四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その63)

2022年11月30日 06時16分27秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その63)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「皇帝ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】散歩道に転がっていたザクロの実。大きな赤い口をあけて白い種が
    見えます。すぐに鬼子母神を思い浮かべました。今では釈迦に帰依して
    安産と子供の守り神として信仰されています。
☆赤い口あけて転がるザクロの実 今日はどの子が餌食とならん
☆右の手にザクロを捧ぐ鬼子母神 種の数ほど救え幼子

                         夕庵さん

【解説】
 ザクロの実から鬼子母神を思い浮かべるのは、流石ですね。
 鬼子母神はお釈迦様に諭され自らの過ちを悟り、お釈迦様に帰依しその後
 安産・子育の神となったとのこと。
 今では、安産・子育の神として人々に尊崇されていますね。
 この神の来歴を二首の詠歌で表現しきる、作者の手並みも鮮やかと思います。
 改心した後の鬼子母神に「種の数ほど救え幼子」の想いは、多くの女性達の
 心からの祈りでもありますね。
 二首目の歌、幼子を救うたびに自ら犯した過ちを悔いたであろう鬼子母神の、
 深い哀しみと、悔悟の想いに寄り添い少し添削してみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★悔いいるかザクロを捧ぐ鬼子母神 種の数ほど幼な救うも


【詞書】11月17日BSNHKで「京都の紅葉21年度版」をやっていました。
    奇しくも本日23日生中継があります。見ていますとcookieと行った京都の
    紅葉をまざまざと思い出しました。秋の京都の思い出は尽きませんが
    「東福寺(通天橋)、哲学の道(叶 匠寿庵)、高台寺(夜間照明)」等
    思い出しながら短歌を詠んで見ました。哲学の道には叶 匠寿庵京都茶室棟が
    ありますが、何回となく行きました。
☆煌びやか息のむ景色通天橋 君と写した真紅のもみじ    《東福寺》
☆臥龍池水面に映えた逆さもみじ 肩を寄せ合いねねの声聞く 《高台寺》
☆赤や黄色朝の陽射しに照らされて 君と歩いた哲学の道   《哲学の道》
                         浅間山明鏡止水さん

【解説】
 京都の紅葉は、今まさに旬を迎え、NHKをはじめいくつかのテレビ局でその様子を
 放映していますね。居ながらにして紅葉の絶景ポイントを眺められるのはいいで
 すね。奥様との思い出の場所も鮮やかに甦るものと思います。
 高台寺では臥龍廊・臥龍池などがライトアップされているようですね。
 このライトアップには賛否両論があるようですが…、夜間に訪れる方にとっては
 絶好の撮影スポットになっているようです。でも、「ねねの声」を聴くには少し
 騒がしすぎるかも知れませんが、水面に映えるもみじの影から響いてくるかも
 知れません。二首目を、少し、視点を変えて詠んでみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★亡き人の菩提弔う ねねの声 逆さもみじの水面に響く




【詞書】時雨紅葉二首 奈良長谷寺にて
☆こもりくの初瀬の山の紅葉葉を
    おのが色にか
      時雨染めけむ
☆透明な時雨が残した
    紅葉を
      虹が
    染め歩いてるんだよ

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 スランプなので、初心を思い返しています。
 2016年に奈良の長谷寺を訪れた時のものです。当時は、今日は時雨だ!と
 天気予報を見て、京都から奈良の秋篠や大阪の高安や長谷寺を出掛けておりました。
 一首目は、古今風で、こもりくのは、初瀬(長谷)を導く枕詞です。今、枕詞を
 使う人は稀なので、目新しいかも?時雨が木々を千々に染めて行くと言うのは、
 古今集にもあるのですが、時雨の気まぐれで色を染めていると言うのは有りません。
 二首目は、時雨の後よく虹が出るので。古来虹を歌った和歌は無く、自由律で
 作ってみました。透明な時雨が何故色を染めるのか?と言うのは新古今にも
 有りますが、染め残した葉を後に出た虹が染めると言うのは無いので。

【解説】
 最近のブログへの意欲的な記事掲載状況を拝見しますと、スランプの影も
 見えませんが…。止揚の理論ではありませんが、より高みへ向かう上昇過程に
 おける足踏みかとも思います。
 奈良長谷寺における時雨と紅葉、さらに虹との関連が「おかしみ」を込めて
 情趣深く詠まれており、新たな視点も示唆され学びになりました。
 「時雨が染め残した紅葉を、虹が染め歩く」と言う視点は面白く、歌としても
 説得力がありますね。
 古今調と自由律の二通りで詠み分けた紅葉の表現は、私たちの学びになりますので
 これからもご教授いただければ嬉しいです。


☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
 【詞書】引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆山一つくれないに染め沈みゆく 秋の落暉は 瞬きに似て
                         ポエット・M
★輝きは老いつる身にもあると知れ落ちゆく秋の日輪のごと  
                         水仙さん
★老いてなお 望み秘めつつ越え行かん 落暉の染める山坂の果て
                         ポエット・M

★ぽこぽことパッチワークの嵐山 朝日のぼれば輝きはじむ 《朝日を詠みました》
                         夕庵さん 
★それぞれの色を秘めるや嵐山 朝日のぼれば彩どりを増し
                         ポエット・M
                         
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆遊ぶがに花弁を揺らす秋風に 皇帝ダリアの軸は揺らがず
                         ポエット・M

【解説】
 多くの花が朽ち枯れる中で、霜月の空にすっくと立ち威風堂々とした風姿を示しながら、
 どこか寂しげな花の皇帝ダリア。メキシコが原産のこの花は青空に映え、秋風と遊ぶかの
 ように花びらを揺らしています。また、雅さを漂わせながら魅入る私たちを楽しませて
 くれます。また、花びらを揺らしながらも、軸は揺らがず思いのほか幹は頑丈でしっかと
 立っています。花と無骨な幹の対比が面白く思わず即興で詠んでみました。



     「皇帝ダリアへ寄せて一首」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (6)
 
 1.貴女へのレクイエム(6)

   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    かの方の
      聖足(みあし)の跡を
             歩み行く
        大沢牧師
          高塚牧師

         若き日の
           貴女(きみ)も通いし
                   聖堂も
               保存されたる
                  〇〇〇教会

                痩せこけて
                   柩の中に
                     横たわる
                  貴女(きみ)を飾らん
                         小さき花で

         残された
           身の哀しさよ
               亡骸を
            焼かねばならぬ
                青き火をもて

     亡き貴女(きみ)を
        焼かねばならぬ
            火を持てり
          残れる者の
            業(わざ)また非情




【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】前週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しい事であります。

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「咲き残る コスモス」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
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ヨコスカ散歩道

2022年11月26日 20時22分10秒 | 日々の歩み
 サッカーのW杯カタール大会1次リーグE組初戦が23日行われ、日本は優勝4度の
強豪ドイツに2―1で逆転勝利しました。
日ごろ熱烈なサッカーファンでもない私ですが、この興奮は未だ冷めやらぬ状況にあります。
かつての「ドーハの悲劇」を胸に闘い、その呪縛を拭い去った選手とスタッフ、さらには
多くのフアン。
彼らにとって今回の快挙はまさに、長年の夢が叶った瞬間であったことと思います。

 MF堂安の同点弾、さらに8分後のFW浅野の勝ち越し弾は選手もさることながら、
切り札投入のタイミングで森保監督の采配の冴え、さらにドイツの怒涛の攻撃を
ことごとく防いだ権田のスーパーセーブ等々勝利の要因と、道筋は正にチームの
総合力と言えるかと思います。
この大金星と言える勝利を讃えるとともに、次の一勝をもぎ取ることにチームは
集中して欲しいと思います。

 第八波に向う新型コロナ感染症対応、緊迫するウクライナ情勢等々触れたい事柄は
多々ありますが、今回は、少し脇に置き軽めの記事としたいと思います。そこで、
日ごろ体力維持と気分転換を兼ねた散歩で歩いている周辺の景観を紹介していきたいと
思います。
時々このブログにも登場するヴェルニー公園を起点とし、観音崎まで続く道路の総称
「10,000メートルプロムナード」の景観から・・・。かつて掲載した写真も含みます
のでご容赦願います。

