ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

浦安生活

2011-05-31 17:35:15 | Weblog

5月31日くもり

5月15日早朝の浦安市街地、駅近の高層ホテルからぎっしり並んだマンション群がみえる。

私達の新居となる社宅のある建物は、ずーっと海側、市街地の一番奥に建つ。

社宅のベランダの窓からは、東京湾とその上に広がる空、そして向こうの陸地はおそらく千葉のプラント群、東京湾アクアラインの建物も海に浮かんでいるのがみえる。

ホテルに荷物を預け、以前住んでいた土地なので土地勘はあり、さっそく社宅を探して街を歩いてみる。

震災の被災地で深刻な問題を抱えている浦安市は、2ヶ月たったこの日もまだ道路は波打ち、家や電信柱が傾いているのがみられる。

歩道に水道管が垂直に盛り上がり、どうなったらこうなるんだろうと不思議な光景であった。

Uチューブで流されていたというコンビニは、営業していない、駐車場は波打っていて、液状化で染み出した砂で埋もれている。 

雨が降ると傾いた歩道の低いところに水が集り、水溜りだらけになるが、これになれている住人は長靴で歩いている。

こんなことを書くと、大変なところに住んでいるのね、といわれそうだが、被災した方には申し訳ないが、実際の生活は支障がなく、水もガスも電気も通常、お店も普通に営業している。

なので、わたしはなんの心配もなく、自分の生活の設営に走り回っている。

日本に帰るにあたり、生活をどうしようと話し合った結果、結婚していない子供たちの近くでくらそう、福岡の家はとりあえずそのままにしておこうということになった。

ということは、福岡からは何も持ってこない、家電がない、家具がないのないないづくし。

ハノイからの荷物はたいして生活の足しになるようなものはなく、さあ何から用意しようと思っている矢先、友達に電気屋さんの知り合いを紹介するからと連れていかれ、家電製品を買いに行く。

テレビは大きいのに限ると友達とお店の人のお勧めで、51インチを買ったが、なにもない部屋では大きい画面で見やすいがこの先、もしかして邪魔になるかも…という心配もある。

次に無印良品に行き、布団のセットを2組、その他の小物を買う。

コップが2個、お皿が2枚、マグが2個では到底間に合わず、少しづつ買い貯めていまではそんなに不自由はしなくなったが、スープはマグを使うので、お茶と同時に使うことはできない。

テレビを床の上に座って見るのは痛いからとお座布団を買ってみたけど、状況に変化は無く、椅子がほしいと友達に愚痴ると、これを運んでいこうといってくれ、その後は快適に過ごすことができている。 

なんで欲しいものをかわないかというと、近じか自分の持ち家のマンションをリフォームして住むつもりで、家具はそれにあわせて調えたいのでなんでもいいというわけにはいかないのだ。

そうはいいながら、6月になると食卓テーブルとベッドが届き、すこしは家らしくなってくると思う。

まだまだ快適な生活には程遠く、しかも買い物、掃除、洗濯と家事をこなす毎日で、あのハノイの生活は夢のようだったと…、時々思い出している。

 


きょう

2011-05-30 09:55:54 | Weblog

5月30日 雨

浦安に帰ってきて、2週間と少し、今日やっとインターネットがつながりホッとしている自分に驚いているところ。

ダンボール3個とトランク2個からはじまった新生活は後日ご報告させていただくとして、今日は嬉しくって、さっそくパソコンに向かっています。

日本は梅雨に入り肌寒い日が続いていて、ハノイは真夏で暑い日が続いているとは、信じられないくらい、今、ハノイで使ったことのない雨傘を3本も買って使いこなしています。

今回住むことになった浦安は、30年も前に買ったマンションが持ち家としてあるのだが、賃貸にだしているので、いまはまだ入居待ち状態。

そのため、新居は会社の借り上げ社宅、駅から歩いて20分の距離は少しきついが、バスもあるし、マイカーの自転車で浦安中を走り回っている。

先日、古くからの友達に、ようこそ震災の街浦安へ、と歓迎会をしていただいた。

みんな明るく元気に暮らしているが、震災から2ヶ月半経ついまも、歩道にマンホールが突っ立っていたり、道路が波打っていたりで、道は足元をみながら注意して歩かなければ敷石のでこぼこで躓いてしまう。

