四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

誕生祝いの旅

2023年04月29日 16時34分12秒 | お出かけ

 四月は細君の誕生月で、しかも節目の年となりました。その祝いをメインに郷里の
墓参をセットし二泊三日の旅行を次男夫婦が計画してくれました。
次男の仕事の関係から週末ではなく、ウイークデーの旅となりましたので、道路も
宿もそれほどの混雑はなく比較的スムーズに過ごすことが出来ました。

     「咲き競う ヤマボウシ」

 細君の故郷である埼玉県熊谷市に我が家の車で向かい、高速道路も比較的順調で
正午近くに熊谷に到着しました。最近開設された「ふかや花園アウトレット」に、
細君の誕生祝いの品を求めて向かってみました。
ここは、アルマーニ、ポロラルフローレン等のブランドを中心に133店舗が出店し、
さらに飲食・食物販店舗が40店舗と、個性豊かな地元グルメが品揃えされていました。
細君の誕生祝として衣料品やバック関連の店を回ってみましたが…、あるブランドの
ワンピースで気に入ったものがあったのですが、予算との兼ね合いで今回はパスし、
別途購入としました。

     「ふかや花園プレミアム・アウトレット」の景観

 今回の旅は、細君の姉夫婦にお会いすることも目的の一つでしたが、義姉のご主人は
手術後の体調も回復され元気な様子にホッとしたところです。その後義姉と共に
熊谷市にある霊園へ墓参に向かいました。

     「霊園の景観」
墓参の後、いつも定宿としているキングアンバサダーホテルのスイートへチェックイン
しました。

   「キングアンバサダーホテル」の部屋(部分)

軽く休憩した後、最近開店され評判の良いとされるレストランに誕生祝いの席を設けました。
ここも次男夫婦がセットしてくれて、店の雰囲気も女性客が七割を占めているとの評判通り、
おしゃれな中にもくつろげる素敵な空間でした。お料理も創作料理を中心に和洋折衷ながら、
地元の野菜をふんだんに使ったもので、味も、内容も口コミ以上のものでした。
ビールとワインで祝いの乾杯の後息子夫婦から細君への誕生日プレゼントがありました。
昨年からその種の祝いは一切要らない旨、息子たちには伝えていましたが、「うちの嫁さん
から是非に・・・」との息子のコメントもあり、細君は恐縮しつつ嬉しそうに受け取りました。
そんな一幕も含めて、お酒は控えめにしながら、ゆったりとした語らいのひと時を持つことが
出来ました。

 翌朝は早めにホテルで朝食を済ませ、一路長野を目指しました。この日は天候も良く新緑に
萌える森と山脈の景観を楽しみつつ、関越高速道路等を疾走しました。運転は次男が比較的
安全運転を心がけてくれました。
佐久平インターで降りた後、イオンモールに寄り墓参に必要なお花等を購入し、アウトレット
で購入できなかった細君の誕生祝いを探しました。たまたま立ち寄ったお店にデイスプレー
されていたワンピースが、一目で気に入ったとのことで即決めました。そのブランドは息子
たちも比較的気に入っているとのことで購入しラッピングして頂きました。

 その後、ブログ友が時々行かれているという「ココラデ 御代田店」へ向かい昼食をとりました。
幾つかのパンを購入し、浅間山の雄大な景色を楽しみつつ、イートインのテラス席で頂きましたが、
細君は「フルーツサンド」が美味しかったと言い、息子のお嫁さんは「いちごデニッシュ」が
美味しかったと言っていました。サービスのコーヒーも中々美味しく、ブログ友の選択眼の
高さに感謝した次第です。

     「ココラデ 御代田店」の全景

 その後、実家に寄り兄夫婦と会話し墓参に向かいました。兄夫婦も昨年から大きな手術を
行いようやく体調が回復してきたとの事でした。顔色も良く、庭の草木も十分に整えられて
いた様子から、日常的な生活は出来ているようで、元気そうにしていることも確認でき
安心しました。

 当日の宿泊は、『シャトレーゼ ガトーキングダム小海』を予約していましたので、
そのチェックインと、「ウェルカムスイーツビュッフェ」に間に合うようにと、墓参の後
即向かいました。

     シャトレーゼ ガトーキングダム小海」全景 ネットより借用しました。

このホテルは 標高1,450mの高原に位置する「天空のリゾート」と言われている所です。
「ウェルカムスイーツビュッフェ」は各種のスイーツとコーヒー、紅茶、ソフトドリンク
等が豊富に用意され、ゆったりとしたレストランで、芽吹き始めた白樺林を眺め、
くつろぎながら楽しく美味しいひと時を過ごすことが出来ました。

 夕食前のひと時を、天然温泉の露天風呂で過ごすこともできました。生憎このころから
雨模様となり露天風呂も雨降りでしたが、それはそれで楽しむことが出来ました。
夕食は生ビールで乾杯の後、バイキング方式の料理と、シャトレーゼ直営のスイーツも
豊富で女性陣には嬉しいメニューと感じました。料理は和食も、洋食も素材を十分吟味した
後が感じられ「信州サーモン」等をはじめ、地元の上質な食材が豊富に用いられていました。
ホテルの料理長の技と、意気の感じられる美味しい料理を十分堪能することが出来ました。

     シャトレーゼ ガトーキングダム小海 レストラン

 翌朝は、朝一で露天プロに向かいましたが、雨がかなり降ってきて、文字通り雨に叩かれ
ながらの土砂降りの風呂浴びでした。
予報ではかなりの降雨との事でしたので、山梨県の観光は予定を変更し「清里」のみと
しました。そこは、かつて訪れた時の高揚感に満ちた「高原のリゾート地」とのイメージは
なく閉鎖されたお店も多く、かなりの「ゴースト化」が進んでいるとの印象でした。
「清泉寮ファームショップ」で、寒いながらも名物のソフトクリームを頂きながら、
いくつかのお土産を求めて、帰路につきました。

     濃霧に包まれる「清泉寮ファームショップ前の景観」

誕生祝を兼ねた今回の旅は格別なものと改めて感ずるとともに、企画し実行してくれた
息子夫婦に感謝した次第です。また、久しぶりに会う家族の元気な様子も確認でき、
故郷の良さと、高原の景観と温泉ホテルの良さを改めて感じる良い旅になったと、
しみじみと思っています。

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その81)

2023年04月28日 05時21分00秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その81)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 今回の掲載日シフトにご協力を賜り感謝申し上げます。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める シラン」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】拙者ブログに葛飾北斎の「富獄36景」を掲載しています。現在と当時の風景が
   余りにも違い驚きながら楽しんで詠んでいます。ご指導願います。
 註)「隠田水車」東京都渋谷区神宮前
☆富士が眺める原宿は 水車が回る庶民の暮らし
 註)「礫川雪ノ且」(こいしかわゆきのあした)東京都文京区春日二丁目・北野神社
☆礫川辺り一面雪化粧 指さす空に富士の冠雪
 註)「御厩河岸両国橋夕陽見」(おんまやがしりょうごくばしのせきようをみる)
   東京都墨田区本所一丁目
☆藍色が描く世界は濃淡で 北斎ブルーは庶民を虜
 参照
 https://media.thisisgallery.com/20208048
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 葛飾北斎が生き、「富獄36景」を描いたころの景観には隔世の感がありますね。
 一首目の、「隠田水車」にしても、原宿周辺は、当時田園地帯が多かったため、水車の
 ある風景が当たり前に広がっていたことと思います。北斎の絵には、水車とたくましく
 働く
農民の姿が描かれ、さらに遠くに聳える富士山の静寂が、農民たちの動きを引き
 立てて
いると感じます。そんな情景が歌にも上手く表現されていると考えます。
 なお、一首目をこんな視点で詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★江戸の御代(みよ)水車回りし原宿で 富士眺めつつ民は働く

【詞書】南朝は、歴史からはかなくなくなってしまったが、仏教の祈りは消えずに
   残るものだなあ。
☆南朝の桜は散ってしまえども
    残る吉野の蔵王の祈り
                         西BOOさん
【解説】
 はじめまして。「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。
 後醍醐天皇は吉野に朝廷を開き、この「南朝」と京都の「北朝」による南北朝の時代が
 はじまりますが、後醍醐天皇は、吉野に入ってわずか3年で亡くなってしまいますね。
 おっしゃるように、この時代は騒乱に明け暮れた哀しい歴史ばかりが目につきますが、
 「祈りは消えず」に残ったものと思います。
 こんな歴史を踏まえると、「南朝の桜」と「蔵王の祈り」の対句の深淵さを感じます。
 なお、歴史書によると、南北朝統一まで57年、その後さらに「後南朝」が65年と
 吉野での南朝の歴史は結構長く続いたようですね。
 これからも、出詠等含めて、お付き合いのほど、よろしくお願いいたします。

