ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

2010年年末

2010-12-24 09:48:42 | Weblog

12月24日くもり

年末年始は、福岡ですごすため、今日の深夜便で帰国の予定。

オットの歯医者、健康診断、温泉旅行、お嫁さんにあったり、おせちをつくったり、勢ぞろいする息子達の食べたいものリストに応えるため、台所に立ちっぱなしの想像するだけでも忙しく、そして楽しみな日程がまっている。

12月は福岡にいることが多いのでいちがいにはいえないが、ハノイのクリスマスのデコレーションが年々華美になっているように感じる。

旧市街の店先いっぱいに赤いサンタをイメージさせる洋服が並んでいて街中赤くなっているのははじめてのこと、にぎやか好きのお国柄にクリスマスはお祭り気分が盛り上がる最高のイベントになってきたようだ。

昨日はホテルで会社のクリスマスパーティー、ここのデコレーションもすてきで、私達をゆめみ心地にさせてくれる。

事務所に働くスタッフと運転手が家族をつれて楽しむイベントに、子供たちが店先でみかけた赤い洋服をきているのもはじめてのことで、ほほえましかった。

スタッフも日ごろと違い思いっきりドレスアップしてくるのでオットは目をみはっている。

Merry Curisutomasu and Happy New Year の声が会場にあふれる。

けさタイ湖では、はす池の水抜きが始まっていた。 

水を抜いて、地面をお日様にあて、肥料をまいて、来年の準備にはいる池は、一番寂しい風景となる。

その作業のおまけは干上がった池に残された魚の収穫、それを買い求める人が集まるのが、年中行事になっている。

こうして今年が終わり、また来年につながってゆく、わたしも日本に帰り、リセットしてあたらしい年を迎える準備をしてきます。

メリークリスマス、そして、よいお年をお迎えください。


世界遺産の街 フエ

2010-12-20 19:38:45 | Weblog

12月20日

フエの建造物群は1993年にベトナム初の世界遺産として登録された。

ハノイから飛行機で55分、人口35万人、河のほとりに王宮、寺院、皇帝廟が点在する静かで落ち着いたたたずまいの街に週末を利用して行ってきた。

1802年から1945年の間、フエに都をおいたベトナム最後の王朝、グエン朝は、フランスの援助によってつくられ、その後フランスの植民地になってゆく、日本の明治、大正、昭和の時代である。

