四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その102)

2023年09月27日 05時22分02秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その102)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 100回記念のメッセージを頂き感謝申し上げます。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 白花曼殊沙華」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年9月17日NHK総合「ダーウィンが来た」を見ていました。それは
  3頭の若い
オスライオンが群れの王になるまでに密着するシリーズでした。
  ライオンの世界も
人間社会と相通じるものがありました。

☆ライオンの王者への道仲間には 気づかいなどと意外な場面
☆生涯の絆を結ぶ仲間たち 親しき仲に礼儀見受ける
☆親離れ遅いオス獅子苦労さえ 絆深めて育む仲間
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「ダーウィンが来た!」は、NHK総合テレビで放送されているドキュメンタリー
 番組ですね。

 若いオスライオン達はサバンナを放浪し、生きる術を学びながら成長して行きます。
 その成長の過程と王座を狙うのに欠かせない、生涯をともにする仲間を得て奮闘する
 場面を、三首の歌は過不足なく表現していると考えます。
 とくに「気づかい」、「絆深めて」がキーワードになっていると思います。
 一首目を、若いオスライオン、スージャが仲間たちへ見せる「気づかい」に
 フォーカスし詠んでみましたが
いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★ライオンも王への道は仲間への 気配りできる大きさ故と

【詞書】花を撮影中に、花に留まる蝶を撮り損ねて、蝶の目線になるのと自分への
  慰めの
気持ちから、花をそっと嗅いだことを詠ませて頂きました。

☆花を撮り 留まる(とどまる)蝶を撮り損ね
         花の香りを そっと嗅ぎ取り
【詞書】αcafeで毎月一日に貰えるbravo!が無くなり、それだけ多くのbravo!を貰って
  いるから嬉しいのですが、更新ができない複雑な気持ちを詠ませて頂きました。
☆御返しの『bravo!』無くなりアルファカフェ
            更新できず嬉しくもあり
【詞書】阪神とオリックスの同時優勝で少々、喜びの気持ちを関西弁で詠ませて
  頂きました。
☆阪神とオリの同時の優勝は
     本間こんなん初めてちゃうか
                          西BOOさん
【解説】
 「磐座・石仏信仰を探りながら、神社・仏閣(まれに古墳)」を写真と記事で紹介
 されながら、「ミノルタαシリーズ」を駆使しながら、花の撮影等をプロ並みに
 行って
おられる作者。そのアクティブさと、探求心にいつも学びながら、
 リスペクトさせて
頂いています。今回は、その花の撮影にまつわる一齣を
 詠まれています。

 一首目は撮影者の経験からよくある事柄を詠み、分かりやすい歌と思います。
 花をマクロレンズ等で撮っていると蝶のとまっている花を見逃す場面も経験
 しますね。
「花の香りを そっと嗅ぎ取り」にはそんな残念な想いも滲んでいます。

 二首目は、写真の投稿サイト「αcafe」の運用変更で、「bravo!」の回数制限が
 行われた事にまつわる事柄を詠んでいます。多くの方の経験することを素直に
 詠んでいて共感します。テーマとしては面白いものと感じます。
 三首目、関西圏を本拠地とする阪神とオリックスの優勝で、大阪、兵庫の方々は
 元より、それぞれのチームのフアンは最高に盛り上がっていますね。
 道頓堀の喧騒ばかりでなく、方々の居酒屋さんもすごい賑わいだったようです。
 祭りはその熱狂が真髄でしょうから、大いに盛り上がることもいいものですね。
 この喜びの気持ちを関西弁で詠まれた作者の、想いが歌に溢れています。
 こちら迄嬉しくなります。
 また、この歌からフアンとは有り難いものと、しみじみと感じました。短歌は
 このような限りない
喜びを表現するのにも適したツールと考えます。

【詞書】ブログでこのような人がいます。とてもすばらしいので、その方を詠んで
  みました。

☆幼子は 不自由な世を
   晴れやかに わだかまりなく
           執着もなし
                          tokinosekimoriさん
【解説】
 この歌は、幼子の無邪気さと自由さ、さらにはその存在をも讃えています。
 幼子は
私たちが感じる不自由な世を晴れやかに生きており、わだかまりや
 執着といった私達、
大人の感情に囚われていないことを淡々と表現しています。

 また、この歌は、現代社会の複雑さや苦しみから、出来得れば逃れたいという
 作者の秘められた
願望をも反映していると考えられます。

 しかし、詞書から・・・この幼子ような「行雲流水」の姿勢で人生の日々を
 送られている方が
おられ、その方への共感と、尊敬を込めて詠った歌と解釈
 させて頂きました。

【詞書】何か問題を抱えモヤモヤとした時は、カットすることにより気分転換に
  なります。
そんな一日を詠んでみました。

☆たら・ればを繰り返しても詮なきと明日こそ髪をカットするべし
☆カットして身軽になれば考えも方向転換あるやもしれぬ
☆青年は細き指もてカットする銀のクルスがのぞく胸元
                          夕庵さん
【解説】
 三首の歌、いずれも時の経緯が明示され物語性もあり、とても良いですね。
 特に・・・、
二首目の、冒頭の「カットして身軽になれば」という表現が秀逸です。
 髪を切ることで、
心身ともに身軽になれるイメージが浮かびます。また、
 「身軽になる」という言葉には、
これまでの「モヤモヤ」から解き放たれ、新たな
 一歩を踏み出せそうとする期待感が
込められていると感じます。

 そして、「考えも方向転換あるやもしれぬ」という句が、この歌のテーマを明確に
 表しています。
髪を切ることで自分を見つめ直し、新たな一歩を踏み出そうとする
 意志を表現した
歌と考えます。また、読み手の心を打つ力のある短歌だと思います。

 三首目の「細き指もて」「クルスがのぞく胸元」に細やかな観察眼が光っています。


     「未だ咲く 白芙蓉」

【詞書】ヒートアイランド
☆欲望のビルが今日も空を削って
   真夏だけが増殖してゆく
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 暑い最中、永田町の国会図書館に行ったら、又新橋方面で巨大ビルディングを
 建設していました。都内オフィス需要は未だ未だ堅調なのでしょう?
 ヒートアイランド現象が顕著になって久しいです。芝浦からの海風をビル群が遮り、
 その日も猛暑日でした。
 東京オリンピックの時に、都内で噴霧装置が作られましたが、将に焼け石に水状態。
 とりあえず、クーラーの効いた図書館に逃げ込みました。
【解説】
 新橋界隈の高層ビルは、日比谷FORT TOWER(日比谷フォートタワー)が
 2021年8月30日に開業しましたが、新虎安田ビルが現在建設中で、都内オフィス
 需要は未だ未だ堅調のようですね。
 この歌は、未だ続く高層ビル建設の現状を踏まえ、それらを都市の熱を象徴する
 「欲望のビル」と表現している所が印象的です。
 ビルは現代社会の欲望を象徴する存在として捉えられることが多いですが、この
 歌では、
そのビルが空を削り、海風を遮るように高くそびえ立っている様子が
 描かれています。
これによって、都市の熱島現象が引き起こされていることを
 示唆しています。

 また、下の句の「真夏だけが増殖してゆく」という表現も、ヒートアイランド現象の
 特徴を
明確に捉えています。これは、夜間の気温が高いことが特徴ですが、都市の
 熱によって
引き起こされる環境問題への警鐘とも読むことができます。

 色々学ばされる示唆を含んだ歌でもあります。

【詞書】京都の社寺はどこも清々しい気持ちになり、お参りするのが好きですが、
  殊更、
賀茂御祖(みおや)神社が好きでした。俗称、下鴨神社です。

  酷暑の京都でも、糺の森を歩けば涼しい風が吹いている感じがしました。
  秋は尚更、清々しく安らげました。
☆森閑と糺の森の緑濃く小流れ澄めり賀茂の御やしろ
【詞書】秋の星明りを愛でながらお酒の杯を重ねることもあります。
☆カクテルの氷からりとテラス席 星の契りに君とほろ酔ふ
                          みっちっちさん
【解説】
 一首目、下鴨神社「糺の森」は太古の自然を遺す森と言われていますが、縄文時代
 から
生き続けるケヤキ、エノキ、ムクノキなどの樹木が生い茂る広さ3万6千坪の
 森でもありますね。
酷暑の夏に、この森の木々を眺めつつ散策する作者の姿が
 歌より鮮明に浮かんできます。
森の情景を写生しつつ調べも滑らかで、森の心地
 よさの伝わる分かりやすい歌と思います。

 カクテルを飲み干した後、氷が何かの拍子にグラスの中でからりと鳴る。二首目は、
 そんな情景と
共に、テラス席の開放感とロマンチックな雰囲気が感じられます。
 なお、「星の契りに」という
表現によって、心を寄せる方と過ごす時間の特別感が
 表現され、「君とほろ酔ふ」という結句で、
二人の心が通い合っている様子が
 描かれています。

 「星の契り」は七夕伝説の星合を意味しますが、この「七夕」の日が二人に
 とっても「特別の日」となっていると解釈することも
できます。これらも含めて

 想いと情景が鮮やかに浮かび上がってくる素敵な短歌だと思います。

【詞書】兄亡くなって今年で10年になりますが、亡くなった人は思い出してあげる
  ことが
供養になると聞きますから、今夜は兄を思い出しながら詠んでみました。

☆亡くなりて十年なりし兄のこと思ひだすなりその誕生日に
☆美丈夫でありしわたしの兄のこと愛しくれゐしわれの親友
☆死ぬるまで紳士でありし兄のこと今も誇りに思ひつつ生く
                          水仙さん
【解説】
 三首の歌、いずれも、優しく優れたお兄様への想いに溢れた歌で、詞書にも
 ありますように
思い出し、さらに歌に詠まれることは供養になるものと考えます。

 私からもご冥福をお祈りさせて頂きます。
 お兄様も含めて家族の存在を「誇りに思ひつつ生く」作者は、幸せ者と思います。
 それを心のよりどころとされることは大切なことと思います。まして、親友まで
 お兄様を
慕ってくれていることは素敵なことと思います。