【詞書】山崎方代の歌集を読んで
    こんなにも湯飲み茶碗はあたたかくしどろもどろに吾はおるなり 山崎方代
   私は思案ごとをしながら湯飲みの中のお茶を眺めています。方代さんの歌集の
   ぬくもりと、まるで私の横に方代さんが笑っているような感じがしたのです。
☆思案一つ湯飲みのなかにかき混ぜて春のテラスに「方代」と居る
☆満開の桜の雨の神隠しひとりの姉が逝ってしまいぬ
☆気がつけばいつから座っていたのやら春寒の夜の籐椅子ぬくし
                         夕庵さん                                                                   
【解説】
 「放浪の歌人」と言われた山崎方代は、吉野秀雄に「弟子」として可愛がられた歌人
 でしたが、今でも俳人「山頭火」と並んで人気のある方ですね。
 この歌で、湯呑茶碗を出したのは恋人とも母ともとれますが、お茶から立ち上る
 かすかな湯気も感じられる、限りなく優しい光景が
展開されていますね。
 一首目の歌には、そんな優しさが溢れる「方代」が覗きますし、「思案」もそれほど
 深刻なものではないと拝察いたしました。
 二首目は「神隠し」の不条理を詠いながら姉上様への哀惜の念が強く滲んでいます。

 三首目は、時間の経過を上手く掬い取り、物語性のある素敵な歌に仕上がっています。

【詞書】先日、京都へ行き、嵯峨野の竹林の清々しい風を楽しみました。すると前から、
   外国人の乗る人力車が三台やってきて、車夫の若者や乗客の外国人の笑顔に、
   見ている私達も楽しくなりました。
   三台目に可愛い笑顔の姉妹が乗っていて、日本の素晴らしさをいっぱい思い出に
   して欲しいなと思いました。
☆竹林の風渡りくる人力車 異国の子らの笑顔弾けて
                         みっちっちさん
【解説】
 嵯峨野の「竹林の小径」は、緑あふれる今の季節、観光客の方で賑わっている
 ことと
思います。
 子供達は大人とは異なり全身で、その喜びをあらわしますので、結句に詠まれて
 いるように「笑顔弾けて」の状態と思います。「弾けて」の表現が利いています。
 竹林の溢れるような緑に染まり、初めて経験されたであろう人力車の乗り心地の
 良さも含めて、日本での楽しい思い出が、彼女たちの脳裏に刻まれていくことを
 願い
たいですね。そんな願いや、祈りが、国と国のつながりの基本であることを、
 静かに
表現している良い歌と考えます。

     「白ツツジ」

【詞書】春風散歩 モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 
    KV299を聴いて

☆花がさいている
  鳥がないている
 風がとおくまでひゅるりふいてるよ
                         自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 北島三郎、千昌夫の与作を思いました。モーツアルトを聴きながら思う自体変ですが。
 与作の歌詞は、
 与作は木を切る。木霊は返るよ。女房は機を織る。気立ての良い嫁だよ。もう日が暮れる。
 女房が呼んでいる。藁葺き屋根には星屑が降るよ。女房は藁を打つ。働き者だよ。もう夜が
 明ける。だけです。何でもない古い山里の樵の風景ですね。機織りも今では民芸館でしか
 展示されていません。でもこれが、北島三郎だけで60万枚もレコードを売りました。
 と言う事で、モーツアルトの曲を聴いて、ただの春の情景をそのまま思って作りました。
 モーツァルトを下記URLに貼り付けていますので、春の散歩を感じて頂ければ幸いです😉
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/20231953c80cbb27238f8e09bd9137e7
【解説】
 モーツァルトと、北島三郎「与作」のコラボレーションで歌を詠む試みは、
 作者ならではのものと
感じます。
 しかし、ぴったりとマッチして上質な歌に仕上がっている所が凄いと感じます。

 モーツァルトの「フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 KV299」を視聴
 させて頂きました。

 フルートとハープの絶妙なバランス、そして、その絡みと戯れ、さらに抑制された
 媚態とが
混然一体となって響いてきます。正に「神の降臨」を思わせる曲は、
 モーツァルト故と感じます。

 「与作」は北島三郎の歌によりヒットし千昌夫も、もち歌としていますが、厳しい
 山里の
労働を歌いながら、互いを思いやる夫婦の明るさが溢れていると感じます。
 そんな明るさと
慈しみに私たちは共感しつつ、さらに、モーツァルトの曲に宿る
 「神」の存在をも違和感なく受け
入れていくのではないかと思っています。
 心に響く素敵な曲は時空を、そして民族をも越えて響くものと改めて感じさせて
 くれます。
それを「春風散歩」の歌で掬い取り、自由律ながら、心地よい調べを
 織り込み短歌に
表現する作者の「技」も学ばせて頂きました。

【詞書】今年の花状況ははやいかな?と思いつつもいつもの時期を待ってしまいます。
   『ツツジ園』を楽しんで来ました🎵
   相変わらずいまいちの句(?)ですが、それも楽しんで投稿させて頂いてます。
☆ひと山を ツツジの色に
  埋め尽くし 明日(あす)は
    散りゆく 一時の夢
☆山覆う つつじの郷の
  鮮やかさ
    風に散るゆく 潔ぎ良さかな
                         クロママさん
【解説】
 謙遜されて「いまいち」とおっしゃっていますが、決してそうではありませんよ。
 「それも楽しんで」が、なにより大切と私も思います。
 今の時期『ツツジ園』は、鮮やかに咲くツツジに埋め尽くされていると思いますが、
 想像する
だけで、その見事さが目に浮かびます。
 その見事さも雨に叩かれ散りゆく定めにありますが、それでも精一杯咲いて私たち
 を
楽しませてくれますね。
 そんな情景を愛情をこめて詠んで頂いた二首の歌は、私たちの心を打ちます。
 一首目の語句を少し変えてみましたが、いかがでしょうか。「一炊の夢」は
 中国の故事「枕中記」
からとりました。
【ご参考】
 ★ひと山を ツツジの色に染め上げて
     明日(あす)は散りゆく 一炊の夢

     「咲き競う ツツジ」

【詞書】やっとオープンです。やっと「淀の3200メートル」春の天皇賞が京都競馬場で
    行われます!
また色々なドラマが繰り広げられることでしょう。わくわくします!
   (最近馬券は買わずに
テレビで見るだけなんですが)
☆待ちわびた 京都競馬場リニューアル 再び淀の夢紡がれる
【詞書】4月23日の午前2時過ぎに、あっ、忘れてたー!と外へ出て、しばらく見ていたん
   ですが、
なんか一瞬、金星くらい明るくピカッと光って消えたのがあったんです。
   たぶん流れ星
やったんやろなあ…。あとしばらく見てましたがだめでした。
   とは言え、少し早めの「夏の大三角形」を堪能しました。「こと座流星群」は23日の
   午前1時ごろが極大だったんですが、もう少し見えるかと思ったんですが…
   甘かったです…。
珍しく雨も降らず曇りでもなく、条件はよかったんですが…。
   なんか3月に逆戻りしたような寒さですね。皆さま体調には気をつけて…。
☆夜も更けて2時過ぎの空とにらめっこ 「一瞬、ピカリ」がたぶん流星
                         ちがやねこさん
【解説】
 少し早めに星空のロマン「夏の大三角形」を堪能されたとのこと。努力の甲斐があり
 夢が叶いましたね。

 眠気に打ち勝ち、星空をワクワクしながら見つめる、作者の少年のような眼差しを
 思い浮かべ、
私まで嬉しくなります。

 そんなワクワク感が滲む二首目は、宇宙に詳しい作者、ならではの詠歌と思います。
 たとえ一瞬で
あっても「こと座流星群」と確信されされている所が秀逸と考えます。

 なお、一首目の「淀の夢紡がれる」の表現も良く利いて、歌を締めています。

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆思案一つ湯飲みのなかにかき混ぜて春のテラスに「方代」と居る
                         夕庵さん
★生き放題死に放題てふ方代と居たるあなたの心の温し
                         みっちっちさん
★事件・事故のニュースを聞けば背な寒し明日の命はそうケセラ・セラ
                         夕庵さん
★世は無情なれど逝きたる父母よ 我が現身(うつしみ)にその檄聞こゆ
                         みっちっちさん

☆満開の桜の雨の神隠しひとりの姉が逝ってしまいぬ
                         夕庵さん
★花散らす雨は落涙 しめやかに逝きたる人を偲ぶ涙ぞ
                         みっちっちさん
★幼子は大声上げて泣き叫ぶ うらやましいなあんなに泣けて
                         夕庵さん
★声あげて紋白蝶を追ふややの土踏まずなき初めの一歩
                         みっちっちさん
★ユーチューブ飽きもせず見る三歳児 ウルトラマンは君のヒーロー
                         夕庵さん

☆なりふりを構わず咲くや薔薇・さつき五月をまたず路地をうめゆく
                         ポエット・M
★颯と咲く花に浮かるる浮世さへ君逝きたれば花ぞなかりき
                         みっちっちさん
★残されし吾の奢りか寂しさは 君逝く卯月花溢るるも
                         ポエット・M
★君逝くも道の小花の青さやか 我が道ひとつしかと歩かむ
                         みっちっちさん

