ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

ハノイで第九…オペラハウスにて

2013-12-27 16:08:23 | Weblog

12月27日 晴れ 16℃

昨晩のオペラハウスでの第九、舞台も客席も、友達にあふれた、暖かい演奏会だった。

                

ベトナム交響楽団年末恒例の第九、今年のタイトルは「漢字文化圏の第九」とある。

漢字文化を共有する日本、北朝鮮、韓国、台湾、中国、ベトナムの国籍を持った人たちが合唱に参加している。

なぜこういうイベントになったのかは知らないが、日本人のことだけでも友達から聞く話にドラマを感じる。

単身でハノイに来たもの、ベトナムになじめず、お酒におぼれて心と体が壊れていきそうなとき合唱に誘われ、歌にすくわれ、仲間にすくわれたと日本に帰国したにもかかわらず、この舞台に立つために日本から来た人がいる。

アパートの上階の友達は駐在が終わり帰国の時期となったが、この舞台を終えてから、ハノイで生まれたこどもと一緒に帰国するという。

長くハノイで生活している人とか、赴任できてであったという人とか、そんな人からの話も聞く。

客席には、その家族が見守っている、友達の晴れ姿を客席で応援する友達がいる。

長くアマチュアの演奏をしていた単身の駐在員は、ハノイでであった、ベトナム交響楽団の演奏をできるだけ聞きにきていると話してくれた。

ベトナム交響楽団の指揮者は本名さんという日本の方なので、通常の演奏会の客席は欧米人と日本人が目立つが、今回は韓国語、中国語をはなす観客も多かった。

かれらもきっと、友人知人の姿をみに来ていたのだと思う、そう思える演奏会であった。

第九もおわり、我が家は明日から年末休暇、バリ島にいってきます。

今回のバリはオットの大事なイベントのため、日本から息子たちがお嫁さんといっしょにやってきてくれ、家族の大集合でにぎやかになりそうです。

考えてみると2年ぶりの家族が集まるお正月。

2泊4日で帰る忙しい家族や、お嫁さんの両親も参加してくれる家族、おそらく、珍道中になるとはおもうけど、それも楽しみ。

そのご報告は後日させていただくとして、

このごろのハノイは視界が悪い、空が灰色、夜の明かりのもとでガスっているのがよくわかる。

そして私はいつも目が痛い、なんか変だと思っていたが、もしかして、排気ガスだけでなく、PM2.5の影響もあるのかもしれない。

偏西風の関係で、中国の大気汚染は日本だけでなく、ハノイの上空も覆っている、それを身をもって感じるようになった。

これは大変なことになったと心配なので、外出の際の自己防衛も考えなくてはいけないようだ。

このような来年に続く心配なこともあるが、今年の「ハノイ便り」は今日でおしまい。

これを読んでくださっている皆様、一年間ありがとうございました。

そして、来年もハノイのご報告を続けさせていただくつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様、よいお年をお迎えください。

 

 

 

 


意味不明な幼稚園

2013-12-26 17:40:39 | Weblog

12月26日 はれ 17℃ 湿度35㌫

久しぶりの朝の散歩で見つけたもの

近所の幼稚園のディスプレイ    

アレッ、こいのぼり…なんでこんなところに?

クリスマス、年末、新年、テト(旧正月)…西洋暦のカレンダーとベトナムのカレンダーと、これから行事が重なって季節の先どりがはじまる。

まだクリスマスも終わっていないのに、花市場テトに飾るももの花を売っているのをみて、もうテト準備?(テトは1月下旬)とおどろいていると、

翌日はホーチミン廟で、「新年おめでとう2014」の花飾りをみつけ、今朝のホアンキエム湖にもおなじようなのが飾られてあった。

チュックモンナンモイ…というのは、ベトナムごで「新年おめでとう」という意味だが、旧正月のテトのご挨拶である。

なんだか早すぎると思いはしたが、

よく考えてみると、西洋暦の新年をお祝いする意味ともとれると考え直すことにして、無理やり納得する。

で、今朝気が付いたこの幼稚園のディスプレイは、どう解釈していいのかわからない。

これって、こいのぼり…でしょう…何故今、こいのぼりなの?

ベトナム人の子弟が通うこの幼稚園は、前を通るたびに、結構頑張って子供たちの喜ぶことを考えているなあと感心していた。

先日、クリスマス以前、車で前を通りかかったら、観光用の電気自動車にサンタ色の洋服を着た子供たちが並んで座っていて、とても可愛く感じた。

      しかし、よくみるとこの時すでに、幼稚園にはこいのぼりが泳いでいる。

私が気が付かなかっただけで、以前からあったのね、では、このこいのぼりの意味はなんだろう…

ハノイの不思議、またひとつ増えました。

 


