ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

アンコールワット

2010-04-26 21:13:10 | Weblog

4月26日

 2泊3日でアンコールワットに行ってきた。

 カンボジアのシェムリアップには、ハノイから空路でたった1時間半くらいなのに、飛行機を降り立ったとき40℃以上の乾燥した熱気のなかにすっぽりとはまってしまい、気候の違いにおどろいた。

 とにかく暑くてまぶしいなか、たくさんの遺跡を回ったが、印象に残っているのが、アンコールワット、アンコールトム、タ・プロム、バンテ・アイスレイ。

 こんなすごい遺跡がいまから150年前にはその存在を知る人すらいなくて、密林の奥に眠っていたなんて、すごくドラマティックで、西洋人だけでなく広く東洋の神秘を感じさせるものがここにあると思った。

 この素晴らしい文化を持っていた東南アジアの国々が、いつからかヨーロッパの植民地となり、度重なる戦争のため文化や歴史が破壊されていったことがとても残念。

 アンコールワットは、建築が壮大で、歩きまわれる広さがあること、壁の全面に施ほどこされたレリーフの繊細さ、中央搭に上ってあたりを見渡した時、天空の城にいると錯覚してしまいそうなほど、この世のものとは思えないものを感じた。

 ここに江戸時代はじめに訪れた日本人の落書きがあり、貴重な資料となっているようだが、この人も気持が動かされて、思わずなにか書き残したい気持になってしまったのだろう。

 アンコールトムは、四面仏塔の林立で、どこをみても仏様の顔ばかりで、どこにいても仏様に見守られているという安心感を与えてもらえるというのが造られた目的なのだろうか?

 タ・プロムは、巨大な木が蛇のように建物にからみつき、根をはっている。

樹木の除去や本格的な修復をしないまま置かれていて、熱帯で管理をおこたるとどうなるかという自然の驚異が見どころとなっているらしいが、静寂さと神秘さに圧倒される。

 バンテ・アスレイの細かいところまで仕上げられたレリーフは見ていてあきなかった。

 なんのために建設されたかは研究者にまかせるとして、建物の壮麗さと神秘さはその時代の人々にかぎらず、わたしもこころが落ち着いてきてなにか目にみえないものに、おもわず手をあわせてしまいたい気分になってしまった。

 こんなことを感じるなんて、わたしもそういう世代になってきたのかなあ?


カフェチュン

2010-04-22 18:47:51 | Weblog

4月22日

カフェチュンとは、生卵いりコーヒーのことで、ベトナム語の先生お勧めの飲み物である。

 今日はヘリテージ白馬寺周辺ツアーのリハーサルの日。

 今回わたしもガイドの一人で、「奥が深い」をキーワードに、街歩きのご案内をしている。

 ハノイの旧市街に建つ家は、日本的な言い方で、うなぎの寝床と呼ばれる、間口が狭く、奥が深い建て方をされている。

 どうしてこのような建て方になったかというと、間口の広さで税金の額が決められるからということが理由のひとつらしい。

 まあ、そんな説明をして歩くのだが、ツアーにはないけど、最後にホッとお茶していただく場所に「カフェフォーコー」を選んだ。

 住所は11Hang Gai、お土産やさんの上に小さくカフェとあるけど、行ったことのある人の案内がないと見逃してしまってわからない。

 お土産屋さんを抜け、仕立て屋さんを抜け、バイク置き場を抜けて続く暗い路地のその先がやっと明るくなり、中庭の奥がカフェになっている。

こんなところわからないよ、といいながら屋上の席まで階段を上っていくと、目の前に新緑に囲まれたホアンキエム湖がいっぱいに広がっている。

 このところ毎晩続いている落雷と豪雨できれいにほこりが流されているので緑がいきいきと美しい。

 この店で、ベトナム語の先生お勧めの「カフェチュン」が飲めるというのを思い出し注文した。

 生卵とコーヒーの組み合わせが理解できないし、そもそもこの国で生卵を食べてはいけないのにどうしてこんな組み合わせができるの?…お腹をこわさないの?…お腹の弱い先生もこれは飲んでも大丈夫という。

