料亭 大宮 一の家
さいたま市大宮区高鼻町2-276 (大宮氷川神社横)
TEL 048-644-0165 (代)
定休日 月曜日
JR大宮駅より徒歩17~18分、氷川の緑に囲まれた静かな環境で
明治18年創業した大宮で代表的な料亭だ。
一の家さんの創業時代の話が先日放送されたNHKの「ブラタモリ 大宮」で
紹介された。今や大宮駅は全国でも屈指のターミナル駅に
なっているが、鉄道の街大宮の駅開業は周辺他市(浦和駅 上尾駅など)より
遅れていた。その当時の地元有力者が大宮駅設置運動の
一環として氷川神社周辺の大リゾート開発プロジェクトを行なった。
そして多くの料亭ができたその1つが「一の家」だという
物語を紹介していた。この話は知らなかった。
周辺の環境にマッチした2階建ての歴史を感じさせる粋な数寄屋造り。
とてもシックで趣きのある素晴らしい木造建築物だ。路地行灯の灯りに
導かれて渡る漆黒の玄昌石の回廊。全て畳敷きの廊下。
当店はドラマ「とげ」ドラマ「レディ・ダ・ヴィンチの診断」など
度々テレビドラマのロケにも使われている。
老舗の味を心にこめておもてなし。伝統と洗練された季節の味を
選び抜かれた器と歴史ある数寄屋造りのお座敷で細やかな
心配りをもって出迎えてくれる。そんな名料亭だ。
平成10年には天皇陛下も来られている。又他の皇族の方々も
何人も来訪している写真が飾られていた。
大宮公園内に点々とあった料亭には多くの文人、有名人が
長期滞在していた。その当時の大宮は人気リゾートとして
東京方面から多くの人々が行楽で来たと「ブタタモリ」で紹介していた。
文豪としては夏目漱石、正岡子規、樋口一葉、永井荷風、
高浜虚子、田山花袋そして森鴎外などがいた。
その中でも森鴎外はこの地で小説「青年」を書いた。
その文章の一節が壁に飾ってあった。
それではこの日出された懐石料理をアップします。おそらくこのコースは
雅15,000円で4つのコース(花7,500円、月10,000円、雪13,000円)
の中で一番高級なコースだ。因みに昼間は茶屋御膳3,000円から
小懐石6,000円まで5コースある。他に季節限定としてふぐ料理、
スッポン料理なども食せる。
前八寸 玉蜀黍冷やし(雲丹 星オクラ 山葵)
アスパラ豆腐、ほおずき玉子、牛タン葱味噌、稚鮎唐揚げ、
姫栄螺煮凝り、うちわの上に盛られていて季節感を感じさせる。
煮物椀 清汁仕立 牡丹鱧、蛇の目瓜 じゅんさい 椎茸、(口)青柚子 梅肉
造り 鱸洗い、鮪、あおり烏賊松笠造り、花穂、紫芽 山葵 酢味噌
炊き合せ のどぐろ煮付け、里芋白煮、オクラ。これは絶品でした。
焼き物 鮎塩焼き、九十レモン煮、はじかみ、蓼酢
強肴 和牛サーロインのたたき
食事 鴨川そうめん 茗荷大葉、葱、生姜
水物 季節のデザート
この料亭の料理のレベルはかなり高い。最近は料亭というと
外の仕出し屋に外注する所が多いが、ここは自前の料理長を使っているのだろう。
全館和の心、県下の初の掘り炬燵式大広間、髙楽座卓座、
椅子対応の個室などがあり、女性や外国の方に快適と好評だとか。
席は2人から60名まで利用でき、隠れ部屋みたいな部屋もあるみたいだ。