鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2013.2月取材旅行「桐生~阿左美(あざみ)岩宿」 その1

2013-03-25 05:50:05 | Weblog
2月の取材旅行は、天保2年(1831年)10月29日、崋山が利根川の南にある「前小屋」というところへ「書画会」をみるためにわざわざ出掛けた、そのルートを辿ってみることにしました。崋山は桐生の岩本家に滞在していた時、いくつかの小旅行を試みています。一つは「大間々要害山」への旅、一つは「足利学校」への旅、そして最後に「前小屋書画会」への旅。彼は半蔵門外三宅家の隣の井伊家と深い関わりのある「根本山神社」にも行く計画を立てていましたが、雨のために断念しています。この最後の「前小屋書画会」の小旅行もきわめて面白く、興味深い内容をもっています。崋山はこの日、妹お茂登(もと)が朝早く起きて用意してくれた弁当を携帯し、また道案内として依頼した義兵衛、そして高木梧庵を伴って、桐生新町二丁目の岩本家の門を出立します。「前小屋」というのは、当時においては「上野国新田郡前小屋村」であり、現在においては「深谷市前小屋」というところ。地図を見ると利根川の南で、小山川と利根川の間に挟まれた一帯になる。その小山川は、前小屋からやや東の熊谷市域において利根川に合流しています。2月の取材旅行においては、道筋をしっかりと調べておかなかったために、道をいろいろと迷い、結局桐生市内の美和神社前からJR岩宿駅近く(かつての新田郡阿左美〔あざみ〕村)までのルートを確認するにとどまりました。以下、その報告です。 . . . 本文を読む