 日々、苦しい想いをされることもあるでしょうが、このような歌を詠みつつ、
 前のみを見て
歩んで参りましょう。

【詞書】アゼルバイジャン領内のアルメニア系住民の支配地域、ナゴルノ・
  カラバフがアゼルバイジャン人から攻撃され、それにロシア軍も関与していた
  そうです。先日停戦合意が成されたそうですが、ロシアも旧ソ連の国の住民の
  軋轢に乗じるのはいい加減やめてほしいものです。避難民とか出ているし、
  悲しみや憎しみの
連鎖になるかも知れんから、もう覆らないことを祈ります。
☆マリウポリ ヘルソン州など記憶して
     今記憶するナゴルノ・カラバフ
【詞書】9/24にNASAは「アメリカ版はやぶさ」の探査機オシリス・レックスから
  地球へ投下された、小惑星「ベンヌ」で採取した砂が入ったカプセルを回収したと
  発表しました。小惑星から砂などを持ち帰る「サンプル・リターン」は初めて
  だそうです。地球の生命の起源などの解明が進むかも…らしいです。今回の砂は
  日本のJAXAにも
一部渡されるんだとか。何か地球創世の謎の解明が進めばいい
  ですね。ちなみに、オシリスはエジプト神話の冥府の神、レックスは
王ですから、
  「冥府の神王」ですかね。…冥王星まで行ったりして。

☆小惑星の砂が地球に届けられ
   冥府の神王(オシリス・レックス)今どこの宇宙(そら)
【詞書】毎年、今ぐらいの時期には風の中に金木犀の香りがふうっと混じって流れて
  来るんですよね。アニメとかみたいに視覚化すると、その中に金色のリボンが
  混じっているみたいな感覚があったので、いつか文章化してみたかったんです。
  あと、少し暑い中にも涼しい空気の流れを感じた時は、リボンの色は高くなった
  空のような碧い色のイメージです。
☆風の中 黄金(きん)のリボンが混じるよう 漂う香りは金木犀かな
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「ナゴロカラバフの帰属」「小惑星の砂」「漂う香りは金木犀」と今日的
 な話題を三首の歌で切り取り詠って頂きました。世情の流れが身近に感じられ学び
 となります。
 特に、一首目のナゴロカラバフの帰属問題は、民族的な対立、ソビエト連邦の崩壊、
 トルコの支援といった複雑な要因が絡み合って起こった紛争ですので、中々一筋縄
 では行きませんね。
 アゼルバイジャンは、ナゴルノ・カラバフの奪還を目指して、アルメニアと武力
 衝突を繰り広げ、この紛争は、1994年、停戦合意で終結しましたが、両国間の
 緊張は未だ続いています。いずれにしましても詞書にありますように「悲しみや
 憎しみの連鎖」にならないよう祈りたいと思います。
 三首目の「視覚化すると、その中に金色のリボンが混じっている」の着眼点は
 良いですね。この「文章化」は、短歌に詠む事で達成されていると考えます。


     「咲き競う コスモス

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆深閑と糺すの森の緑濃く小流れ澄めり賀茂の御やしろ
                         みっちっちさん     
★ほの暗き糺すの森のひと隅に明るく照らす紅彼岸花
                         夕庵さん
★その花に触るる雨さへ紅なるや 色を誇れり紅彼岸花
                         みっちっちさん
★飛鳥路の稲穂の揺れる畦道に朱の道ながく彼岸花さく
                         夕庵さん

☆畦道の目鼻欠けたる野仏を 見守るやうに彼岸花咲く
                         みっちっちさん
★信仰の厚き島なり石仏は埋もれつつも微笑み絶やさず
                         夕庵さん
★石仏は目鼻欠けども頬まるく微笑みたるや道ゆく人へ
                         みっちっちさん
★過疎の島今やイノシシ山下りウリ坊つれて散歩するらし
                         夕庵さん

☆伐採の山肌荒く 森つぶし 猪親子 猿も街へと      
                         みっちっちさん
★トコトコとりすのお土産 木の実なら 森の仲間とクルミパン焼く
                         夕庵さん
★ ことことと行楽帰りに眠る子の手には木の実のふたつぎゆつと
                         みっちっちさん
★満月に語りかけたくなるような秋の夜長は眠るに惜しく
                         夕庵さん
★ 満月の孤高の円を見上ぐれば 優しき母の笑顔を偲ぶ
                         みっちっちさん
★白き月残れる朝のまどろみは真綿の舟でゆらりゆられて
                         夕庵さん
かぎろひの丘に須磨浦見下ろせばひかる水面に浮舟ひとつ
                         みっちっちさん

☆ほむら立ち空向き咲くや曼珠沙華 秘むる命のたぎるが如く
                         ポエット・M
★奔放な恋のかたちの曼珠沙華 あすの命のわからぬものを
                         夕庵さん
★この想い秘むるに難き 曼珠沙華 せめて花蕊ほむらとなせり
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆落日の思い汲むがに 酔芙蓉 散るも咲き継ぐ命の連鎖
                         ポエット・M
【解説】
 皆さんご存知のように「酔芙蓉」は咲きはじめは純白の花弁ですが、陽が傾き
 はじめると
薄紅に染まり、落日間際にはほぼ紅になり萎みやがて散っていきます。

 この歌は、暮れるに早い秋の陽ざしの中でもなお咲きつぐ酔芙蓉に寄せて詠って
 みました。

 酔芙蓉については度々詠ってきましたが、夕映えを映して朱く染まり、しかも落日
 の想いを
汲むかのように自らも花の命を閉じる酔芙蓉。しかし、新たな蕾が次々
 開花し、その命は
次の花に受け継がれていきます。

 秋の落日は、美しくも儚い情景ですが、その思いを汲み取ろうとするかに朱く染まる
 酔芙蓉の
花の儚さと、次の花に命を繋ぐしなやかさを合わせて詠んでみました。


     「薄紅に染まり始めた 酔芙蓉 一重」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(9)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(1)

   めぐりの山に秋立つ風の渡りゆき
           ほととぎすはつかに花残したり
            
   秋深くすすき穂並みのしろがねも
           うつろひにつつ白き水ゆく

   渡り鳥 渡りの秋の至るらし
           湧き出て今朝 空をともよす

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「酔芙蓉 一重」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なおブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「黄昏色の秋」によせて

2023年09月24日 11時48分45秒 | 作詞、ユーチューブ

 コロナ禍により、諸々のイベントが中止となるかなりの前になりますが…、ルシア塩満さんによる「アルパコンサート」が横須賀のさるカトリック教会で開催されました。
 本場パラグアイで修行された、ルシア塩満さんは多方面から 日本の随一のアルパ奏者として認められている方ですが、そのたおやかさなの中にある力強い演奏には圧倒されるものが ありました。また、ケーナ、サンポーニヤのプロ奏者の方も参加されていました。


 このコンサートは滞日外国人支援のチャリティを目的としたもの ですが、普段は広いと感じられる教会が満席となり、回を追うごとに 地域に溶け込み、根強いファンに支えられているとの印象がありました。 
 「アルパ」はご存知の方も多いと思いますが、中南米諸国で 広く使われている民族楽器で小型のハープのことです。 弦の本数は36本から38本で、大きさはクラシック演奏等で使われる ハープをひとまわり小さくした程度です。


 コンサートは二部構成で行なわれ、日本でも良く知られている 「コンドルは飛んで行く」をはじめ、あらかじめプログラムされた 15曲と、アンコール3曲、合せて18曲の演奏でした。 伸びやかで甘美、それでいて哀愁を帯びた演奏に、さらに塩満さんの 軽妙で切れ味の良いトークに酔わせて頂きました。特に「カスカーダ」「ソル・ナシエンテ」、そしてルシア塩満さん 作曲の「黄昏色の秋」には涙ぐむほどの感動を誘われました。


 「黄昏色の秋」の演奏中、ルシア塩満さんのトークを踏まえ、その曲に触発されて浮かんだイメージを、即興で詩として記して見ました。一人の女性を主人公とした小さな物語ですが・・・、勝手な思い込みの部分も多々ありますが、メモから一端を記してみました…。

 「黄昏色の秋」によせて

   茜に染まる秋の黄昏
   季節のたそがれに
   私はひとりあなたを思う
   過ぎ去った日々が
   あまりに眩いから
   明日を思い煩うこともなく
   今日の日を静かに生きることで
   私は幸せ
   その想いのみをいだき続けて・・・

   黄昏の光の底で
   アルパの音色に酔い
   季節の秋に
   人の秋へ思いをはせる
   老いるには
   未だ生々しさも捨てきれず
   あなたへの思いに
   また帰っていく
   あなたが今でも好きだから
   その想いのみいだき続けて・・・

   黄昏に伸びる私の影は
   寂しさも哀しさも
   ただ黙って
   見つめてくれた
   あなたを愛し それゆえ別れた
   あの思いは今でもほろ苦い
   でも別れなければ
   こんなに深くあなたへの愛を
   確認できたでしょうか
   その想いのみをいだき続けて・・・
           了

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その101)

2023年09月20日 06時03分57秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その101)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 100回記念のメッセージを頂き感謝申し上げます。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲きはじめた紅の曼殊沙華」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年9月11日月曜日久しぶりにハルニレテラス遊歩道を散策しました。
  ハルニレやカラマツの美しさと湯川渓流の素敵さは当然ですが、この日は風が
  強くて草木のざわめきがとても印象的でした。是非詠んでみたいと思いました。
 註)ハルニレテラス遊歩道と草木のざわめき
☆テラス席椅子から眺める風情には 音楽のような葉擦れの音が
☆毀れ日が雑木林に吸い込まれ 人と織り成す松のざわめき
☆遊歩道歩いて見れば風が吹き 木が鳴くような葉音を立てる
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 改めて「100回記念」のメッセージを頂きありがとうございます。
 これからも、お力をお借りできればと思っています。宜しくお願い致します。

