10月29日
ハノイの「タンロン遺跡」がベトナムで6つ目の世界遺産に今年選ばれた。
調査研究中のため公開されていないが、遷都1000年のイベントの一環として、期間限定で今月中のみ一般公開されている。
本帰国されるヘリテージのメンバーの方の希望で企画された、「タンロン遺跡送別ツアー」に参加させてもらった。
2002年に国会議事堂を建て直そうとしたところ、たくさんの建築機構が折り重なった巨大な遺跡が出土したことから発見された遺跡である。
このタンロン遺跡は7~19世紀の間ハノイの行政中心地域だったところで、リタイトーが1010年、ハノイに遷都し、都の名まえを「タンロン」としてから、1831年に都がフェに移るまでの間、ベトナム王朝の都として栄えていた場所である。
この遺跡ツアーで面白いと思ったことは、
7世紀ごろからの遺跡が残っていて、王朝が変わるたびに、前の王朝のお城を壊して、その上に建て直しをしているので、7世紀から19世紀までの遺跡が地層のように折り重なっていること。
これは、遺跡発掘現場
そして、20世紀にはいっても、フランス軍との独立戦争やベトナム戦争の時の地下の秘密基地とかもここに作られていたので、1400~500年もの長い間、ベトナムの政治、軍事の中枢の歴史が詰っている地域であること。
「なぜ、新らしい王朝は都を遷都しないで、古いお城を壊した上に新たにお城を建てたんだろう」、という疑問に、ハノイは湿地帯なので、瓦礫が土台になって土地が高くなり、新たに湿地帯を埋め立てして基礎工事する手間が省けたのではないかとか、雑談的発想で盛り上がった。
また、出土品が新品のようにきれいなのでレプリカかとおもいきや、遺跡が湿地帯というか水の中で保存されていたので、保存状態が非常にいいらしいが、逆に、空気に触れると腐食がはじまるので、遺跡も土のなかに埋めておかなければならないという悩みもあるらしい。
こんなことから、もしかしたらほかに類のない遺跡として価値があるのかもしれないと、興味深い。
これはタンロン城北門
いつも通りすがりにみているフラッグタワー
全体の印象として、この遺跡が世界遺産としての価値を生み出すには、まだまだ時間がかかりそうだ。
10月28日
月曜日、ベトナム語の先生が、明日から寒くなり、先週までの晴れ上がった美しい日はもうこないとおっしゃる。
その日の夕方、日本で初雪が降ったというニュースが流れた。
日本が寒くなると、ハノイも寒くなるといわれる通り、次の日から急に気温が下がり、涼しいという挨拶に変わった。
少し前から、わたしたちは半そでなのに、若者の皮ジャン姿や、ご年配のニットのセーター姿が目につきはじめたので、着膨れウォッチングと昨日の散歩は元気に出かけたが、今朝はわたしも上着を着ての散歩となった。
おばあちゃまは厚手の上着に衣替え、焚き火も暑苦しく感じない。
若者も、上着をはおり寒そうな感じでしょう。
こちらの人は、寒さが苦手で、私達の想像もつかない寒がりかたをする。
バイクにのったり、家の床がタイルだったりと、寒さをじかに感じることが多いので、仕方ないが、それより、ホーチミンにはない四季を敏感に先取りしているのかもしれない。
この先ひと月、美しく、過ごしやすい、秋のひとときがすごせるのは、あの過酷な暑い夏を我慢してきたご褒美ともいえる。
ハノイに琉球ガラスの工場兼ショップがオープンしたのは今年の春だった。
わたしは、ガラスの食器が好き、しかも色のついていない薄くてシンプルで少し細工が入ったものに限る。
ベトナムは、ガラスの原料の砂が取れていた太古の昔からガラスが作られていた。
だからきっとガラス製品があるだろうといろいろお店を探してみたが、みつからない。
やっとみつけても、おおぶりで手にあまり、しかも重くって使えないものばかり。
このショップはずーっと気になっていたが、琉球ガラスもわたしの性に合わないかもしれないと先延ばしにしていたが、先週やっと思いたってでかけた。
さすがにガラスのお店、お日様のひかりをとおした棚の商品が美しく輝いている。
内装やディスプレイがハノイらしくなく、気持ちのよい購買意欲をそそってくる。
厚ぼったいのと色入りということで、残念なことに我が家の食器との相性が悪いが、悩んで日常使いのグラスを購入してみた。
家でビールを飲むのに使ってみたが、手の平サイズにあわず太すぎて手の中での収まりが悪いのと口にあたる部分が厚くて飲みにくいのが欠点かな?