雨の日は歩道が傾いているので、低いところに雨水があつまり水溜りだらけで靴がびしょぬれになる。

船便の到着は6月中旬の予定、届いたとしても役にたつようなものは入っていないが、今は家の中を暮らしやすくするための物の買出しにしか頭が廻らず、洋服は後回しなので、寒い、着るものがない、とこぼしている状態。

浦安での生活の独り言を、みなさま、お時間があったらのぞいてみてください。

 

 


ごほうび

2011-05-12 20:41:27 | Weblog

5月12日くもり33℃

今朝、探し物をふたつ見つけることができ、しあわせ。

ひとつめは、はすの花にであえたこと。

 

週末から出張していたオットとでかけた数日ぶりの散歩である。

この数日、報告済みだが、気温がぐんぐん上がっているし、昨日はものすごいスコールがあり夏本番っていう感じなので、少しは期待をしていたが、であえてびっくりと嬉しい。

今日お友達のギャラリーにいったら、白いはすのつぼみが活けられていて、いよいよ季節がやってきたと感じた。

どうしてだろう、こんなにはすの花に出会うことを希望するなんて。

汚れた水の中からすっくりと清々しく咲いているのが、あっぱれと思うからなのか。

みると気持が洗われるような気分になれるのがいいのか。

いにしえの人も同様な気持だったからこそ、仏様とペアにされたのか…

そんなほかほかした気持で歩いていると、タイ湖のスイミンググループが復活している。

見つけました、泳ぎにきているんだ。

 

去年一度だけ見かけて、写真を撮りたいと探したけれど、その後出会えなかった偽造テープバイク。

アジアには、ヤマハとホンダのバイク願望があるが、この人はヤマハ派かな?

中国製バイクにこれじゃあバレバレ。

この字を作るためにどれだけの時間を費やしたことか。

これで気分はヤマハになれるのかなあ。

それとも単に見栄張りなのか…

今日はいい日になるぞ、探し物にであえてラッキーと思わずつぶやいてしまった。

帰国がいよいよ明日になりました。

皆さま、つたない私の日々のひとり言に付き合ってくださってありがとうございます。

日本での新しい生活についても書き綴ってゆけたらと、今は思っています。

またお目にとまることがありましたら、どうぞよろしく御願いいたします。

 

 


からっぽ

2011-05-11 06:57:28 | Weblog

5月11日 はれ 36℃

月曜日、船便を出したら、部屋が空っぽになってしまった。

火曜日は、定例ゴルフ。

このところハノイは晴天で暑い日が続く。

暑さに慣れていないこの時期、朝刊の気温をみては一喜一憂する毎日だが、このごろは安定36~38℃。

今日のゴルフ、頑張れるだろうか…と心と体のチェックをしながら開いたカーテンのむこうにひろがるオレンジ色の空。

今日も暑そう…と少し気分がブルーになる。

以前青空がハノイでは宝物と書いたことがあるけれど、それはお家にいる日のこと。

私はこの部屋の窓から見える景色が好きで、毎朝、わくわくした気分でカーテンを開く。

その時、最初に目にはいる外の緑が、気持を落ち着かせてくれる。

その窓から入るお日様は昨日は特別にまぶしく、さえぎるものがないからっぽの部屋をまっすぐ突き抜ける。

昨日の気温は38℃、風があり空気がさわやか、ハノイの本格的な暑さから遠く、まだまだいけると自信をもつ。

夜には、このからっぽの部屋に「愉快な仲間たち」が、マイグラス、マイはし持参で集合。

部屋はからっぽだが、心に思い出の引き出しがふえてゆく。

 

 

 


バナナの花

2011-05-09 15:29:13 | Weblog

5月9日晴れ40℃

バナナの花をみつけた。  

ベトナム料理で「バナナの花のサラダ」があり、めずらしいのでお客様にはかならず食べていただくし、鍋料理にも使われている。

市場でも売っているのをみかけるが、あく抜きなどの下処理が大変とかきいているので自分で調理することはない。

よくバナナの実がぶら下がっている光景には出会うが、花の状態をみるのははじめて。

バナナを調べてみると、「バナナの木」といわれるように高さが数mにもなるが、木ではなくて、竹類と同じ草本で、果実は正確には果物でなく、野菜に分類されるという。

通常わたしたちが「バナナの花」として食べている紫色の花弁にみえるのは苞葉で、その下にぶら下がっているのがバナナの花で、果指という。

果指ひとつひとつが一本のバナナに成長し、その集合体の果房が、いわゆるバナナの房になる。

ようするに、私達がバナナの花として食べている部分は葉っぱで、バナナの実が実はバナナの花だったということで、思い込みでなく実物をみて、調べてみないと分からないものと反省。

