6月8日 くもり 32℃
タイ湖の蓮は古くからその美しさと香りで名高く、高級な蓮茶に用いられ、かつては王侯貴族への献上品であった
この蓮は「百葉蓮」といわれタイ湖にしかない特別な種類とよばれているが、資料がないのでどこがどう違うかわからない
しかし、このお茶は贈答品や、特別なときの飲み物としてハノイの人の誇りとなっている
おみやげ用の乾燥した茶葉を使うのとは違う飲み方があり、それは、ニャッタンの一部のカフェで供せられると資料にある
とにかく、行ってみようと土曜日の早朝でかけた
竹竿を繰りながら編み舟が蓮池を巡り花を集めている様子は、とりわけわたしの好きな風景で、網み舟のザーと葉をかきわける音もいい
編み舟が小屋につくと四方から手が伸び、蓮の花が売られてゆく、一抱え7万ドン(350円)、これは花束になったり、蓮茶につかわれるようだ
おばさまの左手がハス茶、この方は家で蓮茶をつくるからと花のお持ち帰り
蓮の葉でくるまれたものが蓮茶で、一つ3万ドン(150円)で小屋で売っているし、ここで飲むこともできる
蓮池の縁台にござを引き、こんな感じで供してくれた
このお茶は早朝作ってその日に飲むものらしいので、持ち帰った蓮茶のつつみをひらいてみると、まだ花びらも美しい
早朝、つぼみかがひらきかかった花を摘んで、その花のなかに茶葉をいれ、黄色いおしべの香りが茶葉に移るようにもみ、
そっと花びらでくるみ、もう一度蓮の葉っぱで包んで、そのまま数時間おくと茶葉に花の香りが移り、それをお急須にいれていただく
ほんのりとしたやさしいかおりのお茶ががからだを包んでくれ、こころが落ち着き、幸せな気持ちになる
しかし、心配なこともある、人口香料を使った安い蓮茶がでまわり、伝統的な蓮茶づくりは年々縮小している
そして、わたしの記憶にある蓮池が様変わりしていて、蓮池の将来があやぶまれるもする
いまでは、蓮池のなかに土手やはしをつくり、入場料3万ドン(150円)をとって、おおぜいの人が写真撮影できるようにしている。
そのことで、ごみは捨てるし、土手は踏み荒らされるし、池は汚れていく
つぶされてお花畑になっている蓮池もあり、ここでも写真撮影できるようにして、入場料をとっている
さびしいなあと思いながら、現金収入は生活にそっけつするものなので、わたしはとやこういえない