ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

もうひとつの手仕事

2010-07-29 21:59:17 | Weblog

7月29日

わたしのもうひとつの手仕事は、トールペイントである。

 毎年12月の第1週に福岡で、ギャラリーを借りて、「遊空間」と称する総勢20人を超える仲間と一緒に展示会を開いている。

これは日ごろ別個に活動している作家さんたちが、この時期だけ顔を合わせて一年間の仕事ぶりをみてもらうという、七夕みたいなものだが、今年は第8回となる。

 わたしは途中からハノイにきているにもかかわらず、1点でも2点でもいいから展示するようにとみんなに励まされ、毎年数点、展示させてもらうついでに里帰りもし、みんなと顔をあわせている。

 今年もやっと1点仕上がった。

 数年前から、和物の作品の製作をすすめられていて、これは、古屋加江子さんの「和のペインティングその2」のなかの作品をアレンジさせていただいたもの。

トールペイントは、おとなの塗り絵と称してだれでも楽しめるものとわたしは思っているが、このごろは下火になってきて寂しい。

 しかし、わたしにとっては性に合っているのか、もう20年も筆をにぎっているが、やめようと思ったことはなく、いつもわくわく楽しんで描いている。

 あと12月までに2点製作するつもりだが、仕上がったらぜひアップさせていただきたいと思っている。


このごろのわたし

2010-07-28 09:02:29 | Weblog

7月28日

日本は猛暑のようだが、ハノイの暑さは峠を越し、さわやかな風にであうこともある。

 トールもしたくない、本も読みたくないという時間を使って、自分用のティーマットや食事用のマットを作っている。

そろそろ身の回りのものの整理をするという年齢にはいってきて、よけいなものは買わない、持たないという方向に舵取りをしているわたしに、この3年間で溜まったものが家の中で目につくようになった。

 まずは引き出しに溜まっている、着なくなったオットのYシャツやわたしのブラウスなどの整理からはじめる。

 しかし、そのまま捨てるのももったいないので、手始めにが、、すべてを3センチ各の小布にして暇な時にちくちくできるようにし、それがたまると、ティーマットに仕立てる。

15センチ×30センチで、すぐにひとつ出来上がるのが嬉しい。

わたしは、基本的に色がたくさんあるのは好きではないので、白い布だけを集めて組み合わせてみたりするのも楽しい。

何枚もつくると飽きてきて、なんか違ったものをと、今年布市場で買った使い残しの麻布を小ぶりのプレースマットに仕立てることにしたが、そのままでは寂しい。

しかし、食事用のものは刺繍したりして手をかけても、汚すのでもったいない。

そこで、大きな声ではいえないが、引き出しの中に20年以上持ち越している刺繍糸を消化する目的もあって、だたちくちくやってみたものがこれ。

 家のなかに溜まって困っていたものが、違うものに生まれ変わって、思う存分使い切ってしまえるのが嬉しい。


お祝い菓子

2010-07-25 09:51:53 | Weblog

7月25日

会社のベトナム人スタッフが、来週結婚式を挙げるというので、配られたお菓子をオットが持ち帰った。

 バインコムと緑豆のお菓子。

 バインコムは、未熟の青い稲から作るお餅で中に緑豆の餡がはいっている。

 空港とかにも売っているが、ハノイで有名と思われるのが、11Doc Pho Hang Than、のお店、1個4000ドン(16円)くらいだったかな?

 よそで買ったものはくさくて好きではないが、ここのお店のはへんなかおりをつけていないので食べやすいしおいしい。

 このお店のある通りを勝手に「結納通り」とわたしはいっているが、結納品を扱うお店が軒を並べている。

 ベトナムの結納品ってどんなもの?

丸い漆のお重のようなものの中に、チャウカウ、お茶、タバコ、菓子、現金などをいれて花嫁の実家にもってゆくものらしい。

チャウカウというのは、ビンロウの実に石灰をかけてキンマの葉で包んで噛む、一種の噛みタバコで、これを噛むと強烈な刺激が口に広がり、軽い酩酊感があり元気がでてくるらしく、酷暑のなかで労働する人を癒す貴重な嗜好品であったらしい。

