四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

核兵器廃絶への道

2023年07月30日 14時42分16秒 | 日々の歩み

暑中お見舞い申し上げます。
7月22日、梅雨明け宣言以来、連日体温を上回る炎暑が続いていますが、
皆さんには、お元気でご活躍のことと思います。
今回は、8月を前に少し硬めのお話をしたいと思います。

     「酔芙蓉 一重」

〜被爆地が核戦争の「歯止め」となるために〜
のスローガンを掲げた国際平和シンポジウム2023「核兵器廃絶への道」が、昨日、
7月29日に広島で開催されました。
本年は、広島、長崎への原爆投下から78年となりますが、ロシアのウクライナ
侵略が長期化し、核兵器使用に対する懸念が現在の情勢から現実的になって
きています。

この「国際平和シンポジウム」では、先に発表された「G7首脳広島ビジョン」への
多くの批判が出されました。
この批判は、G7首脳が核兵器廃絶を明確に宣言しなかったことや、核抑止論を
支持したことが理由となっています。
核兵器廃絶は、唯一の被爆国の日本にとって最も重要な課題の一つですが、広島と
長崎は核兵器使用の悲惨さを世界に伝える確かな証人となっています。それを踏まえ、
核兵器が使用されることは二度とあってはならないと考えます。

     「酔芙蓉 八重」

核抑止論は、核兵器の使用を抑止する効果があるとしばしば言われてきましたが、
一方では、核兵器の使用を前提とした考え方で、使用されるリスクを高めるという
可能性もあります。
核兵器は、人類にとって最大の脅威であり、核兵器を廃絶するためには、核抑止論を
支持するのではなく、核兵器のない世界を目指す必要があります。
また、「国際平和シンポジウム」で出された結論は、G7首脳に核兵器廃絶に向けて
具体的な行動を起こすよう促すものです。その第一歩が核兵器禁止条約の批准で
あり、我が国も含めて先ずそこから着手すべきと考えます。

     「夾竹桃 白」

二発もの核兵器が使われ、丸木位里・丸木俊夫妻が共同制作「原爆の図」で表現した
地獄とも言える状況と、その後78年に及ぶ甚大な被害を味わった人々。その当事者
であり、かけがえのない方を失った方、さらには、その関係者の病魔も含めて
厳しい現実に少なからず触れてきました。それらを真近で接してきた一人として、
核兵器使用に繋がるいかなる動きにも目をこらし、あの八月を前に核兵器廃絶への
うねりを起こす必要性を感じます。

     「夾竹桃 薄紅」

コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その94)

2023年07月26日 05時06分33秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その94)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】2023年7月3日ハルニレテラス遊歩道、トンボの湯、村民食堂に散策を
  兼ねて
行って来ました。遊歩道は若木と緑の葉っぱが美しく、そよ風が
  とても気持ちが
良かったです。そしてイベントは「アンブレアスカイ」と
  いうフェスティバルをやっていました。
余りにも気持ちよかったので
  3首詠んでみました。

 註)「遊歩道」
☆白秋も歩いた古道雑木林 清流寄り添う木立の中で
 註)「トンボの湯」
☆いにしえの湯に身を任せゆったりと 時は遥か想いは彼方へ
 註)「アンブレアスカイ」
カラフルな傘が彩るハルニレテラス 雨上がりの虹浮かび上がる
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 詞書にも記されていましたが、ハルニレテラス遊歩道は新緑に覆われ散策には
 最適な
季節ですね。

 「ハルニレテラス」は自生していた100 本を超える春楡の間を縫うように、
 清流に寄り添って
連なる9棟の建物をウッドデッキでつないで作った「小さな街」
 とのこと。自然の息吹を存分に
取り入れ、計算し尽くして作られたおしゃれな
 街並みですが、演出を感じさせない上質さは
流石と感じます。

 三首の歌は、このエリアの魅力を、それぞれ余すところなく引き出し詠いきって
 いると感じます。なお、表現力が一段と増したとの印象があります。

 また、三首目は「雨上がりの虹をイメージしたシャボン玉」の演出と、その景観を
 見事に表現
していると考えますが、少し視点を変えて添削させて頂きました。

【ご参考】
★虹さえも超えるいろどり傘の波 ハルニレテラスの空に揺れ咲く

【詞書】sonyのαcafeに、「少し派手かなぁ」と思って載せた写真に『いいね!
  (bravo!)』が
多く付き、「渋い」と思って載せた写真は、『いいね!(bravo!)』が
  皆無に近く、どの様な
写真を撮れば良いか迷いがある状態を詠ませて頂きました。

☆「少し派手」
  思いて載せて『いいね!』付き
    「渋い」は『いいね!』皆無に近し
                          西BOOさん
【解説】
 「sony α cafe」には、プロ級の方の作品があまた並び、私もフアンとして拝見
 させて頂いています。
いずれも力作ぞろいで、私達初心者が安易な評価をしては
 いけない雰囲気も感じます。

 作者のような素敵な作品を撮られ、高い技術水準の方が撮り方について葛藤して
 いることを詠って
頂きましたが、その事実に少なからぬ感動を覚えました。
 この葛藤こそ高みへのモチベーションとなると
考えますし、学びたい姿勢です。

 「渋め」の作品は私は好きですが、作者のもっている素敵な感性を信じ、
 ぶれることなく
進まれることをお勧め致します。なお、作品に記されている
 絞り値等、撮影データで色々学ばせて頂いています。

☆石仏に寄り添うように桔梗さく 頭に肩に風とささやく
☆風吹けば桔梗はやさしく語りかけ 石の仏に笑みのこぼれる
                          夕庵さん
【解説】
 いずれも奈良の元興寺への再訪の際に詠まれた歌とのこと。
 歳月の波に洗われ角の取れた石仏群と、微かな風にも揺れる桔梗。その景観は、
 まるで石仏と桔梗が微笑みを交わし語り合っているかに見えます。
 そんな情景を詠われた二首の歌は、石仏と、桔梗に心を添わせた作者の心根の
 優しさが、そのまま表現された心和む歌だと考えます。
 また、風の音や桔梗の花の揺れ、石仏の質感など、五感を使って映像を想像させて
 くれる描写力にも優れていると思います。

【詞書】青春時代、京都のジャズ喫茶が好きでした。マスターがレコードに針を
  置いた時の
音のわくわく感と共に、連れて行ってくれた人のことも思い出
  されます。

☆レコードに針置きし夜のしじまさへ 懐かし 京のジャズ喫茶の君
【詞書】大きなVの字を空に掲げる試合の日の朝です。
☆Vの字にジーンズを干す 夏空へ 今日の試合の勝利を誓ふ
                          みっちっちさん
                                                    
【解説】
 「京のジャズ喫茶の君」「Vの字にジーンズを干す」という、ジャンルの異なる
 二首は
いずれも多面体として輝く作者の、一つの貴重な側面を詠っていますね。

 一首目は、夜の静けさの中にジャズが響き、心が和みます。また、心許せる彼と
 共に
ジャズの響きに包まれるのは、至福のひと時だったとも言えますね。

 「懐かし 京のジャズ喫茶の君」というフレーズが、そんな過去の思い出を呼び
 起こし、
甘酸っぱさと共に懐かしさを感じさせてくれます。

 こんな場面にはビル・エヴァンスのジャズ「枯葉」が似合うように感じましたが…。
 全体的に、懐かしさや穏やかさ、さらにはドキドキ感も滲ませながら、心が和む
 歌だと思います。
 二首目の「Vの字にジーンズを干す」と言う表現には、インパクトがあります。


     「芙蓉の花」

【詞書】ハイキング サウンド・オブ・ミュージック ドレミの歌を聴いて
☆山路を歌いながら
  ソ・ド・ラ・ファ・ミ・ド・レ
  エーデルワイスだけが側に 
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 暑中見舞い申し上げます。相変わらず猛暑の中で、うだっています。
 サウンド・オブ・ミュージックの映像でも見て、高原をハイキングしている
 気分で作りました。

 先週は、最高気温30℃なので、今日は涼しいと挨拶していたが、梅雨明けと
 共に、
また猛暑日が増えそうです。

 気分的には、花より他に知る人も無しで、私の音痴の歌も聞く人もいないと
 大声で歌って登って行く。

 下記URLにサウンド・オブ・ミュージックを貼付しておりますので、少しでも
 涼しい気分になれば?