 先ずは薔薇の園でもありますヴェルニー公園の入り口。
 
 馬堀直線道路(ドラマ等々のロケ地)
 
 海釣り公園から望む猿島(東京湾唯一の無人島、アートの島としてイメチェン中)
 
 馬堀海岸道路(ドラマ「教場」等々のロケ地)
 
 馬堀遊歩道
 
 京急観音崎ホテル(現在リニューアル中)
 
 京急観音崎ホテル前ボードウオーク(ドラマ等々のロケ地)
 
 観音崎美術館(展示絵画はもとより、レストランが人気)
 
 観音崎海岸(夏は海水浴場になります)
 
 観音崎灯台(上まで登れます)
 
 観音崎から望む房総半島(丘陵の上に白亜の富津観音が見えます)
 
コメント (2)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その62)

2022年11月23日 06時41分07秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その62)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「咲き満ちる皇帝ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】11月8日ココラデ、紅葉に染まる浅間山、山が赤黄緑そして雲の黒い影と
    色彩のまだら模様で何とも言えない魅力がありました。その様を詠んで
    みたくなりました。
☆浅間山麓の村は秋深く その色彩は片岡 球子
☆浅間山雲が映りて影黒く 色鮮やかさ不思議な景色」
☆浅間山まだら模様で不思議さも 色濃く反映秋の絶景」

                         浅間山明鏡止水さん

【解説】
 レストラン・ココラデから眺める今の季節の浅間山は、その圧倒的な存在感と
 優美な山容を秋空の下に見せていたと思います。「その色彩は片岡 球子」と
 詠われる通り、紅葉の美しさと共に力強さもありますね。
 片岡 球子と言えば、その型破りな構成と大胆な色使いで、今までの日本画の
 イメージを塗り替えた方との印象があります。
 箱根にあります成川美術館で彼女の作品を見た時「これも日本画?」と
 驚いた記憶があります。それだけ物の本質に迫る迫力が画面にみなぎっていた
 のかも知れません。
 一首目は、そんな画家の描く風景のイメージを、浅間山の秋の風景に重ねて詠い
 色彩のグラデーションを明確に表現していると感じました。
 一首目につき、少し誇張もありますが手直ししてみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★秋たけて 浅間の裾を染める色 片岡 球子の絵をも凌ぎて


【詞書】先日娘と京都の宇治を訪れた時の歌です。今回はテト(子犬)を
    連れてのドライヴだったので、何回も行った平等院とその参道
    のみでした。源氏物語ミュージアムも見せてやりたかったのですが、
    パスしてお茶を楽しみました。
☆お茶を煎る芳し匂いに誘われて三色団子を茶屋で一服
☆「宇治十帖」物語する名を今に「朝霧橋」や「早蕨の道」
☆宇治川の速き流れに目をやりて遥かな物語(はなし)の「浮舟」しのぶ

                         夕庵さん

【解説】
 京都の宇治は、喧騒はあるものの「源氏物語」の世界に浸るには、いい季節
 でしょうね。テトちゃんを連れて施設の訪れは、結構制約はあるでしょうが
 テトちゃんにとっては楽しい一日になったことと思います。
 なお、「宇治十帖」は『源氏物語』の最末尾にあたる第3部のうち後半の橋姫から
 夢浮橋までの十帖をさして呼んでいますね。そんな物語を今に留める「早蕨の道」、
 「浮橋」をめぐり詠うことは、まさに「歌枕の旅」でもありますね。
 三首目は、薫と、匂宮との板ばさみになって揺れ、自死までも決意する「浮舟」の
 哀しさに寄り添い詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★「浮舟」の 秘めたる想い哀しみも 浮かべ逆巻く宇治の流れよ


【詞書】平地でも雪がちらつく季節になりました。
    春先に農作業の手伝いに行った農家の新米の湯気に一年を感じるこの頃です。
☆寒風に苗運びし春の日を思い浮かべて新米食す
                         I.SATOさん

【解説】
 作者の活躍のフィールドの広さに驚かされます。自転車の全国旅行はもとより、
 農作業やカメラの撮影、さらに短歌等々、いずれの分野も手を抜かず極められて
 いる、その姿勢に頭が下がります。
 詞書にもありますように「農作業の手伝いに行った農家の新米」を今の季節に
 味わう、作者の至福のひと時を、詠歌と共に思い浮かべています。
 「寒風の苗運び」等、生産に関わった思い出と共に味わう新米の味も格別と
 思います。
 厳しい環境の中でも美味しいお米に育てた「ゆめぴりか」や「ななつぼし」に
 至る開発の歴史を思うと、そこに払われた先人たちの血の滲むような尽力の跡に
 粛然とした思いにさせられます。
 これからも、大地に足を付けた骨太な詠歌に期待しています。


     「薔薇 プリンセス・ミチコ」

【詞書】今日の風景を 人生の扉 竹内まりやを聴いて
☆明日が大事ではなく今が重要
  その積み重ね
     この風景を

                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 スランプなので、旋頭歌など作ってみましたが、いまいちしっくり来ないので、
 温故知新と2010年に作った短歌を投稿します。この時代の作風の良かった点、
 足りない点をもう一度思い返して、省みようと思っております。
 他のblogに投稿していたのですが、今度廃止になるので、gooblogに引っ越しです。
 何もない今日のこの風景ずっと覚えていたい。と言うイメージです。
 竹内まりやさんも67歳とか。いつまでも最前線でご活躍されています。
 下記URLに曲を張り付けておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/8375f31fc644ef302ae7222f00d45f90

【解説】
 竹内まりやが50代を迎えて作った曲「人生の扉」を、ご案内頂いたユーチューブで
 視聴させて頂きました
 耳に心地よく響く歌声と英語の歌詞が魅力的なナンバーで、私たち世代の心にも
 十分響く曲で、感動しつつ聴かせて頂きました。
 四季折々の素敵な映像を背景に紡がれる歌声と、歌詞に改めて酔いました。
 特に、「ひとつひとつ人生の扉を開けては 感じるその重さ」は深い詞ですね。
 作者の詠歌の「明日が大事ではなく今が重要」に繋がります。

  「人生の扉」の歌詞(部分)
    満開の桜や色づく山の紅葉を
    この先いったい何度見ることになるだろう
    ひとつひとつ人生の扉を開けては
    感じるその重さ
    ひとりひとり愛するひとたちのために
    生きてゆきたいよ


【詞書】紅に染まる和美(わみ)峠で、クロちゃんとの散歩の様子を詠みました。
☆夕映えに 萌えるモミジの
   和美(わみ)峠
     クロの尾っぽに
    枯れ葉がひとつ

                         クロママさん

【解説】
 今回の出詠歌も愛犬クロちゃんとの散歩の風景が愛情深くを詠まれていますね。
 夕映えに燃え立つもみじが、クロちゃんの尾っぽにゆっくりと散る様子が素敵に
 表現されていると考えます。文言の整理を少ししてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★夕映えに 燃えるモミジの
   和美(わみ)峠
      クロの尾っぽを
    かすめ散りゆく



     「秋明菊」

☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆夕映えを映し燃え立つもみじ葉よ 季(とき)の形見も華やかにして
                         ポエット・M                    
★あの人に愛されし季(き)を形見とし紅葉(もみ)づりはてし吾(あ)は冬に入る
                         水仙さん
★紅葉(もみ)づりを 君の想いの形見とし 互いの秋を 偲ぶよすがに
                         ポエット・M
★親しみし黒きレースの手袋よ 母の形見と尽きぬ語らい
                         夕庵さん
★香り立つ黒きレースの手袋に かの日の母の想い偲ばん
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆山一つ紅に染め沈みゆく 秋の落暉は 瞬きに似て
                         ポエット・M

【解説】
 「秋の日は釣瓶落とし」と久しく言われていますが、海辺を縁取る森の木々が秋の
 落日を受け燃え立つように染まっています。紅一色ではなく黄葉、緑葉も交じり
 絶妙なグラデーションが落日に染まり目の前に展開されています。
 その輝きもまさに一瞬で、入日とともに薄闇の中に沈んでいく景観を目の当たりに
 しました。木々がまとう終焉の耀きにも似た鮮やかさも一瞬に反転する、そんな
 自然の営みを詠歌に留めようと、あがきつつ詠ってみました。


