5月17日 はれ 30℃
このところハノイと中国の問題がニュースに取り上げられていて、みなさまからご心配のメールをいただくが、わたしのまわりは穏やかです。
毎日中国大使館の前を車で通るけど、タイコの音がしたり、人が少しいる程度、それもお昼前には静かになっているように思える。
ハノイ以外地方の工場とかで、労働問題などでくすぶっていたものが、これを契機に爆発している模様だといわれているが…
皆様にはご心配をおかけしていますが、静かにくらしてゆくぶんには 当方の生活にいまのところ支障はありません。
はなしは変わって…
わたしがかかわっている、ソンタイの作業所が暑いので扇風機を寄付してほしいといってきた。
この施設は、ハノイから車で1時間半ちかくののどかな田舎にある この日の気温42℃くらい
ベトナム語なので、聞いても読んでもよくわからないが、枯葉剤の影響やその他のしょう害を持っている人たちのために誰かが支援をしてミシンを買ったが、その後頓挫してしまったのがこの施設。
雨漏りがひどいので屋根の修理の支援をしてほしいというのが最初だったようで、その時まだわたしはハノイにきていなかったが、ご縁があってかかわりを持つことになった。
いま、わたしはハノイで布地を買って、エコバッグとかエプロンとかを縫ってもらい、仕立て代を払うことで彼らの自立支援をしている。
ガラスの入っていない窓や、埃っぽいでこぼこの土間の作業所は、整理整頓の必要があるが、何度行ってもなんとかならいものかと気の毒になる。
ボランティアで扇風機を買うことにしたが、1代42万ドン(2100円)のものが12台必要といわれ、作業所にそんなにいらないでしょうと、すこし驚く。
彼らにとって、ここよりほかにいくつか同じような作業所があるのでそこにもという気持ちらしい
期待に応えるのは難しいが、とりあえず10台分のお金を渡して、受領手続きをしてきた。
作業所 使っている扇風機
気温40℃を超えた日、午後ハノイを出発、暑さのためバイクも走っていず、思いがけなくはやく着いたが、作業所の蒸し暑さは半端なものでなかった。
冷房がなければたしかに扇風機の力をかりないと暑さはしのげない
代表者がただいま入院中とのことで、代理の人と話をしたが、代表者も苦しんでいて
枯葉剤の後遺症を持っているので軍の病院で格安の治療費で入院できているらしいが
4ベッドの病室には、1つのベッドを患者は2人で使うので、患者8人、
患者の世話は家族がすることになっているので、1人の患者にお世話の家族が数人、これでは冷房のない人口密度の高い病室の暑さは想像を絶するものと思う。
その上、治療はお金のある人から順番なので、お金のない人は痛みをこらえて暑いベッドの上で治療の順番を待たなければならない
とはそのとき通訳を通してのはなしで、扇風機は当然必需品だが、作業所のはなしにもどって
わたしにとっては、必要なのはわかるけど、予想以上のものを要求してくるので、不信感の方が先にたち、私たちは言えばなんでもでてくる打出の小槌と甘く見られているのではないかといつも心配になる。
こんな時、ボランティアって難しいと思うけど、病院の様子などを聞くと、なんとか普通に病気治療をうけることができないものかと、心配してしまう。
今回、病気と作業所のはなしが一緒になって分かりにくいけど、ベトナムの田舎には、私たちの常識を超えるものがまだある、と思う。