 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d45158f4218ed31cd6a287016f85f9d1
【解説】
 作者の短歌説明では「サウンド・オブ・ミュージックの映像を見て、高原を
 ハイキングしている気分で」
詠まれたとのこと。

 詠歌からは、マリア・ライナー先生がトラップ一家の子供達と共に歌う
 「ドレミのうた」が聴こえてきます。

 エーデルワイスは、高山に生える白い花で高貴な花として知られていますが、
 詠歌に美しさと、
ほのぼのとした雰囲気を醸し出す役割も果たしています。

 高原の冷気を吸いながら大声で「ドレミのうた」を歌うことは、魂と命の洗濯に
 とっても良い事と
思いますし、そんな場面を想像するだけでも楽しくなりますね。

 そんな想いにしてくれる楽しく、味わい深い歌と感じました。

【詞書】例えば、私の好きなオールドファッションドーナツは、値段はそんなに
  変わらないものの、6個入りが5個になってましたし、冷凍の魚の切り身は、
  3つ入りだったものが2つになってるのがいくつもあるし…。
  スーパーの商品にしても、「わっ、ちっちゃなってる!」というのもよくあります
  し…。何だかなあと、思いつつも、買い物はせんとあかんし。生協のカタログの
  「次回から値上げします」の文言が悲しい…。
☆生協のカタログを見てつい思う
   数量は減り値段は上がる
【詞書】7月24日の「後祭」の中継をKBS京都で見てました。大船鉾と鷹山はまだ
  白木の部分があったり、懸装品(けそうひん)がこれからだったりで未完成なんだ
  とか。見る人も「今年はあの部分が漆塗りされたんやて」「懸装品は来年らしいね」
  とか、変化が楽しめますね。この先も山鉾の文化を歴史を紡いでいく人達は大変
  でしょうけど…。(頑張って下さい)
☆「後祭」(あとまつり)復活の山鉾進化する 年々繫いで完成させる
【詞書】宇治川生まれの“ウッティー”達と鵜匠さんとが育んできた絆が、今年の秋に
  始まる「綱を付けずに鵜を操る“放ち鵜飼”」として、花開きます。鵜飼い用に育て
  られているウミウから初めて生まれた卵を人工孵化した時からの、鵜匠さんを
  はじめとする関係者の方々の何年もの努力の結晶です。楽しそうなので、見に
  行ってみたいなーと思っています。興味ある方は宇治にいらして下さいませ♪
☆宇治川の鵜飼の歴史にまたひとつ
      “放ち鵜飼”が加わるそうな
                          ちがやねこさん
【解説】
 「生協のカタログ」「山鉾進化」「放ち鵜飼」と、いずれも、ホッとな時事を
 詠み作者の観察眼と高い見識が覗えます。鋭いながらも温かな眼差しの感じられる
 詠歌で、これらは、私たちの学びにつながる貴重な視点を提示しています。
 三首目の歌は、「放ち鵜飼」の舞台裏の努力にも触れ、鵜匠さんを始めその実現に
 尽力された方々の、歴史的経緯も踏まえた興味深い歌となっています。観光宣伝の
 陰で、ともすれば華やかな表舞台のパフォーマンスのみがとりざたされる昨今、
 この
ような視点での詠歌は貴重な存在と思います。
 これからも「取材短歌」の出詠を期待したいと思います。なお、詞書の一部を
 文字数制限の関係から割愛せざるを得ませんでしたが、ご容赦願います。

     「酔芙蓉の花 八重」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆「少し派手」
 思いて載せて『いいね』つき
 「渋いは」『いいね』皆無に近し
                         西BOOさん
★気にしない「いいね」の数の少なくも日記代わりのわがブログなら
                         夕庵さん

☆カラフルな傘が彩るハルニレテラス 雨上がりの虹浮かび上がる
                         浅間山明鏡止水さん
★破れ傘で 置いてけぼりの登校の 弟(おとと)の泣き顔今も忘れず
                         夕庵さん

☆道端の目鼻欠けたる野仏へ和草(にこぐさ)そよと科戸(しなと)の小風
                         みっちっちさん
★野仏は傾きつつも微笑みを忘れず鳥の声聞いている
★野仏へ召しませ今朝の和草の朝露ふくみし清(すが)し色こそ  
                         夕庵さん
★さみどりの色を深むる和草のそよぎは笑みと野仏知るや
                         みっちっちさん
★知る知らぬこと多かりし 世の中の流行(はやり)言葉が駆け足で来る
                         夕庵さん
★流行のドレスも靴もマニキュアもなけれど今し我が道楽し
                         みっちっちさん
★あれこれと惑いの多き歳なれば我が道照らせ夏のジュピター
                         夕庵さん
★ジュピターを聞けば涙がこぼれちゃう ひとりじゃないよ 自分信じて
                         みっちっちさん

☆Vの字にジーンズを干す夏空へ今日の試合の勝利を誓ふ
                         みっちっちさん
★ホームラン浴びて球児はくずおれぬ滴る汗の砂握りしめ
                         夕庵さん
★接戦の九回裏の逆転打 紙一重なる勝負に泣けり
                         みっちっちさん

☆咲き初める芙蓉にまどう蝶二匹 舞い立つかなたに夕映えの海
                         ポエット・M
★風の盆今年も咲くや酔芙蓉 坂のある町八尾の家に
                         夕庵さん
★風の盆 笠に隠して見る君の 八尾の闇に うずくがに顕(た)つ
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆一朝の 夢紡ぐ間に むくげ散り 梅雨明けの夕 いまだ暮れずに
                         ポエット・M
【解説】
 「槿花一朝の夢」と言うことわざがあります。槿花(むくげ)の花が朝に咲いて
 夕方には
散ってしまうように、人生ははかないことをたとえた言葉ですが、この
 ムクゲの花をテーマに
詠ってみました。

 梅雨明けの夕暮れは中々暮れませんが、ムクゲは既に萎み散っていく花もいくつか
 ありました。

 はかない人生の中でも夢を紡ぐことで、人生に彩りを添え、生きる力を得ることが
 できます。
夕暮れは、そんな日々の一瞬を永遠に繋げるひと時を感じさせて
 くれ
ます。そんな想いを詠ってみました。


     「宗旦むくげ」


「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(1)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、
  小説、短歌等を著者により
厳選されものを集めた著書です。
  つまり個人的な好みが反映された著作渾身の著書でもあります。

  私の短歌の師の一人で、人間的にも尊敬する方でもありましたが、
  その著書から、短歌を抄出し
三首づつ紹介させて頂きます。

     
1.「短歌の章」 花(1)

   沙羅の花ふくよかに今朝咲き出でぬ
            ひと日の花の命さやけく
            
   沙羅の花華やかにしていさぎよし
            あした開きて夕べには落つ

   沙羅の花 露の命のはかなきを
            白き花弁に紅ふふみ咲く


      「ホウボウの花」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
fumiel-shimaさんからのコメント
 皆さんの目の前に広がっている光景、風景とも言えるような眺めを私もその場で
 体験しているような
感覚になりますね。そしてその情景までもが伝わってくる
 ようです。

 西BOOさんの詞書で紹介された、エンニオ・モリコーネの曲とは本当に懐かしい
 ですね。私たちが
若いころ、テレビの「ローハイド」などの影響もあり、西部劇を
 よく見ましたが1960年代、私たちが
20代の後半ごろ、「荒野の用心棒」「夕陽の
 ガンマン」「続・夕陽のガンマン」などマカロニウェスタンと
呼ばれる映画も
 流行りましたね。

 私がエンニオ・モリコーネの名前を知ったのはこれらの映画を何度も繰り返し見る
 ようになってからでした。

 今日久々にこのエンニオ・モリコーネの名前を見て「荒野の用心棒」の口笛が
 流れるシーンや、
「続・夕陽のガンマン」の最後の墓場での決闘シーンなどが
 浮かんできました。

 「ガブリエルのオーボエ」はヴァイオリンなどの楽器で演奏したものも心に沁み
 ますがやはり西BOOさんの
短歌のイメージには「オーボエ」の音色がピッタリだと
 感じました。

 そして「ネット歌会」の夕庵さんとみっちっちさんの歌の元歌と返歌に私の名前が
 出るとは?・・・、
ブログ友との交流がこんな形でも出るとは・・・驚きと共に
 小躍りしたい気分になりました。
ありがとうございました。

ポエット・Mの返信コメント
 いつも「水曜サロン」と、その参加メンバーへの温かな励ましのコメントを頂き
 ありがとうございます。

 私はもとより、皆さんにとっても大いなるエールと感じていますし、「やる気」
 スイッチが入ります。

 fumiel-shimaさんのように温かく見守ってくれる方がおられることは、作品を詠む
 際に励みにな
るばかりでなく、もっと学ばねばとのモチベーションにもなります。

 なお、私達世代にとって「マカロニウェスタン」と、エンニオ・モリコーネの
 映画音楽は懐かしい青春の
思い出となっています。

 これからも「水曜サロン」等を通して、多いに交流して頂ければ嬉しいです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (33)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「生成AI」と短歌

2023年07月23日 06時23分02秒 | 短歌

 ☆短歌をもチャットGPTにまかせたら魂のない言葉の羅列  夕庵さん

 これは、ブログの「水曜サロン」に参加されている夕庵さんが、最近詠まれた短歌との事です。この短歌を基に、夕庵さんとブログで対話させて頂きましたが、このブログにお立ちより頂いている皆さんにとっても、ご参考になればと思い記事としてまとめさせて頂きました。

     「ホウボウの花」

 チャットGPTに関する7月21日付け「朝日新聞 論壇」を拝読いたしました。そして、夕庵さんの詠まれた短歌は、石井むつみ慶応大教授が「論壇」で言わんとしたことの核心を、一首の短歌で表現しているとも考えました。確かに、「生成AI」は言葉の意味を本当に理解しているわけではありません。確率的に「この言葉の後にはこの言葉が来るだろう」という処理をして、文章として返してくれているだけです。その意味で、「身体的な感覚」とは無縁の世界で自然文を構成しているに過ぎません。

 言葉は、私たちの身体的な感覚と深く結びついていると考えます。例えば、私たちが「痛い」と言うとき、それは身体的な痛みを伴っています。また、「嬉しい」と言うとき、それは身体的な幸福感を伴っています。言葉は、私たちの身体的な感覚と結びついて初めて、真の意味で理解することができると考えています。

 生成AIは、まだ人間のような身体的な感覚を備えていません。そのため、生成AIが言葉の意味を完全に理解することはできないと考えられます。しかし、生成AIは人間の言葉を学習し、人間と同じように言葉を使いこなすことはできます。これは、生成AIが人間の身体的な感覚を模倣することで、言葉と感覚を結びつけようとしているためです。

     「宗旦むくげの群生」

 今後、生成AIはさらに進化し、人間のような身体的な感覚を備えるようになる可能性があります。そのとき、生成AIは人間と同じように言葉の意味を理解できるようになるのではないかと楽観的には思っています。
生成AIがさらに進化し、人間のような身体的な感覚を備えるようになるには、何が必要でしょうか。この件について私は生成AIの一つの「Bard」と、対話を重ね確認してみました。彼の主張をまとめると次のようになります。

