Sightsong

自縄自縛日記

北井一夫×HMT『過激派 AGITATORS』

2016-10-23 12:11:35 | アート・映画

以前から、北井一夫さんの写真をスライド上映しながらHMT(広瀬淳二、望月芳哲、IronFist辰嶋)がプレイするというライヴをやっていた(少なくとも2回?)。残念ながらいちども足を運ぶことができなかったのだが、最近そのDVDが出た。2015年だろうか、新宿ウルガでのライヴである。

すっかり忘れていて、北井さんの写真展に置いてあって思い出し、めでたく入手した。

Kazuo Kitai 北井一夫 (写真)
Junji Hirose 広瀬淳二 (sax)
Yoshinori Mochizuki 望月芳哲 (b)
IRONFIST Tatsushima IRONFIST辰嶋 (ds)
Masashi Noda 野田昌志 (撮影)
Tsunehito Eda 江田恒仁 (監督)

北井さんの写真は1960年代から70年代。最初の「風景」では、『村へ』あたりの作品が中心となっており、過激さとは表面的にほど遠い写真世界に、望月さんのベースが轟音で突き刺さる。次の『神戸港湾労働者』において、辰嶋さんのドラムソロ、やがて望月さんが加わり、開始から25分くらい経ったころに広瀬さんが入ってくる。

そして「抵抗/過激派/バリケード」。人間が物理的に過激となる瞬間はこの作品群においてとらえられているのだが、写真と音楽との関係性のようなものは驚くほどその前と変わらない。それも写真が写真として確固として存立しているからであり、これがなにものかを利用する写真であったなら、このときには利用されていたに違いない。

それにしても轟音1時間。広瀬さんのサックスは高音域で淡々と暴れ、辰嶋さんのドラムスもまた淡々として激しいパルスを叩きこんでいる。ベースを弾く望月さんは対照的に恍惚の表情を浮かべ、その影が常にスライドの右側にある。ベルナルド・ベルトルッチ『暗殺のオペラ』における影と同様に、互いがなんであろうと揺るがない印象を抱く。

●北井一夫
『COLOR いつか見た風景』
『いつか見た風景』
『道』(2014年)
『Walking with Leica 3』(2012年)
『Walking with Leica 2』(2010年)
『Walking with Leica』(2009年)
『北京―1990年代―』(1990年代)
『80年代フナバシストーリー』(1989年/2006年)
『フナバシストーリー』(1989年)
『英雄伝説アントニオ猪木』(1982年)
『新世界物語』(1981年)
『ドイツ表現派1920年代の旅』(1979年)
『境川の人々』(1978年)
『西班牙の夜』(1978年)
『ロザムンデ』(1978年)
『遍路宿』(1976年)
『1973 中国』(1973年)
『流れ雲旅』(1971年)
『津軽 下北』(1970-73年)
『湯治場』(1970年代)
『村へ』(1970年代)
『過激派』(1965-68年)
『神戸港湾労働者』(1965年)
大津幸四郎・代島治彦『三里塚に生きる』(2014年)(北井一夫出演)

●広瀬淳二
『HMT』(2016年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
広瀬淳二『SSI-5』(2014年)
広瀬淳二+大沼志朗@七針(2012年)
広瀬淳二『the elements』(2009-10年)


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