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四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

八月への想い

2025年08月10日 14時21分04秒 | 日々の歩み

 昨日9日は、長崎では80回目の原爆の日を迎え、爆心地に近い平和公園では、長崎市主催の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が開催されました。鈴木市長は平和宣言の冒頭で、対立と分断の悪循環で各地で紛争が激化しているとし、「このままでは、核戦争に突き進んでしまう」と危機感をあらわにしました。
 長崎で被爆した故・山口仙二氏が国連本部で訴えた「ノー・モア・ヒロシマ ノー・モア・ナガサキ ノー・モア・ウォー ノー・モア・ヒバクシャ」の言葉を引用し、「被爆者の思いの結晶そのもの」と強調しました。また、「長崎を最後の被爆地とするためには、核兵器廃絶を実現する具体的な道筋を示すことが不可欠」だと求めました。この求めを私達も心に刻んでいきたいと思います。

     「百合 カサブランカ」

 この八月は、青春前期の私に多くの示唆と、想いの在り方を導いてくれた、優れた研究員でもあったあった友の命日でもあります。長崎での胎内被曝という十字架を生まれながらに背負い、AI黎明期の人工知能の研究の傍ら核兵器廃絶を訴える運動に、まい進した友の壮絶な闘いを今でも鮮明に思い浮かべることができます。キリスト者でもあり「怒りを祈りに」と、祈ることの神髄を身をもって教えてくれた友。常に襲ってくる痛みと闘いながら研究と、核廃絶運動にひたむきに取り組みながら短い青春を閉じました。友が死を覚悟しながら取り組んだ運動は、昨年の「日本被団協のノーベル平和賞受賞」で一つの結実を見ました。しかし、世界の現実は未だ道半ばの感がいたします。

     「咲き初める 高砂百合」

 一方、私事になりますが、細君の母が身罷ってから、私たち夫婦にとっては母親代わりに接して頂いた細君の従妹の葬儀が昨日あり、炎暑日の中横浜の斎場まで出かけて来ました。その従妹の事は本ブログでも折に触れて紹介させて頂きましたが…、98才の大往生でもありました。細君を通して、私も親しくお付き合いさせて頂き、私の短歌の理解者で、幾たびか細君共々一緒に旅行などさせて頂く機会もありました。ただ、自分史の多くを語らない方でしたが、問わず語りに伺った限りでは、明治神宮で学徒出陣で想う方を見送ってから、生涯を独身で通した人でもありました。

 三大商社の一つの経理部門で、文字通り戦後の商社の隆盛を財務で支え、女性でありながら部長職まで担った方でもありました。慈愛に満ちた眼差しを持つ一方、「ダメなものは駄目」を静かに徹底する姿勢を定年まで貫く頑固さもありました。「生き馬の目を抜く」と言われた商社の中で、財務の中枢を歩くことは人間関係も含めて、それなりの葛藤や、悩みもあったことと思いますが、苦労話は、あまり伺ったことがありませんでした。ただ、同僚や、後輩たちの面倒見の良さには目を見張るものがあり、慕う方も多く、部下には恵まれていたように伺ったことがあります。

     「咲き初める むくげ 八重」

 歳の離れた従妹であり、細君にも母親同様の接し方をしてくれ、何かと相談相手になってくれました。住まいも車で40分ほどの距離に居られ、折に触れお付き合いさせて頂き、私も薫陶を受ける機会に恵まれたと思っています。晩年には大きな手術も経験され有料老人ホームで過ごされましたが、ホームの皆さんにも大切にされ幸せな日々であったと思っています。

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温水プールへ

2025年07月20日 06時14分37秒 | 日々の歩み

 一昨日、2025年7月18日(金)、気象庁と地方気象台は関東甲信地方、北陸地方、東北南部の梅雨明けを発表しました。関東甲信地方は昨年と同日、平年より1日早い梅雨明けで、平年並みでの夏の到来となりました。今年の夏は、既に6月から猛暑が日が続き、「地球沸騰化」が実感される日々となっています。

     「咲き初める 山百合」

 こんな日々の中で、熱中症を警戒するあまり、私達の世代は巣ごもりを余儀なくされますが、私たちはここ40年余にわたり取り組んできた運動に、スイミングがあります。当初は民間のジムに通いスイミングを行っていました。そんな中でスイミング仲間も出来、彼らと何回かチームを組みマスターズ大会にもチャレンジし、チームスイミングの楽しさも実感してきました。