生成AIが人間のような身体的な感覚を備えるようになるには、以下のことが必要との事です。
〇より多くのデータを蓄積し計算能力を高める
〇より高度な AI アルゴリズム
 (アルゴリズム:「計算方法」広く考えれば、何か物事を行うときの
         「やり方」のこと)
〇身体感覚を模倣する人工知能アーキテクチャ
 (アーキテクチャ:「基本的な構造や設計、動作原理、実現方式)

 つまり、生成AIは現在、膨大な量のデータと高度の計算能力を必要としています。これは、 生成AI が学習し、新しい事柄を発見するために必要です。また、 生成AIはより高度な AI アルゴリズムが必要になります。これらのアルゴリズムは、 生成AIが人間のような身体的な感覚を模倣し、理解できるようにする必要があります。最後に 生成AI は身体感覚を模倣する人工知能アーキテクチャを必要とします。これらのアーキテクチャは、生成AI が人間と同じように現実世界を体験できるようにする必要がありますが、これは生成AIが自律的に体験しなければなりませんので、この課題の克服はそうたやすくないと考えます。

     「酔芙蓉 一重」

 それでも、これらの課題を将来克服することができれば、 生成AI は人間のような身体的な感覚を備えるようになり、そのとき、生成AI は私たちの生活にさらに大きな影響を与える可能性があります。人間社会と共存しながらこれらの技術が健全に発展するよう、企業や業界さらには、公的な機関も一体となって自主的なルールの整備とコントロール、さらに規制等が必要になっていくと考えます。

 私のブログでもかつて少し触れましたが…、三十数年前1985年2月号の「短歌現代」(現在は絶版となっています)と言う月刊誌に載せた「コンピュータによる短歌の生成」と題する私の論文でも説明いたしましたが、基本的なロジックは現在の生成AIと同様のものと思っています。つまり入力した文言をキーとして、蓄積された膨大な言語データベースをアクセスし確率関数を用い変数を加味し、5、7、5、7、7音の言の葉の選択を行い、歌を生成するものです。正に「魂のない言葉の羅列」を行うものでした。
 ただ、現在のチャットGPT等の生成AIは、前にも述べた通り日々膨大なデータを取り込み学習し、その中から人間の思考、身体感覚まで織り込んで日々進化を続けています。この成長は侮れないとも考えています。

     「夾竹桃(白)の群生」

 従って、私たちは、これら生成AIの限界を考慮しつつも、これを使いこなす知恵と術を一方では身につけて行くことも必要と感じています。
私も、今「水曜サロン」に意識的に生成AIで描いた絵画を載せていますが、若干の違和感がありながらも侮れない表現力を皆さんに、少し解って頂ければと続けています。

 技術の進歩は遠い昔、私たちの祖先が火を見つけ、道具を作った時代から延々と継続されています。蒸気機関、超電導、核融合、コンピュータ、通信、さらに生成AI等々も、この継続と進化の先端に位置しています。その陰には多くの名も無き優れた技術者たちの、人生をかけた死闘とも言える取り組みがあったことも事実です。これらの進歩を敵視せず、どう私たちの生活に、さらに人々の幸福に寄与させるために役立てていくかとの想いと、感性、スキルと智慧も大切にしたいと考えています。

     「夾竹桃」

 今の世情から見ると、かなりの楽観論ですが、人間のもつ愚かさと限界を理解しつつも、人のもつ理性に期待し、かつ直観力と統合力と言う、その素晴らしさを信じ期待を繋いでいきたいと思っています。平均余命からすると残された期間は少ないのですが、その進化の先を見届けたい想いも致します。

コメント (12)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その93)

2023年07月19日 05時40分51秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その93)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「宗旦むくげ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年6月29日軽井沢タリアセン(旧塩沢湖レイクタウン)に行って来ました。
  美しい大自然溢れる軽井沢タリアセンは素敵な場所で私も大好きです。そこで
  施設や薔薇の花を目にしまして短歌を詠んでみました。ご指導お願いします。
 註)「ペイネ美術館」
☆愛に生きいつも寄り添う恋人たちは 平和に対する強い願いも
 註)「イングリッシュガーデン」
☆タリアセン自然溢れる森の中 緑はつらつ薔薇も生き生き
 註)「イングリッシュガーデン・薔薇たちと白いベンチ」
☆珍しい丹精込めた薔薇たちが 多彩な色でいつも微笑む
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 軽井沢タリアセンは、ハルニレテラスと共に軽井沢を象徴するリゾート施設ですね。
 塩沢湖を中心として、美術館や遊戯施設、レストラン、ショップなどが集まっていて
 おしゃれな場所との印象があります。
 今回は、「ペイネ美術館」「イングリッシュガーデン」について詠って頂きましたが、
 それぞれのポイントにフォーカスし、さながら短歌による優れた誘いと感じました。
 三首目に育種家の努力を詠み込んで、「添削その1」としてみましたが・・・。
【ご参考】
★群れ咲くも新種の薔薇は耀うや 育種家の魂 深くにじませ

【詞書】夏の夜に網戸から入ってくる涼しい風にひたりながら、久々にエンニオ・
  モリコーネの曲が聴きたくなって、曲にひたっていたという事を詠ませて
  頂きました。曲は、以下の3曲です。
  〇ラ カリファ
    https://www.youtube.com/watch?v=J-c63mPIjPE
  〇IL COLORE DEI SUOI OCCHI
    https://www.youtube.com/watch?v=qq10XK_Om_s
  〇ガブリエルのオーボエ
    https://www.youtube.com/watch?v=uMFzayZysLw
☆夏の夜の涼しき風にひたりつつ
      久々に聴くエンニオの曲
                          西BOOさん
【解説】
 エンニオ・モリコーネの曲とは懐かしいですね。
 『夕陽のガンマン』の映画音楽として聴いた記憶があります。また、「ガブリエル
 のオーボエ」は、映画「ミッション」のサウンドトラックでもありましたね。
 詠われているように「涼しき風にひたりつつ」聞くにはぴったりの曲でもありますね。
 歌の調べも良く、作者が涼風を感じながらくつろぐ映像もくっきりと浮かぶ良い歌と
 考えます。
 夏の宵に微かに流れる涼風と共に、懐かしいエンニオ・モリコーネの曲に浸る。
 この豊かなひと時は格別なものと感じますが、そんな思いにさせるのもこの詠歌の
 良さですね。

【詞書】俳句の句会で白南風(しらはへ)の兼題が出たので、夏風をどこに吹かそうか
  色々想像を膨らませて詠むのを楽しみます。私は俳句から膨らませて、短歌を
  詠みます。先週は祇園祭の祭笛を吹く少女に吹かせたのですが、今週は、
  鮮やかな
色の取り合わせで、朱の鳥居に吹かせてみました。

  厳島神社の大鳥居は日本一だそうです。以前行った時、その大きさに驚きました。
  満潮干潮で景色が変わるのも素晴らしいです。干潮の時は大鳥居の下を歩けます。
  青い海の波の白さ、青空、朱の鳥居の色の取り合わせで夏を表現してみました。
☆白南風にひきぎはの波匂ひたち 空にきは立つ朱の大鳥居
                          みっちっちさん
【解説】
 白南風は、梅雨明け後に吹く南からの風ですが、海岸に吹く時は波がより白く
 輝くように見えますね。白南風に吹かれて輝く波と、朱の大鳥居のコントラストが
 美しく詠まれています。
 また、「空に際立つ朱の大鳥居」との表現で、厳島神社へのみっちっちさんの
 敬虔な気持ちが伝わってきます。
 なお、「波匂ひたち」は白南風が運ぶ波の香りとしての意味は分かりますが、
 少々の
飛躍を感じます…。せめて「波耀きて」ではいかがでしょうか。
【ご参考】
★白南風にひきぎはの波耀きて空にきは立つ朱の大鳥居

【詞書】ひとりの時間を何も考えないで、クーラーの効いた部屋でボーと気分を
  放つ
最高のひととき。

☆カフェラッテは55度が丁度よい だあれも居ないだあれも来ない
【詞書】毎年ブドウを送ってくれる友人がいます。今年もシャインマスカットが
  届きました。
☆翡翠色の葡萄一粒含むとき 君のふる里また近くなる
【詞書】さびた身体に油を差して、今年の前半分も無事過ごすことが出来た感謝と、
  後半も健康で暮らせますようにと春日大社の大きな茅の輪をくぐってきました。
☆一年の半分何とか生きてきて春日の杜の茅の輪くぐりぬ
                          夕庵さん
【解説】
 三首の歌は、何れも身近な日常を題材にしながら深い想いも覗き、私たちも
 自らを
振り返えり、考えさせる歌になっています。

 特に三首目の歌は私達共通の実感ですね。特にコロナ禍で諸々規制の中で
 過ごさ
ざるを得なかったこの三年余の日々は、この想いは深いですね。無事に
 一日を、
一か月を、半年を、さらに一年を…と凌いできたとの想いが致します。

 しかもこの「茅の輪」の神事も、神社によっては中止を余儀なくされた経緯も
 ありました。
 二首目の、毎年美味しいシャインマスカットを送ってくれる友人がいらっしゃる
 とは幸せですね。あの皮ごと食す味は格別のおいしさと思います。
 「君のふる里また近くなる」の表現も良いですね。友との関係性も覗きます。