若い人には形式的なお供えものであるが、いまでもお寺の入り口とか市場でこのセットを売っている。

 ハノイで、おばあさんがくちゃくちゃ噛んで真っ赤なつばをはいたり、真っ黒な歯をしているのをみかけて驚いたものだが、これを噛んでいるからである。

 これは緑豆のお菓子。

 どこにでも売っていて、わたしもベトナム土産に買って帰ったことがある。

緑豆を粉にしてほんのり甘くかためたもので、味はきな粉みたいでおいしい。

 しかし、口にいれると粉っぽくて喉につまって苦しいので、最近は買ったことがないが、久しぶりにいただくと懐かしいお味が心を和ませてくれた。

 箱の裏が、お祝い事の「喜」となっていていそれっぽくてかわいい。

 結婚式は水曜日の昼間、みんな会社があったりして忙しいはずだが、ランチタイムに行って食事をして帰ってくるというシンプルなものらしい。

そのかわりというか、挙式の前に二人の写真をたくさん撮って豪華なアルバムを作るようだが、会社でもこのアルバムをみて、みんなが盛り上がっていたそうである。


夏の朝

2010-07-23 21:02:40 | Weblog

7月23日

ハノイは高い建物が少ないので、空が広い。

 しかも我が家のリビングは東向きで、窓いっぱいに空が広がっている。

 先週の台風が通りすぎてから気候が少し落ち着いた。

気候が通常になったということは、毎日雨がどこかでふるので湿気が多くなり、カラリと晴れ上がった空はきえてしまい、お日様がでていても、白っぽい空に変わってしまうということ。

 なので、このところ青空に遭遇することがなくなり、暑さにうんざりするという、そんな気分もなくなった。

 週末のオットのゴルフはスタートが早く、5時前には動き始め、わたしもおちおち寝てはいられない。

 しかたが無く、オットを送り出したあとボーっと窓のそとを見ていると、藍色の世界にだんだんオレンジ色が顔をだしてくる。

 少しずつオレンジ色の面積が広がってゆきあたりが白っぽくなって少しずつ夜が明けてゆく様子を今年、なんど目にすることができただろうか。

 こんな日は、朝から晴れ上がり、気温がぐんぐん上がってゆくのだ。

 一年に何度もない朝からの青空の様子、今はもう懐かしく思えるようになった。


週末台風

2010-07-19 09:47:57 | Weblog

7月19日

週末、今年始めての台風が上陸した。

 この週末、オットはダナン、ホイアンへの社員旅行の予定であった。

 全員同じ飛行機に乗れないので、分散して現地集合となり、オットは後発組みで、昼ごろの飛行機にしていた。

先発組みは、到着したが、ダナン空港の風がだんだん強まり飛行機が着陸できないということで、後発組みは予定をキャンセルして家に帰ってきた。

このドタキャンで思わぬ、のんびりした週末がすごせた。

 土曜の夕方の道路はバイクが少なくて、空気もきれいなような気がしたが、さすがにみんな家にこもって台風に備えていたのだろう。

 夜中の雨も上がり、翌日は、台風一過の様子をみて歩こうと散歩にでかけた。

まだ風が強く、タイ湖は波立っている。

 ハノイの男性は、大雨の後とかは必ず、湖で魚釣りをするか、漁をするが、魚が釣れやすいのかしら?

水上ハウスは、風と波の影響か傾いていて、ガラスが割れて、ホースで水抜きをしていて、家具も散乱している様子だが、住人は泰然と釣りをしている。

 ここの人は、長い過酷な自然との戦いで学習したのか、受け入れて、流されて、あるがままに暮らし、のんびりしていて、私達のあくせくしているのが場違いに思われる。

 台風とは関係ないけど、これはローカルレストランの厨房。 料理用の燃料の練炭が壁に山積みされているし、流しの代用にバスタブが使われている。

 仮設の台所のようだが、生き生きとした活力を感じる。

 家の玄関から、日ごろ見えないバービー山が稜線をくっきりと姿を見せてくれた。

 いつも行くゴルフ場の近くのこの山は、標高1700メートル、この辺りで一番高く、近隣の人の信仰を集めている。

 ハノイの街は排気ガスとほこりで空気がよどんでいるので、よほど空気が澄んでいないと遠くが見えない。

 今回の台風は、よどんだ空気が吹き飛ばされて、非日常の光景に遭遇することができた。


道路の冠水

2010-07-13 20:07:39 | Weblog

7月13日

いつもゴルフネタだけど、暑さのためゴルフ以外外出を控えているので申し訳ない。

 早朝、車に乗った途端に雨が降りはじめ、ゴルフ場までの1時間半の間、前が見えなくなるような豪雨になったり、小降りになったり、雷が鳴ったりと、変化が激しかった。

  気温もあがらず、プレー中友達が、「今日はさわやかで気持がいい」という。

 「こんなに雨がふっているのにさわやかとは、どんな気候のところに住んでいるんだ」とかつっこみがはいる。

 18ホールが終わる1時ごろから青空が広がりはじめ、だんだん乾いた気候になってきた。

 帰りの車に同乗している友達が、いったいあの雨はどこにいったんでしょうといっているうちに、その雨が集ったところにはまってしまった。

 途中、ホーラックテクノパークという工業団地が開発されている。

 私がきた3年前にはもう道路の拡張工事とか始まっていて、長く工事中で道路が大渋滞していた鉄道(1日数本しか通らない、ホーチミンまで繋がっている唯一の単線)のアンダーパスが開通した。