☆なりふりを構わず咲くや薔薇・さつき五月を待たず路地をうめゆく
                         ポエット・M
★咲き急ぎ散りゆく際の不条理においとけぼりの夜の春愁
                         夕庵さん
★春愁を秘めて見上げる夕空に ひとひらこぼし散る花水木
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆葉桜になりたる並木を風ぬけて 一年生の かばん駆けゆく
                         ポエット・M
【解説】
 桜並木の桜吹雪も終わり、既に葉桜の季節を迎えています。一年生もようやく学校に
 慣れ、
元気に通学する姿は見ていて微笑ましいものです。そんな一年生たちが友達同士
 で駆けて
いる姿は、正にかばんが駆けているかの錯覚に囚われます。そんな様子を
 詠んでみましたが、
「ただごと歌」の感が否めません。
 体よりも大きく見えるかばんは、かなり軽量化も進んでいるとは言え、さぞかし重い
 のではと
感じてしまいますが、彼らのはつらつとした横顔が救いでもあります。


      「西洋シャクナゲ」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (24)
  
7.折々の歌(3)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   繊細で
     憂鬱と
       我が歌を
      テレビで評す
        歌人の教授

       確かなる 
         詠い方だと
            我が歌を
              評し給いし
                短歌研究博士

              「に」は止めて
                  「、」でいこうよ
                      長嶋さん
                       「巨人軍は永久、
                          不滅です」。と
         子を抱く
           君の瞳の
             愛(かな)しさよ
                 聖母マリアも
                   かくやとばかり

      子を見つむ
        君の瞳の
          愛(かな)しさよ
              慈母観音も
                かくやとばかり


     「咲き初める なにわ茨」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
 【チョウキチさんからの質問】
   海ならずたたへる水の底までに淸きこころは月ぞ照らさむ  菅原道真

  初歩的質問ですが、この「海ならず」はどう解釈すべきでしょうか。月と
  どういう関係性を
持たせているのでしょうか。
 【ポエット・M】第一次回答をさせて頂きます。
  先ず、「海ならず」は 「海よりもさらに深い水」、
     「月ぞ照らさむ」は 「水が清ければ水底まで月の光がとどく」と解釈
  しました。
これらを前提に、この歌の意訳をさせて頂きますと、
   「海よりもさらに深い水を湛える水底にも、水が清ければ月が照らすように、
     
いつか無実の罪が晴れ、私の澄んだ心を光が照らしてくれるだろう」
  となります。
  故なき罪で大宰府へ流される菅原道真公が、大宰府へ赴く前に詠ったと言われる
  詠歌です。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
   字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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次代を託す

2023年04月22日 19時31分48秒 | ボランティア

 以前に、このブログでも少し触れましたが、地域の公立中学校の今年度、第一回
「学校運営協議会」が昨日開催され、参加して参りました。

この会は「学校と保護者や地域の皆さんがともに知恵を出し合い、学校運営に意見を
反映させることで、一緒に協働しながら子供たちの豊かな成長を支える」ものですが、
自治体の教育委員会の指導のもとに、昨年4月から始まり、二年目となりました。

 20年近く前、地域の教育力の低下が叫ばれる中、赴任された校長先生の呼びかけで、
当時のPTA会長や、町内会長、教育ボランティア関係等々の方々が中心となり、
「教育力推進協議会」が創設されました。この会の立ち上げ時のメンバーの一人として
関わってきましたが、先生方のご尽力も頂き、この会を発展的に「学校運営協議会」に
統合することになりました。

 この20年近い歳月の中では、時にはやんちゃな生徒も出て、学校もいくつかの波を
経験しました。しかし、
この会を定期的に開催し、学校と地域とが情報共有を図りつつ
生徒を中心に据え、先生方と保護者
さらには地域の方々が知恵を出し合い、時には
パトロール等々共同行動で問題解決を図ってきました。

 さらに、この会が中心となり、地域の有識者に講師として参画して頂き「ふれあい教室」
を開催し、「能」「茶道」「合気道」「コンピュータ入門」等々を始め、多いときは
20数講座を開催してきました。
 私も当初から「コンピュータ入門」等の講師を担わせて頂きながら、地域の方々の
潜在的なパワーの凄さを改めて感じてきました。
これら「ふれあい教室」は、中学生を中心としながらも、小学生、さらには地域の方々
にも門戸を開放し、地域での「智の交流」「情報発信」等にも、少なからず貢献
できたと考えています。

     「咲き競う 西洋シャクナゲ」

 「学校運営協議会」が今後どういう方向に進んでいくのかは、楽しみな部分が
あります。地域と学校が、お互いに信頼し合いながら、地域の次代を託す子供たちの
育成をいかに支援し、実践していくのかの基本は変わらないと考えています。

ボランティアの一人として、若いメンバーと連携しバトンタッチも図りつつ、
元気な
うちは、微力ながら関わって行けたらと考えています。        了

【お知らせ!!】
 4月24日(月)~4月26日(水)まで「コメントの返信」は、申し訳ありませんが
 控えさせて頂きますので、宜しくお願い致します。

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その80)

2023年04月19日 05時46分28秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その80)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 4月26日(水)掲載分を、都合により4月28日(金)に変更させて
     頂きたくお願い申し上げます。勝手な変更で申し訳ありません。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 西洋シャクナゲ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年4月4日上田城址公園桜祭りに行って来ました。ここは天守閣がないので
   濠と桜と石垣の景色に尽きるのですが、内濠に咲いている桜の花が満開、
   そして濠にひらひらと舞い落ちた花びら・花筏が圧巻でした。
   そして上田城址公園の「濠・桜・花筏」を詠んでみました。
☆内濠の水面に映る桜花 花筏組んだ姿はかなし
☆ひらひらと舞い落ちるさま美しく 桜の景色極上のごとし
☆圧巻は花筏こそ日本的 大和の国のわびさびあらわす
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 上田城址公園は、前にも書きましたが私の高校時代の通学の地でもあり、懐かしい
 場所でもあります。濠に沿う桜が満開で、しかも散り時とは風情がありますね。
 詞書にもありますように「濠と桜と石垣」に尽きる城址でもありますが、歴史の中で
 乱舞するつわもの達をはじめ、諸々思いめぐらすには適した景勝の地でもありますね。
 三首とも、上田城址公園の特徴をよく捉え、堀一面に展開される「花筏」に焦点を
 当て味わいのある歌に仕上げていると考えます。
 一首目と三首目を、この城の歴史を踏まえ視点を変えて詠んでみましたが・・・。
【ご参考】
 ★徳川をうちて破りし歴史をも 秘めて静もる濠の花筏

☆一本桜 産卵のごと散らしたり幼はピンクに溶けて駆けゆく
☆二つ三つ濡れた花びらつけたまま春の嵐の傘をたたみぬ
☆風ぬるきたそがれ時の妖しさに写す池面の花のひと枝
                         夕庵さん
【解説】
 一首、二首目とも、情景を良くとらえ、「産卵のごと」「春の嵐の傘」の表現が
 新鮮で、桜の散り際を情趣深く詠っています。このような視点は見習いたいと
 思います。

 三首目は、春の「たそがれ時の妖しさ」を「風ぬるき」の初句で導き、夕映えに
 浮かぶ
桜の一枝が池面に写る様子を詩情豊かに詠っています。

 「花のひと枝」と写生で締めた結句も含めて、見事な詠いぶりと考えます。

【詞書】私が幼少だった頃の母との想い出は、何か春のぼんやりした、夢かうつつか
    判別が
つかないような、でも断片的に春に須磨の浜辺で綺麗な貝殻を優しい
   母と探した
事とかが確かにあったのだと思い出します。

☆亡き母と春の浜辺に虹色の貝殻いくつ拾ひたりしか
                         みっちっちさん
【解説】
 須磨海岸は未だ砂浜も、海もきれいな状態が維持されているでしょうが、私も
 かつて出張先で徹夜続きのシステム開発の合間に、この浜辺へ気分転換を兼ねて
 訪れたことがありました。源氏物語を彷彿させる素敵な浜辺との印象があります。
 さくら貝や虹色の貝も探せば豊富にあったことでしょうが、お母様と一緒に探し
 ほほ笑みあった記憶はなにものにも代え難い、懐かしい思い出の一齣と思います。
 そんな想いが込められた、今は亡き、お母様との楽しい思い出を詠んだ歌は
 しみじみとして、胸を打ちます。