 ハルニレテラス遊歩道の散策の情景が、鮮やかに思い浮かびます。
 湯川の渓流に注ぐ木漏れ日と、「草木のざわめき」の心地よさが三首の歌に
 溢れていると感じます。それぞれの歌には作者の詩人としての感性も表現されて
 いると感じます。特に「木が鳴くような葉音を立てる」の表現は素敵だと思います。
 三首目を少し視点を変えて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★遊歩道吹きぬく風に応えるや 樹も鳴くような葉音を立てて

【詞書】久し振りに『G線上のアリア』を聴き、虫の音と調和してより良いと思った
  ことを詠ませて頂きました。ちなみに聴いたYouTubeは
  https://www.youtube.com/watch?v=3JZiZcXf12o
☆久々に『G線上のアリア』聴く
        BGMは虫時雨にて
【詞書】網戸に見かけない虫を発見して「新種の虫や」と言った事が、朝ドラの
  見過ぎではないかと思ったことを詠ませて頂きました。
☆網戸にて見かけぬ虫を発見し
     「新種の虫や」朝ドラ見過ぎ
                          西BOOさん
【解説】
 一首目は、秋の風情を美しく表現していますね。「G線上のアリア」は、バッハの
 曲ですが、ヴァイオリンのG線だけで演奏できるように編曲されたものですね。
 この短歌では、「G線上のアリア」と虫時雨という対照的な音を組み合わせて、
 秋の夜の静寂に響く虫の音の閑けさが、際立って感じられます。芭蕉の句の世界観に
 通じるものを感じます。
また、BGMにより古典的な音楽と自然の音を上手く結び
 つけています。
作者の意図かと思いますが、古典と現代、人工と自然という二つの
 要素を
巧みに調和させて、秋の情趣を表現して素敵な歌に仕上がっています。
 二首目、「新種の・・・」が今年のトレンド言葉になりつつありますね。この
 フットワークの良さが作者の強みと考えます。

【詞書】たくさんコメントをいただくと、へたながら一首ぐらい投稿したいと思って
  しまいます。今回もいままで同様、ストレートすぎるなと思いながら投稿します。
  感謝日記
というブログを見てとても感心しましたので、それから思いをはせました。
☆虐待の
  心の傷が うずく日も
     感謝日記を つづる日々(にちにち)
                          tokinosekimoriさん
【解説】
 詞書にも記されたように、かなりストレートな詠歌ですが・・・。この歌は、
 虐待によって傷ついた心の痛みと、それでも感謝日記を書き続けるという強さと
 希望を詠んだ歌と解釈させて頂きました。今話題のジャニーズ事務所との関連で
 心が痛みます。
 この歌は、虐待によって傷ついた心を癒すために、感謝の気持ちを大切にすると
 いう作者の強い意志と希望が表現され、虐待によって傷ついた人々にとっても、
 勇気と希望を与えてくれる歌となっていると考えます。
 また、「つづる日々」のさりげない表現が、心に響く良い歌と思います。

【詞書】9月に入っても日中は30度を超える暑さです。さすがに朝夕は一陣の風に
  秋の到来を感じるようになりました。あんなに猛暑を疎み秋の来るのを願った
  のに少しの変化に寂びしさを覚えました。秋に寄せて・・・
☆ようやくに夏の奢りもさめゆきて そよろの風に虫の声きく
☆夏草に玉の露おく散歩道 道案内(みちあない)する秋の蝶とぶ
☆過ぎこしの日々思い出す風鈴の 音も寂しや夏の終わりは
                          夕庵さん
【解説】
 9月中旬になっても未だ真夏日が続く日々ですが、おっしゃるように「風の音にぞ
 ・・・」おどろく秋の到来ですね。
 三首の歌、いずれも初秋の趣を詠って、しみじみとした風情を湛えています。
 一首目、「ようやくに夏の奢りもさめゆきて」という上の句で、夏の暑さで心身
 ともに疲弊していた様子が描かれ、下の句では秋の涼風に虫の声が聞こえてくる
 様子が描かれています。この二句の対比がとても印象的です。夏の暑さで疲れた心。
 それが、秋の涼風によって徐々に癒されていく様子が、心地よく表現されて
います。
 なお、「そよろの風」は、風が静かに吹くさまを示していますね。

 なお、二首目、三首目の「道案内する秋の蝶」および、「風鈴の 音も寂しや」の
 表現がいいですね。

【詞書】亡き母は洋裁が好きで、私にいつもかわいいワンピースを縫ってくれました。
  一気に裁ち鋏で布を裁つのが凄いなあといつも見ていました。
☆しやりしやりと裁ち鋏して母縫ひし我がワンピース 今もこの手に
【詞書】父も母も焼き茄子が好きで、時には日本酒を酌み交わした事もありました。
☆父母と酌みし日よ今 焼き茄子とよき日本酒とよきぐひ呑みよ
                          みっちっちさん
【解説】
 一首目は、「しやりしやりと」の擬音語が効果的で、歌に臨場感を添えています。
 二首目は、御父母様と酌み交わした日のことを懐かしみながら、お二人が好き
 だった焼き茄子を肴に日本酒を飲もうという内容ですね。
 「父母と酌みし日よ今」という一句で、過去の思い出を呼び起こしていますが、
 この酌み交わした日というのは、きっと特別な日だったのではないでしょうか。
 その日のことを思い出しながら、同じように楽しい時間を過ごそうという気持ちが
 読み取れます。

 「焼き茄子とよき日本酒とよきぐひ呑みよ」という句は、具体的な食べ物や
 飲み物を一つ一つ挙げることで、その日のイメージをより鮮明にしています。
 また、この歌は、過去の思い出を振り返りながら、今を楽しもうという前向きな
 気持ちが感じられ、しかもリズム感がある良い歌と考えます。

     「未だ咲く 酔芙蓉」

【詞書】本代を送金しないといけないのですが、現在、私は郵便局のオンライン
  送金が利用できなくなっています。というのが、今春から郵便局のオンライン
  送金システムが改定されたのですが、私は未だに手続きが完了していないから
  です。便利な時代になりましたが、頭のついていけない高齢者に酷な時代に
  なったとも言えます。
☆オンライン送金せむと思へども改定された手続きできず
☆軽々とできなくなりしことこれは身体のみではなく何事も
☆歳古れば若きに従はざるを得ぬこと増えてきて悩みも増える
                          水仙さん
【解説】
 一首目の歌は、インターネット送金をしたいのに、改定された手続きのため送金が
 できないという事実を詠んだものです。郵便局のオンライン送金手続きの改定は、
 私達世代にとって、その説明マニュアルも分りずらく戸惑って
しまいますね。
 なお、「手続きできず」という結句は、その戸惑いと、もどかしさがよく表れて
 います。短い言葉で、しっかりとした印象を残す良い結句だと思います。
 二首目は、私達世代の共通の想いでもあります。「何事も」という結句は、
 喪失感や寂しさをさらに深く表現しています。また、この歌は人生の普遍的な
 テーマを詠っているとも考えます。
 誰しもが、年齢を重ねるにつれて身体的・精神的な衰えを感じるものですが、
 そのような心情を、うまく表現していると考えます。

 なお、作者はブログで「短歌における文語と口語について」の評論を掲載されて
 おり、私たちにとっても参考になりますので参照できるにしたいと思います。
 評論は以下のアドレスから参照願います。
 https://blog.goo.ne.jp/1948219suisen/e/f9c0fc904945e7486e0248a1b2a743e0

【詞書】YouTube短歌:チューリップを聴いて三首
 註)大きな夢  青春の影
☆一度も大きな夢を見た事が無い。
  今。ただ。西行になりたい

 註)君の笑顔  ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜
☆どうして?って
 君はいつも聞くんだね
  ただ君の笑顔が見たいから

 註)新しいスニーカー  虹とスニーカーの頃
☆わがまま
 若かった
 今日新しいスニーカーを買いに行こう
 雨が上がった
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 チューリップは1970年頃から活動を始め、数々の名曲を発表して、私も
 大好きなバンドです。
 一首目は、101回記念にふさわしい?大ボラです。西行は、平安末期を
 代表する歌僧で、真似る事など出来ないですが、憧れております。
 二首目は、チューリップのリードボーカルの姫野さんが歌った歌からの着想です。
 三首目は、歌詞を取りすぎて、問題かとは思いますが、この失恋の歌の後日、
 新たな恋を見つけようと言うストーリーを考えて、脈絡の無さそうなものを繋げて
 みました。本歌取りだから出来る手法と思っております。
 下記URLにYouTubeを貼り付けておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 〇青春の影
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/cac2d734dca87d1c7c03aa9cb490247f
 〇ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/24563e8f335b90e061c720609a57a598
 〇虹とスニーカーの頃
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/883208f845ff04965a9fda8c02d47b04
【解説】
 「チューリップ」は、今年の12月「 アンコール 50周年記念ツアー」を予定して
 いますが、人気は相変わらずですね。その曲を聴いて三首の歌を紡いで頂き
 ましたが、三首で一つの物語を構成されて
いると考えます。
 一首目は、かなりの謙遜が含まれていると考えますが、冒頭の「一度も大きな
 夢を見た事が無い」と、これまでの人生を振り返り「今。ただ。西行になりたい」
 という願望と、新たな決意を固める作者の心情を、誰もが共感できる言葉で表現
 された優れた短歌だと思います。
 西行は藤原俊成とともに新古今の新風形成に大きな影響を与えた歌人でしたが、
 いわゆる宮廷歌人ではなく旅を住処とした歌人でありました。作者は憧れの西行
 のような優れた「歌詠み」になりたいとの想いとともに、言外に旅を住処とする
 西行のあり方に、自分自身の人生の願望も重ね合わせていたのではないでしょうか。
 三首目で、本歌取りの際「歌詞を取りすぎ」を気にされていましたが、「新たな
 恋を見つけよう」という前向きな明日に向けての歌として成功していると考えます。