 先々月くらいのことだと思うが、やっとこれで渋滞がなくなったと喜んでいた矢先の今日、大渋滞。

運転手が様子を見に行き、道路が冠水していて車が通れないという。

 あの雨はここに集ったのね、とかいううちに運転手はしんじゅんしている車をかきわけ前に行く。

水の中にトラックが止まっていて、しかも前からくるバスは車体の一部が水の中であるというのに、とうとう突っ込んでいってしまった。

「 ここで止まったら水の中を歩くのは危険だね、どんなきたないものが流れているかわからないから」、とかおもわず荷物を胸に抱えてどきどきしたが、無事通りぬけ、私達は思わず拍手。

 トラックがどこからともなく現れて、バイクをのせて水の向こうに運ぼうとしているが、バイクの人からお金をとっているものと思われる。

 こういうことは日常茶飯事で、排水に配慮せず道路を造るとか、一気に水に飛び込む車とか、お金を獲ってバイクを運ぶ車とか、日本の常識が通用しないお国柄である。


熱波

2010-07-11 11:06:23 | Weblog

7月11日

 相変わらず気温が40℃を超える暑さが続いている。

 今は、田植えのシーズンである。

 週末ゴルフに行く途中、大勢の人が田んぼにでて田植えをしているという、平日に見かけない光景に遭遇した。

 ベトナムの農業は機械化されていないので、労働集約型の農業は人手がすべてである。

 効率をあげるため、田植えは週末に家族総出でやるが、これは早朝の光景で、日中は暑いので、午後には人影のない静かな風景にかわっている。

 我が家がメンバーになっているゴルフ場は、車を降りてボートに乗り換えてやっとクラブハウスに到着する。

 湖はこのところ渇水で湖面が干上がっていて、船着場が移動したりして余分な時間がかかるのだが、こんな状況でも魚を獲る人たちがいる。

 とにかく今は暑いので、舟には日除けの覆いが必要である。

 覆いもかけられない小舟のエビ漁の人は傘を片手に、作業をしている。

ゴルフ場のキャディーさんたち。

 若い女性にとって日焼けは大敵なので、完全装備、ここのゴルフ場だけ帽子はノンランでベトナムらしいでしょう?