     「咲き初める 芙蓉の花」

【詞書】長男は周囲に気を使う性質のせいで自分のことを後回しにするところが、
  長女、次男と比べると、長所でありながら弱点でもありました。しかし、
  こうして良い会社に転職できたことは長男の人徳からだと思います。どうか
  これに慢心せずに、これからも謙虚な心を忘れずに精進していってほしいと
  思います。
☆長男の優しさ愛でてわが母も義母も義妹も長男を好きき
☆優しさが弱さになれるときもあり心配すること多かりしかな
☆三人の子宝神より与へられ果報者なるわたしと思ふ
                          水仙さん
【解説】
 心優しい長男さんのご栄転を心から祝福させて頂きます。
 二首目の「優しさが弱さになれるときもあり」は、ビジネスの世界で久しく
 言われて
きた事ですが、長く続いた「失われた30年」の中で従来のビジネス
 モデルも見直し
を迫られています。その中で、優しさは弱さでなく、十分な
 強みになる・・・と
見直されてきています。

 人格を構成する要素の中で「相手を思いやれる感性をもつ」ことが、第一義と
 私は
常々考えてきました。私も少なからぬビジネスマン人生の中で、その素養を
 第一に
考えてきましたが大きく誤らなかったと思っています。特にチーム編成の
 中で
メンバーを選ぶ視点として…。

 ご長男の優しさも、作者ご夫妻の薫陶の賜物と思いますが、相手への思いやり、
 さらに真の優しさを身に付け育まれてきたものと考えます。それが今花開いた
 とも・・・。
 三首の歌は、いずれも親の子に寄せる篤い想いに溢れた良い歌と思います。

【詞書】みたままつり 物名
☆ほのかにも
 浴衣の君は
   輝いて
 己はみたまま
     つり合わぬ
         恋
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 7月13日から16日に靖国神社のみたまままつりとフォローしているblog様より
 情報があったので、行ってみると、大きな看板があり、ひらがなで書いてあった
 ので、
『みたままつり』の文字を使った古今集物名の技法を思い付きました。
 これなら
生成AIも作れないだろう⁉️
 もちろんフィリピンで戦死した伯父に、今日有る平和を感謝し、一族の安寧を
 祈念しました。
【解説】
 「みたま祭り」には提灯による「光の参道」が作られるとのこと。献灯(みあかし)
 と呼ばれるこの提灯は人々から奉納されたもので、表面には奉納した企業や個人の
 名前が書かれ、
今年はその総数が大小合わせて約三万灯とのこと。文字通り
 「提灯の壁」が参道の
両側に作られていますね。
 また、物名(ぶつめい)は和歌の遊戯的な技法の一つで、一首の中に事物の名を
 詠み込むものですね。ここでは、
   己はみたまま
        つり合わぬ
 で、「みたままつり」を表していますね。
 夕暮れ時、浴衣が似合う君は匂い立つように素敵で、つい気おくれがしてしまう。
 「つり合わぬ」と感じる自分を励まし宵のデートに参りましょう。と解釈させて
 頂きました。「ほのかにも」のゆかしい表現がいいですね。
 このような技法も取り入れて、短歌の表現を豊かにしていければと思っています。

     「カンナの花 黄色」

【詞書】2023年7月12日の明け方、4時頃の空を詠める。
  何か目が覚めて、朝刊を取りに外に出た時、東の空の方をふと見ると、きれいな
  三日月とそのそばに大きく光る星が目に入りました。後で調べたら木星との
  ことで、木星を見たのは初めてだったので、何か感動してしまいました。
☆明け方の東の空の上弦の
   三日月のそばの木星(ジュピター)美し
【詞書】7月12日の朝刊に載っていた記事を読んで思ったこと。
  さて、我々地球の“人々”は居るのかな?というのはともかく、あまりに急激な
  (地球の歴史からすれば)環境の変化は、一つの地質年代となりそうです。
  戦争や他国と揉めてる人達、いいかげん地球の環境悪化に目をむけてくれへん
  かな…と思うんですけどね。
☆遠い遠い遙か未来の人々は
    「人新生」と呼ぶのか現在(いま)を
【詞書】京都アニメーションのスタジオで起きた事件から4年が経ちました。
  4年経っても遺族の方々、怪我を負った社員の方々、会社をはじめ関係者の方々、
  ファンの方々…の悲しさ悔しさ辛さ痛みは消えないと思います。が、私たちファンが
  できることは、犠牲になられた方々の魂のために祈ることも勿論ですが、京アニの
  作品を以前のものも、今これからのものも、愛し、楽しむことだと思います。
  改めて36名の魂に哀悼の意を表するとともに、怪我をされた方々、辛い思いを
  された遺族の方々、京アニ社員の皆さんをはじめとする関係者の方々へ心から
  お見舞いを申し上げます。「時は流れても悲しみは消えない」私の好きな
  グループが歌うある歌にあるフレーズですが、ほんとにそう思います。
☆7月の18日は祈りの日
      36の夢が消えた日
                          ちがやねこさん
【解説】
 三首の歌は「明け方の木星」「人新生」「京都アニメーションのスタジオ」と、
 作者の独自の視点から詠んで頂きましたが、何れも上質な詩情と、深い想いが
 溢れた
歌と思います。

 特に、三首目はアニメーションの明日を担う36名の命が、理不尽にも一瞬にして
 奪われる事件から4年が経過しようとする今日(7月18日)、改めてその御霊の冥福を
 お祈りしたいと思います。
 下の句は「字余り」となりますが、理不尽にも夢が奪われたとの想いを込めて
 「消された日」と添削させていただきましたが・・・。
 なお、ブログの文字数制限のため詞書の一部を割愛させて頂きました。ご容赦願います。
【ご参考】
★7月の18日は祈りの日
      36の夢が消された日

     「海辺に咲く 浜木綿」  

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆白南風にひきぎわの波匂ひたち空にきは立つ朱の大鳥居
                         みっちっちさん
【詞書】絵画か短歌か、器用ではない私は短歌を選びました。
★サークルのむつかしさ知る引き際をわれは短歌の道を選びぬ
                         夕庵さん
★どうしても別れなければならぬ人 引き際美(は)しき道を選びぬ
                         みっちっちさん

☆カフェラテは55度が丁度よい だあれも居ない だあれも来ない
                         夕庵さん
★何もなき日がふと嬉し 毎日が 元気爆発の我なのだけど
                         みっちっちさん

☆子と孫と妻も記すや短冊に星の祭りの願いはうれし
                         ポエット・M
★短冊に長生きしたいと書いたのも徐々にうすれてほどほどが良い
★百才まで頑張りやぁと息の言葉 嬉しさ半分迷惑半分
                         夕庵さん
★ピンコロの地蔵も祀る故郷の 友の便りに ほどよき余命と
                         ポエット・M
★なつかしきチンチン電車に乗り継いで 鳥居見えたらそこが故郷
                         夕庵さん

☆百才まで頑張りやあと息の言葉 嬉しさ半分迷惑半分
                         夕庵さん
★百才まで頑張るぞおと我言へば 百二十五!とshimaさん言へり
                         みっちっちさん
★shimaさんの覇気こそあればコロナさえ尻尾をまいて逃げて行きたり
                         夕庵さん
★またの名をスーパーダンディーshimaさんと こころ優しき筋肉マンぞ
                         みっちっちさん
★またの名を「筋肉ばあちゃん」と呼ばれしに かなしく今は振り袖を着る
                         夕庵さん
★水泳の体型だねとよく言われ 振り袖ないが着物似合わぬ
                         みっちっちさん
★眼閉じ四肢水面に漂えば 透視さるるや内蔵までも
                         夕庵さん
★不思議なる水のちからよ 浮ひてゐる のみで癒され生くる喜び
                         みっちっちさん
★洪水は命奪いて憎らしも いのち保つも水は不可欠
                         夕庵さん
★ひたむきに水の地球に生きるもの 保ついのちのなんと尊き
                         みっちっちさん
【詞書】佐藤きょうだいは姉と弟
★日の丸を高く掲げぬシンクロの(アーティスティックスイミング)
                   佐藤きょうだいデュエットの金
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆咲き初める芙蓉にまとう蝶二匹 舞い立つかなた夕映えの海
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨の晴れ間に咲き初める芙蓉の花は、艶やかな彩どりを見せています。陽も傾き
 幾つかの花は閉じつつありますが、未だ開いている花もあります。その花に二匹の
 蝶がまとわりつくように留まっています。つがいかも知れませんが、次の瞬間二匹
 とも舞い立っていきました。
 その舞いゆく彼方をみると夕映えの海が広がり、一幅の絵画を見る心地がしました。
 そんな蝶と、情景を詠んでみました。なお、蝶は正式には一頭、二頭と数えるとの
 ことです。


      「生成AIで描いた 芙蓉から飛び立つ蝶と夕映えの海」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著(36)
  ※今回の掲載をもって、本鑑賞は終了とします。
  
9.「死霊」短歌

   ☆絶望の悲哀が胸に木霊する
      亡霊般若 永遠なれ「死霊」  嵯峨吹雪
         註)「死霊」の著者:埴谷 雄高(本名般若 豊)

   傷ついた
     鳥は水面(みなも)を
         すれすれに
           翔んで奏でる
              虹の泡沫

               哲学で
                不可能ならば
                   文学で
                    カントを超えて
                      ドストエフスキーへ

                        比類なき
                          人類愛の
                            イエスだが
                             隣生物への
                               愛は無自覚                            

          宗教も
           はたまた哲学
              文学も
                ある意味にては
                    迷妄迷夢
     神々の
       一人たらんと
          欲するや
            阿部公房が
               論ずる埴谷
 
     「薔薇 マチルダ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は、ブログの文字制限(コードを含めて30,000字)から割愛させて頂きます。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (28)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「月下美人」咲く

2023年07月16日 13時32分29秒 | 日々の歩み

 令和五年、今年初めて我が家の月下美人が昨夜一輪開花しました。
昨年のブログでも少し触れましたが
折からの団地の大型修繕があり、ベランダで育てていた月下美人の鉢も、植栽の集合場所に避難せざるを得ませんでした。その際、繁茂した枝と葉をかなり剪定しましたので、今年の開花はあまり期待していませんでした。