フエの街を代表する建物は、王宮、

ハノイの街の喧騒とあふれかえる人にうんざりしているので、人影のまばらな静かな空間に感動した。

人がすくないということは、産業もない、したがってみんな質素で、ハノイで観光目的でしか働いていないシクロが、人と荷物を運ぶのに大きな力を発揮しているのには驚く。

かつてユネスコの誰かが、「賞賛すべき建築上のポエムである」と語ったのは、建物の屋根とか門の装飾がモザイクで飾られていることをさしているのではないか。

陶器をあえて割ったのか、輸送途中で割れた陶器をリサイクルしたのか、割れた陶器によるモザイク模様の装飾は、富の象徴だとガイドさんがいっていた。

日本が産業を起こし、戦争に走った同時代、このような手のこんだことができるほど、この国にはゆるやかな時間が流れていたのだろう。

のちにベトナム戦争の戦場になり、破壊され、その後世界遺産として生まれ変わったフエでの穏やかな時間はわたしにとって、かけがえのないものとなった。


文廟

2010-12-17 20:41:33 | Weblog

12月17日晴れ

12月6日から文廟で、「ハノイ、奈良悠久の都をつむぐ」鳥羽実花型染展が行われている。

昨日に続き今日も冷たい風が吹いていたが、空は久しぶりに晴れ上がり、外出には気持のよい日であった。

奈良の遷都1300年、ハノイの建都1000年を祝って、奈良の薬師寺での展示のあと、ハノイの文廟で展示されることになった。

そもそも型染とはなんぞや、からはじまるのであるが、とにかく行ってみた。

気の遠くなる作業の連続で、膨大な時間を費やされて製作されたと思える大作が並び、特にベトナムの原風景は、幻想的で想像力をかき立たせられ圧倒された。

会場は、いままでいったことのない奥の建物で孔子像がたくさん並んでいる、なんとなく気が引き締まる建物の内部であった。 

ここのお土産やさんには、水上人形劇のお役目が終わった人形達がたくさん並んでいて、いつ見ても、楽しい気分にさせてくれる。

一緒にいった友達と、ハノイの観光としては、文廟が一番落ち着いていて雰囲気のよいところと意見が一致した。

 


リスーピア

2010-12-15 19:02:12 | Weblog

12月15日

リスーピアとは、正式名称は、「パナソニック リスーピア ベトナム」といい、パナソニックが日本についで今年9月、世界で2番目にハノイにオープンした、理科、数学をテーマとした体験型施設である。

この施設は、理科の面白さや驚き、数学の美しさや不思議を伝えることで、子供たちの好奇心を膨らませ、夢と情熱を喚起することをテーマにつくられているらしい。

先週、会社関係の公務の一環として行ってみたが、以外にこれが楽しい。

オットの会社の3歳の子持ち社員が仕事そっちのけでいろいろ体験して遊んでいたが、こんな施設はいままでハノイにはなかったし、ただだし、きれいだし、私も楽しめた。

ちょうど、こちらの小学生が遠足できていたが、先生の説明を聞いているあいだ、目があちこちに動き、きらきらしていて、早く遊びたいというわくわくした気持が体にあふれていた。

アナログの国に思ってもみたことのない、ハイテクノロジーの空間が現れて、さわって遊べるとなると、目的はさておき、きれいな空間でみんなが楽しむことができる、そんな世界があるということを理解してくれるといいなあ。

 

 


居酒屋 かっぱ

2010-12-09 09:45:14 | Weblog

12月9日

福岡に帰ると必ずのぞくお店が、居酒屋かっぱ。

このご主人は、2代目、3代目さんも厨房で働いていて、家族で切り盛りしている明るいお店は、いついっても暖かく迎えてくれるのが嬉しい。

友達との待ち合わせに使ったり、ひと遊びしちょっと小腹がすいた時、夕方から夜中すぎまでお店が開いているので重宝する。

お魚がおいしいし、ネーミングと食材の組み合わせが楽しく想像力をわかせてくれる。

そして欲しいというと食材を気前よく分けてくださるので、わたしのおもてなしのバリエーションが増えて助かる。

今回は黒ゴマそうめん。

友達においしいと進められ、どんなものかといろいろ想像していたら、これ黒ゴマでなくて、白ゴマがかかってる…というと、まあお食べ。

もともとそうめんはあまり好きでないので期待していなかったが、口に入れるとむっちりこしこし歯ごたえがある、韓国のレー麺ほどしこしこ感はなく、でも従来のそうめんとは違う食感。

中の具は、しいたけとわかめと白ゴマ、とシンプルだが、しっかりしたお出汁としいたけのうまみがからまって、つるつる、こしこし、おいしい。

このそうめん、長崎の雲仙で作られていて、あらびきの黒ゴマが練りこまれているので、色が移ってすこし黒い麺になっている。

今回はこのそうめんを譲ってもらってきたので、週末のお客様のときにおだししてみるつもり、お客の驚いた顔を想像していまから楽しみである。

ついでに、この赤いお椀も、漆を扱っている友達にお正月帰ったときにもって帰れるように注文してきた。

しめ鯖をもって帰ったり、ひさしぶりの長沢君…と新玉ねぎの煮物のアイデアをもらったり、ないないづくしのハノイの物資不足をこの店からも補ってもらっている。

こうやって、いろんな人に助けてもらいながら、ハノイの生活をアイデアとユーモアで乗り切ってゆけているのだと思う。

 

