4月9日
親しくしていた友達の本帰国直前、彼女と濃密な時間を過ごすことができた。
ベトナムで心残りのないように、食べたいものの希望をききながら数日を過ごしたが、いよいよ今日の深夜便で帰国という日、彼女の希望のランチは、1人鍋であった。
チュクバック湖の湖畔には、歩道にござを敷いて鍋を食べさせる店が夕方からオープンするが、そんな鍋屋にはいけず、近所の屋内の鍋屋にいった。
ベトナムでは、1人鍋を「シャブシャブ」と呼び、日本発祥だと信じている人が多いが、実はこの形は台湾から伝わってきたもので、台湾で最初に「シャブシャブ」を流行させた店が、1人鍋の形式をとっていたため、台湾の人もこれがしゃぶしゃぶと誤解しているらしいと雑誌にかいてあった。
この店は1人用鍋用コンロがあらかじめテーブルに埋め込まれていて、材料も1人分ずつ、シーフードや肉や野菜、えびなんかは生きていて足をもぞもぞさせているのが皿にのせられて運ばれてくる。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/75/11/f94fa1262b8ef0b9d84bf3e061633a0f.jpg)
みんな新鮮でおいしいためか、ランチというのに満席で、酒をのんでいるひとが多い。
白鹿の4合びんをテーブルにのせていたり、月桂冠の1合びんを燗をつけて飲んでいるのは、この料理が日本料理だと信じているからなのだろうか。
ディナーはモロッコ料理の店に行こうと連絡があった。
まだ知られていないが、ハノイで初めてのモロッコ料理屋さんがオープンしたばかりで、別の友人が、自分のトラウマの「クスクス」にチャレンジしたいからと。
彼女が昔フランスで、おいしいからと勧められた「クスクス」が体調不良のため食べられず、逆につらかった思い出しかなくそれ以来食べてないので、食べられるかどうかためしてみたいからという理由である。
結果は彼女にとっては○、おいしいじゃないという感想。![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/2a/a244109dd17706d380d5c10d55bc89ac.jpg)
わたしにとっては、「クスクス」とはなんぞや、に始まる。
鳥になったみたいというのが最初の印象、だって鳥のえさみたいに小さくて丸くて、口に入れるぼそぼそしているから、ひえか粟をたべているのかと思ってしまった。
「クスクス」を調べてみた。
硬質小麦であるデュラム小麦を粉にし、水分を含ませ、そして粉状にしてから蒸して乾燥したもの。
このデュラム小麦は乾燥パスタの材料でもあり、同じ仲間どうしで、クスクスはもっとも小さな乾燥パスタともいえるとある。
モロッコ料理ははじめての味覚だったけど、やさしい味付けでこれといったインパクトはなかった。
最後の晩餐が、思い出のベトナム料理でなくアフリカ料理だったなんて、わたしの友達らしくて素敵なお話だと思いませんか?