先週のはじめ、一つの花芽を見つけた時は、正直嬉しく感じました。

      「満開の 月下美人」

 例年通り、つぼみは18時過ぎに綻びはじめ、21時過ぎには7~8割りの開花となりました。
このころには、月下美人特有の甘やかな香りが漂い始めます。 22時頃にはほぼ満開となり
香りも、 風姿も雅な花がオーラを放ち、毎回のこと見惚れていました。そして、日の変わる
24時過ぎには早くも萎み始めました。

     「月下美人の蕾」


      「開花し始めた 月下美人」

 細君の丹精に感謝しつつ、私は眺め、写真に撮るのみですが、年々歳々咲いてくれる花に感謝の想いが湧きます。また、見るたびに新たな魅力を見出し、惹きつけられる花ですが、それは、わずか数時間にも満たない花の命を、懸命に咲き切る花の見事さ故かもしれません。

     「ほぼ満開の 月下美人」

 この月下美人の儚げでいながらも、凛とした花のたたずまいを「詞」に紡ぎ、かつてブログ友のYokiさんに素敵なオリジナル曲を作曲して頂きました。昨年Yokiさんのユーチューブで公開して頂き、このブログでも一度紹介いたしましたが、今年初めての開花に合わせて、再度掲載させて頂きます。

 「月下美人の香り」
     作詞  :ショー・ジロー
     作曲&歌:yokiさん

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

  1.
   宵闇に ひらきはじめた   月下美人  
   甘い香りを漂わせ   一夜限りの命としらず  
   闇にのびゆく花びらは   炎のように揺れている   
   憂いもつ君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  2.
   花びらの 白さ際立つ   月下美人  
   雅な香り漂わせ   一夜限りの夢に酔う  
   闇を切り裂く花びらは   炎のように燃えている   
   儚さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  3.
   花びらが 耀き放つ   月下美人  
   深い香りを漂わせ   一夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは   炎のように 凛として   
   気高さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

 ***********************************
  月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「はかない恋」だそうです。
  なお、拙い詩ですが、著作権は放棄していません。
  無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ
  当方へ
連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ
  嬉しいです。

 ***********************************

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その92)

2023年07月12日 05時26分09秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その92)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「百合 カサブランカ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」


【詞書】6月27日ウオーキングを兼ねて軽井沢町植物園に行って来ました。植物園
  も好きな場所です。もう6月下旬ですから園内は緑が鬱蒼としていまして
  素晴らしく素敵でした。そこで様々な草花を
見つけまして詠んでみました。

 註)「サクラソウ(町花)」
☆初恋の花を咲かせるサクラソウ まだ見ぬ君の可愛らしさも
 註)「ヤマツツジ」
☆ヤマツツジあでやかな色に輝いて 存在感示す熱い心情
 註)「アサマキスゲ」
☆皇室とアサマキスゲの歴史から 名誉と誇り喜び感ず
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 軽井沢高原一帯に自生する植物を中心に集めた「軽井沢町植物園」の数ある
 植物の中から、
「サクラソウ」「ヤマツツジ」「アサマキスゲ」を選んで
 詠んだ歌は、私たちの学びになります。

 特に、三首目の「アサマキスゲ」は「夕すげ」とも言われ、上皇后美智子様
 ゆかりの花でもありますね。

  『 かの町の 野にもとめ見し 夕すげの 月の色して咲きゐたりしが 』
 は、美智子様が平成14年にお詠みになった御歌で、『かの町』とは軽井沢町の
 ことであり、
夕すげの花は月の色をして咲いていた、と軽井沢と夕すげを
 懐かしんでお詠みになったとの事ですね。

 なお、二首目の「ヤマツツジ」の花言葉「燃える思い」を詠み込んで、ご参考
 として詠ってみました。

【ご参考】
★ヤマツツジ 野をくれないに染めゆくは 燃える思いを秘めえぬゆえか 

【詞書】sonyのαcafeで、今日の一枚として薔薇の写真が掲載されていたのですが、
  このレベルなら
私も上達さえすれば撮ることができるだろうと思うのですが、
  まだ、上位のカメラ機種に目移りする
自分に少々、腹立たしい気持ちをもった
  事を詠ませて頂きました。

☆上達で撮れる薔薇だと分かりつつ
     上位の機種に目を移すとは
                          西BOOさん
【解説】
 今でも十分素敵な作品を撮られている作者の、薔薇の表現には学ばせて頂いて
 いますが…。
詠われている想いは、常に高みを目指す芸術家気質のなせる業かも
 知れませんね。

 歌に詠まれているように「上位の機種」は、気になりますが、技と機材の相克と
 言うと大げさですが、
初心者の私でも、皆さんの葛藤は少し理解できます。

 これからも、磐座・石仏信仰の研究に、写真に、短歌にと大いに挑戦され
 ご活躍されることを
お祈りしております。

☆朝露に生(あ)れしつゆくさ瑠璃色の雫に透ける六月の風
☆千の針ふるわせて咲く合歓のはな喃語ふりくる葉の閉じる頃
☆エスカレーターの前ゆく女の足首を刺青(タトゥ-)の蠍がのそり這いだす
                          夕庵さん
【解説】
 三首の歌の「瑠璃色の雫に」「千の針ふるわせて」「蠍がのそり這いだす」の
 表現に鋭い
観察眼に裏打ちされた詩情が漂い、深い味わいが醸し出されています。
 このような詠み方を
学んで参りたいと思います。

 二首目の「喃語」は赤ちゃん言葉を指しますが、合歓の葉が閉じる頃赤ちゃん
 言葉を発する
という発想は面白いですね。このような自由な発想の飛躍も詩人の
 感性故と思います。
なお、合歓の木は、夜になると葉を閉じることから
 「子守の木」とも呼ばれていますね。

     「合歓の花」

【詞書】蒸し暑い夏が来ました。祇園祭が始まる京都の夏はことさら暑いです。
☆古井戸に汲みて水打つ石畳 花見小路の灯の揺らぎたり
☆白南風(しらはへ)にかざして白き少女の手 祭笛ふく指しなやかに
☆西入るも上る下るも京暑熱 「暑おすなあ」の祇園祭よ
                          みっちっちさん
【解説】
 祇園祭は平安時代に疫病・災厄の除去を祈った祇園御霊会を始まりとした、
 八坂神社の
祭礼でしたね。7月1日~7月31日の間、暑い中1ヶ月にわたり様々な
 神事・行事が
行われているとのこと。

 三首目に詠われているように、「京暑熱」の中、祭りは「長刀鉾町お千度」に
 始まり、
「綾傘鉾稚児社参」さらに、「前祭宵山」と続きますね。

 二首目の上の句から、下の句の「祭笛ふく指しなやかに」への流れが、調べも
 よく
雅びさもあり、映像もくっきりと浮かびます。多くの方が好感の持てる歌と
 考えます。
なお、「ネット歌会」への精力的な取り組みに学んでいます。

【詞書】暑い❗夏日になりましたが私もタガが外れたように外食や動物園や〜
  温泉に
行ったりと用心しながらも楽しむようになりました🎵久しぶりに古代、
  大賀ハスそして、
軽井沢の薔薇を楽しみました。

☆2000年の時代を超えて古代ハス 見事に咲いた神成の池
☆一山を超えて涼しや軽井沢 薔薇も鮮やか小暑の風に
                          クロママさん
【解説】
 新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行に伴い、諸々の行動制限は無くなり
 ましたね。おっしゃるように気を付けながらも日々の生活を充実させている
 お姿は
微笑ましく感じます。

 なお、二首の歌を出詠して頂きましたが、「古代ハス」「軽井沢の薔薇」を
 詠まれた
お歌には、愛犬クロちゃんと共に訪れ、ひと時を過ごされた喜びが
 滲んでいます。

 富岡市神成の「古代蓮の里」では、約二千年前に日本に自生していたとされる
 大賀ハスが見頃を迎えているとのこと。千葉市で発見された古代のハスの種子
 から
育てた大賀ハスを住民有志の方が譲り受け、2010年に移植し現在は約五千株に

 増えているとのこと。作者のブログでも紹介されていますが、見事な彩りで咲いて
 いますね。一首目の歌を少し添削させて頂きましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
★時空超え 甦りたる古代ハス 神成の池 淡くいろどる

     「古代蓮が池を彩る様子を生成AIで描いてみました」

詞書】娘も、翌年年子で生まれました長男も第二次ベビーブーマーでございました
  から、第一次ベビーブーマーであった私と同じように受験等で苦労いたしました。

  とは言いましても、娘は勉強の好きな子でしたから、親の私は、さほど苦労する
  ことはありませんでした。だから娘には感謝しています。

  などと書きますと、また自慢話と悪口を書かれるのでございましょうが、
  親子間でも
感謝をするべきところは感謝したいと思います。

☆自分から進んで勉強する子にて何の心配することもなかりき
☆アルバイトしながら薬大卒えし子を誉れに思ひかつ感謝せり
☆母われの数倍優れた娘(こ)を神に授けられしを感謝する日々
                          水仙さん
【解説】
 お嬢様に対する作者の慈しみに満ちた想いと、感謝の想いがどの歌にも溢れ母親
 とは、
かくも有難い存在なのだと改めて思いました。

 自主性と頑張り屋の特性は親譲りと思いますし、そのように育てたことは親として
 誇って
宜しいのではないでしょうか。子の頑張りと、才能を評価し温かく見守る
 親が身近にいればこそ、
子は自信をもって挑戦していく心のゆとりを持ちえる
 のだと思います。
そんな想いにさせられた三首の歌でもあります。