      「咲き初める ブーゲンビリア」

 私の水泳の先生は細君で、彼女は国体エントリーの選手で、かつては、かなり本格的にスイミングに取り組んでいました。結婚してからも、水泳連盟に所属し、YMCA等民間のスイミング教室で水泳講師を長いことやってきました。従って、水泳に関しては未だに細君に頭が上がりません。ただ、未だに泳ぎ続けることが出来ていることは、口に出しては言えませんが、細君のお蔭と思ってます。

 ジムでの水泳も仲間たちと、和気あいあいと泳ぐことが出来、時には泳いだ後のビールジョッキを傾け合うこともあり、それなりに魅力的でした。しかし、ジムの営業政策もあり、種々の世代を対象とする水泳教室が増え、純粋に泳ぎたい方には専用コースも減り、泳ぐのみの選択肢が狭まっていきました。途中から自由に泳ぎたいとの想いから、何人かの仲間たちと公営の温水プールに場所を変更しました。私達の市には5か所の温水プールがあり、それぞれ地域に密着した子供たちを中心とした水泳教室や、大人たちのアクアビックスなども行われ、多くの方が参加し水になじむ姿は見ていても楽しそうで構魅力的でした。私達は最近、もっぱら新しく開設された横須賀西海岸にある佐島プールに週2~3回ほど通っていますが、毎回1600m前後の距離を目標に泳いでいます。


     「咲き初める 宗旦むくげ」

 ただ、最近は子ども達の父母の要請もあり、ここでも子供たちの水泳教室が通年で行われ、泳ぎ専用のレーンが、かなり限定される状況になっています。公営プールでの子供たちの教室が増えるとともに、少子化の影響もあり、民間のスイミング教室の経営が厳しくなり、倒産を余儀なくされるスイミングも散見されます。それでも、昨今の諸物価の高騰の中で、家庭経済を考えると、公営プールのスイミング教室を選択する父母たとの想いも十分に分かります。

そんなこんなで、熱中症を避けながら、体力維持と、健康対策でボランティアの日程をぬってプールに通っている昨今です。

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「はてなblog」への完全移行

2025年06月25日 11時42分01秒 | 日々の歩み

「四季の彩り」ブログは
 先にご報告させて頂きましたが、
 「はてなブログ」に6月末日をもって完全移行致します。


     「薔薇 ピース」

「はてなブログ」の引っ越し先は以下の通りです。
お立ち寄り頂ければ幸いです。
 四季の彩り

約15年余にわたってGooBlog様には大変お世話になりました。
このblogを通してネット上ではありますが、多くの皆様方と
知り合うことができ、多大な学びを得て参りました。

また、「水曜サロン」と言う「ネット短歌会」を主催させて頂き、
結社を越えて短歌を学び合う広場にて、交流させて頂くことが
出来ました。
ささやかではありますが、短歌交流と学びの新たな可能性を
広げることが出来たと感じています。

このblogにお立ちより頂き、ご意見、アドバイス、さらに数々の
優れた詠歌を出詠して頂いた皆様に、心からの御礼と感謝を
申し上げます。

なお、GooBlogでの更新、新規投稿は控えますが、掲載は10月1日まで
継続させて頂きます。

これからも新たなblogで末永いお付き合いを継続して頂ければ幸いです。
改めて、よろしくお願い致します。

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「御柱祭」

2025年05月25日 20時14分43秒 | 日々の歩み

 このところ週末はいずれも雨に降られる日々となりました。本日25日も本来は私達地域の「健民運動会」と銘打った6町内連合の運動会が行われる予定でした。しかしあいにく雨の予報であり早々に中止の判断となりました。
 先週末も雨でしたが、その雨をついて地域の氏神様である諏訪神社で、創建1200年の奉祝行事「御柱祭」が執り行われました。

     「咲き初める薔薇 夢香」

 初日は「里曳き」と言われる長さ12m、重さ6.5トンの樅の巨木を運動公園から神社まで、約500mの距離を大きな掛け声とともに鳴り物入りで運び込みました。二日目は神前に奉納する「建御柱」が挙行されました。長野県諏訪大社の氏子の皆さん200名ほどの方も応援に駆けつけてくれ、同神社の氏子や、ボランティア、さらに見物の方も含めて約10,000人の方が「御柱祭」を祝いました。