【詞書】「ひるおび」(TBS系)とか見ていると、やたら飛び交う「猛暑日」「真夏日」
  「熱帯夜」とかのワード。去年に比べて「真夏日」を記録した地点も倍なんだとか。
  ホンマに暑さが「彼岸まで」
になるんやろか。いや無理っぽいですね。
  (9月19日に詠める)
☆「猛暑日」や「熱帯夜」とかが飛び交いて
       この週末は「秋分の日」なのに
【詞書】いわゆる「アレ」=優勝を18年ぶりにした阪神タイガースですが、このあと
  クライマックスシリーズを勝って、日本シリーズに臨んで勝たなければいけない。
  いや~、まだまだ先は長いですね。「日本一」に関しては、岡田監督が「どう言おうか」
  みたいなことをセ・リーグ優勝後のインタビューでおっしゃってましたから、
  そのうち何か「アレ」的な言葉になるんでしょうか。「ソレ」もありですね。
☆タイガースいわゆる「アレ」をしたけれど
   「日本一」へはあともうふた山!
                         ちがやねこさん

【解説】
 今回も、「猛暑日の記録」と「いわゆるアレ」という、今日的なホットなテーマの
 時事詠を詠んで頂き、その切り口と、視点の的確さは学びになります。
 一首目は、やがて「・・・彼岸まで」のことわざが通用しなくなる時代が来る
 のではないか、との危惧が現実化しつつあります。「地球沸騰化」との言葉も一方
 にはあり、二酸化炭素削減は喫緊の課題として、私達一人一人に引き寄せて考え
 なければ、との想いにさせられる示唆に富んだ歌でもあります。
 二首目は、「優勝」の二文字を封印し18年ぶりに「アレ」を達成したタイガースと
 フアンの方々に、先ずは「おめでとうございます!」と申し上げたいと思います。
 フアンとしての喜びを抑えた作者の詠いぶりに好感が持てます。「ソレ」を達成
 したら喜びを爆発させましょう。次の「ソレ」を目指して健闘されることを祈り
 たいと思います。「もうふた山!」
も結構高そうですね。

     「薄紅の 曼殊沙華」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆志ひとつに仲間は集いたり「水曜サロン」はわがオアシスに  
                         夕庵さん
【詞書】100回記念に寄せて、私は会員諸氏の「短歌を愛する志の高さ」と表現
  しましたが、夕庵さんも「志ひとつ」と表現された短歌を詠まれました。
  共感しています。なお「志の高さによって 目標は達成される」は私の人生
  スローガンでもあります。
★志の高さによって目標は 達成される水曜サロン
                         浅間山明鏡止水さん

☆遊歩道歩いてみれば風が吹き 木が鳴くような葉音を立てる
                         浅間山明鏡止水さん
★朝夕のベランダに沿う風の道 木々のそよぎに目を細めたり
                         夕庵さん

☆網戸にて見かけぬ虫を発見し「新種の虫や」朝ドラ見過ぎ
                         西BOOさん
★「らんまん」は朝のルーティンのスタートなら少し苦めの珈琲を入れる
                         夕庵さん

☆夏草に玉の露おく散歩道 道案内する秋の蝶飛ぶ
                         夕庵さん
★木漏れ日に光となりて秋の蝶 時惜しむやに子と睦みあふ
                         みっちっちさん
★久々にサロンに集う仲間らと懐かし「秋」を合唱したり
                         夕庵さん
★久々にプールに集ふ仲間らとメニューを決めて楽しく泳ぐ
                         みっちっちさん
★タンパク源摂らねばならぬを口実に熱々トンカツ頬張り合いぬ
                         夕庵さん
★熱中症防ぐためには水分と塩飴舐めて猛練習ぞ
                         みっちっちさん  
★監督のお気に入りです「パインアレ」30分で完売したと
                         夕庵さん

☆前の世のどこで出会いし不思議なる君との出会い ふと二度見する
                         tokinosekimoriさん
★京言葉行き交ふ路地の夕風に ふと肩が触れ君と出会ひぬ
                         みっちっちさん

☆父母と酌みし日よ今焼き茄子とよき日本酒とよきぐひ呑みよ
                         みっちっちさん
★ノンアルコール(ノンアル)で双手をあげて祝杯を 阪神ナインの悲願の優勝
                         夕庵さん
★卓球のアレを目指してアレとアレ 猛練習と精神力ぞ
                         みっちっちさん

☆しゃりしゃりと裁ち鋏して母縫ひし我がワンピース今もこの手に
                         みっちっちさん
★恥ずかしや夫との写真はペアルック 色褪せつつも昭和の家族
                         夕庵さん

☆前の世のどこで出会いし不思議なる
      君との出会いふと二度見する
                         tokinosekimoriさん
【詞書】まだまだ未熟な私ですが、返歌に挑戦してみました。「銀河鉄道999」の
  メーテルが星野鉄郎に告げた言葉「遠く時の輪が接する所でまた逢える」
  が思い浮かんだので、作ってみました。
★君と出会う不思議を思う
    今ここが「時の輪が接する所」なのかと
                          ちがやねこさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆ほむら立ち空向き咲くや曼殊沙華 秘むる命のたぎるが如く
                         ポエット・M
【解説】
 この歌は前回の私のブログへ掲載した短歌を、リコさんの歌評を頂き少し推敲した
 ものです。主に上句の修正と、下句の「滾る」を「たぎる」に変更してみました。
 なお、この歌では、曼殊沙華の炎のような赤い花びらが、空に向かって艶やかに
 咲き誇っている様子を詠んでみました。その姿は、まるで秘められた命が大地から
 燃え上がるかのようである、という比喩を用いましたが少し大げさかも知れません。
 全体的に、曼殊沙華の生命力と美しさを、力強く表現できればと詠んでみました。


     「紅の曼殊沙華の群生」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(9)

  ブログの文字数制限もあり、今回は申し訳ありませんが本稿は割愛させて
  頂きます。次回掲載が可能となりましたら再開致します。

【水曜サロン 100回記念のメッセージ その2】 到着順です。 
 浅間山明鏡止水さん
  謝辞!!100回記念おめでとうございます。
  ひとえにポエット・Mさんの有形無形の短歌に対する造詣の深さや指導力の賜物
  ですが、やはり何と言っても会員諸氏の「短歌を愛する志の高さ」だと思います。
  短歌も「文語短歌」「口語短歌」とさまざまありますが「水曜サロンの会」は一党
  一派に属さず自由な短歌を目指して発足したものと心得ています。今ではその
  目標通り素晴らしい会になっているのではないでしょうか?これからも幾久しく
  「会の志を高く持って」頑張って貰えたらと思います。

 水仙さん 
  「口語短歌・水曜サロンの会」100回記念おめでとうございます。
  これからの益々のご盛会をお祈り申し上げます。

 チョウキチさん
  素人の私がおこがましいのですが、
   風の盆 胡弓の調べ切なくて 踊りにまぎれ君を見つめる
  流石です。若さを失った今も心ときめく音です。
  100回記念おめでとうございます。これからも楽しみです。

 西BOOさん
  あらためまして100回記念、おめでとうございます。
  ポエット・Mさんへの感謝とともに、次の200回に向けて微力を注がせて
  頂きたいと思います。

 自閑さん
  水曜サロン100回おめでとうございます。
  取るべき所もない愚詠を掲載、御評価まで戴き、又、皆様から小生の
  愚詠を面白いと言って戴いたお蔭で、私も何とか投稿を続ける事が
  出来ました。益々の御発展を祈念しつつ、来週も頑張って歌を
  投稿しようと思います。


     「咲き盛る コスモス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。

 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なおブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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咲きはじめた曼殊沙華

2023年09月18日 14時47分40秒 | 日々の歩み

 炎暑の影響か例年より開花が遅れていると感じましたが、秋の柔らかな木洩れ日をまとい、静かに紅の蕊を揺らす曼珠沙華がそこかしこに咲きはじめました。


なお、曼珠沙華には紅の花とともに、白い花も見られます。この白い花は白花曼珠沙華と言いますが、かつて鎌倉の萩寺、宝戒寺で見ることが出来ました。
 この宝戒寺は北条一族終焉の地としても有名ですが、源氏一門の新田義貞に攻め込まれ、北条一族ことごとく自刃して果てた地でもあります。その後、萩をはじめ曼殊沙華、梅までが、ことごとく色を失くし、白色の花のみが咲くようになったと伺ったことがあります。


 なお、曼殊沙華は、サンスクリット語で「赤い花」を意味するmanjusakaの音写で、この名前は、仏典に由来し、釈迦が法華経を説かれた際に、これを祝って天から降った花(四華)の一つが曼珠沙華であるとされています。鮮やかな赤色の花は、天上の花として仏教の象徴ともなったとの事です。
また、『万葉集』に詠われた「いちしの花」を彼岸花とする説もあります。
 ★路のべの壱師の花の灼然く人皆知りぬ我が恋妻は
                  (柿本人麻呂歌集)


 しかし、曼殊沙華は、花が咲いた後に葉が出て、再び花が咲く頃にはその葉も消えるという特徴を持っています。このため、花と葉が同時に見られないことから、「相思華」とも呼ばれるようになったとのことです。それは、「花は葉を思い、葉は花を思う」という意味で、別れた恋人や亡き人を慕う深い思いを表しています。


 曼殊沙華は、秋の彼岸の頃に咲くことから、彼岸花とも呼ばれますが、この名前も死者や故郷を偲ぶ気持ちを含んでいると考えます。曼殊沙華は、紅の花蕊を空に向け咲く美しい花ですが、その裏には悲しみや哀愁が隠されているようです。


この曼殊沙華に寄せて一首詠んでみました。
☆ほむら立つ如くに咲くや曼殊沙華 秘むる命の滾るがゆえか

コメント (8)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その100)

