのか?
なぜ一冊の辞書が二つに分かれたのか?
―昭和辞書史最大の謎がいま、解き明かされる。
NHKで放映された
傑作ノンフィクション(ATP賞最優秀賞)。
ディレクターが番組では割愛したエピソード、
取材秘話、放映後に明らかになった
新事実などを盛り込んで、
書き下ろした傑作ノンフィクション」



『舟を編む』(三浦しをん著)は本も
映画も良い出来で面白かった。
以下、過去記事へジャンプします。
『舟を編む』(三浦しをん著)
映画「舟を編む」仕事に何を求めるのか
2013年04月27日(土)


書籍「舟を編む」好きこそものの上手なれ
2012年02月13日(月)



なのでこの本のことを知ると
すぐに買って読み始めた、
300ページを超える大作だ、
まだ読んでいない時も
その厚さがまずは嬉しかったりする



ケンボー先生と山田先生は
東大の同級生であり
ケンボー先生が始めた辞書造りに
誘われる形で山田先生も参加し、
『明解国語辞典』を作り上げた、
当時はケンボー先生が主幹であり
山田先生はサポート役だった。


それが色々あって
二人は別々の辞書を作り始め
『三省堂国語辞典』と『新明解国語辞典』は、
両方合わせて累計三千万部の
国民的ベストセラーとなっている。


この辞書に出てくる「語釈」には
辞書には不適格もしくは
何故こんな事が書かれているのか?
そんなものが出てくると言い、
それらの「謎」を解明していきながら
二人が袂を別った経緯を綴っている。


辞書に生涯を懸ける、
これは「舟を編む」で読みながらも
なかなか出来る事じゃないなと
その膨大な仕事にただただ、圧倒された。



この本はそんな辞書作りに
まさにのめり込み
「天職」として
生涯をかけて新しい言葉の載った
辞書を作った人達の物語だ。


それ自体は途方もなく
でも人間の果てしない可能性を見せてくれて
なんか力が湧いてくる感じだが

この本はそんな情熱より
ふたりの男のそれぞれの想いと
すれ違った経緯を
色んな角度から解明しようとしている。

きっとTV番組としては面白かったと思う、
お互いの考えを
それぞれの視点で交互に映していけば
スリリングであり
そして明快で
所々の彼らの心情の吐露など
見どころの多い番組になったと思う。



じゃあ、この本はだどうだったかと言うと
347ページを費やして
言葉を重ねても
本から立ちあがってくる
彼らの心情は、どうにも明確には
伝わらなかった。


映画やTVドラマで言えば
同じシーンの繰り返しを
言葉を変えて語られるわけで
そのあたりは文章の稚拙さがもどかしい、
スリリングなシーンが台無しだ。

ただし事実として
辞書と言う、およそ堅いものという
認識くらいしかないものが
やはり人間の手で作られている以上
彼らの想いが
詰まっているという事実は
胸に響いた、
仕事を自分の使命として
全うするという
何とも羨ましい二人の先生の生きざまは
やはり何をおいても感動する。

だからこそ本の出来として
物足りなかったな、
映像で見てみたいものだ。


★100点満点で70点

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