【詞書】クラムボンはわらったよ 亜麻色の髪の乙女を聴いて
☆月の夜
 川底の織り成す光の綾
 蟹達と共に眠る
                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】
 本説 宮沢賢治 やまなし
  「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。」
 本歌 新古今和歌集 巻第十八 菅原道真
  海ならずたたへる水の底までに淸きこころは月ぞ照らさむ
 詩人や歌人、作詞家は、新たな詞を発明して発表してきました。宮沢賢治の
 クラムボンは、
それは何?と誰も知りませんが、誰もがクラムボンを知っていて、
 童話の中で繰り返し出てきて、
幻燈の世界を醸し出しています。
 ドビッシーは、とても幻想的な曲が多く、川底の揺らめく光のイメージから。
 下記urlに亜麻色の髪の乙女を貼り付けていますので幻想的な曲をお聴きください。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/772ea85d0e6c80f90cb5317d760678e3/?st=1

【投稿外コメント】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
  電信隊浄水池女子大学刑務所射撃場塹壕赤羽の鉄橋隅田川品川湾
 この短歌を見て、皆様の感想はたぶん「なんだ?これは!短歌じゃない‼️💢😠💢」
 では
無いでしょうか?地名漢字を並べただけのものでしょう。
 この短歌の作者が、斎藤茂吉(第七歌集たかはら 虚空小吟 昭和4年)と言ったら、
 たぶんみんな沈黙してしまうでしょう?誰も斎藤茂吉を批判出来ないから。
 茂吉が初めて飛行機で帝都東京を一周した時のものだそうです😉
 見たままを、臨場感そのままの詞で表現しています。こんな短歌が作れたらなあ😅と
 言う事で、
皆様に紹介します。こんな短歌は、新古今にも、
  うち湿りあやめぞ薫るほととぎす鳴くや五月の雨の夕暮(後京極摂政前太政大臣)
 があります。
【解説】
 「クラムボン」は、宮沢賢治の自然観や人間観を象徴する存在とも言われていますね。
 この歌の「やまなし」では、「クラムボンは水に映った太陽」との説もあります。
 また、
童話集『注文の多い料理店』に収録されている作品では、少年のジョバンニと、
 クラムという名前の犬と共に様々な冒険を繰り広げる物語もあります。
 この「クラムボン」と、ドビッシーの幻想的な曲「亜麻色の髪の乙女」、さらに
 菅原道真の
歌の「月ぞ照らさむ」を、「幻想的」というキーワードで繋げた、壮大な
 物語を一首の歌に
凝縮して詠みきる手並みに、今回も感動させて頂きました。

 また、斎藤茂吉が「飛行機で帝都東京を一周した時」の歌。写生のみに徹した歌を
 紹介
頂きありがとうございました。まさに「写生極まれり」ですね。大きな示唆を
 頂きました。

     「なにわ茨」

【詞書】主人が何と30年ぶりに学生時代の友人と出会い、たいそう楽しかった
   ようで、珍しく高揚
していました🎵それを見ていて、何年経っても、
   若き青春は「今、ここにある❗❗」と〜

☆懐かしき 友に出会うも 
  30年 口調は同じ 俺とお前と
☆雲海の 山に抱かれ 雨上がり
  桜散る路 クロと朝ン歩
                         クロママさん

【解説】
 一首目のお歌。ご主人が30年ぶりに学友にお会いになり、楽しく、懐かしい
 ひと時を
過ごされ珍しく高揚されていたとのこと。その高揚を我が事として喜べる
 お二人の様子が
歌に滲み、微笑ましく感じます。
 会った瞬間に時空を超えて「俺とお前」になれる関係性も
大切にしたいですね。
 ご主人と作者の深い絆も覗く良い歌と思います。

 二首目は調べの良い歌ですが語順を少し整理してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★雲海のたなびく里に散る桜
     踏みつつクロと 朝の散歩に

【詞書】今朝、みっちっちさんのブログで葵祭という言葉を拝見して、私の初めての
    デートが葵祭であったことを思い出して、その後の三千院のデート、
    南禅寺のデートも思い出して詠んでみました。
☆鴨川の土手で行列見た記憶よみがえりきて初デートの日
☆誘はれて三千院の寂しさの中を並んで歩きし記憶
☆湯豆腐を高いと言ひつつ食べしこと思ひだしたり南禅寺にて
                         suisenさん
【解説】
 初デートの思い出は、一生の思い出として印象深く脳裏に刻まれていることと
 思います。初デートの歌としてすぐに思い出されるのは、栗木京子さんが20歳の
 ときに詠んだとされる次の歌があります。
  「観覧車回れよ回れ想ひ出は君には一日我には一生」
 青春の真っただ中に詠んだ歌と、思い出に刻まれた想いを詠むとの違いは
 ありますが、三首とも、ほのぼのとした温かな想いにさせられます。
 特に二首目の「三千院」は、「一念三千」という教えから、心のわずかな働き
 (一念)の中に、ご主人となられた方のあらゆる想い(三千)が詰まっていた
 ことを、問わず語りで伝えられたのではないでしょうか。そんな深淵な想いも
 感じられる歌になっています。

【詞書】4月16日の京都宇治の私が住んでいるあたりは、降ったり止んだり、降って
   いるのに
日が差したりで、わけの判らん天気でした。思わず「何匹狐が結婚式
   あげとんねん」と
ぼやいてしまいました…。
☆日曜日 照るや降るやがせわしなく 何組あったの?狐の婚礼
【詞書】凄いレースでした。4月16日の皐月賞です。キタサンブラックの子の
   ソールオリエンス
という馬が勝ったんですが、ゴール手前に、あれよあれよと
   三番手ぐらいに来て、
結果一着でゴール!何というえげつない足!なんちゅう
   レースや…!。
これで彼は18頭中ただ一頭が得られる「三冠達成の権利」を
   勝ち取ったわけです。

☆放たれた矢のようゴールの手前から皐月賞勝つ流星の足
【詞書】なんか凄かったですね。テレビで国際宇宙ステーションからみた、黄砂
   まみれの日本海
の様子は。まだもう少し来るらしいとか…。…うへえ…。
☆宇宙(そら)に居るISSから日本海
       黄色く見える黄砂に染まりて
                         ちがねやねこさん
【解説】
 一首目、この時期は気象も安定せず「狐の嫁入り」と言う、天気雨が多いですね。
 京都は盆地特有の上昇気流もありますし、この現象が発生しやすいのかも知れませんが、
 ユーモアの利いた分かりやすい歌になっていると考えます。
 二首目は、皐月賞を勝ち取ったソールオリエンスが、3連勝で第一冠を制した様子を
 興奮気味に詠んで頂き、臨場感に満ちた歌になっています。この分野は疎いですが、良い
 学びになります。
 三首目は作者の得意分野を歌にされていて新鮮です。ISSからみる日本海は黄砂まみれで
 「黄砂に染まりて」の状態であったことと思います。


      「ジャーマンアイリス」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆春霞花筏にも喜びが 清しと集う水面の春も
                         浅間山明鏡止水さん
★花筏ながれて何処まで行くのやら朽ちて消えゆく無念の情も
                         夕庵さん

☆亡き母と春の浜辺に虹色の貝殻いくつ拾ひたりしか     
                         みっちっちさん
★少年は小さな冒険企てて海に向いて叫んでおりぬ
                         夕庵さん
★少年は貝殻あまたポケットに夢も希望も詰め歩かんと
                         みっちっちさん
★去る人は日々に疎しと言うなかれ 右のポケット開けて待ってる
                         夕庵さん
★ポケットの多き上着で春の街歩けばいよよ楽しきことも
                         みっちっちさん

☆花筏ながれて何処まで行くのやら朽ちて消えゆく無念の情も
                         夕庵さん
【詞書】お城におられた、この上の姫君達も、桜を愛でられたのでしょうか。
   内濠の花筏には、どんな思いを持って愛でられたのかと思いを巡らせました。
★内濠の隅にただよふ花筏 このかみの姫愛でしや否や
                         みっちっちさん
★いにしえの姫の夢さえ散り果てて花筏によす恋の泡沫
                         夕庵さん
★白川をゆたにたゆたに花筏 舞妓の恋のたゆたふやうに
                         みっちっちさん

☆これほどの花もちたるか花吹雪 虚空と大地おおいなお舞う
                         ポエット・M
★子の名前忘れた母の手を引いて桜吹雪の路を歩みき
                         夕庵さん
★花吹雪見つめ笑みたる人の群れ 母のほほ笑み淡く顕(た)ちたる
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆なりふりを構わず咲くや薔薇・さつき 五月をまたず路地をうめゆく
                         ポエット・M
【解説】
 観測史上最速タイで咲いた桜・染井吉野を始め、あまたの花が例年より10日以上
 早く咲き
競っています。それらは花々が「なりふりを構わず」咲いているかに
 見えます。温暖化の影響と
見ることもできますが、咲き急ぐ花たちの様子に
 梅原猛氏がかつて語った「混沌」の象徴的な
事象にも思えてきました。きな臭い
 世情に花たちも敏感に反応しているのかも知れませんが…。

 そんな世情でも、どっしり構え世の趨勢を、冷静に見つめていくことの大切さを
 改めて感じています。
そんな想いを感じ、花の美しさに見惚れつつも、浮かれない
 想いを込めて詠ってみました。