2023年09月13日 05時35分48秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その100)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 今回は100回記念となります。メッセージを頂き感謝申し上げます。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 酔芙蓉 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】2023年9月2日土曜日BSNHKスペシャルライブ「おわら風の盆」の生中継を
  やっていました。おわら風の盆は富山県富山市南西部八尾の盆踊りの一種ですが、
  踊りと曲調に心奪われました。300年の歴史があるそうです。盆踊りとは思えない
  歌と踊りで風土の哀愁を感じました。是非詠んでみたいと思いました。
☆哀愁に満ちた曲調風の盆 豊作祈るそろいの浴衣
☆民衆の神をしずめる法被姿 美しい振りに歴史を忍ぶ
☆風の盆独特な踊り切なくて 男女の恋も炎みえかくれ
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「おわら風の盆」を詠った作品は、何れも「風の盆」の歴史と、本質を踏まえて
 情趣豊かな
作品になっていると感じます。

 詞書にもありますように、八尾町で毎年9月1日〜3日に開催される「おわら風の盆」
 は、
日本三大盆踊りの一つに数えられる伝統行事ですが、江戸時代の元禄年間に
 始まったと
伝えられています。豊作と五穀豊穣を祈願する踊りとして、ユネスコ
 無形文化遺産に今年
7月に登録され、今もなお多くの人々に愛されていますね。

 また、富山県を代表する観光イベントとして、毎年約100万人の国内外からの
 観光客が
訪れるおわら踊り。これは鮮やかな色合いの衣装が特徴で踊り手たちは、
 三味線や
胡弓の伴奏に合わせて、妖しく、そして軽快なステップで町を練り
 歩きます。当然、
そのような雰囲気の中、新たな恋も、さらには、再びの恋も
 生まれるかも知れませんね。

 三首目の歌を、そんな状況にフォーカスし詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★風の盆 胡弓の調べ切なくて 踊りにまぎれ君を見つめる 

【詞書】カメラを撮る手汗がレンズに触れるこの頃ですが、収納時にシリカゲルが
  増えると同時に、
乾いた秋の風を待つ気持ちを詠ませて頂きました。

☆撮る手汗 触れるレンズの収納に
      増すシリカゲル 待つ秋の風
【詞書】北陸と関東地方で、雨の予報が出ているのを見て、水不足やそれによる
  農業の
被害が解消される様に祈ったことを詠ませて頂きました。

☆北陸と関東地方 雨予報
      水不足等 解消祈願
                          西BOOさん
【解説】
 一首目、この季節のカメラ撮影の大変さを「撮る手汗」に焦点を当て詠んだ詠歌は
 具体的な
映像がイメージとして立ち上がり、「秋の風」にうまくつながり、心憎い
 歌となっています。

 カメラの収納にはカビ除けのため、乾燥材のシリカゲルが欠かせませんが、そんな
 事柄も
一首の中に無理なく詠み込んだ手並みも鮮やかと思います。

 二首目、詞書及び詠われていますように、今年の夏は、新潟を始め水不足による
 農業等々
への被害が深刻な事態となっていましたが、今回の雨台風で、それらが
 解消されるよう
祈りたいですね。

 記紀万葉の時代から、天皇や貴族が「雨乞い」を始め、自然や神々に対して祈りを
 込めて
和歌を詠んだ例が多く見られました。また、民衆も、農耕や漁業などの
 生活において、
神々に豊作や漁獲を祈願する和歌を詠んでいましたので、作者の
 今回の詠歌は
その延長に在るものと考えます。

【詞書】風の盆恋歌・・高橋 治著  新潮文庫
  若い日に読んだ記憶から・・今年の風の盆を迎えて再読しました。
  後半には短歌や俳句も掲載されていて、違った感想もありましたが、
  いろいろな意味で
心に残る感動の小説でした。

☆若き日に読みし「風の盆恋歌」に酔いしれし日の不倫という愛
☆酔芙蓉は情念の花と思いしよ恋いに悔いなし紅の残像
☆待ち待ちた死出の衣に織り込みし「夢」「幻」の牛首紬
                          夕庵さん
【解説】
 詠われた、高橋治の「風の盆恋歌」は、若い頃に惹かれ合いながらも、別々の道を
 歩んだ男女が、20数年ぶりに再会し、新たな愛を育むという物語でしたね。
 富山県の八尾町の風景や、「おわら風の盆」の描写が美しく、主人公の二人の
 心情描写がとても繊細で、感情移入しやすかったと記憶しています。
 不倫という禁断の恋をテーマにしながらも、決して大げさには描かずリアリティ
 のある
物語に仕上がっていたと感じました。

 二首目の下の句、「恋いに悔いなし紅の残像」は、この物語の核心を表現した
 歌でもありますね。八尾町の軒先に咲いた、純白から紅に染まる酔芙蓉の花も
 二人の道行きを暗示し象徴的に描かれていたと思います。
 なお、三首目の「牛首紬(うしくびつむぎ)」とは、石川県の白石市で作られて
 いる
織物を指し、玉繭と呼ばれるものから糸を紡ぎ、手作業で織られている丈夫で
 美しい
絹織物とのことですよね。「死出の衣」に選んだ作者の想いも偲ばれます。

 願わくば、このような短歌も詠んでみたい、と思わせられた素敵な三首です。


     「紅に染まる 酔芙蓉 八重」

【詞書】水曜サロンの事を即興で詠んでみました。
  百福とは百の幸い、たくさんの幸せという意味です。
☆百回を迎へ瑞雲沸き立ちて 百福集ふ水曜サロン
【詞書】もう一首出詠します。
☆ワンピース着て丁寧語 京洛に 君と初めて会ひし夏の日
                          みっちっちさん
【解説】
 一首目、「水曜サロン100回記念」への短歌も詠んで頂きありがとうございます。
 次の200回を目指して、皆さんと「短歌の広場」を盛り上げて参りたいと思います。
 二首目は、夕庵さんもおっしゃっていましたが、作者の「若かりし頃の初々しさ」
 が
感じられる透明感に溢れる爽やかな歌と感じました。

 なお、「会い」から「逢ひ」に変更されましたが、この歌では初めての出会い
 でもあり、
ニュアンスからすると「会ひ」でもよろしいかと考えます。
 お付き合いが深まった段階で
お会いする場合は「逢ひ」を用いられたらと考え
 ますがいかがでしょうか。なお、推敲結果掲載の通り「会ひ」となりました。

【詞書】最近はバタバタと忙しくて、あけび歌会の毎月の八首詠も落着きのない
  短歌に
なっています。もう一月もすれば、通常の日々になりますのでサロンの
  お仲間と共に
楽しく詠草したいと思っています。

☆時かさね
  集ふ喜び
   サロン生(な)る
  友の一首が
   励みとなれり  
                          リコさん
【解説】
 最近は、嬉しいことですが文章力の高い方の出詠もあり、毎回編集ではブログの
 文字数制限との格闘をしております。この種のブログでは制限は当然でしょうが、
 皆さんの短歌と、詞書等も作品として鑑賞していけるよう努力してみたいと
 思っています。
 詠って頂いたように、このサロンでは「友の一首が 励みとなれり」と感じる
 ことが数多あり、未だ未知の事もあり、歌友の方から学ぶことの連続です。
 これからも末永いお付き合いをして頂ければ嬉しい限りです。

【詞書】ふだん思っていることを詠みました。
☆前の世の どこで出会いし
    不思議なる 君との出会い ふと二度見する
【詞書】ブログに父との思い出を下書きで書いていました。なにか、書けそう
  だったので、
詠んでみます。

☆生涯で たった一度の
    みそにぎり 我が子につくる 亡き父の記憶
                          tokinosekimoriさん
【解説】
 一首目の歌は、誰しもが一度は経験をする事柄ではないかと思っていますが、
 うまく短歌に詠む手並みは流石と思います。
 上の句の「前の世の どこで出会いし」という表現が、とても印象的で不思議な
 縁を感じさせる
言葉です。そして結句の「ふと二度見する」は、その不思議な
 出会いの印象が強く、思わず
二度見してしまうという様子が描かれています。

 特に、上の句の「前の世の どこで出会いし」という表現が、この短歌の核を
 なしている
ように思います。豊かな感性と表現力を感じさせる短歌だと思います。

 二首目は「みそにぎり」を「生涯で たった一度」作ってくれた。その記憶に象徴
 される父上の
優しさと、父の我が我が子に示した愛情が、作者の生涯にどれだけ
 励ましと、勇気を与えて来たかを
思い浮かべています。

 私たちの世代にとっての父親は、怖くて煙ったくて乗り越えるべき存在でしたが、
 幼少期に
このような事実を通して、父上の優しさに触れた作者は幸せな方と
 思っています。
そんな想いが浮かんで来る、しみじみとした良い歌と考えます。

【詞書】YouTube短歌:熱帯夜の想い 宇多田ヒカル FIRST LOVEを聴いて
☆暑くて眠れない夜                          
  苦しさだけが増幅する
   First Love
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 私にとっては宇多田ヒカルと言っても、藤圭子の娘か?と言うだけの世代です。
 とは言っても彼女も40歳。この曲も1999年の作品、今の若い子には馴染みも
 無いでしょう?苦しげに歌う彼女の想いは?と思いました。
 下記URLに彼女の歌を貼り付けておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1bf4807a4c91797f0756771ec62cf662
【解説】
 熱帯夜。暑さで寝付けない夜は、昨今のうち続く炎暑の中で、誰もが経験して
 いること
でしょうね。

 この歌の「苦しさだけが増幅する」は物理的な感覚として表現されていますが、
 他の要因に
よる哀しみ、苦しみ等も暑さによってさらに増幅されていることを
 暗に表現しています。
その苦しさは、宇多田ヒカルの曲「First Love」に関係して
 いることが示唆されています。
この歌詞は、失恋した主人公の心情をシンプルで
 ストレートな言葉で表現していますが、
この曲を明示することで詠歌の物語性を
 感じさせることに成功していると感じます。

 また、「First Love」は、曲の冒頭から、切ないメロディーと、宇多田ヒカルの
 透明感の
ある歌声が印象的です。この詠歌は熱帯夜の暑さや失恋という普遍的な
 テーマを扱って
いるため、多くの方が共感できるものとなっていると考えます。

