3月31日
ドンスアン市場の近くに玄天古観という道教寺院がある。
ここはハノイ四大道観の一つで、ハノイを代表する道教のお寺といわれている。
道教の教義は調べてもよくわからなくて、こんど説明するのに困っている。
ベトナムの寺院は、「前は神、後ろは仏」という宗教建築に特徴があり、このお寺も、正面が道教の神様、次の部屋が仏様、他にベトナム特有の女神信仰の女神などを祀っている。
歴史のある寺院にもかかわらず、正面の両サイドはガラス食器を扱う店舗になっていて
お寺の日でもない限り、横の小道の奥にある勝手口からはいらなければならない。
おくの深い暗い寺院を、なぜか仏教の尼さんが一人とネコ6匹で守っているらしい。
寂しいのか時間があったのか、下見に行った私達にお茶とお菓子を振舞ってくれた。
バインチョイ
とバインチャイ。
バインチョイは日本の団子とそっくりだが、餅粉に黒砂糖の塊をつめて蒸したもので、中の黒砂糖がこりっと歯にさわり、甘みがじわっと口の中に広がってゆく。
バインチャイは、葛の甘いたれのなかに浮かべた、同じ餅粉の団子ではあるが中に緑豆の餡が入っていて少し大ぶり。
お団子の大好きなわたしではあるが二皿も残さずいただくのは至難のわざで、完食はしたけれどランチはパスしてしまった。
近隣の人たちがこの尼さんを大事にして、雑用をしたり、見守っているように見受けられた。
このおやつもたまたまお寺を訪問した近所の若い子になにかいったら、外のお店から運んできてくれ、お礼のつもりかお供えのバナナをもたせていたので、物々交換だなどと思ってしまった。
こんな光景に、信心深いといわれているベトナムの人たちの姿をみせてもらったような気がする。
しかしそれなら、歴史あるお寺の敷地に割り込んで商売などしてほしくないとも思ってしまう。