     「咲き競う つつじ」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (23)
  
7.折々の歌(2)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   男あり
    独り夜半の
       台所
      注ぐワインの
         音にて泣けり

        男あり
          闇夜に起きて
              魂の
             なきがらかくや
               ワインを飲めり

                帰らざる
                  河の流れに
                     泪橋
                    忍び来て泣く
                       空蝉女
         忍び来て
           胡弓の甘さ
              哀しさに
             おわらまぼろし
                 風の盆うた

      野良猫を
        自由猫だと
           愛おしむ
          「夢千代日記」の
              早坂先生


     「咲き初める ひらどつつじ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】
 自閑(jikan314)さんにご紹介頂いた桜に関する歌です。学びの一環として掲載致します。

  世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平 伊勢物語、古今)
  花にあかぬ嘆きはいつもせしかども今日のこよひに似る時はなし(同 同、新古今)
 京都で、この歌に合う所はどこかな?と探し、東山円山公園の桜がライトアップ
 していたので、見に行きました。
  もろともにあはれと思へ山桜花より外に知る人もなし(行尊 金葉)
 吉野の奥千本に行った帰り、宮滝に行けると言う誰もいない山道を降りると、一本の
 桜が咲いていて、ふと口に出ました。
  山里の春の夕ぐれ來て見ればいりあひのかねに花ぞ散りける(能因 新古今)
 印象派の絵画の様に感じます。合うかと滋賀の園城寺に行きましたが、大寺院で
 ちょっと違い過ぎました。
  さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪(九条良経 新古今)
 後鳥羽院口伝によれば、良経は、この歌が自信作とのこと。大内の左近の桜の花見です。
  八重にほふ軒端の櫻うつろひぬ風よりさきに訪ふ人もがな(式子内親王 新古今)
 式子内親王は、大炊御門殿、今の京都裁判所と小学校辺りに住んでおり、隣に住む
 甥の惟明親王を花見に誘った歌です。京都裁判所の桜は、ソメイヨシノよりやや遅れる
 ので、京都御苑が散っていたら、見に行っては?
  桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞふりける(拾遺集 紀貫之)
 貫之と聞くと嫌悪を抱く方もいますが、花びらを空に知られぬ雪と表現した所が秀逸。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
   字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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観音崎散策

2023年04月16日 11時35分07秒 | 日々の歩み

 年度初め、地域のボランティア関連の対応、同窓会関連のホームページ作成・更新等々、リタイヤ後も何かと気ぜわしい4月です。そんな合間を縫って咲く花に誘われ、遊歩道や、観音崎公園に細君共々散策に出かけてきました。

 遊歩道には八重桜、花桃、シャガ、つつじ、花水木等々春の第三楽章を彩る花が咲き競い、観音崎公園も、すっかり緑に覆われた公園の花の広場にポピー、ネモヒラ、つつじ等々が咲き誇っています。

     「花咲く 遊歩道」


     「咲き競う 花水木」

 観音崎にある何本かある散策道の中で、比較的なだらかな道を選んで丘陵の上まで登りました。丘陵の頂上に広がる草原を少しピッチを上げ散策し、花のスケッチ等も行ってきました。出会う方々と挨拶を交わしながら、既に花芽を付けている山百合の情報交換等も行いました。

     「観音崎 花の広場入口のオブジェ」

 ここは、植栽のボランティアさんが、山百合を森の方々に植え、既に50cmほどに育っており6月頃の開花と言う楽しみが増えました。なお、昨年出会ったボランティアさんから、この山百合の球根を何個か頂き、団地の花畑に植えさせて頂きましたが、こちらは未だ芽が出ていません。気長に待ちたいと思っています。

     「ネモヒラ」

 丘陵から海辺へ降りて、観音崎灯台を眺めつつ、周回道路の散策を行いシップウォッチングを行いました。巨大な望遠レンズを搭載したカメラマンたちが、房総半島から飛翔するオスプレイや、浦賀水道を航行する護衛艦、船舶等を撮影していました。私の機材ではこれらの撮影は無理ですので眺めるのみにしました。彼らの説明では、最近は艦船の往来が盛んになっているとのことでした。

     「観音崎灯台」

 また、大潮で海水の退いた磯には、いつものアオサギが哲学者のような風情を湛えて海を見つめていましたので、何枚かデジイチスケッチを致しました。海を見つめ微動だにしないその鳥の風情には、侵しがたい風格を感じました。年のみを重ね未だ揺れ動く己に、恥じる想いを抱いた瞬間です。


     「アオサギ」

コメント (4)
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「口語短歌・水曜サロンの会」(その79)

2023年04月12日 05時11分36秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その79)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 4月26日(水)掲載分を、都合により4月28日(金)に変更させて
     頂きたくお願い申し上げます。勝手な変更で申し訳ありません。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 八重桜・白」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】2023年4月3日桜満開の松本城に行って来ました。前日の土・日曜日を
   避けた
おかげで観光客は比較的少なく気分よくお花見をすることが
   出来ました。
今回は快晴と言うこともあって「松本城」「桜」そして
   北アルプス常念岳・槍ケ岳等が
はっきりと見ることが出来ました。
   感激のあまり短歌を詠んでみました。

☆つわものの威信をかけた名城は 桜を愛でる陽春の輝き
☆花冷えの冠雪抱く常念岳 天守より眺める春の訪れ
☆春霞花筏にも喜びが 清しと集う水面の春も
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 桜満開の松本城と聞いただけでワクワクします。ましてその天守閣から見る
 北アルプスの
景観は何度見ても見飽きることはありませんね。なお、この
 お城は日本に5つある国宝城郭の
ひとつで、500年近い歴史をもつ現存する
 五重六階の城の中では日本最古とのこと。

 三首の歌には、お城と、それを囲む桜、さらにはアルプスの景観に対する
 作者のワクワク感と
感動がそのまま表現され共感します。短歌は、このような
 感動を詠むのに最適な表現手段とも感じます。

 一首目の歌につき、6家23人の城主が就いたと言われる城の歴史を織り込み、
 かつて「深志城」と呼ばれた史実も踏まえ詠んでみましたが…。

【ご参考】
 ★つわものの歴史も滲む黒壁に 映える桜よ ああ深志城

【詞書】忙し過ぎるのもほどほどに リスト「マゼッパ」を聴いて
☆私に働け!と
  出来ないものはできん!

   桜が散ったらやろう
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身のせつめいです。
 YouTubeでクラシックを聴きながら、古典の勉強をしていると、リストの超絶技巧
 練習曲集
第4曲マゼッパが好きだと言うYouTuberがいました。
 聴いてみると、鍵盤🎹を指で叩きつけて、忙しく動かしていました。練習曲で
 これなら、本番は
もっときついだろう?ショパンのエチュードも似たようなもの
 ですが、これ程酷くは無いです😱

 ベヒシュタインと言うピアノは、リストの演奏に耐え得ると言う事で製作された
 そうです。こき使うなよ😃

 いつも拝見している方が、年度末の忙しさに、余りに仕事に力が入り過ぎている
 ので、
ほどほどにと言うアドバイスを込めて。
 下記URLにマゼッパを貼り付けていますので、私の「ピアノが酷使されている」と
 言う意味が
お分かりになるかと思いますので、御覧いただけば幸いです。
 このピアニスト辻井伸行氏は、
全盲とか。と言う事は、この音の暴風雨を、聞き分け、
 頭の中の楽譜を演奏している事に
なります。この奇跡を是非お聴きください。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d76db1cfb8f72b7bd68b86bf1834a91f
【解説】
 年度末の業務の繁忙期に、「余りに仕事に力が入り過ぎているので、ほどほどにと」
 との
アドバイスを込めて詠ったとのこと。一呼吸おいての「桜が散ったらやろう」の
 結句が程よく
利いた歌になっていると考えます。「一行の空白」も歌を構成する
 大切な要素と考えます。

 フランツ・リストの「マゼッパ」はヴィクトル・ユーゴーの叙事詩『マゼッパ』に
 感銘を受けて作曲
したと言われていますね。でもこの曲はピアニスト泣かせの曲で
 あると共に、酷使される
ピアノも人の指もたまったものではありませんね。
 諸々の想いが詰まった歌であるにも関わらず、ユーモアのセンスも忘れない
 「詠み」に
今回も学ばせて頂きました。

【詞書】今週も桜が潔く散りゆく刹那を詠みました。
☆咲き満ちて刻満ちてなほ たましひの重さ今しも桜散りゆく
                         みっちっちさん
【解説】
 渾身の一首ですね。「咲き満ちて刻満ちてなほ」の一句、二句のリフレインと
 調べが
秀逸と思います。
 私たちは散りゆく桜を諸々の想いを託して見つめますが、桜は人のそんな想いに
 関わらず、自然の摂理に導かれ散り、実りへと移っていくのだと思います。
 しかし、散り際の美しさと、見事さには「たましひの重さ」を感じつつ見惚れる
 ことが
あります。そんな想いをこの歌から感じました。

