鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2008年 夏の北海道西海岸・取材旅行 「稚内 その2」

2008-09-30 04:32:48 | Weblog
 この「稚内温泉 童夢(ドーム)」は、道北最大級の浴場を誇るという。寝湯・うたせ湯・薬湯・露天風呂など10種類の浴槽があるとのこと。パウダーコーナー、休憩室、健康管理室、障害者用入浴機器、交流ホール、研修室なども備えています。

 増毛から稚内までの、いわゆる「日本海オロロンライン」の道筋で、立派だと思ったのは、まず道路。かなり整備された、しかも部分的には片側2車線(合わせて4車線)もある道路が、ほとんど激しい屈曲なしに延々と延びています。

 二つ目に庁舎(役場)や福祉関係の施設。とくに町や村の庁舎はまわりの家々と不釣合いなほどに立派でした。

 三つ目は、温泉立ち寄り(場合によっては宿泊施設もある)施設。どの施設も豪華。どこも露天風呂など浴場施設が充実している。私が初山別で宿泊した「しょさんべつ温泉 岬の湯」もそうでした。

 四つ目は、「道の駅」。各所に「道の駅」を見かけましたが、内地以上に立派で、駐車場も広い。

 そして五つ目はお寺。どこのお寺も、墓域のお墓の数が少ないわりには競い合うように立派でした。

 広い館内に入って、浴場に直行。露天風呂に入りました。外気は冷たく、初秋を思わせるほど。すでの日が落ちているため、露天風呂からは利尻の島影も日本海も見えませんでした。日本最北端の温泉の露天風呂。これは思い出に残ります。

 脱衣場で、土地の人の会話を聞くともなく聞いていると、「今年は熊はどうかい」「熊は三頭ばかり出た」「大きいやつかい」「二百数十キロはあるようなやつだ」「山にえさがないから里に下りて来るんだろう」といった会話が、普通のように交わされていました。

 「民宿しずや」に戻って、温泉であたたまった体のまま蒲団に潜り込み、すぐに眠りにつきました。


 続く


○参考文献
・『中江兆民全集⑬』「西海岸にての感覚」(岩波書店)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