そうはいっても、お手ごろ価格とお店のよい雰囲気とで、リピーターになりそうな予感がする。
今日は、ゴルフ…
で、早朝カーテンを開けてみると、一面霧の世界が広がっている。
そうか、今日は晴れ…
こんな朝、お日様が顔をのぞかせはじめると、霧がどんどんはれてゆく。
このごろのハノイの気候は、きれいに晴れ上がった青空とさわやかな空気とで、すばらしく過ごしやすい日が続いて、なんだか嬉しくなってくる。
気温は30℃前後、湿度は70㌫くらい、一年をとおして何日しかない、特別にさわやかな日、というと、東京からきた友達は日本は先日50㌫をきっていたという。
そんなだったら、からだがばりばりになってしまう、ハノイはこれが最高にきもちがよい湿度なの…
とか、こんな会話も楽しい。
ということで、この日のゴルフは、ハノイの避暑地といわれているタムダオ山のすそ野に広がる TamDao Golf Resort でさわやかな高原ゴルフを楽しめた。
しかも、キャディーさんが、ちょっとかわいい、きもちのよい男の子だったおまけつき。
このあとに、暗鬱なじめじめした気候がやってくることをしっているからこそ、こんな一日を大事したいと思っている。
来月のバザーにむけて、カルトナージュ班が作ってくれた箱をトールペイントでコラボレーションしようと預かっていた。
トールペイント班の人が夏休みに帰国するとき、自分流に材料を探してきてと御願いしていたら、思わぬものを持ってきてくれて、いろいろ想像力をかきたてさせてくれる。
ある人が、ハートの木切れを買ってきてくれた。
ボタン風に使ってみたいと、それにペイントし本物のボタンと一緒に貼り付けてみた。
ひとつだけ、直接箱にペイントしてみた箱もある。
わたしは、自分以外の人の力を借りて作品をつくりあげてゆく過程が好き。
なので、この箱ひとつに、あの人の顔、この人の顔が浮かんできてありがとうといいたくなる。
作品作りって自己満足の世界だけど、一人だけでは可能性が小さくなるのでみんなの力がいっしょになると思わぬ世界が広がってゆくとおもいませんか?
10月18日
この週末、ずっと雨が降り続いていたが、バンコクに出張中のオットからも雨といってきた。
先々週から、ベトナムの中部地方でかなりの降雨があり、ずっと水害のニュースが続いていいて心配している。
しかし、すこし涼しくなり、ゴルフには最高のコンディションである。
先週から、以前ハノイに住んでいた、ゴルフ仲間が遊びにきてくれている。
残念なことに先週はわたしの予定があって、1度しか、しかも一緒にラウンドできなかったが、明日と明後日ご一緒できるのは楽しみ。
まさか友達が遊びにここにもどってきてくれるなんて、思ってもみなかったけれど、なんでも続けていればいいこと、楽しいことがやってくるものと感謝している。
遊びにきてくれてありがとう、楽しもうね。
10月13日
昨日、ヘリテージのリハーサル、「ホアンキエム湖周辺ツアー」に参加してきた。
ハノイの建都1000年祭は、期間中雨も降らずに天候に恵まれたのは、なにより。
この時期、1000年祭の片付にはいっていて、ほこりがすごいだろうとは思っていた。
しかし、、すごい人出、イコール食べ物とゴミという関係は、スコールがなかったので、路上が汚れてる上、熱帯地方特有の染み付いた食べ物のにおいがひどく、これは結構しんどかった。
そしてこれは、宴の名残。
たくさんの風船売りの姿をみかけたが、ハッとした時、手から風船がすり抜けて飛んでいってしまったのだろう、悲しかった風船売りの気持を思うと、少しせつなくなる。
ホアンキエム湖周辺ツアーは、玉山寺からはじまる。
これはお寺の中の飾り。
わたしは、ふわふわしたものとか、ぶらぶらしたものとかが好きで、この傘にぶら下がっているお飾り、かわいいなあ。