水上人形劇の村

2013-12-23 21:28:27 | Weblog

12月23日 はれ 11℃

日曜日、写真クラブの撮影会に行ってきた。         

場所は、バスを使って2時間ちょっと、ハノイの南東に位置する、ハイズオン省ニンザン郡フォンフォン村。

この村は、水上人形劇を上演する池の舞台を持っていて、村人が技術の伝承、上演、人形作り、すべてを農業の合間の時間を使って運営している。

いまのような寒い時期、外の舞台で、腰まで水に浸かっての人形の操作はつらかろうと、気がひけていたが…

さすがに現代、胸までのゴム引きの長靴をはいていたので、少し安心する。

人形操作は、男性だけでなく、女性もやっている。

ハノイにある室内の劇場と違い、この村の劇場は池の中に建ち、舞台は池の大半を使う。

そのため、スケールが大きく、その分人形の扱いが難しくなるのか、人形が腰まで水の中という、残念なところもあったが、花火を使ったり、水面を大きく使っているので迫力があって、楽しいもので、私の大好きな、天使の踊りも披露してくれた。  

楽器を弾く人、歌を歌う人、人形を扱う人はもちろん、裏で人形を出したりしまったり、ほら貝を吹いたり、フエを吹いたりの補助の人、みんな村人がやっている。          

人形制作の工房を見せていただきに行くと、さっきタイコをたたいていた人が人形を作っていて驚いた。

村は豊かなのか、一軒一軒の家が大きくゆったりしていて、家の食糧は庭の生り物で賄っているようで、ニワトリ、豊富な野菜、お茶の木、バナナ、釈迦頭が庭で丁寧に育てられていて、豊かな生活をしているように思えた。

こんなのどかな村は時間もゆっくり流れていくようで、私たちもゆったり、ほんわり、あったかな気持ちの持てるいい時を過ごさせてもらった。

帰り、ハノイに近づくにつれ、すべてがかすんで見え、ハノイの街の空気がよごれていることがわかり、悲しくなった。


コーロア城

2013-12-19 20:43:08 | Weblog

12月19日 はれ 13℃

毎朝、外においている温度計の数字が確実にさがってゆき、今日は10℃。

ただ朝からお日様がでているので、日本の秋のようにピリッとした外気と青空と美しい日差しが気持ちよい。

しかし、先週のコーロア城遠足は底冷えのする日だった。

コーロア城はハノイ市の北、ノイバイ空港の近くにある、東南アジア最古、紀元前2世紀ごろにベトナム北部に存在した都城。

お城の周囲約8km、かつては高さ3~10mもあった幾重もの城壁でらせん状に囲まれた、防御の巧妙な構造のお城が、2000年以上も前にベトナムにあったことに驚きを感じる。

お城を建てたアンズオン王が城壁を作っているときに現れた金色の亀(ベトナムの伝説に絶対でてくるのが亀)の建国伝説と、王様の娘のミーチャウ姫の落城伝説が有名だそうだ。

偽装結婚としらずに結婚させた王様の娘のミーチャウ姫が戦に敗れた原因と金亀(ここでもまた亀)に教えられ、王様は娘の首をはね、海の中に逃げ込んだ。

その、落城の原因となった美しい衣装を着て幾重もの真珠の首飾りをつけた、首のないミーチャウ姫(大きな石に衣装を着せている)を祀っているお寺がある。

いま、この大きな城壁のなかは家や畑があり、自転車がのんびり走るのどかな場所となっている。

   アンズオン王の像  アンズオン王と金亀をまつる神社    

         井戸のある池     ベトナムには珍しく、静かで美しい

 2000年以上前の城壁の土手  ここに立ってもこれがかつては城壁だったとは思えない

紀元前2世紀に、こんな大きなお城を造ることができたのは、その当時この地域にたくさんの人が住んでいたから。

それは、ベトナムのこの地域が、多くの人が住んで食べていけた豊かな地域であったということで、ハノイ近郊は昔から豊かな地域だったと納得。

日本の戦国時代末期の大阪城のようなお城と同じような戦術構想による土木工事がハノイのこのあたりで、2000年以上も前に造られていたということにこの国の歴史を感じる。

2000年以上も前に造られた土手に立った時、古代の人と同じ空気を共有できたような感じになり嬉しかった。

 


クリスマス飾り

2013-12-14 15:31:25 | Weblog

12月14日 くもり時々雨 16℃

ハノイも寒くなってきた。

黒い防寒具を着こみ、フードまでかぶって風呂椅子で丸まっている様子や、バイクの人の防寒具姿で、寒さを倍以上に感じてしまう。

街中が寒々しく、暗いし、雨がじとじと降るし、しかも年末のためかざわざわしているので、日本の師走を連想してしまう。

わたしにとっては、2年あけた冬だからか、街中に住むようになったためか、今年はやたらとクリスマスのお飾りに目をひかれる。

私の記憶ではこんなに華やかな飾りはなかったように思えるが、以前住んでいたのは、郊外だったためなのか?