 たけの高いグラスが冷たいカフェチュン、低いのが、暖かいカフェチュン。  お値段はいっぱい3万ドン(120円)。

黒い部分はベトナムスタイルの濃く甘いコーヒーで、上の白いところは濃厚な卵の味でミルクセーキの甘いのがのっかっている感じ。

 鶏の生卵がいけないのであって、これは小さな鶉の卵みたいなのを使うので、問題ないと案内してくれた人もいう。

 たしかに夕方になってもお腹はなんともないので、本当みたい。

 次にまた飲みたいか?…と聞かれれば、しばらくはいいかな…?と答えるかもしれないけど、今回気になっていたことのひとつが解消されて少し満足かな…?


バカラのグラス

2010-04-20 19:34:03 | Weblog

4月20日

 息子の結婚式で、足元の引き出物の袋の中が空っぽと、大騒ぎするわたしに、お母さんとお父さんにはプレゼントがあったでしょう?と息子がいうが、なんせばたばたしていたのであまり覚えていない。

 式の翌朝、ボーッとしているわたしの目に、テーブルにほおっておかれたBaccaratと上書きのある赤い箱が飛び込んできた。

 なんだろう?エッ…バカラ?あのバカラ?……いつもショップをのぞいて、ため息だけついてすごすご帰っていたあのバカラ? …

中にはやっぱりグラスが入っていて、美味しくビールを飲めるグラスをプレゼントさせてくださいとお手紙もついている。

私がハノイにもどってやっとオットもその気になりさっそく使ってみた。

 ビールを注ぐと上にいくにつれて泡が美しくつくられてゆく。

 いままでグラスに氷を入れてビールを注いでいたオットが、きれいな泡が立つのにもったいないと、このグラスには氷を使わない。

 使ったあとは、わたしが触ると不安だからと、自ら洗い専用の場所に大事にもどしている。

ワイン好きのお母さんにと選んでくれたわたしのワイングラスもきれい。

 だけど残念なことにハノイにもどって体調を崩し病院のお世話になって以来お酒を飲んでいないのでこのグラスはお預けとなっている。

 このグラスは、結婚式のこと、子供たちのことで二人の会話が弾み、食卓をにぎわせてくる思わぬ嬉しいプレゼントとなっている。


2010年さくら

2010-04-13 17:52:35 | Weblog

4月13日

今年も満開のさくらにあえた。

去年、阿蘇の一心行の桜に会いたくて車を飛ばしていってみたら、まったくのつぼみですごくがっかりしたので、今年はリベンジと思っていたが、その前の山口で、ことしのさくらを見納めとした。