【詞書】桜3首
☆見上げれば精魂込めて咲き尽くす 桜迫りて苦しくなりぬ
☆法要の報せもなくて姉の忌は桜吹雪のはかな手のひら
☆薄墨の桜ひとひら舞いおりて去年のあなたがそっと寄り添う
                         夕庵さん
【解説】
 「桜3首」はいずれも、桜にまつわる心に沁みる歌物語になっています。
 一首目の「精魂込めて咲き尽くす」様は、多くの皆さんが感じる染井吉野の咲き
 満る様子に重なると思います。その懸命さはまた、私たちにあの種の圧迫感を
 与えることも事実と思います。しかし、そんな桜に寄り添い、心をこめて
 詠んでいると感じます。
 三首目も「薄墨の桜ひとひら」「そっと寄り添う」の表現が利いた、味わい深い
 しみじみとした歌と
考えます。

【詞書】年が明けて、机の横に掛けたカレンダーに最初に書き込んだのが義母の
    葬儀日程でした。
96才の大往生が写真の富士山のように見えました。

☆新しき壁の暦は雪の富士義母の葬儀の日取り書き込む
                         I.SATOさん
【解説】
 お義母様は96才の大往生であったとのこと。昭和2年前後に生を受け、平成、
 令和と、文字通り三代にわたる激動の歴史を生き抜いてこられた方と思います。

 青春の最も多感な時期に価値観の大転換を経験され、厳しい自己変革も迫られた
 ことは
想像に難くはありません。

 それゆえに他者への真の優しさを秘めた方との想像ができます。
 そんな方への畏敬を「雪の富士」に重ねて淡々と詠まれた、詠歌は心を打ちます。
 お義母様にそのような温かな想いを寄せられることは、奥様にとっても幸せな
 ことと思います。

【詞書】この日曜日に高知県吾川郡仁淀川町に咲いている桜を見に参りました。
   残念ながら、桜は終わってしまっていましたが、その桜の里の仁淀川渓谷に
   しがみつくように建っている家並みに心を打たれました。
☆人の住む景色うつくし仁淀川渓谷に建つ家々の屋根
【詞書】その桜の里の近くには武田信玄の息子、武田勝頼一族が住み着いたと
   言われている大崎という村があります。
☆大崎の地に住み着きし信玄の息子、勝頼一族おもふ
【詞書】日曜日に行った仁淀川上流には安徳天皇の住まわれていたという越知
   という地名があり、そこには安徳水と呼ばれる水が湧いています。
☆落ち延びて越知にいました幼帝の安徳水の安徳天皇
                         suisenさん
【解説】
 二首目の「武田勝頼一族」落人伝説では、織田軍からの敗走後、当時の土佐の
 武将・香宗我部氏を頼って落ちのびたとのことですね。その後、この大崎村川井
 (現仁淀川町大崎)に入り、以後、名前を大崎玄蕃と変名し、この地で25年
 ほど活躍し、慶長14年(西暦1609年)8月25日64歳で逝去され、鳴玉神社に葬られた
 との記録が残っているようです。
 桜の花見がてら郷土の歴史と、そこに生きる人々の息吹に触れ、歌に表現する
 ことも「歌枕」を自ら作るうえで大切なことと思います。
 このような試みと、挑戦は大いにやって参りましょう。

【詞書】「イフェイオン」はハナニラのことなんですが、こっちの名前の方が好き
    なんです。響きが良くて…。
☆そこここに 今年も咲いたイフェイオン昼間の庭に星が輝く
【詞書】坂本龍一さん、ご冥福をお祈りします。40年は前ですが、姉が一時YMOに
    はまってて、その頃に数曲知りました。その中の一曲「ライディーン」が
    「響け!ユーフォニアム」で流れた時は衝撃でした。
☆「ライディーン」マーチングバンドの演奏のシーンがあった 好きなアニメに
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目の歌、イフェイオンは、星型の花びらが特徴的な植物で、桜の咲く今頃の
 季節にそこかしこに儚げに咲いています。詠まれているように真昼の庭に
 「星が輝く」ように咲いている印象的な花でもありますが、花の写生が生きて
 いる歌と考えます。
 二首目の『ライディーン』(RYDEEN)は、イエロー・マジック・オーケストラ
 (YMO)の2枚目のシングル曲で、「テクノポリス」と並ぶYMOの代表曲でしたね。
 「衝撃」を共有できて嬉しいです。出発点から強烈な影響力を放つ方だったと
 思っています。改めて、坂本龍一さんのご冥福をお祈りしたいと思います。

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆花冷えの冠雪抱く常念岳 天守より眺める春の訪れ
                         浅間山明鏡止水さん
★滑落の常念岳を仰ぎ見る歌友は何処に眠り給うや
                         夕庵さん

☆咲き満ちて刻満ちてなほ たましひの重さ今しも桜散りゆく
                         みっちっちさん
★振り向けば今し椿の落ちたるを見ぬこととして空仰ぎたり
                         夕庵さん
【詞書】椿がぽとんと落ちるのを見るのは悲しいですが、いのちを精一杯燃やして
    逝った
亡き母を思い、私も頑張らねばと思います。
★いのち燃へ椿落つるを亡き母の檄かと思ひしばし佇む
                         みっちっちさん
【詞書】またまた母を思い出しました。
★老い母に湯をかけやれば曲がりたる背骨に沿いて流れてゆきぬ
                         夕庵さん
★病む母の口へ御粥を運びては 母の無償の愛に報はむ
                         みっちっちさん

☆法要の報せもなくて姉の忌は桜吹雪のはかな手のひら
                         夕庵さん
★姉恋を詠む人の手にひとひらの花あたたかくあれと願はむ
                         みっちっちさん
【詞書】みっちっちさん あなたの返歌に胸が詰まります。だんだん情の薄く
    なるのも
コロナから・・かも ありがとうございました。
★返歌する人の心の暖かさ 散る花にさえ命吹き込む
                         夕庵さん
★返歌して返歌されつつ あたたかき心返して返されてゐる
                         みっちっちさん

☆水明台の切り株台に座り見るお城のやうな老人ホーム
                         suisenさん
★いつの日か老人ホームへ行くのだろう煩わしさから逃れられずに
                         夕庵さん
★咲きたれば日がな老人ホームから眺めたかりしヒガンザクラを
★いつの日のいつは今かもしれなくて老人ホームの申し込みする
★認定を受けてをらざる老ひ人の入れぬホームは花に真向かふ
                         suisenさん

☆月影を浴びて散りゆく桜花 いのちの際の凜々しさも秘め
                         ポエット・M
★月影を踏みつつ帰りし日の遠く別れの言葉はついに言えずに
                         夕庵さん
★ひとことを告げざりし悔い秘め持つも 切なき宵に舞う花吹雪
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆これほどの花もちたるか花吹雪 虚空と大地 おおい なお舞う
                         ポエット・M
【解説】
 咲き満ちて散る。その花吹雪が大地を覆い、なお虚空を舞いゆく。その様は形容しがたく
 圧巻との言葉でも足りないほどの感慨に浸ることがあります。そんな様子を少し誇張気味
 ですが詠ってみました。



「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (22)
  
7.折々の歌(1)
 
   尊さは貧しき歌に出で来たり
          花の香りを風に蒔く人   嵯峨吹雪

   友ありて
     奥様までも
        我が歌の
       フアンと聞けば
          有り難きかな

        ヴァイオリンの
          哀しき調べと
             我が歌を
            評せし君に
              永遠の幸あれ

                天さえも
                  泣ける友の
                    愛妻の
                   出棺まぎわに
                      泪雨ふる
         ただ一首
           詠んで献げし
              御礼にと
             友は五島に
               我を招けり

      あの名匠
        小津作品に
           出て来ても
          似合うでしょうね
              あなたの姿


     「咲き初める シャガ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】
 自閑(jikan314)さんにご紹介頂いた桜に関する歌です。学びの一環として掲載致します。

  世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平 伊勢物語、古今)
  花にあかぬ嘆きはいつもせしかども今日のこよひに似る時はなし(同 同、新古今)
 京都で、この歌に合う所はどこかな?と探し、東山円山公園の桜がライトアップ
 していたので、
見に行きました。
  もろともにあはれと思へ山桜花より外に知る人もなし(行尊 金葉)
 吉野の奥千本に行った帰り、宮滝に行けると言う誰もいない山道を降りると、一本の
 桜が咲いていて、ふと口に出ました。
  山里の春の夕ぐれ來て見ればいりあひのかねに花ぞ散りける(能因 新古今)
 印象派の絵画の様に感じます。合うかと滋賀の園城寺に行きましたが、大寺院で
 ちょっと違い過ぎました。
  さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪(九条良経 新古今)
 後鳥羽院口伝によれば、良経は、この歌が自信作とのこと。大内の左近の桜の花見です。
  八重にほふ軒端の櫻うつろひぬ風よりさきに訪ふ人もがな(式子内親王 新古今)
 式子内親王は、大炊御門殿、今の京都裁判所と小学校辺りに住んでおり、隣に住む
 甥の惟明親王を花見に誘った歌です。京都裁判所の桜は、ソメイヨシノよりやや遅れる
 ので、京都御苑が散っていたら、見に行っては?
  桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞふりける(拾遺集 紀貫之)
 貫之と聞くと嫌悪を抱く方もいますが、花びらを空に知られぬ雪と表現した所が秀逸。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
   字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (34)
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追悼 坂本龍一さん

