ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

住めば都というけれど

2015-02-24 20:50:34 | Weblog

2月24日 くもり 28℃

旧正月の休暇から帰ってきてみると、相変わらず霧に覆われた視界のないくもり空ながら気温は、ずっと30℃前の日が続く予報

毎日が霧と湿気であふれていてもこのくらいの気温になると、ちじんだ心と体がおおらかになり、気持ちの良い日だねとの挨拶ができるようになる

今回の休暇で訪れたのは、フィリピンセブ島というべたなリゾート地ではあったが、ハノイにないあおい空、きれいな空気、そして透明な海と白い砂

きりりとした輝く日差し、おどる光と漆黒の影の世界、それを彩るとりどりの緑いろの重なり、非日常がそこにはあった

   

  

海辺で過しているとその土地で使われている船のかたちに興味がわく、セブ島では、漁船も観光船も、船体の両脇にやじろべえみたいな足がついている

おそらく、バランスをとるためだと思うけれど、私たちがあめんぼうみたいと呼ぶ、こんな小さな船で漁にでている

整備されたリゾートから外にでるには、何重もの厳しいゲートチェックを受けなければならないが、あえてでてみると

市街は貧困にあふれていて、大人も子供も、暗い表情で座り込んでいる人が多いのに驚く

人々の移動は、ワンボックスカーを改良してベンチをつけた12人乗りの簡易バスか、側車付きのバイクでベトナムで定番のバイクは少ない

ということは、それを買うこともできないのだと思われる

         

このバイク、窓のない箱の中に2人、外の座席、バイクの後部座席、横と座れるところであればどこにでも乗せ人を運んでいる

バスの中がいっぱいの時は、出入り口に両手をかけぶら下がるようにして立っている人も見かけ、危険は自己責任で回避するということなのか

街にあふれる瓦礫、ごみ、バラックのような家、タクシーに乗ると、運転手がしきりにドアのロックをチェックする、窓は手動であけることができない

運転手から危機感を感じ、すこし緊張する

ハノイにもどり、鉛筆のような家並みが美しく思え、人の表情も明るいのに安堵し、バイクの所持率の高さに豊かさを感じることができた

ハノイとフィリピン、駐在地の住みにくさの度合いは同じレベルとされているらしいが、そうかしら…

たまに外からハノイを見てみると、ああ、この地に暮らせてよかったと、ないものねだりの旅行から、逆に新しい発見ができた

 

 

 

 


桃の里

2015-02-15 09:22:26 | Weblog

2月15日 くもり 25℃

ハノイの街は師走真っ盛り、車の間を金柑バイクや桃バイクがせわしげに走り回り、危険極まりない。

アウコー通りには、ハノイで一番大きなクアンアン花市場がある。

桃の枝を山積みにした自転車の花売りさんが、この市場を中心にして放射線状に広がって並び、一面桃色のかすみのかかったような世界が広がっていて、とても美しい。

旧正月、テトの花は金柑と桃の花、というのは以前報告した事があるが、このような通りが桃色に染まるほどの桃の枝がどこから集まってくるのか、不思議だった

       先週、写真クラブで桃畑の撮影会に行き、納得  

バナナの林を背景にした桃はシュールだねと会話する

         花市場の奥の紅河の河川敷一面が桃の畑となっている  

枝の下にはほかの花、野菜も植えられていて、桃の花は観賞用、実は栽培しないので、他の季節の現金収入に必要なものがしっかり用意されている

昔、タイ湖と紅河の間にある土地でどこも花木を栽培していたのは、お城に近かったことと、

このあたりは川に囲まれていて、農業に適した広い土地がなかったことが原因のようだ、

しかし、都がフエに移ってからは一時すたれたこともあったらしい

しかし、フランス植民地時代に西洋の習慣が入ってきて、花を飾ったり、贈ったりするようになり、再び花木の栽培が行われるようになったということだ

ここ、ニャッタンに桃の花が植えられるようになったのは、20世紀に入ってからのことという

タイホー地域は金柑、ギータムは蘭の花の栽培と、それぞれの村で特定の花を栽培していたようである

そんな歴史もふまえ、旧正月前のこの季節、畑にまで桃の枝と買い求めに来る人でにぎわっている

      そうなるとこんな綿菓子やさんや   

貸衣装をきて写真を撮るスタジオもできて、写真好きのベトナム人のニーズに合わせたお商売も盛んである

     この桃の枝のお値段を聞いてみると、300万ドン(15000円)  

