4月22日 くもり
「枯葉剤の傷跡を見つめて~アメリカ・ベトナム次世代からの問いかけ~」…坂田雅子さんの「花はどこへいった」の続編で、今年1月30日、NHKで放送された作品の上映会を企画した。
今回の坂田さんの来越が、地震の影響でなかなか決まらず、GOがでてからばたばたと会場探し、手はずに奔走したが、ハノイボランティアネットの仲間や、歴史研究会の協力で、なんとか無事に終えることができた。
「花はどこへいった」の続編をNHKが放映したことに、この作品の重さが理解できる。
今回は、アメリカ人の枯葉剤被害者がベトナムの被害者に会う、というかたちで番組がすすんでゆく。
散布されたベトナムの被害者の、アメリカを憎むことなく、「同じ苦しみを抱える人々に国の違いはない」ということばに涙を誘われる。
被害者の働きたいとか、未来への希望とか、一人の人間として普通にやりたいことがやれない悲しさに胸がいたむ。
戦争被害で苦しんでいる人たちをたくさん抱えながらも、ベトナムはいま爆発的な飛躍をしようと頑張っているし、インドシナを牽引していこうとする、前しか見ていない国なのだ。
しかも、社会主義の国なので規制が厳しく、ベトナム戦争は解決した、思い出したくない過去の歴史なのだから、そこのところをわきまえてベトナム人の気持を逆なでするようなことはひかえてほしいと上映会場からは釘をさされる。
坂田さんは、ベトナム人でもアメリカ人でもないご自分だからこそ、冷静に事実をみつめることができるのではないかとおっしゃったことがある。
実際に「希望の種」という奨学金制度を設立した。
被害者を抱える多くの家族は大変貧しい生活を強いられていて、子供たちを学校にやることができない。
貧困と障害に苦しむ枯葉剤被害者の子供たちにも、大きな可能性がひめられている。
この奨学金制度によって希望の種が芽生え、苦悩の生活のなかにも光をもたらすことができるかもしれない。
この制度の対象は、高校を卒業して、大学、あるいは専門学校にいきたいが資金がない子供たち。
一人ひと月25㌦あれば彼らの望みがかなえられる。
約20人の生徒に計月500㌦を3年間保障するというもの。
走り始めたこの運動はもうやめることはできない、子供たちの夢をつむぐお手伝いなのだから、継続的に支援が必要になる。
彼らの自立を助けることにより、家族の負担も軽減される。
大勢の人に知ってもらうこと、理解してもらうことで広がる支援の形があるとの気持に賛同してくださり、この上映会に参加してくださった方達に感謝している。