1738年にバシリカの設計により建造されたスターブ教会(樽板教会)。
ノルウェーに既存する28のスターブ教会の中で
最も保存状態が良い教会だ。右側の真っ黒い教会がそうで
山の中で突然現れて異様な教会にびっくりした。
日本のお寺と言えば墓というように西洋では教会と言えば墓地。
プロテスタントの墓は火葬で埋葬するそうだ。
教会をじっと見ていると宮崎駿のアニメ「ハウルの動く城」のようだ。
スターブ教会はソグン型と呼ばれ3重の身廊を持っている。
1180年~1250年の間のいずれかの年に建設され、
後に増築、修復が行なわれてきた。
12C~14Cにはこの様な教会が約1000棟もあったと言われている。
スターブとはノルウェ―語で垂直に立った支柱という意味で、
壁は垂直方向に並べた木の板。それぞれの樽板には
側面に溝と刻みが施されている。素材は松の木で
一切くぎを使っていない。屋根はウロコ状に成っており
松ヤニを塗って防腐剤としている。
切妻屋根の上に4つ、竜頭の彫刻が設置されている。
これは魔除けで古代スカンジナビアのバイキング、
ロングシップ船首にあった竜頭彫刻を思い起こさせる。
スターブ教会はバイキングが信仰していたオーディンを
主神とする北欧神話からキリスト教に帰依していった時代のもので
キリスト教とバイキング文化が癒合しているのが特徴だ。
隣りに建っているこの建物も屋根に十字架がついているので
教会の付属施設だろう。
真っ黒のスターブ教会の隣りには赤色ベースの
新しい教会があり、コラボしている。
教会の中に入るには有料で、立っている若い男性が管理していた。
見学時間の制約もあり、中には入らなかった。
もう二度と来ないかもしれないので、
今思うと入っておけば良かったと若干悔いている。
見学を経て戻る帰り道の風景。人里離れた山の中に
昔の人はよくぞこんな教会を建てたものだ。
真ん中には見えるのがビジターセンター。
ビジターセンターでは2人のカーペンターがウッドデッキを
張る作業をしていたのでパチリ。
このセンターの中には博物館 カフェ、お土産店が入っているとか。
1995年から建設が始まり2000年に開業オープンした自動車用
トンネルとして世界一長いトンネルのランダールトンネル。
24.5㎞ある。因みに第2は日本の山手トンネル18.2㎞。
このトンネルはノルウェー西部ランダールとアウルランを
結ぶトンネルで、あまりに長いため、運転者が眠ったりしないように
数ヶ所ブルーの照明にしたりと美しい内装にしている。
又中央線をタイヤが踏むと大きな音が立つなど様々な工夫も凝らされている。