     「落暉に染まる紅葉」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (5)
 
 1.貴女へのレクイエム(5)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    昼も夜も
       食べてよく寝る
            猫の良
        昨夜はろくに
           食わず眠らず

          猫さえも
            いやいやもしか
                 猫のみが
               真にあなたの
                  死を知り嘆く

                 凍りつく
                   冬の朝(あした)に
                        はらはらと
                      天より白き
                        雪の舞い散る

         深々と
           降る白雪や
              昏々と
            永遠の眠りの
              貴女(きみ)が朝(あした)に

     教会は
       終(つい)の我らの
           安住の
        天の住家の
            影か平安



     「ツワブキの花」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しい事であります。

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「ガーベラの花」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
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霜月に咲いた月下美人

2022年11月19日 15時57分26秒 | 日々の歩み
 新型コロナウイルス感染が、第八波の入り口に差し掛かったとの報道があり、
昨日、11月18日(金)には国内感染は新たに8万4272人、前週比1万人超増加と
言われています。
 第6波、第7波と経験し、医療崩壊を目の当たりにし、助けられる命も救えなかった
医療機関の皆さんの痛切な思いと、犠牲となられた当人はもとよりそのご家族の
無念さを無にすることなく、第八波に向けて医療体制整備の一刻も早い取り組みを、
行政を担う皆さんに望みたいと思います。

 私たちも、感染症対策の基本を改めて確認しながら、自らの出来る対策を真摯に
行って参りたいと思います。
ウクライナ情勢等諸々述べたいことはありますが、今回は…、霜月に咲いた
月下美人について触れたいと思います。

 夏の花の印象が強い月下美人の花ですが、我が家では霜月になって五度目の
開花となりました。
 クジャクサボテン属に分類される多くの種類は、2~3日の間、日中に花を
咲かせますが、この月下美人は、夕刻に開花し始め深夜にかけて花を咲かせます。
また、花の寿命は一日と短命で、「はかない恋」「はかない美」との花言葉は、
この花の美しさと、一夜にして萎んでしまう儚さに由来していると言われています。
そして、華やかに咲き、香り立ち、一夜にして命を全うするという意味から
「美人薄命」「佳人薄命」の語源にもなったといわれています。

 私の、ブログで前にも触れましたが、現在大型修繕の最中で、ベランダの植栽は
全て外の植栽置き場へ移動しています。そのうちの二鉢に計6輪ほどのつぼみが
付いているのを確認してから、小さい方の鉢を開花寸前に部屋に移動しました。
小さい鉢は、本体から株分けをしたもので今回は一輪のみでしたが、部屋で
じっくり鑑賞することが出来ました。

夕刻6時過ぎから蕾が膨らみ・・・、

7時過ぎには蕾が開きはじめました。

さらに、8時過ぎには蕾がかなり開きはじめ、甘やかな香りも漂い始めました。



11時頃にはほぼ満開の状態となり、濃厚な香りが部屋に満ちていました。

しばらく撮り続けましたが、日付の変わるころ眠りにつきました。

そして、3時頃ふと目を覚ますと、花はだいぶ小さくなっていましたが…。
未だ咲いていました。

そして、夜明けの日の中で萎んだ花となっていました。

まさに、儚い花の命を咲ききった一夜花の終焉です。
お疲れ様と声を掛けたくなりました。
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その61)

2022年11月16日 06時14分05秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その61)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「薔薇 マダム・サチ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】11月3日軽井沢プリンスホテル・ウエストの紅葉に行って来ました。
    とても綺麗でした。京都の紅葉を思い出しました。どこにもない軽井沢の
    紅葉の美しさがありました。「もみじ盆栽の趣」とでも言うのでしょうか?
    良く手入れされていて、紅葉に優しさがありました。そこで短歌を詠んで
 見ました。
☆大切な人の喜びいつまでも 語りあえると想い出作り
☆体じゅう包み込まれる心地よさ 刹那感じる自然の息吹
☆鮮やかな色彩飾る紅葉は くれない染まる盆栽アート

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 作者も言われるように、軽井沢プリンスホテル・ウエストの紅葉は手入れが
 行き届き、まさに「アート」を感じます。しかも、小さくまとめず自然の
 おおらかさと、野性味も残しつつ、全体のバランスの良さを引き出している所に、
 庭師さんの美意識と懐の深さを感じます。そんな紅葉の良さを詠み込んだ詠歌を
 懐かしく鑑賞させて頂きました。
 二首目の歌に「もみじ」を明示して詠ってみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★包みくる もみじに染まる心地よさ 大地と樹との 息吹感じて


【詞書】いつもの朝、自転車で河川敷道路を散歩しているとキツネが一匹、深い霧が
    覆う茶色一色の畑に溶け込むように走り去りました。冬間近です。
☆川霧の切れ間の畑に野狐が枯れた大豆の色して走る
                         I.SATOさん

【解説】
 映画の1シーンのような情景ですね。「深い霧が覆う茶色一色の畑に溶け込む」ように
 走り去る狐の後ろ姿が、鮮やかに浮かんできます。
 作者の詠歌を鑑賞させて頂き、いつも思いますのは、これら情景描写の鮮やかさと、
 「枯れた大豆の色して走る」の表現に象徴されるような「切り取り」の的確さだと
 思っています。今回も学ばせて頂きました。


【詞書】今週の3首は「五行歌集 君へのレクイエム」嵯峨吹雪さんの歌に触発されて、
    私も何年か前に大切な人を失った悲しみを詠んだのを思い出しました。
    ころころとよく笑う笑顔の素敵な女性でした。
☆念ずれば花のひらくと詠いしにあなたを葬る冬の日の雨
☆短歌(うた)の道ともに励みし人ゆえに涅槃の言葉ふらせ給えよ
☆すべてすべて過去形となりし氷(ひ)の顔の口唇(くち)はやさしく物語する

                         夕庵さん
       
【解説】
 大切な友への挽歌。三首はいずれも心に沁みます。
 三首目の「すべてすべて」との表現は、こみ上げる無念さ、その切実さが緊迫感を
 もって表現されていて、字余りもむしろ効果的と考えます。
 作者の想いが良く分かる歌となっていますが、少し身を引いて上の句を添削させて
 頂きました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★過去形とすべてがなりし氷(ひ)の顔の 口唇(くち)はやさしく物語する



     「秋桜  (1)」

【詞書】名告 三首 神々の詩(姫神)を聴いて
☆あの人があが名を聞いて求婚したの
   あの人は誰でも見ると名をきいてるわ
☆誰にでもみんなが言うの誘っていると
   君だけだみなが来る前に草むらへ行こう
☆あの人はやっぱり他の女の元へ
   遊ばれて他にも男はいっぱいいるよ

                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 姫神は、岩手県で活動したシンセサイザーの星吉紀とそのユニットで、1997年
 TBS系列で毎週日曜に放送されていた紀行番組ニッセイワールドドキュメント
 番組のテーマ曲。
 神々の詩の歌詞は、縄文語。日本語です。
 まず、万葉集巻第一 雄略天皇の歌(~この岳に菜摘ます兒、家聞かな、
 告(の)らさね~われにこそは告らめ、家をも名をも)を思い出しました。
 縄文期クラスの古さから、万葉集の古い詩型の五七七五七七の旋頭歌としました。
 旋頭歌は、最初の三句で謡い、後の三句で合いの手というイメージで作って
 みました。一応短歌だと思っています。
 神々の時代の日本の古代の人々を、イメージした曲に、世界中の方々が更に
 イメージを膨らませています。
 下記URLに三種類のYouTubeを付けておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9515017133094adb9db192b907abc2cf


【解説】
 三種類のYouTubeを視聴させて頂きました。ゆったりと繰り返される曲に古代への
 いざないを感じ、心地よい調べに酔いました。
 姫神『神々の詩』の歌詞は「私の名前はマポ。祖父母、父母、兄弟、姉妹がいる」の
 フレーズが繰り返し歌われており、初めて聞く「縄文語」は理解できませんでしたが
 なぜか心地よく感じました。
 私たちの祖先が言語を獲得する過程で用いられた言語と知ると、「縄文語」は
 おろそかには出来ませんね。祖先達がコミュニケーション手段として言語を獲得する、
 その気の遠くなるような長い歴史を思うと、厳粛な気持ちにさせられます。
 姫神『神々の詩』を旋頭歌として詠みなおす今回の試みも、作者の和歌への深い
 理解と、優れた力量故の成功例と考えます。
 三首の詠歌から、ほろ苦いユーモアと、抑えた哀しみを感じました。