     「諏訪神社 夫婦御柱」

 私たちは、友人たちが関わっていることから、当初参加する予定でしたが、当日は団地の管理組合の総会と重なり、しかも司会を担当したことから抜けられず、「建御柱」の後の結果を眺めるのみの参加となりました。2014年には諏訪大社の女神を祀る下社から御柱を譲り受け、その「里曳き」には参加させて頂きました。今回は男神の上社から御柱を譲り受け建てられたため「夫婦御柱」が出現することになりました。

 なお、大津諏訪神社は、天長元年(824年)に長野県の諏訪大社から分霊を受けたのが始まりと伝えられており、2024年から創建1200年の奉祝行事が執り行われています。
 地域の壮大な祭りに触れ、改めて地域の絆や、繋がりの底力を感じることができました。

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一日も早い「春」が

2025年02月24日 07時56分42秒 | 日々の歩み

 立春から雨水に至る日々を含む如月は、「光の春」とも
言われています。
「春は名のみ」の未だ寒冷の日々ではありますが、日差しの
煌めきは、まさに春の到来を感じさせてくれます。


     「咲き初める 河津桜」

 この二月、本日24日は国際法を踏みにじったロシアによる
ウクライナへの侵略戦争が始まってから、三年目を迎えます。
この暴挙によって2025年2月現在ウクライナの軍死者数4万6000人、
民間人の
死者数は1万2654人超に上り、未だなおおびただしい
犠牲者が増え続けています(数字は2025年2月24日 朝日新聞)。

 「24時間以内に停戦させる」との言葉と共に登場した第二期
トランプ大統領。ウクライナの頭越しに交渉に乗り出すものの、
昨今の言動はロシアのプーチン大統領に取り込まれたかに見えます。
国際法、国連憲章を踏みにじりロシアが仕掛けたこの侵略の責任を
問うことなく「やったもん勝ち」での停戦は、今後の世界情勢にも
大きな禍根を残すことは火を見るよりも明らかと考えます。


     「観音崎公園に咲き初める 河津桜」

 ウクライナの将来を、当事国を抜きにアメリカ、ロシアの思惑
のみで決めることは決して許してはならないし、今こそ、国連が
その本来の役割を果たすべき時と考えます。その一翼を私達の国も
担うべきと考えます。

 立春に続く二度にわたる大寒波を経験しながら、ウクライナの地で、
電源設備の大半が破壊された状況下でも、寒さに耐えながら祖国を守る
ために闘い続ける人々の現実を、痛みと共に思い浮かべています。
彼らの意気高い闘いを讃えながらも、その辛さ、厳しさに心が痛みます。
その人々に一日も早い「春」が訪れることを願わずにはおれません。

 寒さに耐えながら、先駆けて「春」を知らせる河津桜の画像を
お届けします。今回は、散策でよく訪れる観音崎公園の「花の広場」で
咲き初める河津桜です。

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観音埼 散策へ

2025年01月25日 13時31分12秒 | 日々の歩み

 過日、一月にしては温かな日差しに恵まれた日。細君と共に、いつもの海岸通りでない、少し負荷のかかる丘陵地への散策に切り替え、観音崎公園へ行って参りました。ここ、観音崎は、私のblogでも度々紹介させて頂いていますので、重複は控えますが、少し触れたいと思います。


     「観音崎灯台」

 この公園は、東京湾に大きく突き出した観音崎の岬の上に広がる県立公園ですが、海と山の両方の魅力をあわせ持つ自然豊かな公園です。また、砲台跡などの歴史的遺構、観音崎自然博物館や横須賀美術館などの多様な施設もあります。美術館では、昨年人気アニメの企画展を行い、美術館始まって以来の月間来館者数を記録したとのことです。
 また、日本最初の洋式燈台である観音埼灯台をはじめ、各種園地、さらに、公園に隣接する海岸では、変化に富んだ自然美あふれる岩場と砂浜での磯遊び・釣り等も楽しめます。 

 過日は、観音崎公園内にある、なだらかに傾斜した花の広場を訪れましたが、その一角に菜の花が咲き初めていました。未だ蕾も多く一面の菜の花畑とは言えませんが、春を先取りする景観に少し元気をもらいました。ここは、芝生地と並んで花壇も作られており季節の花々が訪れるたびに目を楽しませてくれます。


     「咲き初める 菜の花」

 そろそろ終焉を迎える山茶花と、咲き初める菜の花、水仙との競演もあり、さらにビオラ、パンジー、藪椿等も咲き盛り冬の寒々しい花の広場に彩りを添えていました。広場を縁取る河津桜の花芽も膨らみ、開花の兆しも見えます。