ホアンキエム湖の亀の搭。
ハノイ観光の象徴だが、情緒があって私は結構好き。
これはハノイ警察だったかな。
フランスの植民地時代の建築によるもので、はられているタイルが素敵。
ハノイの建築は、ひとつひとつみるといいものだなあと思うが、こんごどのように保存されてゆくのか少し心配になることもある。
ツアーのたった2時間の間にわたしののどが痛くなり、ハノイの排気ガスによる空気汚染は深刻な問題と体感した。
10月10日をもって、とりあえず1000年祭のイベントが終了した。
街の中心に通勤しているオットから、夜のライトアップがきれいだから是非見てくるようにといわれていたけど、人ごみの苦手なわたしは出かける気にもなれなかった。
しかし、幸運にも8日の夜、会食に同席した帰り、バイクと歩行者で道路はあふれているし、あちらこちらが通行止めのため、車が右往左往したので充分見物の時間がとれた。
街中がわさわさしていて、どうもマスゲームのために近郊の若者を3万人ほど動員をかけたらしく、ハノイ見物の若者と、お祭りムードで浮き足だっている住人とで、道路がいっぱいでにっちもさっちも身動きがとれない状態だった。
イルミネーションは、ハノイで生活している私にとっても、夢の中にいるような気にさせられるほどだったので、みんながふわふわ歩いているのは理解できる。
夏の停電はこのための節電だったの?とか、どうもこのライトアップに電力を使い過ぎ、ホーチミンが停電になるとか、あらぬことがうわさされるほど、ライトアップに情熱をかけている。
翌朝ゴルフ場への道がいつの間にか完成し、高架橋もできあがり、これだけ街灯をたてても明かりはつかないだろうと思っていたのに、いっせいに明かりがともっていて、まるで別世界で、ハノイだということを忘れさせられた。
この1000年祭のために膨大なエネルギーを使って作られたものが、その場限りのものでなく、ながくこの状態が保たれることを願うばかりである。
なんにも予定がない久しぶり日曜日の早朝、オットが、タイ湖のどこまで歩いていけるか挑戦してみようという。
いつもの散歩気分は最初は新鮮で、車で行くと結構時間がかかるところも、短時間でいけるのに驚いたりした。
だんだん家から遠くなり残りの歩く距離を考えると心細くなり、もどろうよというわたしの提案は却下される。
サマセットや、ココの裏までくると決して歩いてこれるとは思ってなかったのでなんだか嬉しくなり元気になってきた。
新しい道路の歩道ににょっきりたっているのか始末にこまり残されているのか、ハノイのシンボルの電柱。
ハノイの面白いもののひとつは、そこら中に張り巡らされた電線である。
切れてぶら下がっている電線があったり、道路をおおっている電線の下をトラックが通る時、人が荷台にのって電線をかかげてその下を通過するという光景もみることができる。
最近、電線の埋設工事がはじまり、だんだんそんな光景がみられなくなりつつあるのだが、この電柱、どうにも始末のしようがなくてか、こんな姿であたらしい遊歩道にたっている。
チュクパック湖とタイ湖の間の公園は、空気もきれいで清潔で、日曜の朝の公園のいとなみがのどかで美しい。
しかもいまは1000年祭で街中が飾りたてられていて、この電飾で覆われた梢も夜のお祭りムードの賑わいを想像させてくれる。
バイクの乗り入れが規制されていないので、せっかくきれいに張ったタイルがバイクの重りで割れたりはがれたりしているのは残念。
森に囲まれた鎮国寺も美しい。
途中、ハノイクラブでの朝食と休憩をはさみ、3時間30分の小旅行となってしまった。
道路の建設の間、てっきり景観を大事にした遊歩道と思いこんでいたけど、バイクも車も走っているタイ湖周回道路は、遊歩道なのか、生活道路なのかわたしにはわからなく不思議なものだった。