三男を東京に送り出して少しホットしたら、そうだ母のところにいかなくてはと思いだした。

私の母は北九州で一人暮らしをしている。

日帰り温泉にでもいこうかというと、疲れるから泊まりたいという。

山口県の山間にひっそりとたたずむ俵山温泉という昔ながらの湯治場があり、そこのお湯がまったりと肌にまとわりついてとてもいいので、ここに宿泊することにした。

母を連れ出す目的なので、少しドライブをしてみようと日ごろ通らない道を走ってみたのが正解で、美祢市というところが素晴らしかった。

山を下る途中にさくらのいっぱい咲く展望公園があり、そこから見える街全体がさくらにおおわれている。

この日は晴れわたった青空が広がっていて、重く花を持ちこたえてはいるけど、はなびらはちっていないという微妙なバランスの薄桃色がとても美しい。

帰りは、詩人の「金子みすず」で有名になった長門市で海産物を買って帰ろうとした途中の山すそにある大寧寺というはじめて聞くしかし、由緒ありげなお寺に行きあたった。

ここも今しかないという満開の花がびっしり枝をおおい、風がそよとも吹けば花びらがちる寸前であった。

日ごろ家の中にこもりがちの母なので、とても喜んでくれた。

 福岡にもどると少し葉っぱが目立ちはじめたさくらに変わっていたので、今年のこのご縁ともいえる山口のさくらとの出会いに感謝である。


温泉テニス

2010-04-12 16:34:22 | Weblog

4月12日

3月28日から、2泊3日の温泉テニス開催。

参加は主催者のケイちゃん、オーコさん、東京から○越さん、まきちゃん、のりちゃん、そしてわたし。

 宿泊は「海の中道ホテル」、卑弥呼が漢から貰ったといわれている、金印が見つかった志賀島の入り口に立地している。

 私の家からホテルまで車で20分くらい、結婚式場もあるきれいで、しかもテニスコートが併設されているホテルをみつけてきた幹事さんには感服。

 残念なことに、親戚のお通夜とお葬式がちょうどかさなり、なんせ結婚式のための帰国なのでお葬式のことは想定外、喪服はハノイだし、急遽友達に借りたりと、わたしはバタバタと落ち着かなかった。

 結局、初日のテニスと夕食とその後の飲み会、翌日のテニスは失礼してランチのみ合流させてもらい、念願の温泉にはご一緒できず、残念。

 ハノイで毎日のように顔をあわせていた友達だったが、かなり久しぶりの再会にもかかわらず相変わらずで、少しもかわっていなかった。

 でもテニスコートでのこのあやしい人物、ハノイにはなかった花粉症に苦しんでいた。

 福岡はお魚が新鮮でおいしいし、しかも安い。 志賀島付近は福岡市とはいえかなりはずれになるので、この「海鮮丼定食」が生エビもはいっていて、しかもなぜか生卵までついていて1000円ちょっと、生卵を食べられないハノイに住むわたしには垂涎ものだった。

 今回お手伝いもせず、しかも中途半端な参加しかできなかったのが残念、いろいろ調べて準備をしてくださった、ケイちゃん、オーコさん、ありがとう、ご苦労様でした。

ハノイで知り合って同じ環境で生活していた人たちが、日本に帰りばらばらになり、それぞれの生活が始まったが、今回のように、自分の生活圏にない日本の各地を訪問しあい、新鮮な気持になれる…、なんて素敵なことかと実感した。


結婚式

2010-04-11 11:54:26 | Weblog

4月11日25℃

予定より少し早い昨日ハノイにもどってきた。

 三男が就職で東京に行ってしまったら家の中が空っぽになり、することも元気も無くなってしまったので、お掃除をした家にありがとうと声をかけて、福岡でお留守番をしてもらうことにした。

今回帰国のメインイベントであったディズニーランドでの結婚式は無事終了。

式の前日現地入りしたのだが、強風のため夕方から京葉線は止まるし、当日式場入りの人が多いのに、早朝から飛行機の欠航のニュースばかりが流れてドキドキした。

 浦安の友達たちは心配して、式場がガラガラなのは寂しいのでみんながこれなかったら場賑わせしてあげるよと声をかけてくれる。

 遠方でするということはこんなことも想定内、あせっってもしかたないと淡々と様子見をしていたが、参加者たちは航空会社を変更するなど工夫してくれ、遅刻する人もなく式をはじめることができた。

 前日は強風のためとりやめになったゴンドラは、今日も99パーセントありえないといわれたのに、奇跡的に風がおさまった。

周りの観客に祝福され、春のやさしいおひさまをいっぱいあびながらゴンドラに揺られているふたりは夢のように美しかった。  

披露宴にはミッキー、ミニーをはじめ、ディズニーのキャラクターが勢ぞろいし会場は楽しい雰囲気にあふれた。 

 手伝いもせず見守るだけだった私達に、参加者のみんなから楽しい結婚式だったと声をかけてもらえたのが、なによりも嬉しかった。

 前日の夜中まで最後の準備をしていた息子や、この一年国家試験の勉強と結婚式の準備とで大忙しだったお嫁さん、ご苦労様、そしてありがとう。

 どうぞ体にきをつけて、楽しい思い出をたくさんふたりで作っていってくださいね。