     「山茶花の花」

【詞書】落ち葉を踏みながら、クロちゃんとの散歩の様子を詠んでみました。
☆カサコソと 小さい足で
     落ちば蹴る
   はっちゃけクロの 嬉しい散歩

                         クロママ

【解説】
 愛犬クロちゃんは、作者との散歩が何よりも楽しみで、好きなんだと思います。
 真っすぐに見つめてくるクロちゃんの想いを受け止め、愛情をもって接する作者を、
 クロちゃんは本当のママのように思い、甘えているのかも知れません。
 そんな思いも今回の歌には現れ、とっても素敵な歌になっていると感じます。
 「はっちゃけクロの」の表現に、作者の懐の深さと、お互いの絆の強さを感じます。
 作者を主体にして詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★カサコソと 小さな足で 落ちば蹴る
       はっちゃけクロと 楽しい散歩


☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
 【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆微かにも色づき初めし里山の 子安の里に 炭焼く窯も
                         ポエット・M
★ほのかなることのよろしさ ありまして子安の里の木々の色づき
                         水仙さん        
★海見下ろす子安の里のマリンには 寛ぐ人の声こだまする
                         浅間山明鏡止水さん
★海を背に デミタスすする君つつむ 笑み穏やかな マリンの人ら
                         ポエット・M

☆つわぶきの 今年も咲いて 主を待つ 賑わう昔 夢見ているか
                         クロママさん
★つわぶきの斑の葉っぱの艶めきぬ生家の庭の蹲の下
                         夕庵さん

   註)マリン:子安の里にある海を見下ろすカフェレストラン
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆夕映えを映し燃え立つもみじ葉よ 季(とき)の形見も華やかにして
                         ポエット・M

【解説】
 紅葉の遅い、ここ三浦半島の海辺の森でも、ようやくハゼやイロハモミジが朱く
 染まりはじめました。そんな、もみじ葉は去り行く秋の形見を残すかのように、
 夕映えに燃え立つように染まっています。その華やかさの裏にある一抹の寂しさを
 「季節の形見」として詠ってみました。


     「燃え立つ もみじ葉」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (4)
 
 1.貴女へのレクイエム(4)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    ああ貴女(きみ)は
         余命三月の
            宣告を
        二年五ヶ月
           闘いぬけり

          貴女(きみ)の死を
               知りて柩の
                 上で泣く
             良のあわれよ
                夜の静寂に

               良がため
                 柩の蓋を
                   開けやれば
                  ドライアイスに
                    貴女(きみ)は凍れり

         凍りたる
           貴女(きみ)の額に
              手を触れて
            良は泣き付く
                我がふところに

     明け方に
       我の布団に
          入り来て
         赤子のごとく
            夜泣きする良


     註)良:愛猫の名前


     「秋桜  (2)」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しい事であります。

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「海を見つめる 青サギ」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
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「春秋」(「綜合詩歌」改題)誌鑑賞(14) 「木守りの賦」

2022年11月12日 09時04分12秒 | 短歌

-戦時下、空白の短歌史を掘り起こす その14-
    「木守りの賦」


 信濃路、佐久の高原の秋は短い。高原を輝くばかりの錦秋に染めた紅葉もいつしか散り初め、裸樹の枝が晩秋の空にまっすぐに伸びている。そんな裸樹の群生の果てに柿の古木がひっそりと立っている。頂き近くに赤い実が一つ、二つ取り残されている。

 夕茜を一点に集めたように鈍く光るその実は「木守り」と称される。啄ばむ鳥のためとも、翌年の豊穣の実りへの祈りのためとも言われている。ただ一つ取り残すという、長く受け継がれてきた村人の知恵。木枯らしにも似た北風の中で、凛として梢に残る赤い実の孤高さが心に沁みる。明日への希望を託すすべとして、悠久の営みの中で培われてきた村人の温かい眼差しと、敬虔な祈りにも似た思いをそこに見ることが出来る。

 しかし、こずえに独り残される柿の実の側に視点を転ずるとき、やがて来る冬の過酷な風雪と、鳥の啄ばみに独り耐えるその姿は鮮明な映像に重なる。大戦下の極限ともいえる情況の中で、懸命に耐え戦ったおみな達のけなげな姿に、そして、紺碧の空に特攻機を操った若き兵士達の悲愴な姿に、さらにウクライナの地で、今もなお繰り返される殺戮から祖国と愛する者を守るために、酷寒の地に踏ん張り戦うウクライナの民人達に重なる。

 「明日あること」への願いが、より切実であった大戦下の人々の思いを第二次戦時下の文学の世界から汲み取ってみたい。
「春秋」は「綜合詩歌」を改題し、この昭和十九年十月に第四号の発刊となった。本誌について前号に引き続き、短歌、歌論を中心に紹介し、鑑賞を行っていきたい。
 本号は、発刊の前月、九月二十日が第五回航空日であった関係から、その記念特集号的な色彩が濃く、巻頭作品は「神州空軍讃歌」と題して、大橋松平、佐藤佐太郎、高木一夫、上林角郎、野村泰三及び、中井克比古の六氏が稿を寄せている。これらの作品は、現存する各氏の歌集にも掲載されているものが少なく、作品としてばかりでなく、資料的にも貴重なものばかりなので抜粋し掲載したい。



 神州空軍讃歌
                     佐藤佐太郎
 ○青空のとほき涯より音しくる厳しきかも天のみいくさ
 ○空軍は敵にむかひて天ゆけばなべての上に震ふその音

                     上林角郎
 ○打ちつけて自もくだけたる その年齢を吾子に較べしときに涙す
 ○火の玉と墜ちゆきざまに叩きつけおのれ爆ぜつつ躊躇もなし

                     野村泰三
 ○いのち燃えて帰らぬ若鷲けふも思ひ戦果を聞きつつわが慰まぬ。
 ○日本が命とたのむ飛行機ぞ燃えて火となり敵に当たりぬ


 戦時下、第五回の航空日が設けられた当時の情況に若干触れたい。 サイパン島玉砕を初め、マリアナ群島玉砕後、ここを基地としたアメリカ空軍は、制空権を失くし無抵抗となった日本本土等に対する、大規模な空襲を開始した。
 その侵攻作戦は先ずフィリッピンを目指し、日本と南方との遮断を企てた。昭和十九年十月、フィリッピン上陸援護のため、アメリカ機動部隊は沖縄と台湾を空襲した。日本の基地航空隊はこれに反撃し、大本営は航空母艦十隻、戦艦二隻を撃沈する大勝利を得たと発表した。しかし、この戦果は、訓練不足の搭乗員が目測を誤ったために生まれた幻影に過ぎず、実際は一隻のアメリカ軍艦も沈めていなかったのである。

 アメリカ軍がフィリッピンのレイテ島に上陸するや、先の「戦果」でアメリカ空軍が弱体化したと信じた日本軍はレイテ島での決戦を企てルソン島から陸軍の大兵力を送った。しかし既に実質的に制空権も奪われた日本軍の艦船はいずれも途中の海域で沈められ、レイテ島への到着すら果たせなかったのである。

 このレイテ島での作戦で日本軍は劣勢を何とか挽回しようとあせり、初めて「特攻隊」を使った。なお、海軍として最初の組織的な航空機による特攻作戦を発令したのは、大西瀧治郎海軍中将である。これは1944年10月の台湾沖航空戦の敗北の結果、在フィリピンの大西中将が指揮する第一航空艦隊(一航艦)の稼動機数が僅か零戦40機程度に激減し組織的戦闘が不可能になっていた航空戦力を活用する為でもあった。

