思惟石

懈怠石のパスワード忘れたので改めて開設しました。

サイゼリヤ好きですが『エスカルゴ兄弟』読みました。

2017-07-04 16:21:04 | 日記
サイゼリヤが好きです。
サイゼリヤで飲むのが好きです。

一部では「1000円でデッキをつくる」
と言うらしいのですが、
要するに、
1000円以内でどれだけサイゼリヤを堪能できるか
ってことです。

私のデッキはね!
ワインデキャンタ200ml×2と、
エスカルゴのオーブン焼き+フォッカチオ!
でもね!大人だからね!
1000円で納めずに小エビのサラダと
青豆の温サラダとキャベツのアンチョビソテーと
ミラノ風ドリアとデキャンタおかわりで!!

というわけで、1000円で会計が済んだためしがないんですが、
それはいいとして、
エスカルゴがオイルもたっぷりで好きなんですよね。
食洗器に負けないくらい、パンできれいに食べます。
ついでにお酒も進みます。

という長い前置きの後でアレですが、
津原泰水『エスカルゴ兄弟』を読みました。

なるほど、私が愛していたのはエスカルゴではなく、
アフリカ・マイマイ、だったのかな…?

まあ、私の食事情なんかどうでもよくて、
『エスカルゴ兄弟』は面白かったです。
弱小出版社に勤める主人公の柳楽尚登
(作中で自分の名前を「ナオノコトノボル」と説明するが、わからん)
が、なんやかんやあって「ぐるぐる」大好き写真家と
エスカルゴ料理店を始める、という話し。

って書くと、なんだそれって感じですが、
主人公の成長物語としてのストーリーもいいし、
なによりも登場人物がみんな良い味わいをお持ちです。

ぐるぐる大好き雨野秋彦が、変人ながらに芯が通っていて
ついでに博学でもあるので、
秋彦と周囲の会話が特に、テンポが良くて面白い。

主人公の想い人に言い寄る稲庭うどん屋の若旦那とか、
一緒にリストラされてしまったおじさんとか、
伊勢うどんを憎む主人公の兄(讃岐うどん店店主)とか、
ちょっとした人物たちみんなが良い人ってわけではないのだけど
愛すべき何らかを持っていて、
全編通して気持ちよく読める一冊です。

365日を通じて、誰にでもおすすめできる、口当たりの良い小説。

しかも、意外と学べることが多い。
ちなみに正しい”本物の“エスカルゴは「ヘリックス・ポマティア」
というそうで、天然ものはほとんど手に入らない(あと土臭い)らしく
養殖ものも大変高価で美味なんだそうな。
食べたい…。

立ち飲み屋時代からつぎ足している「煮込み」や
油揚げにチーズを入れたお手軽の「キツネ」など
エスカルゴ以外の料理もおいしそうで
お酒が飲みたくなります。

単行本のまとめ方は良かったけど、
なんとなく続編が書けそうな終わり方でもあった気が。

というか、続編を期待したいのです。
続いてほしいなー。
コメント
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