 


ザルツブルグゲシェンクの展示会

2010-12-08 19:01:08 | Weblog

12月8日

福岡に帰った当日、友達のやっている展示が最終日ということでのぞいてきた。

ザルツブルグゲシェンクとは、木の実とビーズとリボンを使った、貴族に愛されたヨーロッパの工芸で、美しく繊細で豪華である。

作家さんは3人、家具の展示場を使い、高級な家具に負けない、場所にマッチした作品が並んでいる。

わたしの目をひいたのは、ケーキ、おいしそうにかわいらしく作られていて、クリスマス前のこの時期にはぴったりだった。

福岡に住むようになって間もないころ、テニス仲間だった友人から美術館で展示しているのでみにきてといわれ、行ったのが最初。

はじめてみたザルツは、きらびやかで、息をのむように美しかった。

その後、わたしのトールの展示に出品してもらったり、作品の土台部分の色塗りや字を描いたりとコラボするようになった。

同じ材料でも作家さんの個性がでるので新しい作品に出会えるのが楽しみなのと、10年見続けているので、彼女たちの成長振りを感じられ、彼女たちに出会えてよかったとしみじみ思う時間が持てる。

その年の流行色を使ったり、和テイストにしてみたり毎年工夫がみられるが、ことしはアールデコ調でモダンクラシックというか、黒を貴重に羽やレースをあしらい大人びた作品になっていた。

景気の関係からか、会場がクローズされ、この場所での展示は今年でおしまい、私達の9回続いた展示会も会場がなくなり、今年でおしまいになる。

だけど、すべてをリセットして、新しい形で展示会をひらいてみようとわたしも誘ってくれ、すこし幸せな気分になれた。

 


ハノイにもどってきました

2010-12-07 20:42:38 | Weblog

12月7日

ハノイのなじんだ空気に戻ってきて、もしかしてホットしているかも……

ハノイ福岡直行便で、早朝福岡に到着、そのままタクシーに乗り込み、自宅の住所を告げたら、運転手さんが、どちらの国の方ですか、とわたしに聞く。

日本ですよ、と答える私に、ああ、では旦那さんが現地人…と答える。

いいえ、日本人ですよ、というと…それでは外国語ばかりで日本語はお使いになってないので、久しぶりの日本語でしょう…という。

いいえ、いつも日本語を話していますよ、どうして?ときくと、わたしの日本語がおかしい、という。

運転手さんのような福岡弁は話せないものなあ、だからへんに思っているのかも?とか胸のなかで逡巡したけど、冬なのに、コートはきていないし、色は黒いし…、外国人にみえたのかなあ?

こんな話はきいていたけど、わたしにもとうとうきた…という感じ、ベトナムの空気を思いっきりしょっているようにみえたのかなあ?

それはそれとして、今回の帰国目的は、帰れないオットに変わり、彼の姪の結婚式に出席すること。

それにしても、新郎、新婦、ともに26歳、可愛かったー…

式場のある、坂本龍馬も活躍した関門海峡にのぞむ港町、門司港、私とオットが通った高校があり、鹿児島本線の基点となる駅門司港に降りる…、懐かしい…

今では重要文化財になっている門司港駅、この日は快晴で、湿気のないせいか空がやけに青いのにまた感激、帰りの門司港駅はライトアップされていて、わたしの高校時代にはありえなかった姿に変貌している。

結婚式は今風というか、こじんまりとしていて、手作りっぽくて、ういういしくて、暖かくて、ほのぼのとして、いい結婚式だったし、いまどきのお嫁さんは、ヘヤーもドレスもすごく可愛くって素敵で、息子しかいない私は目が離せなかった。

このところ、親戚兄弟とは冠婚葬祭でしか会えなくなっってしまったが、今回のようにおめでたごとでみんなに会えるのは嬉しい、しかしそうでないときが多くなり、寂しくなってきた。