「人権」についての根幹である意識を確認するために大きな意味を持つ法案が成立しました。
1つは、性的少数者への理解を広げるための取り組みを国や自治体に求める「LGBT利害増進法」。
「性自認」への理解が不明確で、当事者の方々が求める内容には及ばなかった点もありながら、まずは一歩前進です。
「性的少数者」と言われますが、心の中までは覗けないので、個人的には「少数者」かどうかは正確な数がわからない状況ではないかと思っています。
そして、「性犯罪に関する刑法の改正」。
現行刑法では、暴行や脅迫を用いた性交は強制性交罪(昔の強姦)、酒を飲ませるなどして「心神喪失・抗拒不能」にさせれば準強制性交罪(昔の準強姦)が適用されることになっています。
でも、加害者による暴行・脅迫が被害者の反抗を著しく困難にするものでなければ、これらの罪は成立しないと解釈されていて、そのため無罪判決も出ていました。
被害者の方々や弁護士たちは、その場になると恐怖から体が硬直して抵抗できない場合があるなどと訴えていました。
また、今回の刑法改正で強制わいせつ罪と準強制わいせつ罪が統合され、「不同意わいせつ罪」に変わり、これは夫婦間でも成立することが明文化されていて、画期的だなと感じました。
さらに時効が、不同意性交罪は10年から15年、不同意わいせつ罪は7年から12年に延長し、18歳未満で受けた被害は18歳になるまでの年月を加えてさらに時効を遅らせることになっていて、被害者が告訴するまで時間がかかっても、告訴可能になったのもいいことだと思いました。
このような法改正が、ただ「法律が変わった」というだけでなく、多様な生き方、価値観のあり方として市民の中に落とし込んでいくところまで取り組んでいってほしいと思います。
100%満足のいく改正ではないけれど、希望が感じられる改正なので、とりあえずよかったです。
紫陽花の花がきれいな季節。好きな花です。