思惟石

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『カラー版 名画を見る眼Ⅱ』 シャガールみたいな青い夜〜

2024-01-19 15:19:35 | 日記
『カラー版 名画を見る眼Ⅱ
──印象派からピカソまで』
高階秀爾


カラー画たっぷり、とってもお買い得な新書
カラー版 名画を見る眼』の第2巻。

副題の通り、印象派からピカソまで。
めちゃくちゃ幅広い画風の作品が収録されていますが、
どれもこれもたった数十年のうちの近接した作品なのです。
そしてほとんど全員が、期間の差こそあれ
パリに集っていた。
すごい時代と、すごいパリ笑

特に前半は、1890年前後のパリで描かれた作品が多い印象。
1910年、すでに画家として独り立ちしていたシャガールも
パリに来た。
「当時芸術の太陽はパリにしか輝いていなかった」
「自分にはパリが必要だということをはっきり知っていた」

という回想こそ、まさにその時代の空気を捉えている気がします。

印象派の色彩分割についてなどは、
安定のわかりやすさで大変勉強になります!
(先生ありがとう)

印象派が人物をどう捉えるかの分岐点で、
モネ(光と風景に人物は溶けていく)と
ルノワールが対比的に登場しているのも良かった。
ルノワール絵画の、印象派・アングル(描線が硬い)時代を経て
生命力溢れる「触りたくなる」人物への昇華。
どちらが優れてるとかではないですが、おもしろいですね。
(個人的にはルノアール派)

ゴッホやスーラも印象派の影響を受けた時期があり、
その後に自分の画法を極めたみたいです。
なんというか、
「逆に印象派ってすごくないか!?」と思う。

学生の頃は「印象派ってぼやけてるな」と思ってたけど。
(難易度高めのジグソーパズルにハマった時期に
モネ『日の出』の2000ピースパズルを買いました。
涙が出るほど難しかった…)

あとモンドリアン=バウハウスで記憶していたのですが、
モンドリアンはバウハウスに参加していたわけではないようです。
いつも通りですが、記憶が混戦していたぜ…。

収録作は以下。

モネ「パラソルをさす女」1886
ルノワール「ピアノの前の少女たち」1892
セザンヌ「温室のなかのセザンヌ夫人」1891
ヴァン・ゴッホ「アルルの寝室」1888
ゴーギャン「イア・オラナ・マリア」1891
スーラ「グランド・ジャット島の夏の日曜日の午後」1884
ロートレック「ムーラン・ルージュのポスター」1891
ルソー「眠るジプシー女」1897
ムンク「叫び」1893
(怖さで言ったら「思春期」の方が怖いよね。
 と思ったら『怖い絵』ではそちらがセレクトされていた)
マティス「大きな赤い室内」1948
ピカソ「アヴィニョンの娘たち」1907
(フランスの教皇庁「アヴィニヨン虜囚」を思い出す。
 が、こちらはバルセロナの娼婦街の名前だそうです)
シャガール「私と村」1911
(ジッタリンジンの「シャガールみたいな青い夜」を連想してしまう)
カンディンスキー「印象・第4番」1911
モンドリアン「ブロードウェイ・ブギウギ」1942
コメント
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