思いがけないものに出会える朝の散歩は、やめられない。


北海道会

2011-05-08 20:09:19 | Weblog

5月8日 晴れ 35℃

「愉快な仲間達」はきっかけを作っては飲み会をする、メンバーは、飲める人、それなりの人、そうでない人。

話題は、なになにの時はワインが何本空いたとか、次の飲み会のきっかけ探しもある。

転勤族の特権として、いろいろな地域の方とお話ができ、地域の言葉や食べ物の話題で話がはずむ。

赤飯研究会のときもそうだった。

今回はラム肉、ジンギスカンを食べたことがないという私に、連休で北海道に帰った時買ってくるからということで、北海道の会。

当日のメインは、調理済みで持ち込んでくれたジンギスカンと、北海道の会だからと、さけとばとこまい。

こまいは、干し魚にローラーをかけて骨をやわらかくしたもので、そのまま裂いてマヨネーズと一味をつけていただく。

九州育ちの私にははじめてだが、青森出身の人は懐かしいといっていたので、北部限定の味覚。

さけとばは、以前おみやげでいただいたものは固くてしょっぱくて残念だったけど、さすがに地元のセレクションは、やわらかくって美味。

家の食品を始末したいので食べ物はもってこないで、と御願いしてもみんながなんだかだと持ち寄ってくれる。

それぞれの個性がでておふくろの味派、おしゃれなオードブル派、マイブームのお気に入りもある、そんなみんなのうんちくを聞きながらの家飲みはわいわいと騒がしいけど楽しい。

ハノイという思いがけない場所で、たまたまご縁ができた方達と、楽しいを共有できるしあわせの時間がここにある。

 

 


ごきげんようテニス送別会

2011-05-06 20:22:35 | Weblog

5月6日 晴れ 33℃

いよいよ送るほうから送られる送別会になってしまった。

今週は参加できるでしょう、と念押しされて行った「ごきげんようテニス会」は、なんとわたしの送別会。

このところテニスはあまり熱心でなかったので、申し訳ないという思いでいっぱい。

最近のごきげんよう会は、日本人より、台湾人のキャンディーとフィリピン人のキャロルが熱心に参加してくれて国際派となっている。

先細りのテニス会だったが日本人の新しい参加もあり、これからの見通しは少し明るくなってきた。

わたしがなにより感激したのは、今回の準備万端をMrKがやってくれたこと。

奥様によると、朝からハサミだ、のりだ、あれやこれやと騒ぎ出し、ポイント表とくじを作ってくれた。

その間、お花も買ってきたいけど、時間がないとこぼしていたので、奥様が時間をやりくりして花市場までお花を買いにいってくださった。

仕上がったポイント表は、表はコピー用紙、それを補強するため裏側を新聞紙で糊付けした、あちこち張り合わの工作、ほほえましくって、これを作っている姿を想像すると嬉しくって、涙がこぼれそうだった。

キャンディーはおちゃめで明るくって、勝気で少ない人数でも盛り上がるし、キャロルはご主人が日本人なので、日本語OK、しかも美人ときているし、スポーツをする人特有の明るさと勝気があり、とても気持のよい時間を共有することができる。

MrKは、仕事が夜間なので日中は自由時間、スポーツ万能でだれとも気軽に話をしてくださり、婦人会のテニスに参加したり、ゴルフも一緒に廻ってもらったりと楽しい時間を過ごさせていただいた。

この会を存続するために、コートの予約、天候判断、参加者への声がけ等々、影の苦労も彼がすべてひきうけてくれている、このごろのわたしは参加するだけなので、ついその気苦労を忘れてしまいがち。

私がハノイに来る前から始まっていて、私が帰る前も、これからも続けてゆけるのはMrKの努力のたまものであることを忘れてはいけない。

テニスコートでたくさんの人に出会え、楽しい時間を過ごさせていただいたことに感謝している。

ありがとうございました。

 

 