 本来、一航艦はレイテ沖海戦において突入してくる連合艦隊の艦隊上空の護衛を行い制空権を確保する手筈になっていたが、前述の台湾沖航空戦で受けた大打撃により残存兵力では作戦遂行不可能になっており、この作戦目的を果たすためには敵空母部隊の飛行甲板を一時的にでも使用不能にさせ、敵の圧倒的な航空戦力を麻痺させて、敵航空部隊の空襲を阻止する戦術しかとれなかったのである。

 この、敵空母攻撃をするにしても連合軍との兵力差は圧倒的であり、兵力が無い状態でこれを出来るだけ確実に遂行するには、爆撃機より速度の速い(敵迎撃網を突破しやすい)零式艦上戦闘機に積載上限一杯の250kg爆弾を積んだ上で、操縦者もろ共体当たりすることにより命中率を上げる戦術しかとり得なかったのである。
大西は生還を全く見込めない戦法を自ら「外道の統率」であると認識していたが、アメリカ機動部隊の航空戦力を一時的に麻痺させることは艦隊のレイテ突入支援に有効な戦法と判断し、実行を命じたと言われている。

 大西は1942年3月に海軍航空本部総務部長に就任して航空機生産に関わっており、部隊指揮からは遠ざかっていた。その彼が1944年10月に、急遽フィリピンにおいて第一航空艦隊の指揮を命じられ、現場に着任直後に特攻隊の編成を命じている。神風特攻隊のように兵力を激減させ、将兵の士気に衝撃を与える作戦を現地司令官である大西が独断で採用する権限はなく、源田実大佐他の軍令部が定めた特攻作戦を現場で実施に移したものと考えられている。

 この体当たり攻撃は始めこそアメリカ軍を驚かせたが、援護兵力もなく飛行機の性能も整備も悪かったため、学徒や青年航空兵ら若い兵士の尊い生命をいたずらに犠牲に晒していった。太平洋戦争の「天王山」と軍部も、政府も呼号し続けたレイテの敗戦は太平洋戦線を全くと言っていいほどに崩壊させた。 なお、この特攻作戦に反対した指揮官がいたことはあまり知られていないが、史実として記しておきたい。
 まず、部隊に打診のあった特攻作戦を撥ね付けて、これが黙認された第343海軍航空隊(343空)の志賀淑雄飛行長の例がある。この志賀飛行長の特攻作戦撥ね付けに当たって、戦後、志賀が残した証言によれば、度重なる特攻拒否に業を煮やした源田実大佐が隊舎を訪れ、志賀に特攻を受け入れさせようと圧力をかけたという。
 志賀が「わかりました。それでは特攻編成の最初の一番機には、私がお供をしますから、
あなた自身が出撃してください」と言うと源田大佐は顔面蒼白になり以後、二度と特攻攻撃の話を持ち出すことはなかったという。
 また、熟練者による夜間通常襲撃の有効性を主張し、特攻を指示する上層部を論破して終戦まで沖縄に夜間襲撃を続けた芙蓉部隊隊長の美濃部正少佐も部下に特攻をさせなかった人間として後世の評価は高い。
さらに、第203航空隊戦闘303飛行隊長であった岡嶋清熊少佐も、特攻には断固反対であり、国賊と言われても自らの部隊からは特攻隊を出さなかったと言われている。

 これらの情況、そして実態は、大本営と統制されたジャーナリズムの報道の中で、人々には直裁には伝わっていかなかった。しかし、情況の遷移を冷静に洞察できた少なからぬ歌人の目には、実態の片鱗が把握されていた感がある。この観点から「神州空軍讃歌」の歌を改めて味わうとき「讃歌」を越えて、そこには若い兵士達の死に寄せた挽歌の響きを感じ取ることが出来る。

 「讃歌」に作品を寄せた六氏の他に、本号に作戦を寄せた代表的歌人は、吉野秀雄、桜井政春、松本無存、上林角郎、桑山良、渡辺曽乃の各氏をはじめ二十八名の方々であった。 太平洋戦線の情勢は、前述のとおり玉砕、敗戦を重ね戦線からの撤退を余儀なくされ、ここを基地としたアメリカ軍機は十一月に入ると無差別に日本本土主要都市の空爆、焼夷弾攻撃を開始した。その中で、本土の戦場化と言う事態への推移が、恐怖感を伴う実感として人々を押し包んでいった。
 このような情況は代表的歌人の作品にも濃い影を落とし、その状況との相克が逆に作品に澄明な響きを生んでいる感が深い。この時代の過酷な状況に静かに対峙した先達たちの熱い伝言を抄出させて頂いた。


 実朝祭献詠                   吉野秀雄
 ○さすたけの君が祭りは近づきて金槐集にひと夜親しむ
 ○年どしにきみ祭る日はおのずから山蝉の声風にただよふ
 ○大鏡の君がくだりをひもとけばたちまち迫るとはの悲しみ

 童女疎開                    上林角郎
 ○父我に替るべき者の名は記せ吾子はたやすくわが死なざらむ
 ○一人のみ欠けたる子らは今日既に父さえ知らぬ陸奥にあり
 ○幼きを遠く疎開にやりてより黙りこむ妻に気づくことあり


 近況                      仲郷三郎
 ○ただならぬ戦のさまの胸にありてこの頃町を歩く事なし
 ○戦ひをま近く思ひ夜半さめて虫の音もなき闇を見詰めぬ
 ○戦勝の話題もなくて就寝前警報鳴らぬ事をのみ言ふ


 落葉集                     田島とう子
 ○アカシアの散りしく花を眺めつつ崩れむとするわが思ひあり
 ○つねに心にありとしいはばたはやすし夢にぞ人の顕ち返りくる
 ○我世すでに静かなるべくありしかど支えかねたる一つ思ひを


 迫り来る「本土決戦」への不安と、重苦しさに対峙しながらも、情趣豊かに詠った仲郷氏の「近況」一連。「虫の音もなき闇」の深さを静かに際立たせ、「嵐の前の静けさ」を思わせる、重苦しい時代の状況を象徴的に歌った歌でもある。

 本号では、紙面制限の関係から論文、随筆等の掲載に厳選の跡がうかがえる。しかし大和資雄の「航空機の歌」と題する論文を初めとして、鈴木一念、長谷川銀作氏らによる評論、作品批評等が意欲的に展開されている。
 特に長谷川氏の作品評は、本誌の選者の作品を批評したものであるが評者の踏まえるべき原点を厳しく教えられた思いがする。一部を抜粋すると・・・、

  「どんな場合にも歌を見くびってはいけない。お互いにもっともっと畏れなければ
   ならない。・・・いかに贔屓目に見ても詩らしい渾然たるもの、融化されたもの、
   感動、創意、発見、生命などの輝きが見出せない・・・。」

と言う批評が、厳しくかつ温く展開されている。歌評とは歌をはさんで作者と評者とが切り結ぶ真剣勝負なのだと改めて教えられた。血を流すにも似た痛みに耐えてこそ成長し、進化できるのだとも・・・。

 本号では、会員からの投稿歌を中井克比古、高木一夫、泉四郎の三氏が選者となつて、それぞれ「千日居詠草」「魚木亭詠草」「白光集」と題して三部立てで選歌を行なっている。これらの作品の中から、危急を告げる戦線と本土の戦場化等への不安に押しつぶされること無く、なお明日を希求する人々の魂が、その存在証明として紡いだ歌を中心に抄出させて頂いた。


 ○海守りて病みにし兵か枕辺に錨を染めし手ぬぐいのあり    岡本 武義
 ○月よみの光りさやけみ姑とわれこの野の果てに稲を刈り干す  石田 愛子
 ○ひそやかに心に浮かぶ想ひあり蛍を呼ばふ子供らの声     大田 瀬徳
 ○あどけなくしかも凛々しき瞳なりはじめて兵となりませる君  細井 愛子
 ○みんなみの光に屍くちぬともほむらなしわが怒りきよぬむ   榛名 貢
 ○病む君に寄する想ひは紫陽花の花にもまして儚きものを    阿部 鉄子
 ○魂祭り今宵は子等と縁に出て線香花火を少しともしぬ     原  恵子
 ○打ち震え為すべき事も手につかずサイパン島をきき終わりたり 廣田 博子
 ○今は既に心きめつつ腹にまく千人針ときてわが名を書きぬ   高梨 武司
 ○いず方に戦ひてあらむ待つ文の空しき今日も心疲るる     高梨 麗子
 ○征で立たむ人を送りて帰り来る夜更けのみちに馬追ひの鳴く  森田 英子
 ○たよりなき寂しさ故に触れずゐて我れにもあらず笑ひごと言ふ 柴山 勝江
 ○花一つ咲くにも今世につながれてありとし思へば愛しまれぬる 森田 清
 ○精霊を送ると宵の山のぼるたいまつの火の赤きひとすぢ    愛花 星水