別の人で5万円もするものを買っっているのを見たという人もいた、季節のものにはお金はケチらないのがベトナムの人らしい

広い桃畑、作業の人はこんな感じ  

テト前の風景をもう一つ前の週日本から友達がきて、街案内をしたときのハンマー通り

      テトのお供えものでここは金色の世界

車は通行止めだけど、バイクはOK、バイクに乗ったままたくさんの買い物客であふれていた

活気のある風景に圧倒され、このところ旧市街に出るのは控えていたが、今日はそろそろ落ち着いた感じ

日本人の単身者は家族のもとに帰り、ベトナム人は田舎の家族のもとに帰り、それぞれがお正月をすごすために、ハノイから離れていっているからだろう

かくいうわたしも、明日から、ハノイを離れ、南の島でのんびり過ごしてくることにします

 

 

 

 

 

 

 


ドンラム村

2015-02-05 22:45:07 | Weblog

2月5日 くもり 12℃

ハノイでまったりのんびりの空間がほしくなったら、ドンラム村にいくことをお勧めする。

わたしも先月日本からのお客様とご一緒したのがはじめての訪問だが、途中の田植えの風景と重なり、もう一度行きたいという思いにかられている

ドンラム村は、ハノイの西50㌔、紅河の南岸のソンタイというところにあり、車で1時間半くらいの道のりである

村の守り神は西南にそびえるバービー山、標高1700m、ハノイで一番古いドンモーゴルフ場からも見ることができ、信仰の山とキャディーもいっている

この村は、昔から多くの英雄をだしたり、科挙合格者などが建てた400年前の立派な家などが保存されていて、村全体が伝統的な姿を保っている

2003年に、ドンラム村農村集落保存プロジェクトが開始され、現在も引き続き、JICAの職員さんがこのプロジェクトに携わっている

ドンラム村にある5つの集落が保存地区となっていて、村全体の人口は7000人

この村に入るための門は登録車以外は通ることができず、門の外にある駐車場に止め、歩いて入ってゆく

            村の唯一の教会 

        レンガの壁、この赤いざらざらした色が印象的な村の風景

  どちらも台所かな、井戸と甕と壁につるされたお鍋  

              古い民家の中庭に並べられた、村の特産の味噌の甕

           村人の足は自転車が多い

 民家でいただく食事    ゆでキャベツ、揚げ春巻き、鳥の蒸したの、豆腐の煮物、干し大根の煮物

この食事のヒットは、干し大根の煮物、少し厚めにスライスし、空き地にじか干ししているのは非衛生的でちょっと驚くが

これを調理したら(おそらく洗って)、お大根の甘さと、風味とこしこしした歯ごたえがなんともいえずおいしいし、ご飯のおかずに最高!

村で食事を頂くためには、2時間以上前の予約が必要、理由は、鳥をしめないといけないから…鶏肉は歯ごたえがあってうまみが凝縮している

お醤油と庭先の味噌と塩で、好みの味をつけて、ご飯は大きな鉢に何回でも持ってきてくれる

村の伝統的な家は、窓がないので暗くて、夏は風が通らず暑いし、冬は土間で寒さが厳しく、住みずらいことこの上ないらしい

エアコンも、水のタンクも、テレビのアンテナも、村の景観を壊すということで禁止

昔ながらの生活はかなり窮屈なので、このプロジェクトに反対する住民もいるらしい

のんびりした風景は都会人の憧れではあるが、村人にとっては…疑問かな?


ToTo カレー皿

2015-02-02 21:08:58 | Weblog

2月1日 くもり 15℃

そういえば、あんなこと言ったっけー…と、本人は忘れているのに、言われた人は忘れられないことって、よくあること

あーあ、言うんじゃなかった、と今回も反省すべきなのか、心遣いが嬉しいと喜ぶべきか…

ゴルフのコンペの賞品でオットが持ち帰ったものがこれ  ショールームに並べられているもの

なに、これ、どうやって使うの?…使えないじゃん、いらないし、といいながら棚の奥深くにしまってしまった、だってあんまり見たいとも思わないし

ばってん会という名の福岡県人会が月一回のペースで行われている

みなさんまめに参加してくださるし、ばってん会コンペと称するゴルフコンペも行われ、和気あいあいとした楽しい会である

ToToとか、浄水のタカギとか全国に名前のとおった福岡の企業がハノイに工場をもっていて、社員さんはもれなく福岡にゆかりがあるということで、会社ぐるみでばってん会に参加してくださっている