 この姿は目しかみえないので、いつも自分のキャディーがどの人だかわからず苦労する。

 ハノイで最高に暑い月は5月で、去年は旧暦の関係で5月が2回あり暑いといわれたが、なんだか今年のほうが暑いような気がする。

 明日は旧暦の6月1日、この先少し暑さが和らいでくれるのを祈るばかりである。


かわりばえしませんが…

2010-07-06 21:07:45 | Weblog

7月6日

暑い…… 昨日も暑かったので、外に出る気がせず、今日のゴルフのことが憂鬱で、夕方友達に行く~?と電話すると、行かない、とはいわない。

今朝、やっぱりピーカン。

 日のさすベランダに温度計を置いたら、50℃で針が振り切れていたので、7時前に別の友達に電話すると、行くよ…と軽く答える。

 しかたがないと行ってきたら、18ホール歩きで完走…。

 できるじゃん…と自信を持ってしまった。

 帰りにみた道路の掲示板は、42℃、だったり、44℃だったり。

車の表示が40℃となっていたのでなかをとって42~3℃だったのだろう。

暑さと裏腹に きれいな青空を背景に、すべてがはっきりとした輪郭と色合いを持って美しい風景が広がっている。

 ベトナム語の先生もこんな青空はハノイでは珍しいという。

 ベトナム語のレッスンで、青色について話がはずんだ。

 日本も、青と緑は微妙で、信号の色の言い方を思いだせば納得できるが、どちらも青という場合がある。

 ベトナム語も青と緑を「xanh」といい、細かく区別すると、空色と葉っぱの緑になる。

 その時、ハノイの空はいつも曇っていて青空なんかみたことないと思ったが、このごろの空はまさに空色をしていて、めずらしいのでひたすら美しいと感じてしまう。

それで暑さしのぎに、6月の写真だが、はす池の朝の様子をアップさせていただく。

はす茶用の花だけでなく、この季節、早朝のタイ湖に集り、はすの花が切り取られるのを岸でまっていて、自宅用に持ち帰る人がいる。  

 いつみても、なんどみてもこの光景が好きで、いつもシャッターを切ってしまう。


タイ湖の朝

2010-07-05 08:31:40 | Weblog

7月5日

毎日暑いし、ピーカンである、こんなにお日様が朝から照りつけるのはハノイでは珍しく、気持がすっきりして嬉しいはずが、なんとも暑い。

 週末ゴルフはカートを使うようにしているが、日曜日の歩きゴルフでオットがへばって帰ってきた。

ベランダに置いた温度計が日陰とはいえ40℃をさし、5時間も陽ざかりにいれば、へばってしまうのは当然である。

 ベトナムの人は暑いときは外に出ないし、お昼寝をして体力の温存、活動は早朝か暗くなってからとなっているようだ。

我が家の朝の散歩時間は、ベトナム人も活動時間である。

 若い世代はデート、バイクに腰をおろして語っているけど、いったい何時からここにきているのやら。

 カヌーは、対岸に保管庫があり、早朝練習に余念がない。

 シニア世代は湖につかり、涼を求めて泳ぐ人、浮き輪をつけて真剣に練習もする。

これは、携帯簡易更衣室。

 泳ぐほど体力が無い人は、空き地でラジオにあわせてゆったりと体を動かしているので、シニアラジオ体操みたいなものなのかなあ?

 壮年は、お寺の境内でバトミントンの試合をしている。

タイ湖はみているぶんには、とてもいいのだけど、水辺を歩くと、ごみが浮いているし、悪臭がするし、魚がお腹をみせて浮いていたりして、水質汚染が真剣な問題となっている。

 水上バイクで遊んでいた日本人が湖で転覆したあと、悪い病気にかかって日本に帰らされたことがあると、人からきいたことがある。

日本人にできなくて、ベトナム人にできるのは、産まれたときから気候風土に体が合うように成長しているのだと思うが、それは壮年世代のことで、若い世代は、馴染むのにはもう無理な環境になってしまっているのではないかと思う。


送別変身写真

2010-07-02 11:02:39 | Weblog

7月2日

いつものことだが、夏休みを前に、本帰国する方達の送別で忙しくなる。

先日我が家での飲み会の時、変身写真に行こう、と盛り上がった。

変身写真は、たしか付き添いでいったことがあるが、その後いくら誘われても、これだけは、お断りをしてきた。

 でも先日、お友達の写真をみせていただいて、もしかして私も楽しめるかも?という希望がわいてきたので、同行させてもらうことにした。

 メークと衣装、写真が10枚で30万ドン(1200円くらい)とお手ごろ価格である。

 ドレスにするかアオザイにするか、各自イメージをもって臨んだはずだが、サイズがなく、選んだアオザイを持った瞬間、お腹を触られて、ダメだしがでる。

 これしかない、みたいな勢いでもってこられて着てみても、上着はオッケーだが、パンツはウエストが止まらないどころか開きすぎてジッパーが上にいってくれない。

 問題ないと、案全ピンでつないでくれるが、下を向くとすぐに切れてしまい、最後は恥ずかしながら、前は開いたままということで撮影に臨んだ。

パットがその辺に山積みになっているので、適当に2枚、3枚と胸に入れてゆく。

 あとは、後ろをピンでとめたり、前さえなんとかなればいいと、すごくアバウト。

 しかも、スタジオは暑いので、待ち時間は暑さしのぎにスカートをたくしあげ、お行儀なんて頭から飛んでしまう。

 写真は、想像したよりたくさんのカットをとるので、そのたびにポーズの指導があり、体をひねって視線は向こうとか、体をはったものが多く、筋肉痛になりそうである。

小道具は相当ボロだけど揃っていて、カメラマンのイメージによって次々と変わってゆく。

 助手は、小道具を出したり入れたり、支えたりとモデルの気合と相反したゆるさがなんともいえない。

 扇風機はアオザイ撮影には定番のようで、普段は私達に風を送ってくれるのが撮影にはいるとそちらに使われ、暑い。

 私達にも楽しいものが、ベトナム人に楽しくないはずがない。

 写真館は相当混んでいて、私達の前にもあとにも予約が入っているので、更衣室はかなり混雑した。

 しかも、こんな写真もいいのでは?と進められたのが、これ。

 それもありかな?とは思うけど、今回、継ぎはぎだらけの撮影から、どんな結果の写真ができてくるのが楽しみ、おそらくそれをさかなに、また飲み会になりそうな感じである。