 サイパン島、レイテ島をはじめ、危急を告げる南方戦線へ「あどけなくしかも凛々しき瞳」をもった少年兵達が、十分な訓練もなく続々と送られていった。又、兵として征く人を「送りて帰り来る夜更けのみち」に馬追ひの鳴き声を聞いてたたずむ女人。その胸に去来する想いの数々。 どんな時代にあっても、戦さは征く兵士に、また残される家族に、そして女人達に過酷な「もう一つの戦」を強いてきた。まして征でたつことが、そのまま死出の旅路を意味した大戦末期の人々の思いが、これらの歌群から伝わってくる。
抑制された表現の行間に滲む思いの深さを、たじろがず受けとめねばとの思いに駆られる。

 吹きすさぶ北風の中で夕陽を浴び鈍く光る木守りの柿。その孤高さに、あどけない瞳のままに海に散らねばならなかった特攻隊員の無念を、そして「いかないで!」の叫びを必死に呑み込み兵たる夫を、あるいは恋人を見送った大戦下の女人達の思いを重ねて見た。そして、夫や、恋人を残し、祖国を離れざるを得なかったウクライナの女人達の思いも・・・。

 明日の豊穣への願いをこめて大空へ捧げられた木守りの伝承。そこには自然への畏敬や祈りとは裏腹な、哀しい「いけにえ」の思想が読み取れる。歴史は死が美しく語られ鼓舞されるとき、いけにえの美学が、それを強いる側から繰り返し強調されて来たことを教えている。 人生の開花を実感することなく、幻の開花を胸に海原に散っていった若き兵士達。その無念を次の世代に伝えきっていくことが、その死と引き換えに生まれてきた私たち世代の大きな責務の一つでもある。熟柿は赤く燃え静かに揺らいでいた。      了


 主な参考文献
 「太平洋戦争陸戦概史」     林  三郎(岩波書店)
 「太平洋海戦史」        高木 惣吉(岩波書店)
 「大東亜戦争全史」       服部卓四郎(鱒書房)
 「昭和史」           遠山 茂樹・他(岩波書店)

注)本稿を掲載するにあたり、初稿はそのままに、ウクライナ情勢等を踏まえ、
  若干の加筆を行いました。   2022年11月12日

                     初稿掲載 2008年11月16日

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その60)

2022年11月09日 05時30分27秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その60)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「薔薇 ジャルダン ドゥ フランス」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】10月26日久しぶりに湘南は茅ケ崎に行きました。3年ぶりの嫁さんの
    「秋・冬新着」を買うためでした。しかし行った店はブルトーザーが整地を
    していました。ショックのあまり絶句しましたが鎌倉パークホテル「ペルゴラ」で
    湘南風ランチを楽しみ、気を取り直し電話をかけ事なきを得ました。結果的には
    素晴らしいチェニックを数点買うことが出来ました。そんな景色を短歌で
    詠んで見ました。
☆噛みしめて 一三四(いちさんよん)を 走るよろこび いつもと違う 喧騒の中
☆湘南の 幸に溢れる サラダには 三浦野菜と 潮の香りも
☆チェニックが 似合う姿の クッキーと 海岸通り 歩く喜び

 (註)クッキーは私の妻のニックネームです。
                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 久し振りの湘南・茅ケ崎は様変わりしていて驚いたことと思います。
 私たちも、茅ケ崎、辻堂、小田原は箱根への通り道ですので、湘南バイパスを下りて
 時々訪ねていますが、その変貌におどろかされることがあります。
 クッキーさんのお気に入りのお店も、そのあおりを受けて移転を余儀なくされたのかも
 知れませんね。
 特に、テラスモール湘南が辻堂に出来てから、辻堂から茅ケ崎にかけてのお店の変化
 には眼を見張るものがあります。なお、テラスモールには、ポロ・ラルフローレン等の
 直営店があり息子たちに付き合って時々行っています。
 三首目の「チェニックが 似合う姿の クッキー」さんを思い浮かべた作者の、
 幸せそうな散歩姿を思い描いています。ウキウキ感の溢れた良い歌と思います。
 一首目を少し添削してみました。
【ご参考】
 ★逗子・葉山 一三四(いちさんよん)を 走り抜け 三年ぶりの 潮風の中

 (註)一三四とは国道134号線のこと。横須賀から湘南地方を海岸線に沿って、国道1号との
   接点である大磯町に至る路線で、神奈川県の海岸線を東西方向に結んでいます。


【詞書】零餘子の句はどのような人だったのか、どのようなことで馬橇で急勾配のある
    1,000m地点までを登ってきたのか、興味が湧きました。馬体からの湯気が
    北海道の開拓時代と重なったりもしました。
    その、十勝岳の1,000m地点にある「白銀荘」で自炊の食事を作っていたときの
    こと、蝿がどこからともなく飛んできて、こんな高い所にも居るんだとしばし
    眺めていましたが、そんな情景を詠んでみました。
☆十勝岳千メートルの宿に棲む蝿一匹が手を揉んでいる
                         I.SATO(楕円と円)さん

【解説】
 零餘子はものの本によると、前々から「馬橇に乗って見たかった」ようですね。
 しかし、吹雪を突いて1,000mの急こう配を12時間かけて登るには、かなりの気合が
 入っていたことと思います。その意味では、相当に剛毅な方ともお見受けします。
 なお、自転車でそこまで登りきる作者も剛毅な方との印象があります。
 今回の出詠歌の「蝿一匹が手を揉んでいる」には、一茶の句に通じる優しさと、
 観察眼の鋭さを同時に感じます。


【詞書】先日友人と大阪のあべのハルカスへ行った時の感動を詠みました。
    大阪より京都へ転居してここからはあの山のまだむこう、遠くへ来たもんだと
    しみじみ思ったこと。
    因みにスカイツリーは634m、東京タワーは333m、ハルカスは300mです。
☆ハルカスより遥かに煙る山脈(やまなみ)のトンネル抜けてわが街はあり
【詞書】360度目を凝らすと今や川も橋もなくなったが、高速道路が走り住宅や
    マンションの立ち並ぶのが豆粒のように見えた。きっとあの辺りが私の産土だと
    懐かしかったこと。
☆ハルカスより目を凝らし見る一点は懐かしわが産土の街
【詞書】展望台のビルの真下に動物園の屋根が見えて、そこにはあのゴリラが高いハルカスを
    見上げる時もあるのだろうと想像したこと。
☆見はるかす大阪の街のパノラマにハルカス見あぐや動物園のゴリラ
                         夕庵さん

【解説】
 大阪のアベノハルカスから見晴るかす「今住む街」。「遥かに煙る山脈」の向こう
 との感慨が詠み込まれた一首目。「思えば遠くへ来たものだ」等のフレーズも浮かぶ
 良い歌と思います。
 なお、二首目の五句「産土の街」は、「うぶすなのまち」と読んで宜しいでしょうか。
 二首目の下の句を14音にするため「わが」を「われの」にしてみましたが…、ネットで
 交信し「や」が漏れていたことが判明しました。以下の歌が正解です。
 ★ハルカスより目を凝らし見る一点は懐かしやわが産土の街



     「チロリアンランプ」

【詞書】後鳥羽院へのレクイエム モーツァルトのレクイエムを聴いて
☆おどろが下の
      (Kyrie eleison)
 救われない者よ
 (cuncta stricte discussurus)
 驕り不安の中で
   (Ingemisco,tamquam reus)
 独りきり
    (Requiem æternam)
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
本歌
 新古今和歌集      太上天皇(後鳥羽院)
 奥山のおどろが下も踏みわけて道ある世ぞと人に知らせむ

