2月28日
さげもんというのは、北原白秋の出生地である福岡県柳川に伝わるこの地方独特の雛飾りである。
ところが近年この季節になると、各地で雛めぐりと銘うって観光誘致をしているので、かなり身近なものとなっている。
わたしも以前、柳川のお雛様がみたいと友達と出かけていったことがある。
で、これは、熊本からきた友達を連れていったレストランの入り口の飾り。
野菜はご愛嬌だが、少し離れたところに雛人形も置いていた。
天井から吊るされたさげもんと繭玉が、はなやかで、雛のお祭り気分を盛り上げてくれる。
この吊るされたかわいい小物ひとつひとつが手作りで、親や周りの人たちの願いが人形や動物や食べ物の形の中にこめられて作られる。
詳しいことは忘れたが、円形が宇宙で、そこから対角に数が決まっている支点から縦に決められた数の小物を吊るすお決まりごとがあるらしい。
あかちゃんは、元気な子に育ちますように。ネズミは食べ物に苦労しませんように。
野菜も食べ物に苦労しないように、とかお金に関するもの、丸い玉は、たまのように美しくとか、子宝に恵まれるようにとか、子供の成長を願うものを集めている。
ハノイにあるお寺に行ったとき、天井から下がっているおなじようなものを見かけた。
船であったり、魚であったり、様々な彩り鮮やかなものが、丸く天井から吊り下げてある。
名まえは、忘れたけれど、意味は人々の願いを天上の神様に伝えてくれる道具や生き物があつめられて下げられていると説明を受けた時、さげもんみたいと思ったものだ。
調べていないので想像だが、アジアという同じ根っこをもつ地域で宗教の意味あいが、地域独自なかたちとなって守られてきていると感じ、アッ、日本と繋がっていると嬉しくなったことを思いだす。