5月30日 33℃ くもり 2013
人文社会科学大学で、日本研究の発表会を聞きにいった、土曜日、大学の卒業式だったらしく、華やいだ空気があふれていた。
ベトナム人大学院生による流暢な日本語での発表テーマは、江戸時代の石田梅岩という人の唱えた「商人道」の研究。
そして、商人としての在り方を唱えた人がベトナムにもいたという内容だった…
本当かなあ、本当だとしても、どうしてそれが今につながっていってないのだろう…そう思うのは、
私たちボランティアで、障害者の施設の人たちに縫い物をしてもらい、それを売って支援しようと準備をはじめた。
布地を買い、ゴムを買い、サンプルを持ち込み仕上げてもらおうと…
市場では…
布地を買いにいった私がよおくチェックしなかったのが悪いのだけど…
買ってきた布地に穴が開いていたり、つぎはぎをしていたり…
しかも彼女たちはそれをしっていて、値引きにも応じず売りつけ、やられたという感じ。
施設では…
サンプルとして仕上げてもらった作品は、できあがりがてんでんばらばら、模様が逆になったり、斜めに裁断したりして、とても売り物にはならない。
それを指摘して、もう一度サンプルを作ってもらおうとすると、初めから布地が曲がっているのでこうなって、自分たちの責任でないという。
型紙を作ってそれから裁断して、というと、たった一つのためにそんな手間はかけられないという、それは逆でしょう…
ああいえばこうで、なかなか私たちの思っていることが伝わらない。
きちんとすれば商品になって、それが自分たちのためになるということが理解してもらえない。
[ホンサオ」という言葉は、「問題ない」、ということ。
汚れているというと、洗えば問題ない、破れているというと、使わなければ問題ない、気が付かれなければ問題ない、それじゃあ、お商売とはいえないじゃない。
そんな愚痴をこぼすと、工場を経営しているオットも、ワーカーさんにいいたいことがたくさんあるらしい。
どうも基本的な考え方が違うように思える。
南の国のおおらかさともいえるのかなあ…
日本の歴史、日本人の習慣、常識と比べて、思うようにことが運ばないことにいらだちを感じる日が続いている。