レクイエム
 Kyrie eleison 主よ憐れみ給へ。
 cuncta stricte discussurus 何事も厳しく糺し給はむとて
 Ingemisco,tamquam reus 我は罪人にて嘆き
 Requiem æternam 無窮の安息を。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で、牧氏の乱後、後鳥羽院側近の平賀朝雅を誅殺されて、
院の怒り心頭のシーンがあり、この時、モーツアルトのレクイエムが流れていた。
また、和田義盛が源実朝の和解で、降参しようとした時、無数の矢が義盛を貫き、
討ち死にするシーンでもながれていました。
後鳥羽院こそ、魂の救われない者だなあと思い短歌を作ろうとしたのですが、
以来大スランプとなり、短歌どころか俳句も出来なくなってしまいました。
( )内は、レクイエムの歌詞で、短歌の文字数には数えず、単なる張り紙的な、
コラージュと思っています。
下記URLにモーツァルト 《レクイエム》 全曲 リヒター指揮/ミュンヘン・バッハ
管弦楽団の曲を掲載しておりますが、51分も有るので、7分頃からの怒りの日だけでも
お聴きになり、あの曲か?とご確認頂ければ幸いです。

【投稿外コメント】自閑(jikan314)さんご自身のコメントです。
夕庵様へ
愚詠について、お問い合わせ有り難うございます。
そもそも普通短歌は、句読点などは入っておりませんが、愚詠の場合自由律なので、
どこで句が切れているのかが分かりにくいので、句読点、「。。。」、空白、
改行などで表現しております。
この2首は、前半と後半では、一見関係なさそうですが、付け足す事で、その時の
感情を補ったつもりです。マチスの切り絵からヒントを得ました。
改行については、目線が一瞬動く一呼吸で、読者の感覚を揃えたいとの愚考からです。
石川啄木は、短歌を三行で表しました。和歌の色紙も、和歌の美しさ、字の美しさで、
単語を分けてでも改行しています。
古来和歌でも、ぞ、なむ、や、か、こそ、けり、体言止め、枕詞などで、歌のリズムを
作っています。

【解説】
 後鳥羽院の歌に、モーツァルトのレクイエムを重ねて詠った詠歌は、作者も
 おっしゃるように、「魂の救われない者」後鳥羽院への鎮魂歌にもなっていますね。
 後鳥羽上皇は和歌所を設け、藤原定家らを選者に任命し「新古今和歌集」の編纂に
 貢献した優れた歌人でもありましたが・・・。
 一方、自らが政治を執り、譲位した後は院政を行い鎌倉幕府執権の北条義時に対して
 討伐の兵を挙げ承久の乱となりました。この乱で破れた後、隠岐に流され、その地で
 憤怒を秘めながら没するという、波乱に満ちた生涯を送った方でもありますね。
 文字通り権力に恋々とする「救われない魂」の持ち主だったのではないかと
 推察しております。
 後鳥羽院の和歌と、レクイエムの詞を「張り紙的な、コラージュ」とする試みは
 大胆な短歌的挑戦でもありますが、私は歓迎したいと思います。
 また、口語自由律短歌の表現の可能性を広げた「試み」とも言えると思います。


【詞書】今、実家から帰ってきました。と言っても、義母は介護施設で空家になって
    います。それでも丹精込めた庭には黄色い『ツワブキの花』が咲いています
☆つわぶきの 今年も咲いて
         主を待つ
       賑わう昔 夢見ているか

                         クロママさん

【解説】
 遠いところ、お義母様の介護施設を訪ねられたとのこと。お疲れ様でした。
 面会等、コロナ禍で色々な制約もあり気を遣われたことと思いますが、
 それでも、お会いすることもでき、お義母様もお喜びになったことと思います。
 「丹精込めた庭」はお義母様の日ごろのご尽力で、綺麗に整えられていたことと
 思います。そんなお義母様への思いも滲み、良く分かるお歌と思います。
 「調べ」を意識してすこし添削してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★つわぶきや 今年も咲いて
       あるじ待つ
    かの賑わいを 今も思うや



     「咲き初める ホトトギス」

☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
 【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆湘南の幸にあふれるサラダには三浦野菜と潮の香りも 
                         浅間山明鏡止水さん
★プランターの朝採りラディッシュ色を添えサラダの鉢はすぐに空っぽ
(註)湘南のさぞおしゃれなサラダには及びませんが、春先に育てていた可愛い
  ラディッシュは朝のサラダには重宝しました。
                         夕庵さん

☆ナラ枯れの大樹に絡む蔦紅葉 滅びはともに艶やかにして
                         ポエット・M
★ナラ枯れの水楢(みづなら)われを彼の人は枯らさむとしてカシナガのごと
 (註)カシナガ=カシノナガキクイムシ=水楢等を枯らす虫
                         水仙さん
★蔦紅葉装ひながらわたくしは枯れる水楢幹つやめけど
                         水仙さん
★蔦紅葉なんの憾みや石塀に縋りつきつつ這いのぼりゆく 
 (註)石塀やブロックにからんだ蔦は引っ張ってもなかなか取れません。
                         夕庵さん
★蔦紅葉なにを求めて登りゆく 遂げたき想い秘めて燃えるや
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆



     「子安の里 入口付近」

☆微かにも色づき初めし里山の 子安の里に 炭焼く窯も
                         ポエット・M

【解説】
 湘南国際村からほど近い「子安の里」は、今も里山と山村の風景を残している
 数少ない集落です。12月に入ると、薪切り、山だしの作業と続き、2・3月の寒い
 時期に炭を焼くとのことです。落葉樹が色づき始める初秋の季節からハゼや、
 もみじが紅に染まるこれからの季節が「子安の里」の最も美しい、詩情豊かな
 季節と思っています。里の一角には炭焼きの窯もあり、私たちが忘れて来た故郷の
 趣がそこかしこに残っています。そんな里山への想いを詠ってみました。

 

     「子安の里への登り道」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (3)
 
 1.貴女へのレクイエム(3)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    唇を
     レモンの液で
         湿らせて
       貴女(きみ)の命の
            息をうるおす

          唇に
           与うレモンの
               液の香に
             貴女(きみ)は瞳を
               大きく開く

               幾たびも
                 貴女(きみ)は瞳を
                   開きつつ
                  永遠の別れを
                    我に告げ逝く

         たった今
           生きて叫んだ
              貴女(きみ)がはや
            黙して受ける
                死者の扱い

     死者として
       処置さる貴女(きみ)の
              手を取りて
           我は見守る
             一部始終を



     「薔薇 楽園」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しいことであります

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「揺れるコスモス」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
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湘南国際村、子安の里の散策

2022年11月05日 15時32分38秒 | お出かけ
 新型コロナ感染症では、7月から9月にかけピークを迎えた「第7波」で、死者数は
最大1日347人と、過去最多を記録しました。冬にも来ると予測される「第8波」に備え、
これら「第7波」から学び活かすことが、今大切と感じます。

 第7波の大きな特徴。それは「死者数が高止まり」したことで、JNNがまとめた
「全国の死亡者数と重症者数」によると、重症者数は第7波の際、第6波の半分以下で
あったにも関わらず、死者数は、逆に増えていたと言われています。
小康状態にある今から、医療現場の整備と「重症の定義」の見直しも含めて、患者を
見殺しにしない医療体制の強化が必要と感じます。

 11月に入って気持ちの良い秋空が続いていますが、細君の定期検査、ワクチン接種の
手続き等々何かと、気ぜわしい日々を過ごしています。
その合間をぬって気分転換と体力維持を目的に、少しきつめの散策を細君共々行っています。
過日、久し振りに葉山にあります湘南国際村に出かけ、周辺の「子安の里」を散策して
来ました。

 「子安の里」は美智子元皇后様が大好きな場所で、葉山の御用邸に来られると、しばしば
訪ねられていました。湘南国際村の最奥にある無料駐車場に車を入れて散策を兼ねて2km
ほど先にある「子安の里」へ向かいました。

 途中にある、湘南国際村センターは、新型コロナ感染症の感染拡大以来ずっと軽症者、
無症状者の受入施設として提供されている宿泊施設です。
また、湘南国際村の敷地内には総合研究大学院大学、(公財)地球環境戦略研究機関の2つの
研究施設、民間と公共を合わせて16の研修施設等が作られ、国際的視野に立った学術研究、
人材育成、技術交流、文化交流の事業等が展開されているとのことです。