【詞書】はっきりと見えたんですね、オリオン座が。何だか“冬の先触れ”みたいで
  時の過ぎゆく早さをめちゃくちゃ感じてしまいました。(綺麗でした!)
☆まだ明けぬ暗き東の空低く
     オリオン輝く初秋の4時かな
【詞書】9月11日は母の87歳の誕生日で、山梨県産の葡萄が割引き品であったので
  誕生日祝いに買って帰りました。夕食時に渡したらそれでも「いや~忘れてたわ。
  ありがとう……大きい葡萄やなー」と喜んでくれました。
☆スーパーの割引きと言えど大粒の
     葡萄を母に「誕生日やろ」と
                          ちがやねこさん
【解説】
 一首目は、作者の得意分野の詠歌ですね。ISS(国際宇宙ステーション)は生憎雲に
 隠れて見えなかったものの、オリオン座がはっきりきれいに見えたとのこと。
 そこから、季節の移ろいを感じ取り歌に表現する手並みは鮮やかです。
 二首目、お母様のお誕生日を心からお祝い申し上げます。この歌から、作者の
 日ごろのお母様との、さらにお父様との関係性が垣間見え、ほっこりと
 させられます。このような歌こそ詠みたいものと願わずにはいられません。
 また、あの「9.11」が誕生日とのこと、まさに「祈りの日」ですね。
 三首目は、100回記念のメッセージの欄に掲載させて頂きました。ご了承
 頂ければ幸いです。
 また、ブログの文字数制限の関連で詞書を編集させて頂きました。ご容赦
 頂ければ幸甚です。


     
「未だ咲く アメリカデイゴ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆ワンピース着て丁寧語 京洛に 君と初めて会ひし夏の日
                         みっちっちさん
★雑踏に娘(こ)は駆けよりぬ つば広き 夏帽子着てスマホかざして
                         夕庵さん
★駆けて来る君を見つめて 夏帽を千切れるほどに振り駆け寄らむ
                         みっちっちさん
★駆けてくる幼児をひょいと肩車パパと楽しむ花火大会
                         夕庵さん
★肩車されて夕陽を見し我よ 夢うつつなる父の思ひ出
                         みっちっちさん
★朱に染めて紀淡海峡に夕陽落つ目の離せない露天の湯より
                         夕庵さん
★布引の滝を横目になほ登り 落暉前いざ有馬温泉
                         みっちっちさん
★太閤の愛でしさくらよ有馬の湯 橋の袂で待つねねの像
                         夕庵さん
★金銀も濁りの湯をも堪能し 山の疲れの五体投げだす
                         みっちっちさん
★この日まで自分の足で歩けるを親に感謝と自負するこころ
                         夕庵さん
★スポーツはフットワークの軽さなり 蝶のやに舞ひ蜂のやに刺す
                         みっちっちさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆酔芙蓉 宵に染まるや 風の盆 笠に隠して君を偲ばん
                         ポエット・M
【解説】
 「おわら風の盆」は、今回、浅間山明鏡止水さん、夕庵さんも詠んで頂いて
 いますが私も
詠ませて頂きました。かつて、現役時代に出張の日程を調整し
 「おわら風の盆」を訪ねたことが
ありましたが、その時の情景と、夕庵さんも
 触れられた、高橋治の「風の盆恋歌」の世界を
借景に、物語としての短歌を
 詠んでみました。従ってこの歌の主人公は架空の存在です。

 踊りの沿道には、紅に染まった酔芙蓉が咲き、胡弓の切なげな響きが祭りの
 情趣を一層深めています。
なお、「偲ばん」という表現は、「偲ぶ」という
 動詞の未然形ですが、想いがいまだ叶っていない
ことや、叶わないことを悟って
 いる様子を表してみました。


     「紅に染まり始めた 酔芙蓉 八重」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(8)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された著作渾身の著書でもあります。
  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
3.「短歌の章」 細川ガラシャ(1)

   神の手の愛に抱かれねむるとも
           戦国のおみなの運命(さだめ)と言はむ
            
   竹群は深く幽けくめぐりたり
           キリスト者ガラシャ此処にねむれり

   清らかにゆたかに命終わりけむ
           ガラシャを包む ほむらを見たり

  
     「未だ咲く 百日紅 薄紅色」

【水曜サロン 100回記念のメッセージ】到着順です。
 西BOOさん
  次回で100回記念という事で、少し早いですがおめでとう御座います。
  ポエット・Mさんへ 
  感謝! 感謝!

 みっちっちさん
  水曜サロンが次回100回という事でおめでとうございます。
  毎回楽しく参加させて頂けるのはポエットMさんのお陰と感謝しております。
  そこでそんな水曜サロンの事を即興で詠んでみました。
  百福とは百の幸い、たくさんの幸せという意味です。
  ☆百回を迎へ瑞雲沸き立ちて 百福集ふ水曜サロン

 リコさん
  100回記念おめでとうございます。
  誰かが事務方を辛抱強く努めないと会は続きません。
  貴方は毎週、膨大な投稿を30000字に纏める大変な作業をして
  くださっています。本当にありがとうございます。
  サロンは質が高く、和気あいあいと楽しいですね。

 夕庵さん
  100回記念おめでとうございます。
  私が「水曜サロン」への未知のドアをノックしたのは、丁度一年前の9月でした。
  あっという間の1年でした。その記念の月がサロン100回目だとは何と嬉しい
  ことでしょう。
最近は毎週三首を目標にメモと鉛筆が手放せません。

  ポエットMさんの深い鑑賞力の解説は静かに私の心に響き不安になる歌作りに
  大きな
力となります。

  また、返歌という初めての楽しいジャンルにも挑戦中です。お顔もお年も
  解らないままに、
深い連帯感を感じます。

  また短歌を詠まれない方からも、確かな鑑賞のコメントをいただき、
  このサロンの広い
繋がりを感じます。

  ポエットMさん、サロンの皆様これからもご指導のほどよろしくお願いします。
  そしてこのサロンが益々大きな輪となって発展されますようお祈り致します。
   ☆志ひとつに仲間は集いたり「水曜サロン」はわがオアシスに  夕庵

 ちがやねこさん
  100回目の「口語短歌・水曜サロンの会」ですね。おめでとうございます!!
  わたしなど随分新参者で、拙くもあまり上手いとは言えない歌を褒めて下さり、
  添削して下さり、ほんとに有難うございます!100回ってことは週1回としたら
  2年ぐらいなんですか?何にせよ1年、2年続けるのって大変でしょうし、
  凄いです。どうぞお元気でずっと続けて下さい。
  私も何か見たり感じたりしたことを短歌として綴っていくよう精進します。
  (上手くできそうなら返歌にも挑戦してみたいです)これからもよろしく
  お願い致します。
   ☆この度は ポエットMさんの歌の会
        100回数えてめでたやめでたや  ちがやねこ

 皆さんのメッセージへの、ポエット・Mの御礼メッセージ
  「100回記念」のメッセージと、短歌をお寄せ頂きありがとうございます。
  皆さんの継続的な出詠と、励ましで何とか100回まで継続できたと思っています。
  これもひとえに皆さんの、ご尽力とご協力の賜物と改めて感謝申し上げます。
  当初は、浅間山明鏡止水さんと「現代仮名遣い、口語短歌」等の、短歌の交流
  広場が
出来ないかとの素朴な発想で出発しました。また、所属する短歌会や、
  結社に縛られない
自由な発想で短歌を詠みあえればとの想いもありました。
  歌人の友人が冗談交じりに言う
ことに「花壇に忖度しないとんでもない発想」
  との指摘を受けましたが・・・。

  SNSやチャットGPT等が、短歌の世界にも入り込んでくる時代に「結社が・・・
  云々」は
無いでしょうとのことでやってきましたが、お陰様で多くの皆さんの
  御支持を頂き継続する
ことが出来ました。

  夕庵さんからは「深い鑑賞力の解説」とのお言葉を頂き恐縮しております。
  皆さんの作品を
深く理解するには私自身力量の不足を感じる場面が多々あり、
  かなり的外れな歌評も
しているのではないかと、反省しきりでもあります。

  私は、戦後に生を受け、コンピュータのソフトウエア開発と言う、かなり
  オタッキーな
工学の世界に身をおいてきましたので、国文学等はかなり敬遠
  して参りました。このため短歌の
作歌、文法、さらには歴史等の基礎は殆ど
  身に着けていないことを痛感しております。ただ、
業務の傍ら細々続けてきた
  短歌に「昨日の味方が、今日は敵」ような、厳しいビジネス戦線の
場面で幾度か
  打ちのめされた心を、救われる思いも一方ではして参りました。

  さらに「深い連帯感を感じます」とのお言葉も頂戴致しました。この言葉を心に
  刻み、それに
叶うよう精進を続けて参りたいと思います。

  また、「ネット短歌」での「返歌」は、皆さんの取り組みで、新たなジャンルを
  築きつつあり
楽しみにしております。大いに発想を広げて継続して頂ければと
  思います。
これからもよろしくお願いいたします。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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夏祭りへ

2023年09月10日 18時55分16秒 | 日々の歩み

 9月に入って既に10日を経過いたしましたが、依然として炎暑が続いていますね。
台風13号は静岡県に上陸はしたものの雨台風となり、関東を中心に浸水や土砂崩れ等々の傷跡を残しました。被災され、被害にあわれた方々に改めてお見舞いを申し上げます。
当方の住む地域はお陰様で大雨とはなりましたものの、特段の被害にあわずに済みました。


     「酔芙蓉 一重」

 過日の週末、二日間にわたって地域の氏神様である諏訪神社の夏祭りに細君共々二人で出かけました。夕ぐれから響いてくるおはやしや太鼓の音に誘われて・・・。
私の住む団地でもコロナ禍で中止されるまでは、団地の祭りが同一日に開催されたためここ10数年来神社に出向くことはありませんでした。今年はコロナ感染症が市中で再び増加傾向となり、折からの大型修繕の最中とのことで中止となりました。