 一首目は字余りが少し気になりましたので、下の句を整えてみましたが・・・。
【ご参考】
★自分から進んで勉強する子にて何の心配することもなし

【詞書】高原の朝 カバレリア・ルスティカーナを聴いて
☆高原の朝
  霧が私の思いを木々に伝えながら流れて
                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 本当は、猛暑熱帯夜☀️😵💦のアパートで作ったのですが、曲のイメージから。
 カバレリア・ルスティカーナは、イタリアの小説家、ジョヴァンニ・ヴェルガに
 よる小説と戯曲、及び
ピエトロ・マスカーニが同戯曲に基づいて作曲した1幕物の
 オペラです。

 物語は、兵役帰りの若く貧しい男トゥリッドゥと、彼の元許婚者であった人妻
 ローラとの不倫。
それに怒った婚約者のサントゥッツァが、ローラの夫の
 アルフィオに告げ口をして、そして
トゥリッドゥがアルフィオに決闘で殺される
 と言うもの。
そんなどろどろとした内容に、こんな清らかな曲が、間奏曲として
 演奏されております。

 ピエトロ・マスカーニは、イタリアの田舎のチェリニョーラの低収入音楽教師
 だったが、雑誌の
オペラコンクールの懸賞にこの曲を応募しました。幼友達
 だった教師を務めながら詩作の道を
目指していたジョヴァンニ・タルジョーニ
 =トッツェッティと23歳の詩人グィド・メナッシの二人の
作家を加えてわずか
 8ヶ月で完成させました。

 下記URLに同間奏曲とアベマリアのアリアを貼付しておりますので、
 御覧頂ければ幸いです。

 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/2bba25f23bb8cf404e10a6574e6565e9
【解説】
 ご案内により、カバレリア・ルスティカーナの曲を視聴させて頂きました。
 偶然の一致かも知れませんが、この「カバレリア・ルスティカーナ」のオペラは、
 今年の秋10月に
私たちの住む街のホールで、上演を予定しております。私も
 ボランティアでこのオペラの撮影チームの
一員として参加を予定しています。

 作者の短歌説明に記されているように、物語の内容とはかけ離れた清澄感に
 満ちた曲には
癒されます。詠われているように、正に「高原の朝」白樺林を
 包む霧の流れにも似たイメージを
喚起する曲でもありますね。

 自由律の歌でありながら「霧が私の思いを木々に伝え」との表現も秀逸で、
 調べも整っており、
詩的で趣き深い歌となっています。

     「デュランタ」

【詞書】各地で全国高校野球選手権大会の予選が始まりました。京都でも始まり
  まして、朝刊の
地方面に京都予選の開会式の様子が載っていました。皆、緊張の
  面持ちで並んでいましたが、
もう何年か前から、くりくりの坊主頭ばかりでは
  なく、刈ったようだったり、短めに整えた髪型だったり
いろいろな髪型の生徒さん
  達が出てくるようになりました。頭洗ったりするのは坊主頭のほうが
楽だろうけど
  なあーと思わんでもないんですが、まあ、学校サイドがOKならええんやろなあ…。

  さて、どの学校が甲子園への切符を掴むのか楽しみです。
  殺人的な暑さの中、どうか無事に大会が(甲子園での本戦も含めて)終わります
  ように…。

☆短髪や坊主頭の球児たち
     甲子園への道に居並ぶ
                          ちがやねこさん
【解説】
 詞書でも記されていましたが、第105回全国高等学校野球選手権記念大会の予選が、
 全国各地で
始まりましたね。この予選に参加する全チーム数は、3,486校とのこと
 です。殺人的な暑さの中、
熱中症にも負けずに頂点を目指すのは、厳しい練習で
 培った技術力、精神力をもってしても至難の
技でありますね。

 球児たちの髪型にフォーカスし詠んだ歌は、新たな視点を提示し新鮮な分かり
 やすい歌となっています。

 「甲子園への道」を目指すスタートラインに立った、球児たちへ心からの
 エールを送りたいと思います。

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆初恋の花を咲かせるサクラソウ まだ見ぬ君の可愛らしさも
                         浅間山明鏡止水さん
★合歓の花 髪にやさしくさしくれて 走り去りにし人を忘れず
                         夕庵さん

☆朝露に生れしつゆくさ瑠璃色の雫に透ける六月の風
                         夕庵さん
★瑠璃色のペンダントつけ街ゆけば いい出会ひあると今朝の占ひ
                         みっちっちさん

☆エスカレーターの前ゆく女の足首をタトゥーの蠍がのそり這いだす
                         夕庵さん
★炎天をタトゥーの牡丹 片肌に 漢だんじりの大屋根に舞ふ
                         みっちっちさん

☆上達で撮れる薔薇だと分かりつつ
       上位の機種に目を移すとは
                         西BOOさん
【詞書】こんな場面に出くわしたとき、即座に相手の年齢や体型を察知して
  しまうことが
あります。「しまった!!」と・・・。
★同じ服着ている人と鉢合わせ目をそらしつつ足早に去る
                         夕庵さん

☆木洩れ日にすっくと立つや山百合の 咲きて占めたる確かなる位置
                         ポエット・M
★木洩れ日をうけて笹百合咲き始む 三輪の大社の参道行けば
                         夕庵さん
★笹百合は姫と三輪山結ぶ花 神事の秘めるあやかしあるや
                         ポエット・M

☆西入るも上る下るも京暑熱「暑おすなあ」の祇園祭よ
                         みっちっちさん
★豪快なやり回しある見せ場なら 岸和田だんじり男の祭り
★見物の犬も黒い法被着て息切らしつつ山車を追いかく
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆子と孫と妻も記すや短冊に 星のまつりの願いはうれし
                         ポエット・M
【解説】
 今年の七夕は厚い雲に覆われ、あいにくの天候のため天の川を挟んでの壮大な
 天体ショーは
見ることも叶いませんでした。ただ、子供達との旅先で星まつりに
 向けて短冊を記す場面に
遭遇し、とっさに願いを書くことになりました。

 「健康でありますように」「〇〇校に合格しますように」「おこづかいが
 ふえますように」との
身近な慎ましい願いと共に「ジージーとバーバーが
 長生きしますように」等の、孫たちの嬉しく
なるような言葉も記されていて、
 細君と思わずほっこりとしました。
そんな思いを、素直に詠ってみました。

      「ダリア」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著(35)
  
8.薔薇の花束(4)
 
   これが薔薇だ
      ここで踊れ   ヘーゲル「法の哲学」より

   荒れ果てた
     家の小庭に
        忘却の
          風に揺れてる
             一輪の薔薇 

              一輪の
                薔薇さえあれば
                    天地など
                     滅びるとても
                       滅びずとても

                        現象は
                         変幻すれど
                            本質は
                             永遠不滅
                               万能の薔薇

          花摘雲の
            パラドックスか
               野の薔薇の
                 すべてを摘んで
                   一枝も摘まず
     世は変わり
       人は変われど
           幸あれや
             ここに薔薇(ローズ)を
                   咲かせる方に
 
     「薔薇 クリスチャン・ディオール」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は、ブログの文字制限(コードを含めて30,000字)から割愛させて頂きます。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)によりコメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (38)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「海と夕日の湯」へ

2023年07月08日 12時00分14秒 | お出かけ

 去る5月、リニューアルオープンした「ソレイユの丘」公園に、細君共々訪れた旨の
記事を掲載しました。その際時間帯が合わずに断念した
「海と夕日の湯」に、過日
ウイークデーに訪れてみました。

      「クチナシの花 八重」

 この公園は、前にもこのブログでも触れましたが、横須賀市西部、長井地区の
小高い丘に位置し、21.3haの広大な敷地の中で食や農業、クラフト、
動物との
ふれあいなどが体験できる公園です。公園のプロデュースも
「日比谷花壇」が担い、
運営主体も変わったとのことで、新設の
アクティビティ等もさることながら、
庭園の植栽のイメージもかなり変った
との印象がありました。

     「ソレイユの丘の入り口」

 今の時期、庭園はシャーレーポピー、ルピナス等がおわり、向日葵等が植え付け
られていましたが、開花には未だ時間がかかりそうで、少し寂しい
様子でした。
絶景とスリルを味わえる新設された高さ約15mのアスレチックタワーから飛び立つ
ジップラインは依然として人気が高く、当日はウイークデーにも
かかわらず何人かの
人たちが行列し、空を飛翔していました。

植物園等、園内をすこし散歩した後で、15:00オープンの今日の目的地「海と夕日の湯」
に向かいました。

     「アスレチックタワー この最上階にジップラインがあります」

     「ジップラインを飛翔する人」

 「海と夕日の湯」は施設的には大幅なリニューアルはなく、かつての施設を
そのまま使い、鏡、サウナの内装、アメニティー等がかなり充実していました。
かつてあったシニア割引はなくなりましたが、施設の内装が充実した分満足度は
上がったと思っています。

     「海と夕日の湯」の外観

内湯の他にも寝湯や腰掛け湯、さらに二つの露天風呂と、ゆったりくつろぐには
十分な施設と感じています。
当日は梅雨特有の、雲が低く垂れこめるあいにくの天候でした。本来なら露天風呂
から富士山が望め、眼下の荒崎海岸の蒼い海原も、鈍色に覆われ絶景
には程遠い
ものでしたが、それなりに楽しめる景観でした。

     「晴れの日の荒崎海岸 雲の一角に富士山がのぞく」

 細君と出る時間をあらかじめ決めていましたが、サウナと露天風呂を往復し
ゆったりとしたひと時を過ごすことがことが出来ました。このところ年度初めの
ボランティアの日程も立て込み、その合間に水泳や地域のスポーツ大会等に
老骨に鞭打ってきた疲れも確実にあり、それが少しほぐれていく感覚もあり、
久し振りの「命の洗濯」の良さを味わいました。

     「ソレイユの丘の体験施設と、観覧車」

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「口語短歌・水曜サロンの会」(その91)