     「浦賀水道(東京湾)を行きかう船舶 対岸は房総半島」

 そんな風景を眺めながら、標高差70m程の丘陵散策と、海辺で船舶のシップウォッチングを楽しみ、歩数8,000歩ほどの散策を終えました。平坦な海岸道路と比べそれなりに足への負荷もあり、結構な疲れを感じましたが、心地よい疲労感でした。

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富士山の初冠雪

2024年12月06日 13時02分27秒 | 日々の歩み

 今年の異常気象は、夏日の継続を始め、数々の「観測史上初」を
提示してくれました。中でも富士山の初冠雪は立冬、11月7日との
ことで観測史上最も遅い日となりました。
富士山の初冠雪は、甲府市の甲府地方気象台から職員が目視で積雪の
状況を確認し、発表されています。130年前明治31年に統計を取り
始めてから最も遅い観測日となったとのことです。

     「東京湾上からの冠雪の富士山」

 私が住む横須賀からも、富士山を眺める景勝地は幾つか存在しますが、
いつものドライブコースを廻る中で中々冠雪の様子が見られずに心待ちに
してきましたが、やっと眺められたとホッとしている所です。

     「走水海岸からの 冠雪の富士山」

幾つかの富士山ビュースポットのうち、「走水海岸」「湘南国際村」の
二か所からの画像をお届けしたいと思います。
海上の気温の関係もあり、鮮明さに欠けますが、海上に聳え立富士山を
ご覧頂けたら嬉しいです。

     「湘南国際村からの 冠雪の富士山」

詩情に欠けますが、レポートを兼ねて即興で一首詠んでみました。
  ☆温暖化 ここに及ぶや富士山の 遅き冠雪ひさびさ魅入る

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「干し柿」作り

2024年11月22日 13時36分43秒 | 日々の歩み
 果物の好き嫌いは人によりそれぞれですが、細君は「柿大好き」人間の一人です。
中でも、干し柿が大好きで、かなり前から渋柿をネットので購入し毎年作ってきました。
 今年は、ミカン狩りの際に購入した30個ほどの渋柿で、一度作り二週間ほどで出来上がり
既に食し始めていました。

 「咲き初める河津桜の帰り花」

 その後、既に注文してあった愛宕柿という渋柿が過日届きました。
細君は早速、早朝から皮を剥き熱湯に数秒くぐらせ、消毒してから晴天の天日に晒しました。
以前、ミカン園で購入した柿に比べると倍近い大きさで、重量もかなりありました。
ベランダの一角を使い、物干し竿に40個を超える柿を吊るした光景は結構圧巻です。

 農家の壁につるされた干柿は、晩秋の風物詩として懐かしい光景ですが、
ベランダにつるされた干柿の光景も、風情は無いもののそれなりに絵になると改めて感じました。
 二週間後には出来上がるとのことですが、今から楽しみです。
 なお、先頭の写真は、陽だまりに咲き初める河津桜の「帰り花」です。
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ノーベル平和賞

2024年10月13日 14時47分18秒 | 日々の歩み

 2024年のノーベル平和賞を、日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)が
受賞しました。

     「未だ咲く 芙蓉」

 ノルウェーのノーベル賞委員会は10月11日、日本被団協に今年のノーベル
平和賞を授与すると発表しました。ノーベル委員会は受賞理由について、
 「核兵器のない世界を実現するための努力と、核兵器が二度と使用
  されてはならないことを証言によって示してきたと説明しました。
  その上で、被団協の活動について、「日本被団協は、数千件に
  及ぶ証言を収集し、決議や公開アピールを発表し、毎年代表団を
  国連やさまざまな平和会議に派遣し、核軍縮の緊急性を世界に訴え
  続けてきました。
  いつの日か、被爆者は歴史の証人ではなくなるでしょう。しかし、
  記憶を留めるという強い文化と継続的な取り組みにより、日本の若い
  世代は被爆者の経験とメッセージを継承しています。彼らは世界中の
  人々を鼓舞し、教育しています。このようにして、人類の平和な未来の
  前提条件である核兵器のタブーを維持する手助けをしているのです」
と評価しました。

