9月30日
ヘリテージ日本人グループによる歴史博物館2階部分のツアーのお手伝いに行ってきた。
歴史博物館はレッドリバー沿いのフランス租界の一角に、1932年、フランス人によって建てられた。
この建物は、ヨーロッパとアジアの建築様式が組み合わされている特別なものである。
たとえば、八角形の窓は、東洋の宇宙観にある、「八卦」をあらわしているといわれている。
軒のとことに梁がでているのは、日本の五重の塔にもみられるものである。
屋根のひさしと天井を二重にして空気孔をつくり、熱をさえぎるようにしているとかはアジア式である。
1階は原始時代から1399年くらいまで、2階は1400年から1945年までのものが展示されている。
今回のツアーは2階部分である。
来年ハノイに都が移って1000年になるといわれているが、その昔、ここいらは湿地帯で旧市街以外はぐじゅぐじゅだったことを想像させる地図がある。
日本とベトナムは意外と関係が深かったことがわかる。
季節風をつかって日本との貿易がさかんで、ホイアンには日本人街もあり、バチャン焼きは茶道に使われるため、日本からのオーダーで作品の質が上がっていった。
焼き物は、ベトナム、バッチャン焼きと連想するが、コバルトを使ったフエの青の染付けと青磁のバチャンと作風が違っていたようだ。
その後、七宝焼きのカラフルな作品もできたりして、焼き物ひとつとっても興味がわく。
残念なことにこの博物館の展示品の説明が、ベトナム語だけなので、私達が個人で訪れても説明書が読めないので展示品をながめるだけで理解するのが難しい。
今回のガイドさんたちはよく勉強していて分かりやすく説明してくれたので参加してくださったかたたちも楽しかったと思う。
隣国が陸続きにある国は、侵略したりされたりするということ。
この国はそれが中国であったが、その後フランスに占領されたり、ずっと戦いと支配の歴史であったため、残念なことに文化の定着と育成ができていない。
日本は島国ということがとても幸いして、文化が育つ環境にあった、日本に生まれてよかったと、ベトナムの歴史に触れるたびに感謝している。