2023年04月09日 09時46分07秒 | 鎮魂

 先月3月28日、多くの方に惜しまれつつ71歳でこの世を去った坂本龍一さん。
2014年に中咽頭がんと診断されて以降は闘病生活が続いていましたが、最後まで
音楽家、社会活動家として闘い続けた方でした。

 マドンナや「BTS」のSUGA、さらには、たけしなど、世界有数のアーティストから
寄せられた追悼文の数々に象徴されるように、尊敬を集めるゆえんは、音楽活動での
実績だけではないと考えます。

 環境・平和問題についても自らの影響力を自認し、先頭に立って発言してきました。
特に、2011年の東日本大震災後には積極的に支援活動に携わり、
“脱・原発”を目指した
活動も行いました。
さらに、ウクライナのヴァイオリニスト
であるイリア・ボンダレンコとの
コラボレーション曲「Piece for Illia」を、
破壊されたウクライナの地で演奏し、戦争反対と
人々の癒しを求める感情的な
叫び声を表現しました。

また、根源的な「自由」への想いも強く、それを力をもってねじ伏せるものへの
怒り、さらには「非戦」への想いを抱き、その実践の先頭に立ち闘った人でも
あったと考えます。

 アカデミー賞の作曲賞を受賞するなど、数多くの名誉と栄光を手にしたアーティストで
ありながら、社会貢献への思いを抱きつつ実践に身を投ずる。
その姿勢は、ほかの音楽家
たちの模範的な存在であったばかりでなく、市井に
暮らす私たちにとっても「希望の灯」
でもありました。

改めて心からの尊敬と共に、その御霊に哀悼の誠をささげたいと思います。
一首捧げます。

  ☆ひたすらに「非戦」の想い曲にこめ 坂本龍一「清明」に逝く

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その78)

2023年04月05日 05時45分37秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その78)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 姫りんご」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

☆幼子の手に溢れてるツクシンボ ほらっほらっほらっと這いつくばりてゆく
☆朝一番コップの水のやわらかさ春が来たのを喉が知らせる
☆薄墨の春霖がつなぐ一本の電話はやさしく耳をくすぐる
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の「ほらっほらっほらっと」に幼子の得意げな様子が、余すことなく
 表現されていて思わず微笑んでしまいます。観察眼の利いた良い歌と思います。
 三首目、春の長雨「春霖」は、秋霖とは異なり明るい感じで、どこか心を
 ウキウキと
させてくれますね。さらに一本の電話がもたらす明るいニュースが
 詠歌から感じられます。
「薄墨の春霖がつなぐ」の描写が鮮やかと思います。

【詞書】私は海を眺める時「春の海」が比較的好きです。春の海は風も吹かず
    穏やかです。
そして太陽が水面に当たりキラキラと輝いている様は何とも
    言えない心地に誘われます。

    そこで拙者ブログで「訪れてみたい春の海」を特集していますが、詠んで
    みました。
特に宮島は故郷山口県に近いこともあって何回も訪れています。
 註)広島「宮島」
☆宮島の潮に誘われ大鳥居 鹿と戯れ桜に遊ぶ
 註)石川県「白米千枚田」
☆幾重にも重なる田んぼ千枚田 広がる絶景原風景も
 註)渥美半島「恋路ケ浜」
☆恋人の聖地名高い恋路ヶ浜 四葉見つけて幸せ浸る
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「訪れてみたい春の海」の特集は、コロナ禍から解放された多くの皆さんの共通の
 関心事ですね。
三首の歌に詠まれた「宮島」「白米千枚田」「恋路ケ浜」は現代の、
 歌枕でもあります。

 二首目の「白米千枚田」は、「急斜面に1004枚もの小さな田が幾重にも段になって
 海岸へと
広がる絶景は日本の原風景」との説明を拝見しました。

 急傾斜を人力のみで耕し、土手を築き営々と稲作を行ってきた方々の、命をすり
 減らしての
営農の歴史を思い起こし、粛然とした想いにさせられます。

 そんな想いを込めて、ご参考として詠ってみました。
 註)石川県「白米千枚田」に寄せて
【ご参考】
 ★千枚を越える棚田のそれぞれに 削る命の重き歴史も

【詞書】満開の桜は、誰に教えられたか、自分で散り際を知るのか、悠然と散って
    ゆきます。
一年に数日しか咲かない、散り際も美しいそんな桜に惹かれます。

☆こぼれ来る朝の光に桜花 誰(た)に告げらるや 今ぞ散りそむ
                         みっちっちさん

【解説】
 咲き満ちて、朝のひかりを浴びながら静かに散っていく。己の使命を果たしたがごとく
 潔く散るその様は、見事と言うほかはありませんね。そんな散り際の見事さをも行間に
 詠み込んだ詠歌に共感します。
 開花から散り際まで、刹那とも言えるその間に受粉し実を結ぶ花の手際の良さにも
 感嘆する次第です。人はこの花の如くありたいと、しみじみと思うことがあります。
 そんな想いにもさせてくれる詠歌と思います。4句を少し変えてみましたが・・・。
【ご参考】
 ★こぼれ来る朝の光に桜花 咲き極まりて 今ぞ散りそむ

【詞書】数日前に私の住む兵庫県川西市水明台に群生している彼岸桜を見てきました。
   その折に詠みました三首を出詠させて頂きたいと思います。
☆猪名川の渓の桜を見下ろせば雲海の上(へ)に浮かぶ心地す
☆蜂が来て蝶々の飛びてゐる渓の菜の花は咲く桜の下に
【詞書】水明台の対岸の清和台には、お城のような大きな老人ホームが建っています。
   木の切り株を椅子にしたものを「切り株椅子」と詠いました。
☆水明台の切り株椅子に座り見るお城のやうな老人ホームを
                         siusenさん
【解説】
 川西市を流れる猪名川沿い水明台にはエドヒガン桜が群生しているとのこと。
 この桜は「存続基盤が脆弱とされている」とのことで、群生しているのは珍しい
 とのことですね。

 一首目に詠まれたように、里山を薄紅色に染めるエドヒガン桜の群生は、
 まさに「雲海の上(へ)に浮かぶ心地す」の錯覚に囚われるかも知れませんね。
 情景の描写が
生きている歌と考えます。
 二首目も含めて、春の長閑な景観が味わい深く詠まれて好感が持てます。
 
【詞書】黄色の道を行こう
☆黄色の道をあの娘の家まで行こうちょうど桜の咲いているよ
                         自閑 (jikan314)さん
【短歌説明】自閑 (jikan314)さんご自身の説明です。
 春の散歩は、様々な花に出会えるから楽しい。
 いつも拝見している方の、菜の花が綺麗と言う紹介で、川沿いの道を行ってみる事に
 しました。
菜の花の道と言う事で、黄色の道をテーマに短歌を書こうと。

 黄色の道と言うと、オズの魔法使い「Follow The Yellow Brick Road」的なウキウキした
 気分が良いなと。行き先は、艶の有る方が、もっと良いかなあと、虚構の恋の
 ストーリーにしよう。

【解説】
 詠まれている「黄色の道」は、「オズの魔法使い」の主人公のドロシーが、
 「北の良い魔女」に
「Follow the Yellow brick road(黄色のレンガ道をたどるように)」
 と教えられた
物語に寄っていると考えます。

 黄金の道の果てにあるエメラルド・シティは、まさに夢の国ですが、それを目指す旅は
 ドロシーに
とって自分と友の「自分発見の旅」ではなかったかと思っています。

 「虚構の恋のストーリー」も桜の咲く春を背景とすると、楽しい恋物語になりますね。
 黄色い道の先には、虚構でない新たな希望に満ちた展開が待っていることと思います。
 そんな
予感さえ感じられる歌になっていると考えます。


     「咲き満る 桜・染井吉野」

【詞書】短歌歴11年生になったので、短歌上達作戦を練っています。
    有松絞の30台の女性職人さんのブログに感動しました。職人魂です。
    3句の「するまいぞ」が雑ですね。「避けるべし」では緩いですが品があります。
☆詠草に言葉あそびはするまいぞ(避けるべし)
      有松絞りの職人に学ぶ
                         リコさんさん
【短歌説明】リコさんさんご自身の説明です。
 私は毎月8首を短歌会に提出します。彼女のブログを読んで創作というものに少し気を
 抜き過ぎていたように思いました。
 辞世の一首ではないので深刻になる必要はありませんが真剣な歌を必ず入れたいです。
【解説】
 自ら選んだ長い伝統を持つ「有松絞り職人」の道にひたすら精進する姿には人を感動
 させるものがあり、また学ぶもの大ですね。その姿を踏まえた作者の「創作に真剣に」
 と
言う、新たな「短歌開眼」の姿勢にも学びたいと思います。
 なお、私は「避けるべし」を推します。
 こんな視点で詠んでみましたがいかがでしょうか。
 【詞書】有松絞りの職人に感動して
  ★魂込めて絞りにむかう職人の 想いを我も歌に籠めたし