車に乗っていて遭遇した、バイクで運ばれるクリスマスツリー、しかももうお飾りまで完了している。  

アパートの玄関のクリスマスツリーは、電飾のみ、頂上はノン傘で、ベトナムをアピール。   

このツリーは、電球が放熱しているのか、横を歩くと熱い。

私が横を歩くと熱いね、というと、去年もこのツリーが飾られていて、熱いので、熱をとばすのためか、扇風機をまわしていたと友達がいう。

去年もノンランがあったそうで、熱でノンランが燃えてしまうのではないかと心配したが、そういうことはなかったようだ。

街はクリスマスイルミネーションで夜はピカピカ輝いている。

隣がやったら、それ以上のものをやらないと気が済まないベトナム人の気質からなのか、異常に盛り上がっている。

これから雨が多く降るし、屋外のクリスマスツリーやオーナメントは、漏電やごみのもとと気になるし、電力問題も心配なところではあるが…

日本でもクリスマスのライトアップで、みんなが元気になるとメディアが取り上げているので、この国の人もこれできっと元気になるのだろう。

しかし、田舎に住む人から、ハノイがたくさん電気を使うと、家の電球の光がだんだん細くなってゆくというはなしをきいたことがある。

わたしとしては、地方の人も同じ喜びをもてるようにしてほしいのだけど……


日本での生活

2013-12-11 16:55:32 | Weblog

12月11日 くもり、19℃ 一日中もやってどんより暗い

ハノイの朝はいつまでも暗く、薄い色の朝から、今にも雨に変わりそうな重い空気でおおわれていたと思うと、すぐ夕方の暗さになりうっとうしい。

11月初旬に帰った日本は秋のさかり、空気はさわやか、空はぬけるような深い蒼、紅葉は美しい、寒くもなく過しやすい気候だった。

                     団地の中庭の紅葉

そんな素敵な気候の中で、福岡に帰り、健康診断をうけたり、親の様子をみにいったついでに、関門名物のフグ刺しを久しぶりにいただいた。

               フグ刺しには もれなくお鍋とから揚げとひれ酒がついています         

そして、知り合いの漁師さんの牡蠣小屋を訪ねてみると、出荷前の牡蠣が山盛りになっている。

               

「豊前一粒牡蠣」とよばれる、大振りの牡蠣は2つもいただくとおなかがいっぱいになる。

殻つきのまま漁師さんに持たせられたが、この頃はわたしも殻から取り出すことができるようになったので、さっそく調理する。

新鮮でおいしい。

その後、また自宅に戻り、今度は作品展の作品つくりに追われる展示会準備の日々が続く。私の作品は奥のマトリューシカのクッションと少しのどんぐり、来年の干支の馬も作ってみたが…

               

今年で3回目となるチャリティーバザーは、売りあげの一部をベトナムの子供たちに寄付することにしている。

わたしはあんまり戦力にならないので、一年かけての作品制作、展示、運営、すべてを友達が協力してくれるのは嬉しい。

作品は作るのもボランティア、買うのもボランティアということで、ハノイに暮らしていた友達たちがきてくれ、一年に一度の再会を喜び、チャリティーに協力してくださるのも嬉しいことである。

こんなことをしていたら、あっという間に時がたち、ハノイに帰る準備をバタバタとして、飛行機に乗り込んだという顛末です。

 


ハノイにもどってきました

2013-12-09 20:14:30 | Weblog

12月9日 くもり 22℃

約ひと月の日本滞在からハノイにもどってきたのが12月4日のこと。

帰国当日はずっと前から約束していて日程がやっとあった人と、我が家で鍋パーティーの予定になっている。

ハノイに帰って買い物に行くのでは間に合わないからと、すべて日本で食材を調達し、鍋は家にある大きいのをトランクにいれて運んできた。

帰国前日、ローストビーフを焼き、お豆腐、野菜、薄切り肉を買いに走り、、母に煮てもらいクール宅急便で送ってもらった煮豆も準備。

                  

          果物は季節の柿とりんご。   お酒は免税店で買った日本酒。

家に帰って、限定2時間の持ち時間でどこまでできるか、ゲームの世界を楽しむことにする。

以前、お正月に帰国したとき、年末は家族用、年が明けてハノイで年越をした単身者のためにもう一度おせちを作り、免税店で金粉入りのお酒を買ってハノイにもどった当日に新年会をやった経験があるので、鍋は楽勝とは思っていた。

しかし年にはかてないのか、この日はつつがなくこなしたが、事前の荷物の梱包や運搬に力を使ったのか、肩が重い。

その後確実に予定をこなし、土曜日バザー、日曜日テニス大会、月曜日テニスレッスンと続く間、

マッサージに行ったり、錠剤を飲んでのその日ぐらしの日々が続き、今日になってしまった…が、いまだ荷物の整理ができていない。

これはぼちぼちするとして…

日本の我が家の窓に広がる紅葉が刻々と変化し、とうとう木枯らしで葉がなくなるまでの滞在は、美しい空と澄んでぴんと張りつめた空気に存分にひたれたのが嬉しい。

団地生活の楽しさで、友達が地方から送られてきたりんごをつぎつぎと持ってきてくれ、こんな季節の贈り物がありがたい。

そんなこんなの細かいことは、次回にお話しさせていただくことにして、今回はとりあえずハノイに元気にもどってきたご報告をさせていただきます。

ただいまー……