Sightsong

自縄自縛日記

大木茂『ぶらりユーラシア』

2021-07-31 00:02:49 | 写真

写真家の大木茂さんによる旅行記『ぶらりユーラシア』(現代書館、2021年)。

500頁を超える分厚い本だが、おもしろくてどんどん読んでしまう。中国から中央アジア、中東を抜けてヨーロッパへ。自分もかなり外国に行ったほうだが縁がなかった場所が多い。

それにしても驚くのは、現地で宿を取っていることだ。たしかにかつては宿を予約するのを恥くらいに思っていて、到着してから不安爆発するのが実に楽しかった。しかし仕事で頻繁にあちこちに行くようになると、宿も予算も確実でないことはありえない。そのうちに効率主義者とならざるを得なくなった。行先が都会であろうと僻地であろうと関係がない。そして私的な旅でも効率主義者となっていた。大木さんを見習わなければ。

ひとつだけ勝ったのは、いちばん安かった宿は大木さんが泊まったトルクメニスタンの220円の宿を上回る、スリランカの100円の宿。真っ暗で何にも見えずトイレにも行けなかったが。

鉄道はいいなあ。人はいいなあ。食事はいいなあ。知らない世界はいいなあ。コロナ明けに旅に出よう。いい本。

●大木茂
大木茂『汽罐車』の写真展(2012年)
大木茂『汽罐車』(2011年)


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