 ここは、プールを備えたホテルもあり、快適なレストランもありコロナ禍前は、私たちも
食事や、喫茶の際によく訪れた施設でした。
 そのまま、坂を下っていくと、最近は会社の研修所や、研修特化型施設「レクトーレ葉山」
等々の施設が新たに建設されているようでした。

また、テニスコートが整備され、ドッグランのあるレストランや、美容室、さらにセレクト
ショップ等おしゃれなお店も新たに誕生し、葉山らしい素敵な景観が整備されつつあるとの
印象を受けました。さらに、歩いて「子安の里」の入り口に向いました。

 以前に訪れた時は里山らしい雰囲気が残り、歩きながら農家さんの軒先で何か所も野菜や
果物を売っていた記憶があるのですが、どうも道を間違えたのかも知れません。登れど登れども
農家さんがなくて不安になってしまい、流石にずっと登り道が続き、途中で先に進む勇気が
なくて戻って来ました。それでも湘南国際村に新しく出来た店、相模湾上に見える富士山、
さらに緑に覆われた里山らしい雰囲気漂う山道等々、葉山の持つもう一つの味のある景観を
十分に味わえました。
子安の里の入り口付近にあった農家さんで野菜や、漬物等を購入して来た道を戻りましたが
さすがに購入した野菜等の荷物もあり、疲労感が半端でなく、細君より私の方がばて気味で
した。特に坂の下りや、階段の登りがきつく感じられました。

 途中のコンビニのフードコートで休憩をとり、お腹もすいたとのことで、コーヒーや
おにぎり等で軽い昼食としました。
ロケーションの良さからか、このフードコートは里山歩きの方と、ドライブ族の食事や、
休憩等々でウイークデーにも関わらず、かなり混雑していました。
この日も歩数10,000歩近くとなり、コロナ禍で引きこもりの中で、よく歩くようになり、
水泳の長距離泳と共に、足はかなり丈夫になったと今更ながら驚いています。
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その59)

2022年11月02日 05時50分38秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その59)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「薔薇 プリンス・ドウ・モナコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】先日秋晴れの下、奈良県の般若寺へコスモスを見に行きました。
    満開のコスモスに本堂も石仏も花に埋もれていました。
☆コスモスのほほと揺れいる古寺の眉美しき石の仏よ
☆コスモスの迷路へ一歩足を入れさ迷うわれは異邦人なり
☆花びらの数だけ苦しいこともあり秋桜けさはほのと揺れいる

                         夕庵

【解説】
 般若寺の境内一帯には、15万本のコスモスが開花し境内に並ぶ石仏を包み込む
 ように咲いているとのこと。この景観は風情があり、正に「花と仏」ですね。
 「眉美しき石の仏よ」「さ迷うわれは異邦人なり」の表現は秀逸と考えます。
 なお、三首目についてコスモスを主体に詠んでみました。
 【ご参考】
  ★コスモスのまとう哀しみ 寄り添いて 慰めいるや石仏の笑み


【詞書】10月21日御代田・ココラデで昼食を、その日は良く晴れていまして、
    愛犬たちと老夫婦が何組か散歩していました。そして浅間山の上空には
    秋の空代表する「いわし雲、うろこ雲、羊雲」等がありました。
    それで短歌を詠みました。
☆いわし雲 空晴れ渡り 次々と 浅間の山に かかりて消える
☆晴れた日に 羊雲たち くっきりと 眺める犬も のどかに遊ぶ
☆のんびりと 愛犬連れの 老夫婦 晴れ渡る空 うろこ雲流る

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 秋空に浮く雲と、すっくと聳える浅間山を眺めながらの「御代田・ココラデ」での
 昼食とは良いですね。今の季節、外の庭園のベンチで頂く昼食も良いでしょうね。
 三首の歌は、そんな状況を反映し雄大で、爽やかな歌に仕上がっていますね。
 一首目の「いわし雲 空晴れ渡り」の「いわし雲」が浮く空は晴れていますので
 「空晴れ渡り」は二重表現となるかと思いますので、少し整理してみましたが…。
 【ご参考】
  ★いわし雲 浅間の山に かかりては 次々消えて 秋も深まり



     「群れ咲く 秋桜」

【詞書】十勝岳の標高1,000m付近に野趣満点の「吹上露天風呂」があります。
    自転車で登りひと風呂浴びるのが至福の楽しみになつています。今年も休み休み
    何とか行けました。
    零餘子という俳人の句碑があり、以前、調べたことがありますが、冬の十勝岳に
    馬橇で登った時の句であることを知り、今年はそのことを考えたりしてペダルを
    踏んでいました。因みに句碑には、以下の通り刻まれていました。
     -鬼欅の中の温泉に来ぬ橇の旅-
☆吹き上げの温泉に建つ句碑ひとつ零餘子という俳人を知る
                         I.SATO(楕円と円)さん

【解説】
 標高1,000m付近にある野趣満点の「吹上露天風呂」は、自転車でそこまで登った
 方への「ご褒美」で、まさに至福のひと時を過ごすことが出来たことと思います。
 そんなワクワク感を抑えて、長谷川零餘子( はせがわ・れいよし)の句碑の存在を
 詠う奥ゆかしさを感じます。また、「句碑ひとつ」の表現が凛と響きます。
 なお、長谷川零餘子は、北海道の俳句界に多大の影響と足跡を残した俳人とのこと。
 俳句の大結社、ホトトギスを離れて、俳誌「枯野」の創刊主宰された経緯は諸説
 ありますが、そこに反骨の想いを感じます。
 創刊後、「枯野」への投句者は北海道から九州、台湾、朝鮮、支那までの広範囲に
 及び、五年間に八千人以上を数え、俳壇での活躍は著しかったとのことですね。
 激しい吹雪の中、馬橇とは言え吹上温泉まで、12時間かけて辿り着く気骨をもった
 方との事で、いわゆる「文弱の…」の印象は無いですね。


☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆どれほどの虫がすだくや夕闇の花野の底に命つなげて 
                         ポエットM
★夕闇に消ゆる花野を見る人の聞こえぬ耳に集く虫の音
                         水仙さん
★突然の訃報に呆と言葉なし軒の下葉の虫も時雨よ
                         夕庵さん
★遥かな日心残して別れるも 訃報に呆と虫時雨止み
                         ポエット・M

☆晴れた日に羊雲たちくっきりと眺める犬ものどかに遊ぶ         
                         浅間山明鏡止水様  
★窓をゆく神の使いの羊雲ふわふわ巻き毛の詩おりてくる      
                         夕庵さん

☆恐れなく 人の命を 軽んじる 罪と思わぬ 我欲の者ら
                         クロママさん
★為政者の犠牲になるは大衆で 罪なき人の怨嗟聞こえる
                         浅間山明鏡止水さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆ナラ枯れの大樹に絡む蔦紅葉 滅びはともに艶やかにして
                         ポエット・M

【解説】
 鬱蒼と茂る森のそこかしこに、ナラ枯れと言われる枯れ木の一群がありました。
 かなりの巨木も、その例にもれず葉を既に枯らしながら、幹は依然として艶を
 帯び、ひと際存在感を放っていました。その幹に絡んだ蔦紅葉が鮮やかな紅に染まり
 滅びを前に終焉の輝きを放っています。滅びゆく巨木と運命を共にするかのように
 絡みゆくその姿に、なぜか共感し人の世の哀しみを重ねて詠んでみました。



     「秋桜の群れ」 

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (2)
 
 1.貴女へのレクイエム(2)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    良を見て
      貴女は微笑む
          永遠の
       微笑のごとく
          貴女はほほ笑む

           助けてと
             叫ぶあなたを
            助くべき
              たった一つの
             術もなき我

               唇の
                次第に乾く
                  貴女を見て
                 急に浮かんだ
                   レモン哀歌よ

         病院を
           脱兎のごとく
              飛び出して
            急ぎ購う
               一つのレモン

     病室に
       ぱっと広がる
          まだ青き
         青きレモンの
            レモンの香り



     「紅に染まりつつある 酔芙蓉」
   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しいことであります

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「白いコスモス」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
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