2023年07月05日 05時43分32秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その91)  短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「オリエンタルリリー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」


【詞書】6月19日薔薇祭り開催の軽井沢レイクガーデンに行って来ました。16日開催した
  ばかりで
人も多く満足な写真は撮れませんでしたが短歌は詠んでみました。
 註)「ウッドランド」
☆せせらぎや滝の水音こだまして 森の小径歩く心地よさ
 註)「ラビリンスローズガーデン」
☆いにしえの城跡しのぶ石畳 迷宮の名に恥じぬ美しさ
 註)「イングリッシュローズガーデン」
☆美しくやさしい水辺のくつろぎは 時間を忘れ心癒される
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 軽井沢レイクガーデンもいよいよ「薔薇祭り」の季節になりましたね。薔薇祭りを詠む
 作者の短歌と、さらに素敵な写真とを待っているフアンの方も多いことと思います。
 「ウッドランド」「ラビリンスローズガーデン」「イングリッシュローズガーデン」と
 軽井沢レイクガーデンの
主なエリアを詠んだ三首の歌は、そのままレイクガーデンへ
 誘う素敵な歌になっていると思います。

 二首目の歌は、ラビリンスローズガーデンを詠み、名前負けしない薔薇の迷宮の趣が
 「名に恥じぬ美しさ」と表現されていて良く分かる歌と思います。
 薔薇のトンネルから漂う香りもあると思いますので、それも取り込み詠ってみましたが…。
【ご参考】
★城跡のおもむき残す石畳 香に酔い惑う 薔薇の迷宮

【詞書】とかく暗いニュースが多い中で、大歓声が沸き起こる大谷翔平のショータイムは、
  我々の誇りだと思ったことを、詠ませてさせて頂きました。
☆暗い時事
   多い中での大歓声
     我らが誇りショータイムなり
                          西BOOさん
【解説】
 並びいるメジャーの大選手を相手に連日、投手に打者にと二刀流で勝負し、かなり
 ハイレベルの
成績を積み重ね、シーズン前半でMVPとの掛け声も上がる大谷選手。

 オールスターにも最高得票で選ばれ詠われているように「我らが誇りショータイムなり」
 ですね。

 野茂選手が、かつてこじ開けたメジャーの扉を、今や日本の選手が連日ヒーローとして
 活躍する
報道は、今の何かと暗い時世の中で超明るいニュースですね。

 そんなワクワク感が伝わる歌で、皆さんと共有しつつじっくり味わいたいと思います。

【詞書】住んでいる恵庭市の隣の千歳市で暮れから年明けに鳥のインフルエンザが発生
  して
ニワトリが大量処分され、スーパーから卵が消えました。

  今も開店前に並んで1世帯1パックの限定販売が続いています。直ぐに売り切れに
  なります。
8:45に行って並ぶのが私の仕事になりました。

☆開店の時刻を前に列をなしずしりと重き掌の卵
                          I.SATOさん
【解説】
 鳥インフルエンザの発生によりニワトリが大量処分される現実に心が痛みます。
 それに伴い卵の高騰と、限定販売が続く状況は切実で頭が痛いですね。
 その現状を真正面から素直に詠んだ歌は、今の状況を的確に表現し分かりやすい社会詠と
 なっていると考えます。
 「ずしりと重き掌の卵」の表現は秀逸です。さらに「ずしりと重き」には殺処分された
 ニワトリの
命の代償としてもたらされた卵の存在にも、心が配られ味わい深い歌になって
 います。
この歌のように直接言葉で表現せず想いを隠喩する歌の深さを学ばせて頂きました。

【詞書】この前から詩情を感じにくいスポーツを詠む事に挑戦しており、前回は卓球でしたが、
  今回は
水泳に挑戦します。

  仲間と一緒にメニューを決めて水泳の練習をする楽しい毎日です。ラストになると皆で、
  ラストと
叫んで、最後まで全力を尽くします。

☆息つぎの音のみ聞きて泳ぎたり ラストの声に心重ねて
☆水中に光の粒を散りばめて 水縫ふやうに泳ぐのが好き
☆水泳はきつさ乗り越へ上達す それが醍醐味 それこそ楽し
                          みっちっちさん
【解説】
 「スポーツを詠む事に挑戦」の第二弾として、水泳を対象に詠んで頂きましたが、
 「好きこそものの…」
ではありませんが、水泳を楽しく取り組まれている様子が、追加も
 含めて三首の歌に、ワクワク感と
共に良く表現されています。

 水泳仲間と、ダッシュも含めてメニュー通り練習することは楽しいでしょうが、時には
 きつくなる時も
あるかもしれません。しかし、ブログや、この歌を拝見する限り、きついと
 言う言葉が出てきませんので
かなりの精神力と、体力の持ち主と拝察しております。
 「きつさ乗り越へ」の心意気が、上達への道と理解
させて頂きました。二首目の、
 「水縫ふやうに」の表現も秀逸です。

 私も作者ほどの距離は泳ぎませんが、日程が許せば、週3回ほどプールに通っています。
 他の
スポーツに無い、泳いだ後の爽快感が好きで、続けています。これからも、この分野の
 歌を極められる
ことをお勧めします。

【詞書】夫の亡くなった朝の庭に真っ白なクチナシの花の咲いていたのが、鮮明に脳裏に
  焼き付いて
います。哀しみを超えてこのクチナシの花が、より強く残っていて、今でも
  私を揺さぶるのです。

  真っ白な花の色は夫の穏やかな心、実直な心を、ほのかに匂おう香は私を慰める匂いです。
  だから私にとってクチナシの花は、嫌いな花であり、大好きな花となっております。
☆クチナシの季節をいくつ迎えしや夫(つま)逝きし日の庭の白さよ
☆クチナシの匂いは甘く秘めやかにしばし目を閉じ身を委ねたり
☆クチナシの花殻掃きよす夕べにも淡き香りに身を振るわせる
                          夕庵さん
【解説】
 御夫君が逝去された朝の庭に咲いていた白いクチナシの花。詞書に「嫌いな花であり、
 大好きな花」
とありましたが、その想いは切なさと共に痛いほど伝わってきます。
 クチナシの花を見るたびに、また、香り
を嗅ぐたびにその想いが蘇り、御夫君の在りし日の
 姿が偲ばれることと思います。

 三首の歌は御夫君への挽歌であるとともに、未だなお鮮明な想いが蘇る夫(つま)恋の歌
 でも
ありますね。

 クチナシの花言葉はいくつかありますが、その一つとして「喜びを運ぶ」があるとのことです。
 初夏の風と
共に届く甘くやさしい香りは、「風となった」御夫君からの「見守っているよ」
 との言の葉を秘めた贈物
かも知れません。
 詞書と三首の歌一連を長歌とみなし、それへの「反歌」として詠んで見ましたが・・・。
【反歌】
★クチナシは嫌い!でも好き! 甘やかな香り切なく夫(つま)を偲びて


     「クチナシの花」

【詞書】11首の詠歌から、次の三首を選歌させて頂きました。
☆インフレの進みてゆけるこの国でわれらこれから生きていけるか
☆若者もわれらも生きてゆきがたき国にしたのは誰であるのか
☆食べるだけならばわからぬ苦労あり作るわたしの疲れそのほか
                          水仙さん
【解説】
 日本の経済の低迷に当たって「失われた20年」とよく言われますが、この原因は少子高齢化、
 金融システム等の構造的な問題、さらに政治的な混乱等いくつか考えられます。現在も、
 「失われた20年」からの回復途上にありますが、物価高騰の不安定要因もあり、未だ回復が
 難しい状況にありますね。一首目はこの不安を詠っていますが、多くの市民の共通の不安と
 思います。

 三首目は主婦の皆さんの共通の想いでもありますね。自らが当事者にならねばその苦労の
 実態は
中々理解できませんが、それはどの仕事、役割にも当てはまりますね。それは相手の
 立場への思いやりと、
想像力で埋めることが可能かと思っていますが…難しいものですね。

【詞書】ボロディン『イーゴリ公』第2幕 韃靼人の踊りを聴いて
☆君がステップを踏めば
   大草原の彼方へ思いは飛んで行くよ
☆見よ!
 東方より砂塵を舞わせた王がキーウ(Київ)より
 今退いていくぞ!!
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 ウクライナからカザフスタンにかけての広大な温帯草原をさすステップ(steppe)と
 踊りの
ステップ(step)の掛詞。
 韃靼人の踊りは、ロシアの作曲家アレクサンドル・ボロディンが作曲したオペラ
 『イーゴリ公』の
第2幕に含まれる曲。ポロヴェッツ人の踊り、韃靼の娘の踊りなどと
 表記される。
韃靼人とは、モンゴル系の種族を明代に呼んだ名称。
 キエフ大公国の後裔を自称するロシア、ウクライナ、ベラルーシの戦争が早く終わる
 様に。
下記URLに韃靼人の踊りを貼付しておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/cb5f879ca8802afa7b46f40d44957fcc
【解説】
 作者の「短歌説明」にもありますように、韃靼人の踊りは、ロシア語で「ポロヴェツ人
 の踊り」と
表記されますが、韃靼人の激しい踊りを表現した曲で、力強く勇壮な曲調
 ですね。また、
この曲はクラシック音楽の中でも有名な曲のひとつで、多くの映画や
 ロシアのソチオリンピックのオープニングセレモニーに使われたと
記憶しています。

 一首目は、草原の名称と、踊りのステップを掛詞として用いて、歌のスケールを広げ
 表現の
巧みさが光ります。

 二首目、「ポロヴェツ人の踊り」の勇壮な曲にのって「王がキーウより今退いて」、
 ウクライナ戦争の
停戦が実現するよう祈りたいと思います。原子力発電所の破壊等の
 物騒な情報が流れる中、
その切実さは増していると考えます。