     「諏訪神社御柱と提灯」


      「祭り神輿と山車」

 神社に着いて、その賑わいと盛り上がりの光景には驚きの一語でした。3年ぶり開催と言うこともあったのでしょうが、ものすごい人出で道路が埋まり、周辺の町内会の山車とお神輿が一斉に諏訪神社に集まってきていました。
 ここしばらく来ていないこともあり、この盛り上がりと、お神輿を担いでいる人たちの熱気にこちら迄すっかり興奮してしまいました。宵宮の祭りと言うことでカメラを持参しなかったため、この盛り上がった山車と神輿のお祭り風景は残念ながら、撮れませんでした。この日は、あまりの雑踏に恐れをなして、神輿と山車の見物にとどめて、早々と家路につきました。

     「祭りの一齣」

 翌日、日曜日の夕方はいつも演芸会があるので今度はカメラ持参で出掛けてみましたがコロナ禍でもあり慎重を期してとのことで、演芸会は残念ながら急遽中止となりました。
それでも皆さん神社の境内に多くの人が集まり、お店でお酒を飲んだり、おしゃべりをしたりとお祭りをそれぞれが楽しんでいました。祭りの開催をこんなに待っていたのですね~!!
祭りの会場では、細君は楽しみにしていたかき氷が食べられて、少しにっこりとしていました。

     「百日紅 白色」

コメント (4)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その99)

2023年09月06日 05時42分34秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その99)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 次回は100回記念となります。コメント頂ければ幸甚です。
 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲く むくげ 八重」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年7月31日より「フレンチローズとエコルド・パリ」を掲載しています。

  前回は「キース・ヴァン・ドンゲン」「マリー・ローランサン」「アメデオ・
  モディリアーニ」を投稿しました。
  拙くて恥ずかしいですが引き続きエコルド・パリ派の画家たちを詠んでみました。
 註)「モーリス・ユトリロ」
☆風景は不思議な詩情静謐さ 独特の白印象的も
 註)「マルク・シャガール」
☆愛の画家妻への敬愛一途にて 愛や結婚作品数多く
 註)「アンリ・ルソー」
☆いつの世も戦争体験悲惨さで 画家の感性影響受ける
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 エコルド・パリ派の画家たちは、何れも個性豊かで時代を切り開く活気と
 エネルギー、さらに
夢を持つ方が多かったとの印象を持っています。
 「モーリス・ユトリロ」「マルク・シャガール」
「アンリ・ルソー」も、
 その優れたメンバーの一人でしたね。

 二首目の、「マルク・シャガール」は、詩情あふれる世界を幻想的で色彩豊かに
 描いた作品を
数多く残していますね。生涯、妻ベラ・ローゼンフェルトを一途に
 敬愛し、ベラへの愛や結婚を
テーマとした作品を数多く製作していることから、
 詠われているように、「愛の画家」と
呼ばれていますね。彼と妻ベラとに焦点
 をあて、こんな視点で詠んでみましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★生涯をベラへのまこと貫きて シャガールの愛 絵にも溢れて

【詞書】夕立が降って、冷房をつけずに寝室へ行ったところ、網戸から秋の涼風が
  入ってきて。

☆夕立で 冷房つけず 寝室へ
   網戸からくる 涼風やんわり
【詞書】心の無い発言が続いている農水相であるが、東北の漁民の方は怒りでは
  済まない
だろうと思ったことを詠ませて頂きました。

☆心無き 発言続く 農水相
     東北漁民は 怒りで済まぬ
                          西BOOさん
【解説】
 丁寧にかつ、熱心な推敲をして頂き感謝致します。学びたい姿勢でもありますね。
 一首目、あれほど暑かった炎暑も夕立の後は気温も下がり、これなら冷房も
 いらないかなと
呟く作者の姿が思い浮かびます。そんな映像と、晩夏の涼風が
 無理なく詠われ好感の
もてる詠歌となっています。「網戸からくる」の句が
 リアリティーを添えています。

 二首目は、風評被害に晒されている東北の漁民の方の思いを逆なでするものと
 思いますし、
何より一番真剣に彼らに寄り添わなければならない立場の方の
  「当事者意識」に欠ける言動に情けなさを感じて
しまいます。

 もっとも、核燃料デブリに触れた汚染水には、トリチウムの他、セシウム137、
 ストロンチウム90、
ヨウ素などの放射性物質が含まれています。これらはALPS
 (多核種除去設備)等により、
規制基準未満となるまで浄化処理されていると
 東京電力は広報しています。これらの情報が農水大臣の記憶に残り、あの発言に
 なったのでないかと勝手に推察していますが・・・。

【詞書】酷暑が続きますが、空を見上げると秋が来たのかなと感じる時があります。
☆新涼に机の向きを少し変へ 松の上枝(ほつへ)に鰯雲見ゆ
【詞書】丘に登れば、目の前に淡路島、その左の彼方に関西国際空港が見渡せます。
  秋空はるかに発着の飛行機雲の筋が長く続いて見えます。
☆須磨浦を見下ろす丘に おのころの 天高くなほ機雲はるかに
                          みっちっちさん
【解説】
 連日の炎暑の中にも兆す秋の訪れ。「雲」をテーマに詠んだ二首の歌は、そんな
 季節の
移ろいを味わい深く表現し、素敵に詠っていますね。

 二首目の「おのころ(自凝)」は、ご存知の方も多いかと思いますが「国生み神話」
 に
登場する「おのころ島」伝承地の1つとされて、イザナギノミコト、イザナミノ
 ミコトの国生みの
聖地と伝えられる場でもありますね。そんな歴史ある地で
 「飛行機雲の筋」を見上げ、
秋の予兆を詠んだ歌は過去・現在・未来を繋ぐ
 スケールの大きな歌に仕上がっています。

 こんな詠いぶりにも学んで参りたいと思います。

【詞書】長らく続いてきた兄妹5人の旅もコロナと高齢になったため、今は誰からも
  誘いの
連絡はない。3首は能登半島巡りの最後の旅行の時に詠んだもの。

☆カニの身を取りだし兄の取り皿に今日だけ私は母さんになって
☆足重き遅れがちなる兄の背に手を添えのぼる社寺の階(きざはし)
☆夏帽子とれば白髪波うちて兄は静かに笑顔かえしぬ
                          夕庵さん
【解説】
 ご兄妹5人そろっての旅とはいいものですね。仲の良さの証明であり、それぞれが
 幸せの
ひと時を存分に味合われたことと思います。

 三首とも、お兄様と作者の人となりと信頼感の滲む、ほのぼのとした良い歌と
 思います。
 特に一首目の「今日だけ私は母さんになって」の下の句は、お兄様への思いやりと、
 妹としての自負も覗かせる心憎い歌となっています。
 このような絆を確認し合う貴重な催しをコロナ禍は、世界的な規模であまたつぶして
 きたと考えます。その意味では歴史的にも「負」の時代と位置づけられると、大げさ
 かも
知れませんが考えてしまいます。こんな感慨を誘う素敵な旅行詠でもあります。


     「夏の名残のひまわり」

【詞書】YouTube短歌:Thriller night
☆人の心に住む欲望
 すべては満月のほんとうのスリラー
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 スーパームーンが、8月30日夜から31日朝に見られたとの事。気温30℃、湿度75%で
 スーパームーンも湿気に霞んでいました。
 死者のゾンビでも、魔物でも無い、人の心こそ、本当恐怖を生じさせるものであると
 思います。
 マイケル・ジャクソンのスリラーは、1982年12月の映像で、プロモーションビデオに
 革命を
もたらし、MTVの躍進に付与したもので、マイケル・ジャクソンを世界
 アーティストにしました。

 下記URLに動画を貼り付けていますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/547470a8ac8fdece02bacb6c6f5545c6
【解説】
 今回もご紹介頂いたユーチューブを視聴させて頂きました。
 「Thriller night」は、マイケルジャクソンのアルバム『スリラー』の表題曲で、
 1983年に
ミュージック・ビデオが公開されました。このビデオは、ホラー映画の
 パロディで、マイケルが
狼男やゾンビに変身して踊るという内容で、特殊効果や
 ストーリー性が高く、音楽専門
チャンネルMTVで大ヒットしました。このビデオは
 ミュージック・ビデオの歴史において画期的
な作品として評価されており、1999年
 にMTVが発表した「今まで作られたビデオの中で
最も偉大なベスト100」で1位に
 選ばれました。その意味では作者が「短歌説明」
でも述べられていますように、
 「世界アーティスト」に押し上げた作品とも言えます。

 「人の心に住む欲望」が「本当の恐怖を生じさせる」Thrillerである旨が詠われ、
 人の心に潜む闇の存在を示唆した、表現の深さに学ばせて頂きました。

【詞書】自閉さんの「気だるい夏の夕暮れ」を鑑賞していたら、少し書きたくなり
  ました。
短歌はまったく初めてつくります。

☆心なき 君のことばに 沈黙す
    あの青春は 夢のごとしか
                          tokinosekimoriさん
【解説】
 初めての出詠を心から歓迎したいと思います。
 折角出詠して頂けましたので、僭越ながら少し細かな点も含めてコメントさせて
 頂ければと
思います。的外れがあったらご容赦願います。

 冒頭の「心なき君のことばに」の君は、おそらく恋人もしくは、密かに心を
 寄せていた方で
しょうか。その方の鋭い言葉が心に刺さり、思わず沈黙して
 しまう、そんな場面が想像されます。

 また、その言葉を思い浮かべることで、作者の青春の思い出が、一瞬にして
 切なく物悲しい
夢のように思えてしまったことを表していると考えます。

 この短歌の優れたところは、作者の心の痛みや、その痛みによって失われた
 青春の輝きを、
鮮やかに表現しているところだと思います。

 特に、冒頭の「心なき」という言葉の使い方が秀逸です。この言葉は相手が
 意図的に
傷つける言葉を言ったかどうかは明示されていませんが、その言葉が
 どれほど作者の心に
深い傷を残したかが、この詠歌から十分に伝わってきます。

 また、結句の「夢のごとしか」という表現も印象的です。この言葉は作者の
 青春の
思い出が、すべて一瞬にして消え去ってしまったような、儚い感覚を
 表現しています。