【詞書】一年前にもあったそうですが、この三つの赤い星が三角形を描いている…と。
   ベテルギウスと
アルデバランは見える場所がはっきりしてますが、火星は
   行ったり来たりだったりして、場所が
特定出来ない“惑う星”ですから、こういう
   機会はなかなかレアなんではないでしょうか。
呼び名なんですが「“黒い三連星”
   ならぬ“赤い…”いやいや、“連星”は違うわな…」とか
考えてました。

☆アルデバラン ベテルギウスと火星との赤星三角 西寄りの空
【詞書】関西テレビの「報道ランナー」で、京都橘高の吹奏楽部の卒業公演をスマホで
   見た時、部長さんの言葉に
感銘を受けました。「後悔はありません」の言葉の
   後に「思い描いたような三年間ではなかったの
ですが、思い描いた以上の三年間
   でした」と、満面の笑みでインタビューに答えていたのを見てて、
彼女がそう
   答えられるだけの努力や、乗り越えてきた思いなどを想像して頭が下がり
   ました。
・・・悩んで過ごしてきた三年間はきっと無駄ではないとエールを
   贈りたいです。

☆三年間 コロナ禍に居た高校生 「後悔はない」と吹部の部長
【詞書】いや、もうまんまです。今なら見えやすいということなので、「金星の斜め下、
   金星の斜め下…」と
つぶやきつつ10度ぐらいのあたりの空を見てるんです。
   しかし、空は晴れていても低い空は雲が
溜まってたり、霞んでたりで、見え
   そうな日にチャレンジしてみるんですが…。この機会を逃したら、
まあ
   ちょっとやそっとでは…。「水星の魔女(機動戦士ガンダム)」がやってる
   この時期だけに
見たいもんです。

☆水星が見えれば良いなと目を凝らす 角度の低ーい宵の西空
                         ちがやねこさん
【解説】
 いよいよ「宇宙の話」の本領発揮の詠歌になりましたね。貴重な示唆で学びと
 なります。
一首目は「赤い三連星」と命名しましょうか。

 二首目の京都橘高の吹奏楽部の卒業公演と、その部長の言葉は感動的でしたね。
 人は
艱難辛苦により鍛えられるの言葉通り、この三年の体験は濃密であり、それを
 乗り越えた故の
重みのある言葉であったと思います。作者のエールの籠った詠歌と
 なっていると思います。
三首目は「宵の西空」に見えるであろう水星への想いの
 籠った詠歌になっていますね。

 なお、最近皆様の活発な投稿で、blgの文字制限(blgコードレベルで30,000文字)
 ぎりぎりの状態が続いています。従って折角の説明、詞書ですが、一部割愛させて
 頂き
編集させて頂きました。事後で申し訳ありませんが、ご了承頂ければ幸いです。


      「咲き初める 八重桜」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆朝一番コップの水のやわらかさ春がきたのを喉が知らせる
                         夕庵さん
★ただ水を含めば ほのとやさしきは いまはの母の笑み偲ぶゆへ
                         みっちっちさん

☆濡れてなお妖しく光る夜桜に お七のすがた浮かびて消える
                         ポエットM
【詞書】夜桜は艶やかで妖しく、又、散り際も潔くお七の姿が浮かびますね。悲しい
   お七の物語は受け継がれ、舞妓さんはお七さんを偲んで、桜を愛でたのかも
   しれません。
★ はんなりと桜あかりのぼんぼりに舞妓のうなじ白く浮きたつ
                         みっちっちさん
★うなじをも朱く染めたるぼんぼりに 切なく想う秘めし恋路を
                         ポエットM

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆月影を浴びて散りゆく桜花  いのちの際の 凛々しさも秘め
                         ポエット・M

【解説】
 満月に若干の日はあるものの確かな月光が、散り始めた桜吹雪に降り注いでいます。
 あるか無きかの風に舞う桜の花びらは、月影と遊ぶがごとくリズミカルに散って
 いきます。
あたも命の際を従容と受け入れ、凛とした舞姿を演じる能のシテにも
 通じる凛々しさを
散る花びらに感じて、そんな姿を詠ってみました。


     「咲き満る 桜・染井吉野」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (21)
  
6.山岳無情(3)
 
   山がある故に登らんその自乗
          独り心で遠く泣くため  嵯峨吹雪

   敗戦の
     時さえ清く
        耀きし
       日本の山河よ
          今はいずこに

        春秋の
          峰走りをば
             輪廻とし
           悠久なれや
              白神山地

                哀しきは
                  古今かわらず
                     山里の
                   卯の花曇りに
                      鳴くホトトギス
         日も暮れて
           地図なき我の
               道遠く
             石の枕に
               星ふるばかり

      永遠の
        哀花を埋め
           吹雪くかな
          夢幻哀しき
             嵯峨たる孤峰


     「咲き初める 花水木」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】
 自閑(jikan314)さんにご紹介頂いた桜に関する歌です。学びの一環として掲載致します。

  世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(在原業平 伊勢物語、古今)
  花にあかぬ嘆きはいつもせしかども今日のこよひに似る時はなし(同 同、新古今)
 京都で、この歌に合う所はどこかな?と探し、東山円山公園の桜がライトアップしていたので、
 見に行きました。
  もろともにあはれと思へ山桜花より外に知る人もなし(行尊 金葉)
 吉野の奥千本に行った帰り、宮滝に行けると言う誰もいない山道を降りると、一本の
 桜が咲いていて、ふと口に出ました。
  山里の春の夕ぐれ來て見ればいりあひのかねに花ぞ散りける(能因 新古今)
 印象派の絵画の様に感じます。合うかと滋賀の園城寺に行きましたが、大寺院で
 ちょっと違い過ぎました。
  さそはれぬ人のためとやのこりけむ明日よりさきの花の白雪(九条良経 新古今)
 後鳥羽院口伝によれば、良経は、この歌が自信作とのこと。大内の左近の桜の花見です。
  八重にほふ軒端の櫻うつろひぬ風よりさきに訪ふ人もがな(式子内親王 新古今)
 式子内親王は、大炊御門殿、今の京都裁判所と小学校辺りに住んでおり、隣に住む
 甥の惟明親王を花見に誘った歌です。京都裁判所の桜は、ソメイヨシノよりやや遅れる
 ので、京都御苑が散っていたら、見に行っては?
  桜散る木の下風は寒からで空に知られぬ雪ぞふりける(拾遺集 紀貫之)
 貫之と聞くと嫌悪を抱く方もいますが、花びらを空に知られぬ雪と表現した所が秀逸。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。なお、ブログの
   字数制限(コード30,000字)により、コメント等編集させて頂く場合もあります。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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絵本「ちーたんとあきちゃん」について

2023年04月02日 10時02分44秒 | ボランティア

 今回は、さるボランティアの方に勧められ購入した絵本について
触れたいと思います。

 この絵本は、生まれながらに右足を骨折していたために捨てられた保護猫
ちーたんと、あきちゃんの出会いから家族となるまでの心温まる物語です。

 何よりもこの絵本のイラストを担当したのが14歳のひまりさんの絵が良い
ですね。ちーたんの悲しさや、嬉しさ、さらにしょんぼりした様子等々が
活き活きと描かれています。プロの絵本作家さんの絵にはない瑞々しさと、
何よりもちーたんに対する愛情が溢れていると感じます。14歳という年齢を
差し引いても、絵の完成度は十分に高いと考えます。なお、物語の文は歌手の
八代亜紀さんとのことです。

今、ペットブームの陰で、様々な理由で捨てられるワンちゃんや猫ちゃんが
増えていると言われています。飼い主さんが愛情をもって最後まで育てて
頂くことは当たり前ですが、経済的な厳しさ、障害を負った等の理由から
保護猫や、保護犬となる猫ちゃんや、ワンチャンが昨今増えています。
それらを、ひきとり愛情をもって育てて頂く方に繋いでいく取り組みが、
益々必要となっています。今回の絵本が、そんな一助になればと思います。

なお、この本の売り上げの利益は、保護猫を飼い主さんに繋ぐ活動を
されている協会等へ寄付されるとのことです。

絵本「チーたんとあきちゃん」について、発行元に問い合わせしましたら、以下の
「楽天オンラインストア」でも購入可能との事でした。一応お知らせします。

八代亜紀グッズオンラインストア
https://item.rakuten.co.jp/aki-yashiro-store/item-16/?scid=s_kwa_pla_unpaid_208876

 

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