     「秋の陽ざしの中で未だ咲く 夾竹桃」

 この受賞を聞き、このブログで前にも触れましたが・・・。
「夾竹桃は美しいけれど、たまらなく嫌いな花。なぜって、生きることを
強いるから・・・」と、 遥かな青春の日の友の呟きが甦ります。
長崎での体内被曝と言う重い十字架を背負いながらも、「はんなり」の趣き
そのままの楚々とした雰囲気をまとう女性であったその友。重い血液の病との
死闘の果てに、夾竹桃の咲く葉月のつごもりに身罷りました。
炎暑のもとで敢然と咲く夾竹桃は、つらい生を貫こうとする者へ、無言の
励ましを送っているようにも見えますが、時にはむごい鞭のようなしなやかさを
もって、生への希求を主張しているかに感じます。

 夾竹桃は、人類史上初めてもたらされた一発の原子爆弾によって焼野原と
なった広島で、「75年間は草木も生えない」と言われながらも、いち早く
咲いた花でもあります。それは、瀕死の傷を負い、生き残った広島市民に
復興への希望と勇気を与えてくれたと言われており、市の花にもなっています。
 重い血液の病を背負いながらも、「自分と同じ辛いめに合う者をこれ以上
作ってはならない。そして、ナガサキに続く原爆の被害を三度起こしては
ならない」との強い想いと祈りを秘めた、行動するキリスト者でもあった友。

 その時代、既にニューロコンピュータ(人工知能・AI)の新進の研究者の
一人で、その研究に打ち込む傍ら、核廃絶の運動に真摯に取り組んでいました。
 襲い来る激痛と、不安とによる死よりも惨い生をひたすらに、ひたむきに
生きた友。「十万を越える人々の死の代償として、この世に生を受けた私は、
その人達の分も一分でも長く生きなければ・・・。生きることが辛いなんて
言ったら、 天国へ行ったあの人達に申し訳ないわよね」との言葉と共に…。

 また、「怒りを祈りへ」と、祈ることの深淵を血気盛んな私に教え諭した
方でもありました。 青春の真っ只中、研究室の片隅で出会ったその友の印象は
あまりに鮮明で、その友によって教えられ、切り開かれた世界は未だ私の中に
鮮明な映像として残っています。その友が取り組んだ「ニューロコンピュータ」の
研究課題は今、生成AIとしてコンピュータ等ICTの新たな革新的な扉を開けようと
しています。さらに、その後の研究で今回のノーベル賞の対象にもなっています。

     「白い 百日紅」

 この友は、赤と白の夾竹桃の咲き乱れる、夏の日に短い生涯を閉じましたが、
この友の想いと仲間たちの取り組みは、今回のノーベル平和賞ということで一つの
結実を見ました。
これは天国の友にも届いていることと思いますが、今の世界の現状をみると決して
楽観は出来ません。この受賞を新たな出発点として文字通り「核廃絶」に向けての
取組みを加速し、その手前の「核兵器禁止条約」の締結を、私達の国でも現実の
ものとしていく必要があると思っています。

 この受賞は、核廃絶の運動に取り組みながら、その道半ばで逝った多くの方達、
そして生きたくても生きられなかった多くの方の想いと祈りも込められた賞で
あったと思っています。先ずは、手向けの花の一つとして「受賞の知らせ」を
天国の友に届けたいと思います。即興の一首と共に・・・。
  ☆祈りさえ無力に思える日々を経て 君が想いの結実を見る

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「よこすか開国花火大会2024」へ

2024年10月08日 13時38分35秒 | 日々の歩み

 三浦半島最大級と言われる「よこすか開国花火大会2024」が一昨日、10月6日
横須賀市うみかぜ公園・三笠公園で開催されました。
昨年は雨のため急遽中止になりましたので、久しぶりの花火大会となりました。
午後5:55からとのことでしたので、細君共々5:40過ぎに近くの海岸に出向き
見物しました。その時には既に岸壁は人波で埋まっていました。
午後6:30までという30分ほどの短い時間でしたが、1万発の花火が連続して打ち
揚げられ、空と海を染めて打ち上る色とりどりの華やかな花火を楽しむことが
できました。

今年は、令和5年(第46回)隅田川花火大会のコンクールで優勝実績のある
煙火店・株式会社マルゴーが打ち上げを担ったとのことです。
大迫力の尺玉花火や斜め打ちなど、従来とは趣の異なる華やかな花火が
夜空と、海を彩り尺玉のお腹に響く音とともに花火を堪能することが
出来ました。

ただ、花火の撮影は難しく、あの華やかさと空を覆うきらめきを撮ることは
出来ませんでした。
イメージとして見て頂ければと、拙い写真を掲載させて頂きます。

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