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読書と旅行と柴犬のブログ
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書籍「デパートへ行こう」今どきデパートって言われてもねぇ

2010-08-27 00:09:48 | 読書の時間
書籍「デパートへ行こう」★★★
真保祐一 著、講談社
(1,680円、378ページ )



                    →  ★映画のブログ★
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「買ってから半年以上経って
やっと読み終えた本、
この本も以前「週間ブックレビュー」で紹介されていて
買ってそのまま積んでいた、
まず、タイトルが良い、
普段あまり行かないデパートへ
行きたくなるのかどうか、そんな感じで読み始めた」



デパート、そこは
フロアごとにまったく違う商品が
それこそギッシリ詰まった場所、
様々な思惑がそこにもあるのだろう。
著者がそんな場所をどうストーリーに取り込むのか。

舞台は夜のデパート、
最初に登場するのはそのデパートで働いている女性、

彼女は復讐を果たすためなのか、どうか、
宝飾品のフロアに向かって
明かりの消えたデパートを移動する。

そして同じ日の同じ時刻、
別のフロアでは家出もどきのカップルや
死を覚悟したホームレス、
ピストルを持った男などが
各階をそれぞれの思惑で動いていた、
さらにそこに創業者一族の新しい社長も加わり、
どうやら長い夜になりそうだ。


映画の群像劇のように
少しづつ彼らの人となりが描かれ
どうして、この夜、この場所だったのか
だんだん分かってくる。

もたついたところもなく、
スッと読めるので
同時刻に起こる複数の人々の行動が
クリアに頭の中で像を結ぶ。



デパートへ行く人って
限られているように感じる、
現代の傾向を言い当てるキーワードは
「安くて、良いもの」
本当はそれは矛盾している、

けれど幻想かもしれなくても
多くの人はそれを常に求めているのだ。
安売りの消耗戦は現実に続いている。

サービスというものに
過剰な価値は見出せない時代だ、
社員の教育より、短期的なパートの
安い労働力を求め、
買う方も売る方も
何を欲し、どこを目指しているのか。

ラストに向かって、
それぞれの思惑が交錯し
ラストには明るい希望も見えた。

でもこのデパートは合併後に
実質つぶれてしまうのだろうな、
それが現実、
それを嘆いても仕方ない、
その後は気になるが
このままが幸せなのかもしれない。

★100点満点で70点

soramove
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真保祐一

1961年、東京生まれ。アニメーション・ディレクターを経て、1991年「連鎖」で江戸川乱歩賞を受賞して、作家デビュー。 1996年、『ホワイトアウト』で吉川英治文学新人賞を、1997 年、『奪取』で山本周五郎賞と日本推理作家協会賞長編部門をダブル受賞。また、『灰色の北壁』で新田次郎賞を受賞。ミステリー、冒険小説を中心に、近年は時代小説のジャンルにも進出し、エンターテインメント小説の最前線にいる作家。

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