で、ある日、ToToの人に、オットが賞品でいいただいてきたものは何の役にもたたない、どういう目的で作っているの?置物にもならないし…

もっと目的をはっきりさせて作ってほしい、例えば、ゴルフコンペ優勝者のためのお皿とか、ToTo製でみんなが喜ぶもの

ほら、ToToカレーとかいって優勝者にたべてもらうとか、ビールのグラスとして使えるものとかなんてなんだかんだ、お酒の席での会話と思っていたら…

先日のばってん会で、ToTo社員がかなり参加、にこにこ顔で、かずちゃんのためにお皿を作ってきましたと、社長自ら手渡ししてくれる

なんか不安な気持ちで箱を開けると、やっぱり…ほんとうに作ったんだ…  ToToカレー皿2個

手洗いのところに、ふくじん漬け置き、スプーンたて、ちゃんと考えている、しかも厚みの間に水がたまらないように水抜きの穴まで、実物そっくり…

これを作るための、苦労ばなし、便器談話の楽しい会話がえんえん続く、けど、退屈しない

最初の写真のものは、何じゅう分の一かの縮小版、本物と同じ材料で縮小しただけのものをつくるのに長い時間と費用がかかるそうだ

で、私用に作ってくださったものも、本物と同じ材料、縮小率を計算しながら、お皿の角度、手洗いの高さと角度と、緻密な計算が必要で、5,6個試作品をつくり、やっと完成したものらしい

しかし、いまだ改善の余地ありで、お皿の角度とか深さ、どっちにカレーを入れると食べやすいか、さまざま話し合ったという

そんなことしていないで、お仕事をしてくださいというのが私の気持ち

でもね、だいの大人が、よってたかって、便器を前に専門家の知識を披露し、ああでもない、こうでもないと語っている姿を想像すると、なんだかほほえましい、それも私の一言のために…

私たちが帰国するということで、作ってくださったものなので、当然、目的を達成しなければならない、

あんまり美しいものではないし、いただくのも勇気がいったが、みんなのあたたかい心と一緒に、完食することができた

オットは、これは気持ちと一緒に日本にもって帰ろうね、という、確かに、大事に持って帰ることにする、ありがとうございます…

 

 


ベトナムの旧正月 テトまえ 

2015-02-01 19:44:06 | Weblog

2月1日 くもり 15℃

久しぶりののんびりした週末、朝食のフォーを食べに外にた

ハノイは旧正月前、年末であるので、街がざわざわし、人や車、田舎から出てきたもの売りさんでにぎわっている

年末の大きな行事に、12月23日(今年は2月11日)、オンタオという、かまどの神様の日がある

通常台所に祀られているかまど神(日本の荒神さまみたいなもの)は、陰暦12月23日に鯉(龍の化身)に乗って天に昇り、玉皇上帝に家族の1年間の善悪を報告し、30日の大晦日にもどってくると伝えられている。

この日は、かまど神に紙製の冠・靴を供え、生きた鯉を1匹、川や池に放つという行事を行う 

天秤棒にぶら下がっているのが、冠と靴のセット、あとは、その他のお供えもの、こんな感じで街中を売り歩いている

家の守り神であるかまど神が天に昇っている一週間の不在中は、ももの花を飾って魔除けをするということになっている

そのため、街中には自転車の売り子さんがいっぱい  

今年はテトが遅く2月16日、1月の初旬はすごく寒かったが、その後ぽかぽか陽気が続き、昨日からまた寒さが戻ってきたという気候

桃の花にとって、時期に合わせて開花するのは難しく過酷なもの、農家さんも苦労すると思う

先週の金曜日(1月30日)、用事でいったサービスアパートの植え込みの桃の花は満開で、きれいなピンクの世界が際立っていた、これが自然体

      

私のハノイ滞在期間もひと月を残すのみとなった

ぶらぶら歩きをしながら、やっぱり好きこんな景色、としみじみ思われるのは  緑濃い街路樹と隙間にみえる空

あとどのくらい、ハノイの好き、に出会えるのか…