Sightsong

自縄自縛日記

北井一夫『村へ』

2014-05-11 09:24:51 | 写真

ツァイト・フォト・サロンで、北井一夫さんの写真展『村へ』が開かれている。

70年代の素晴らしいヴィンテージプリントばかり。会津のお堂の写真(1971年)などは、ひび割れてさえいる。

じっくりと観ていくと、面白い再発見がいろいろ。1970年代前半には、ときにカチカチのハイコントラストのプリントだが、後半になって、明らかに、柔らかくなっている(自分の好みは、柔らかい方だ)。東北の東日本大震災の被災地において、なお残されている「道」をテーマとしている氏だが、昔から、向こうに向かう道を好んで撮っている。そして、真ん中に子どもを配し、左に傾いだ北井写真。

岩手の農地におけるリヤカーの写真(1973年)では、背景の真ん中に電柱があり、画面の中を縦横に電線が走っている。かつての風景写真的美学に正面から抵抗するような作品であり、これもまた、改めて氏の反骨が感じられるようであり、笑ってしまった。

いただいたDMに、ご在廊日とあったのだが、その時間にはおられなかった。近いことでもあるし、また機会を見つけてお話を伺おうと思う。

●北井一夫
『COLOR いつか見た風景』
『いつか見た風景』
『Walking with Leica 3』(2012年)
『Walking with Leica 2』(2010年)
『Walking with Leica』(2009年)
『80年代フナバシストーリー』(1989年/2006年)
『フナバシストーリー』(1989年)
『英雄伝説アントニオ猪木』(1982年)
『新世界物語』(1981年)
『ドイツ表現派1920年代の旅』(1979年)
『境川の人々』(1978年)
『西班牙の夜』(1978年)
『ロザムンデ』(1978年)
『遍路宿』(1976年)
『1973 中国』(1973年)
『湯治場』(1970年代)
『過激派』(1965-68年)
『神戸港湾労働者』(1965年)


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