 この短歌は、青春の日の恋愛や友情の痛みを経験したことがある方なら、誰もが
 共感
できるのではないでしょうか。初めて短歌を詠まれたとのことですが中々の
 出来栄えと感じ
ます。これからも、このサロンで共に学んで参りましょう。

【詞書】2019年7月18日のあの日からまる4年余り、ようやく「京都アニメーション放火
  殺人事件」の公判が始まりました。ニュースを色々見ましたが、ただただ無事に結審
  までいくこと、被告自身によって動機、「放火殺人」に至る気持ちの変化が語られる
  ことを願っています。ただ、「こうしか言いようがないんやろうなあ」と思わんでも
  ないですが、被告側の弁護人の「建物の構造に問題があった」というのは…。
  「誰が放火されると思って建物を建てんねん!」と突っ込まずには居られません
  でした。大勢の方の命や平穏な人生が奪われたこの事件の裁判を京アニのアニメ
  によって“聖地”となった地から見守っていきたいと思います。事件の被害者の
  遺族の方で先月亡くなられた方がいらっしゃるそうです。4年という月日の長さを
  思わずに居られません…。
☆4年経ち ようやく裁きの場が開く
        月日を思い 祈り 見守る
【詞書】9月1日の午前中だったですか、見ようとしたら「サービス停止」って…。皆さんの
  ブログに出会って楽しみも知識も増えましたし、ポエットMさんのブログに投稿
  (出詠)する楽しみ、うちで読む新聞の俳壇・歌壇もよく読んでいる私には、他の
  方の歌を読むのも楽しみでした。個々の方々のブログなどはそのまま見られる
  ようですが、いやー、びっくりしました。今後ともよろしくお願い致します。
☆いきなりのさよなら「みんなの花図鑑」
          寂しいってば!サービス停止は
【詞書】スーパームーンめちゃめちゃ綺麗でした。輝きというか、光量がすごかった
  です。猫たちの集会とかありそうだなとかちょっと妄想してました。
  (「ねこのダヤン」のシリーズにそんなシーンがあったような…)
☆「何となくパワーをもらえそうやなあ」
          スーパームーンに手を伸ばしてみる
                          ちがやねこさん
【解説】
 「京都アニメーション放火殺人事件」の公判、「みんなの花図鑑」のサービス停止、
 さらにスーパーブルームーンと、いつもホットな時事にスポットを当て、新しい
 切り口で詠んで頂き私たちにも学びとなっています。
 一首目、36人の方が犠牲となった京都アニメーション放火殺人事件で、殺人などの
 罪で起訴された青葉真司被告の裁判が9月5日始まりました。初公判で青葉被告は
 「私がしたことに間違いありません」と述べ、起訴内容を認めました。
 詞書にもありますように「大勢の方の命や平穏な人生が奪われたこの事件の裁判」を
 私たちも痛みをもって見守っていきたいと思います。
 二首目、詠われている通りで「寂しいってば!」ですね。
 goo blogから連携できた「みんなの花図鑑」は2023年8月31日(木曜)をもって
 サービスを終了しましたね。いきなりでしたので、私もびっくりしましたが、
 人気のコンテンツでしたので終了は寂しい限りです。思えば、作者もこのサイトを
 経由し、水曜サロンを訪ねて頂いたんですよね。幸運な出会いに感謝しつつ、
 これからも末永いお付き合いをして頂ければ幸いです。
 三首目、月が1年で最も大きく見える「スーパームーン」と、ひと月に2回目の
 満月となる「ブルームーン」が重なる、「スーパーブルームーン」が9月31、
 観測されましたね。2010年以来、実に13年ぶりとのことですが、千葉県の犬吠埼
 では月明かりが太平洋を照らし、幻想的な世界が広がったとのことでした。
 まさに「パワーをもらえそう」な神々しさであったと思います。
 「手を伸ばしてみる」の表現もいいですね。


     「芙蓉の花」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆須磨浦を見下ろす丘に おのころの 天高くなほ機雲はるかに
                         みっちっちさん
★須磨浦に住みゐし過去のあるわれは須磨浦詠ふ歌に返しを
                         水仙さん

☆夕立で冷房つけず寝室へ
   網戸からくる涼風やんわり
                         西BOOさん 
★破(や)れ網戸に体当たりするカナブンよ 何を見たのか今朝の残骸
                         夕庵さん
★悲しきや カナブン遺骸 見てもなお 生きたクワガタ 網戸に来ぬか
                         西BOOさん 
★クワガタを網戸に這わせ運動会負けて悔しきおとうとの涙
                         夕庵さん
★悔しさの残る運動会とても クワガタ餌と戯れを待つ
                         西BOOさん
★待たされて 待たすことへの悔恨は 五分早めの癖が身につく
                         夕庵さん

☆新涼に机の向きを少し変へ 松の上枝に鰯雲見ゆ
                         みっちっちさん
★国産と明記の鰯が並んでる数えて夕餉の一品とする
                         夕庵さん

☆カニの身を取りだし兄の取り皿に今日だけ私は母さんになって
                         夕庵さん
★病む母の口へ茶粥のスプーンを運びし我は母の母とぞ
                         みっちっちさん
★いつまでもかあさんと呼ぶ二人子よ 白きの混じるを見るにつけても
                         夕庵さん
★いつまでもパパと呼ぶ我 優しくも君はわたしの父ではなくも
                         みっちっちさん
★父と我 何処で繋がっているのだろう 足の爪さえ愛おしく思(も)ゆ
                         夕庵さん
【詞書】今は亡き両親は優しくいつも笑ってくれました。ほくほくとした笑顔に
  助けられ、
亡くなった今も助けられてます。

★父母は右肩の辺にふはとゐて 守りてくるる笑みほくほくと
                         みっちっちさん
★シャボン玉ふわふわ飛んで幼らは消える不思議に大き口あく
                         夕庵さん

☆蝉時雨 移ろいゆくやひぐらしに 闇にはすでに虫しぐれして
                         ポエット・M
                                           
【詞書】夏から秋の季語を使って季節の移ろいを感じさせるというお話が興味深く、
  私も詠んでみました。
★空蝉のひとつ狭庭の草の上 暮れそめばなほ虫しぐれやまず
                         みっちっちさん
★空蝉も生きたる証し 狭庭にも落蝉ひとつ 虫しぐれして
                         ポエット・M

☆蝉時雨 移ろいゆくや ひぐらしに 闇にはすでに虫しぐれして
                         ポエット・M
【詞書】ポエット・Mさんの本歌取りから、下の句は視点を変えてみました。
  風鈴は鳴らずともかすかな風に揺れています。
★蝉時雨移ろいゆくやひぐらしに しのびの風は風鈴揺らす
                         夕庵さん
★ままならぬ恋知り初めし黄昏に カナカナの音(ね)のさらに切なく
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆闇に咲き闇に閉じゆく月下美人 命のかぎり その香その花
                         ポエット・M
【解説】
 この短歌は、我が家で二度目に咲いた月下美人の花を詠んだものです。月下美人は、
 ご存知のように夕刻に蕾を開き始め、深夜に満開となり翌朝には花が萎み閉じて
 しまいます。
この歌では、そんな月下美人の花を「闇に咲き闇に閉じゆく」と
 表現し、その儚さを強調
してみました。

 また、この歌は下の句で「命の限りその香その花」と詠いましたが、これは、
 月下美人の
花が、その短い命をまっとうする中で、精一杯香りを放ち、神々しい
 までの花を咲かせていることを表現してみました。

 月下美人の花に寄り添いつつ、その生きざまと花の潔さを讃え詠ってみました。

 
     「満開に咲いた 月下美人」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(7)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選されものを集めた著書です。つまり著者の個人的な
  好みが濃厚に反映された著作渾身の著書でもあります。
  私の短歌の師の一人で人間的にも尊敬する方でもありましたが、その著書から、
  短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
2.「短歌の章」 浅間山(2)

   浅間嶺路 天押し開き打ち立てる
           紅は燃ゆ 夜のしじまを
            
   うつしみの いのちいたわり 寝ねぬ夜を 
           浅間のよなは さはやかに積む  ※

   火の山の幾日を燃えて夜も赤し
           心つつしみ独り寝むとす

   註) よな: 火山の噴煙とともに噴き出される灰


      「未だ咲く 酔芙蓉」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 ブログの文字数制限(ソースコードレベルで30,000文字)により割愛致します。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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炎暑の8月を凌ぎ

2023年09月03日 21時08分41秒 | 日々の歩み

 炎暑の8月を凌ぎ、9月も三日となりましたが、日中の暑さは相変わらずですね。
しかし、夕暮れとともにかすかではありますが、涼風も感じられます。


     「マンデビラ」

     「夕刻前に淡紅に染まる 酔芙蓉 八重」

 気象庁は9月1日、今年の夏(6~8月)の日本の平均気温が、1898年の
統計開始以降で最も高かったと発表しました。
最高気温が35度以上の「猛暑日」の日数は全国38地点で最多となり、
過去151年で猛暑日が一度もなかった北海道函館市で初めて記録されるなど、
異例ずくめの夏となったようです。
全国的な高温傾向は9月以降も続く見込みとのこと。
「地球沸騰化」の時代とも言われ始めましたが、二酸化炭素の排出制限等、
喫緊の課題となりつつあり、自らに引き寄せて考えて参りたいと思います。


     「真夏の象徴 ブーゲンビレア」


     「百日紅 薄紅」

 事実、本日も、ここ南関東は猛暑日となりましたが、夕暮れには涼風も吹き、
確かな季節の移ろいを感じます。


     「キバナコスモス」

     「初秋の訪れ 小紫式部」

 今回は、晩夏から初秋にかけて散策等で巡った観音崎公園や、遊歩道等に
咲く花々をデジイチでスケッチし、季節の移ろいを辿ってみました。

なお、遊歩道でいつもお会いする方の、マスク無しの微笑みがまぶしく
感じられ、
即興で一首詠んでみました。
 ☆マスク無き人らも増えて遊歩道 改めて知る爽やかな笑み

コメント (2)
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