ゆりの花

2011-05-04 05:28:15 | Weblog

5月4日 くもり

どうもいま路地物のテッポウユリの花が旬なのか、自転車の花売りさんは籠いっぱいゆりだけを積んで走っているし、路上でも女性がバケツに入れて売っている。

この光景をみるのは今年がはじめて…、誰かがなにかを始めるとみんながまねっこするのがここの特徴なので、去年あたりテッポウユリが大ヒットしてみんなが植えたのかなあ…

近所の花市場でいろいろな花を買ってみたが、落ち着いたのがもともと好きなゆり、値段は高めだが、花もちがいいのがお気に入りの理由。

テッポウユリは短い期間でしか買えなかったような気がする。

わたしはゆりのなかでも白いのが一番好き。

花売りさんをみかけると買いたいなあと思うが、花瓶は処分したし、家の中はごたごたしていて花の指定席がないので、あきらめていた。

先日、友達がテッポウユリをもってきてくださった、すなおに嬉しかった。

さっそく、持ち帰り用の花瓶をとりだして、あっちにおいたりこっちにおいたりしてやっと落ち着いたのがここ。

いただいたときはつぼみだったのが、花が開き、外から家に帰ってくるたびに、かすかなかおりがただよってくる。

カサブランカのかおりは強烈で食事時には花の場所変えが必要になるがテッポウユリはその必要がない。

家のなかがごたごたしているときだからこそ、この花に癒されているし、プレゼントしてくださったかたに感謝している。


美しいハノイ

2011-05-03 06:23:59 | Weblog

5月3日雨

昨日のハノイは、一昨日までの湿気がどこかに飛んでゆき、朝から快晴、美しい青空を見たのは久しぶりのことで気持がよかった。

気温もぐんぐんあがり、日中37℃、ひざかりにでると焦げるような暑さが体をおおう。

昨日ゴルフをご一緒させていただいたオットの後任のかたは、アメリカ、台湾を経験し、バンコクからスライドでこちらに見えられ、3週間ほどになる。

早朝霧に隠れていた高層ビルをみて、郊外にでるにつれて霧が晴れ、いつもはくもって見えない山が山肌までくっきりと姿をあらわしはじめ、車中で美しいということばを繰り返しおっしゃっていた。

お隣の国バンコクからとはいえ、気候風土の違う国に赴任して以来、ずーっと曇り空と湿度に悩まされて苦しんでいらしたのだろう。

いまベトナムは日本同様、解放記念日とメーデーを含めた4連休、祭日には国旗を掲揚するという昔の日本にあった習慣が残っている。

宝物のような青空を背景に、国旗の赤がはねている。

これはチュクパック湖とむこうの市街地。

こんな日は夜から雨と、キャディーがいったが、夕方から曇り始め、今朝はとうとう雨が降りだした。

これがハノイ。

 


緑がきれい

2011-05-01 07:33:51 | Weblog

5月1日 くもり 31℃

蒸し暑くなった、毎日降る雨も、理由のひとつ。

雨が降ると、ほこりが洗い流され、同時に風が吹く、すると木々の枯葉が吹き飛んで新葉が残る。

ということで、街は新緑の季節であり、花の季節でもあり、美しい。

週末久しぶりに街へでたら、若葉のよそおいの街路樹とそのむこうにたたずむ、フランス様式の家が調和していて、すこし重い空気のなかでハノイらしさをほこっていた。

同乗していた友達から、でいごの花を教えていただいた。

沖縄民謡の歌詞のでしか聞き覚えがなかったけれど、ハノイにも咲いている。

我が家の裏に広がるはす池も葉っぱがだんだん多くなり、雨粒を残した葉が銀色にかがやいて広がりはじめた。

そして、水もからたちだした葉っぱ、こんな葉っぱがぐんぐんのびて、池をおおいつくしたら、その後に花がさく。

私は、裏のはす池を毎日ながめて、季節を感じながら暮らしてきた。

帰任を前に、この湖に咲くはすの花をみたいと祈るような気持になっているが、間に合わないかもしれない。

先日乗った飛行機の機内誌で、ハノイではす茶を作っている人の記事を読んだ。

はす茶は、はすの花のおしべの香りを茶葉に移したもので、気持を落ち着かせてくれて、安眠できるときく。

1キロのはす茶を作るために、1.5キロのおしべが必要で、それは1400~1500もの花からやっととりだせる量だとか…

毎朝の花摘み作業からはじまるはす茶つくりは、採算があわず、趣味でしかないといっていた。

はすの花は毎年咲き続けるけど、はす茶はどこまでつくり続けていくことができるのか、と私が心配してもしかたのないことではあるが、花摘みの光景は捨てがたい。

そう、いま、ハノイは緑が美しい。