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自縄自縛日記

北井一夫『COLOR いつか見た風景』

2021-10-20 08:44:22 | 写真

もっとも敬愛する写真家・北井一夫さんの作品はほとんど白黒。

だが中にはカラー作品もあり、1970年代はカラーのほうが白黒より50パーセントほど原稿料が高く、若い写真家たちにとって憧れだったらしい。カラーの北井写真もすばらしい。これまでのカラー写真集としては『英雄伝説アントニオ猪木』や『西班牙の夜』、あと何かあったかな。

そんなわけで、先日いきなり出た『COLOR いつか見た風景』(PCT、2021年)は一も二もなく入手した。前半は日本各地のスナップ、後半は72年のフランス。それにしても視れば視るほど沁みてくる。微妙に傾いでいて(当時使っていたキヤノンの25ミリファインダーがいい加減だったためだというが、北井さんはそれも個性にした)、あざといところがまったくない。「フランスで何を撮るのかを編集者の天野道映さんに聞くと、いつも通り風景の真ん中に子供がぽつんと立っている写真でいいんだ、ということだった」と書いていて笑える。

そういえば『西班牙の夜』のとき、北井さんに「ISO64で飲み屋で手持ちなんて凄いですね」と言うと「プロですから」と笑って返されたのだった。

●北井一夫
『シカゴループ』(2019年)
『1968年 激動の時代の芸術』@千葉市立美術館(2018年)
『写真家の記憶の抽斗』(2017年)
『写真家の記憶の抽斗』
『COLOR いつか見た風景』
『いつか見た風景』
北井一夫×HMT『過激派 AGITATORS』(2015年)
『道』(2014年)
『Walking with Leica 3』(2012年)
『Walking with Leica 2』(2010年)
『Walking with Leica』(2009年)
『北京―1990年代―』(1990年代)
『80年代フナバシストーリー』(1989年/2006年)
『フナバシストーリー』(1989年)
『英雄伝説アントニオ猪木』(1982年)
『新世界物語』(1981年)
『ドイツ表現派1920年代の旅』(1979年)
『境川の人々』(1978年)
『西班牙の夜』(1978年)
『ロザムンデ』(1978年)
『遍路宿』(1976年)
『1973 中国』(1973年)
『流れ雲旅』(1971年)
『津軽 下北』(1970-73年)
『湯治場』(1970年代)
『村へ』(1970年代)
『過激派』(1965-68年)
『神戸港湾労働者』(1965年)
粟生田弓『写真をアートにした男 石原悦郎とツァイト・フォト・サロン』(2016年)
大津幸四郎・代島治彦『三里塚に生きる』(2014年)(北井一夫出演)


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