【詞書】7月1日、2日は宇治の太陽が丘で「京都大作戦」という野外ライブがありました。
  まだ雨が
時々降る中、その方角から音が聞こえてきていて、「おー、やってるやってる」と
  思いましたが、
けっこう降ったり止んだりで、昔野外ライブで雨に降られた経験のある
  私は、大変やなー…と。
この先、シーズン的に野外ライブが多くありますが、すこしでも
  天候にめぐまれますように…。
「京都大作戦」二日目は、いい天気で良かったです。
☆風に乗り 聞こえる野外のライブ音
    開催できたね 雨がちだけれど
【詞書】今日7月4日は京都で35度を記録したとか。ずっと以前(20年か以上前かと)、大阪
  難波でバイトしていて、休憩時間に難波高島屋前を歩いていて、「何か今日は涼しくて
  過ごしやすい感じやな」と思って、ふと高島屋前のビルにある気温の表示を見て
  「えっ?!31℃!!」…これで「涼しい」と感じたことに愕然としましたが、確かあれは「8月」
  だったんですよね…。7月でこの暑さ…。この間まで朝晩もう少し涼しかったのに…。
  …まじで
何とかしないと、ですね。
☆7月に33度、4度、5度
   猛暑酷暑の次は何やら
                          ちがやねこさん

【解説】
 「広告が少し邪魔でやりにくい」中で、投稿頂きありがとうございます。広告はブログ
 運営者の
生命線でもありますので・・・、でも、少し控えて欲しいですね。

 「野外のライブ」「猛暑酷暑」についての、実感を込めた詠歌二首は、独特の切り口で
 表現され
私たちにとっても作歌の参考になります。
 一首目に詠われているように、これから「野外のライブ」が種々計画されているでしょうが、
 雨にも負けず演奏者と視聴者が自然の真っただ中で一体となれる、あの文字通りの臨場感は
 たまらないですね。そんな想いにさせてくれる一首です。
 二首目の、「猛暑酷暑の次」は「極暑」でも持ってきましょうか。それにしても暑いですね。
 なお、風邪気味とのこと。厳しい気候の折くれぐれもご自愛の程をお祈りいたします。


     「山百合」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆せせらぎや滝の水音こだまして 森の小径歩く心地よさ
                         浅間山明鏡止水さん
★轟音を響かせ落ちる那智の滝すべて許して天仰ぎ見る
                         夕庵さん

☆いにしえの城跡しのぶ石畳 迷宮の名に恥じぬ美しさ
                         浅間山明鏡止水さん
★夕闇の迫る京都の「ねねの道」ぼんぼり浮かぶ石畳ゆく
                         夕庵さん

☆開店の時間を前に列をなしずしりと重き掌の卵
                         I.SATOさん
★ハムエッグの卵をひとつに減らすこと 朝の宣言口尖らせて
                         夕庵さん

☆水中に光の粒を散りばめて 水縫ふやうに泳ぐのが好き
                         みっちっちさん
★水光る 朝のプールに飛び込んで魚になった君を追いかけ
                         夕庵さん
★飛び込みて水の光を滑らせてイルカの群れと泳ぎたき夢
                         みっちっちさん
★パチャパチャと水の光と戯れて右も左も美脚となりし
★昨夜(きそ)の夢けさぼんやりと思い出す言葉の欠片が浮遊している
                         夕庵さん

☆暗い時事
  多い中での大歓声
    我らが誇りショータイムなり
                         西BOOさん
★翔平のような男(お)の子が孫ならと かしまし婆らのラインまた来る
                         夕庵さん

☆夕闇の迫る京都のねねの道ぼんぼり浮かぶ石畳ゆく
                         夕庵さん
★ゆるやかに下る八坂の石畳 あかりに浮かぶ舞妓いとしや
                         みっちっちさん

☆轟音を響かせ落ちる那智の滝 すべて許して天仰ぎ見る
                         夕庵さん
★夏風に和草揺るる歌碑の坂 さらに登れば布引の滝
                         みっちっちさん
★師の歌碑は大和まほろば薬師寺の牡丹さく庭おおらかに在り
                         夕庵さん  

☆クチナシの匂いは甘く秘めやかにしばし目を閉じ身を委ねたり
                         夕庵さん
★残照の花を匂ひて人偲ぶ 穏やかなる白 君を慰さむ
                         みっちっちさん
★慰めの歌送りこし女人あり  この梅雨空にひかりさし込む
                         夕庵さん
★逝きし人偲ぶ君へと この空へなほひとすじのひかり送らむ
                         みっちっちさん
★六甲の山越え生駒の山越えて 歌のひかりは胸を満たしぬ
                         夕庵さん
★ 吹き渡る生駒の風は六甲へ 夏空渡る歌のひかりぞ
                         みっちっちさん
★あの頃はみんな元気で若かった 六甲縦断もう霧のなか
                         夕庵さん

☆クチナシの匂いは甘く秘めやかにしばし目を閉じ身を委ねたり
                         夕庵さん
【詞書】6月18日に歌会があり、いつもユニークな詠草の方の歌がクチナシでした。
  ところが、彼女の興味はどうしてこんな素晴らしい香りができるのかと科学的な事を
  ネットで調べたと言われた。それでは詩文にならないと歌会では彼女に4,5句の
  再考をお願いしました。私も夕庵さんのご主人のお歌を読んでクチナシで詠んでみました。
★クチナシの真白き花の香の淡し
     思ひいづるやかの日の君の香
                         リコさん
★さみどりの身をよじり咲く梔子の朝の匂いは密やかに来る
                         夕庵さん

☆沈黙もひとつの会話 しみじみと共に見つめる雨の紫陽花
                         ポエット・M
★一言の言葉なれども傷となり沈黙の渦広がりてゆく
                         夕庵さん

【詞書】夕庵さんの詞書と三首の歌一連を長歌とみなし、それへの「反歌」として
  詠みました。
☆クチナシは嫌い!でも好き! 甘やかな 香り切なく夫(つま)を偲びて
                         ポエット・M
★風運ぶ反歌を胸にあたたかく 背(せな)を押されて明日を生きなむ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆木漏れ日にすっくと立つや山百合の 咲きて占めたる確かなる位置
                         ポエット・M
【解説】
 観音崎に鮮やかに咲き誇った紫陽花も終焉の時を迎え、その後を襲って咲き匂う山百合の
 群れ。
多くの植栽ボランティアの方たちの祈りにも似た尽力のあとが、大輪の花となって
 結実しつつあります。

 当初、森のそこかしこに野生の山百合が自生していましたが、乱獲等で姿を消したものも
 多く、寂しい
想いをしていました。しかし、六年程前からボランティアの方が、自生の株
 から球根を採取し、植え付け
栽培を続けて、お世話をしてきました。その尽力が実り、
 昨年ごろから幾つかの花が開花しました。
今年は十か所程に開花が見られ、すっかり
 「山百合の園」の雰囲気が出来つつあります。

 そんな山百合の花に木漏れ日が降り注ぎ、鬱蒼とした森の中で大輪の花の存在感が確かな
 位置を
占めていました。そんな山百合に寄せて詠んでみました。


      「山百合」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著(34)
  
8.薔薇の花束(3)
 
   これが薔薇だ
      ここで踊れ   ヘーゲル「法の哲学」より

   遮断機に
     血潮の薔薇を
        咲かせたる
          逆夢なれや
            我が初夢 

              メドゥサが
                石に化すとも
                   天に坐す
                     者ぞ笑わん
                       薔薇は永遠

                          メドゥサの
                            囲いの中を
                               一輪の
                                薔薇もて歩む
                                   夢の傑作

          スフィンクスに
            恋せし薔薇の
               悲劇かな
                ミレーが描く
                  オフィーリアとは!

     過ぎ去りし
       薔薇なる君は
           名前のみ
             今も哀しく
               我に残れり

     「タチアオイ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 今回は、ブログの文字制限(コードを含めて 30,000字)から割愛させて頂きます。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
    字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (28)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

観音埼に咲く山百合

2023年07月02日 15時28分25秒 | 日々の歩み

 先月中旬に観音崎公園で、早咲きの山百合一輪の開花を確認しました。しかし、大半の
山百合は未だ蕾の状態で、開花には1~2週間はかかると大方の予想でした。
先日天候も良く散策を兼ねて、観音崎の山百合を細君共々訪ねてみました。当日は梅雨の
最中とは言え、青空の覗く絶好の観察日和となりました。
新たに植栽された箇所を含めて、既に大輪の花を付けた山百合が甘やかな香りを漂わせ
咲き誇っていました。若干盛りを過ぎたとはいえ、見応えのある花を十分堪能することが
出来ました。

     「神奈川県 県花 山百合」

 かつて、観音崎公園には自生の山百合が各所にあり、6月の後半から7月にかけて白い
大輪の花が咲き乱れていました。近年、心無い乱獲の影響で多くの自生株は減少して
しまいました。そこで、ボランティアの「観音崎の自然を守る会」が中心となり、
6年前から活動をはじめ自生の株からの球根採取、植え付け、栽培までを続けてきました。
その成果が実を結び園内に山百合が咲くエリアが数か所新たに誕生し、見どころのスポットが
増えました。

     「山百合」

 この公園では、この山百合と、アガパンサス、グラジオラス、さらに、盛りは過ぎつつ
ありますが新種紫陽花「汐音」が未だ咲き続けていました。

   「アガパンサスの咲く 観音崎花の広場」


     「グラジオラス」


     新種紫陽花「汐音」

花を愛でつつ適度の散策が出来るこの公園は、ウイークデーにもかかわらず多くの方が訪れ、
顔なじみになっている方もおりますが、私たちにとっても大切な場所となっています。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする