四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「宗旦むくげ」に寄せて

2024年07月21日 11時27分56秒 | 四季の花

 鎌倉、大倉山の片すみに槿の群生があり、その花がちょうど開花の時期を
迎えています。純白の花びらに底紅をもつ宗旦槿と呼ばれるその花は華やかな
花姿に似ぬ、妙なる寂しさをまとっています。それは「朝開暮落」の花名が
示すとおり、朝に花開き夕べに散る「ひと日花」の宿命を理解する、私ゆえの
哀しみでしょうか。

     「咲き初める 宗旦むくげ」

 夏の夕べ、ひと日という短い生涯を全うし散っていく花の風姿。
「槿花一朝の夢」を語るにふさわしい、儚さと気品に満ちています。
短く儚いゆえに、生の限りを懸命に燃やした若者達の真摯な思い。
その思いは争乱に明け暮れた源平の昔より、どんな時代の闇の中でも、
それぞれに光彩を放ちながら時代の青春を貫いてきました。それは、
祖国に留まり理不尽なロシアの侵略に対して、闘いを挑むウクライナの
青年たちの想いに重なります。

 大倉山から眺める鎌倉の街並みは、炎暑の余韻を留めながら、夏の
夕映えの中で淡いセピア色に染まっています。
七里ガ浜からの潮騒も聞こえてきそうな静寂の中で、むくげの花は今、
まさにその花弁を閉じようとしています。
 一日と言う短くも、かくも典雅さに溢れた花の一世。夏の夕映えの
中で静かにその花弁を閉じるむくげの花は、風雅さを押し包むように
萎んでいきます。

     「宗旦むくげ」

 朝に開き、夕べに散る槿花の紡いだ夢は、儚さそのものかもしれません。
しかし、それは遠い戦乱の世も含めて、今、ウクライナで、そしてガザで死と
隣り合わせの生を懸命に、健気に生きる人々の燃焼の証でもあり、一瞬を
永遠に重ねることを悟った、凛とした気品と志の証でもあると思っています。

コメント (2)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)

2024年07月17日 05時57分51秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「今年初めて咲いた 月下美人」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・26横笛(よこぶえ)
  歌の背景
   光源氏四十九歳。夕霧の一周忌の供養も終わり、御息所(落葉宮の母)
   は、柏木の遺愛の笛を夕霧に贈る。
〇露しげき むぐらの宿に いにしへの 秋に変はらぬ 虫の声かな
 と、聞こえ出だしたまへり 一条後息所
〇横笛の 調べはことに変はらぬを むなしくなりし音こそ尽きせね  夕霧
(返歌)
☆荒れた家 秋と変わらぬ 虫の音は 持ち主しのぶ 悲しみの声
☆柏木を しのぶものの 泣き声は 尽きせぬものか 横笛の調べ
註)紫式部集・26
〇小塩山 松の上葉(うわば)に 今日やさは 峯のうす雪 花と見ゆらむ
(返歌)
☆暦には 初雪降ると あるのなら 雪が積もって 峰にうっすらと
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、落葉宮の母の歌は「涙にくれて暮らすこの荒れた家で、昔に
 変わらぬ笛の音を聞かせていただきました」と意訳できますし、それに
 答えた二首目、夕霧の歌は「横笛の調べは昔と変わっていませんが、
 亡くなった人を偲んで泣く声は尽きません」と詠っています。
 この二首の歌への作者の返歌は、何れもそれぞれの方の哀しみに寄り添い
 それを肯定する返歌となっています。二首目の「横笛の調べ」と泣き声の
 関連性をすこし強めて詠ってみましたが、いかがでしょうか。
 【ご参考】
 ★亡き人を偲ぶ笛の音変わらねど いまだ尽きせぬ泣き声のある
 三首目の歌は、紫式部の身近に仕えていた侍女の詠んだ歌と推察できますが、
 「小塩山の松の上葉に今日はおっしゃるように初雪が降って峯の薄雪は
  花が咲いたようでしょう」と意訳できますね。作者の返歌も、初雪の
 降った様を元歌に沿って、花のように「峰にうっすらと」積もる様子を
 詠っていますが、もう一歩進めて詠んでみました。
 【ご参考】
 ★小塩山 松の上葉の初雪は 峯を包みて花のごと見ゆ 

【詞書】夏燕、夏のつばめで三首詠みました。爽やかな気持ちいい夏の
  季語です。
☆万緑に埋もるる小歩危 大歩危の天と地かすめ夏燕すい
☆かんかんと遮断機降りて 佇めば 空に一閃夏のつばめよ
☆清水の舞台をかすめ 青空を斬り閃光のごと夏燕
                         みっちっちさん
【解説】
 季語「夏燕」を用いて、夏らしさが感じられる歌三首を爽やかに詠んで
 頂きました。

 特に一首目の歌は、力強く雄大な自然の風景と、そこに飛び交う燕の
 軽快な動きが鮮やかに描かれた一首です。また、「万緑」と
いう言葉に
 よって、緑の質量が強調され、「小歩危」「大歩危」
という地名を
 並べることで、吉野川の渓谷の険しさと壮大さが
表現されています。
 さらに、結句の「すい」という擬音語によって、燕の軽快な動きが
 生き生きと描写されて、作者の感性と表現力が見事に光る歌になって
 いると感じます。
 二首目の「空に一閃」の表現も見事です。

【詞書】買い物をしたことで、二首出詠させて頂きたいと思います。
☆節電のためと購入 冷風機 冷房 弱も 製氷MAX
☆病院の帰りに龍田大社寄る 五色の念珠揃いて購入
                         西BOOさん
【解説】
 一首目、詠まれている冷風機は、冷蔵庫の製氷機と同じ原理で動作
 しますが、冷蔵庫内で循環する冷気を利用して水を氷に変え、
冷たい
 空気を送り出しますね。下の句の「弱」と「MAX」の対の表現に
独特の
 ユーモアが感じられます。

 二首目の歌、龍田大社は、奈良県生駒郡三郷町にある神社で、風の神
 (風神)として古くから信仰を集めています。なお、創建は

 約2100年前とのこと。「五色の念珠」は奥様の回復を願ってのものと
 考えますが、この願いと、祈りが「白龍」の神に届きますよう
私達も
 祈念したいと思います。

【詞書】数年前の娘からの贈り物紫陽花は鉢植えから地面に植え
  替えると、毎年枝を広げ美しく咲きます。名前は「コンペイトウ」
  という額紫陽花です。
☆母の日の娘(こ)の贈り物紫陽花は年ごと彩を深めて咲きぬ
☆スーパーに和毛ふるえる白桃の少女のようなはにかみに合う
☆忽然と逝きし人恋う夏盛り白桃すすりぬ雫に濡れて
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌、お嬢さまから母の日に贈られた額紫陽花が庭に移された
 ことによって、年ごとに繁茂し藍色を深め美しく咲き誇っている、
 その様子が趣き深く詠われています。
 「こんぺいとう」と言う名の紫陽花は、白覆輪の八重咲きとなる金平糖の
 ような可愛い花が特徴とのこと。鬱々とした年々の梅雨の季節に
温かな
 お嬢様の心遣いが心に沁みますね。

 二首目の歌、「和毛(にこげ)」という言葉を使うことで、白桃の繊細な
 産毛を表現し、「ふるえる」という動詞を用いることで、
白桃の瑞々しさ
 と生命感を鮮やかに描き出しています。

 日常的な風景の中に、繊細な感性と美しいイメージを織り込んだ、印象的な
 歌と考えます。

 三首目の歌、「雫に濡れて」では、白桃の滴る果汁と、涙とが混ざって
 いるようにも感じら悲しみに暮れる作者の姿が浮かんで
きます。
 また、亡くなった人を偲ぶ気持ちが繊細な言葉で表現
されていて、深い
 共感を呼び起こす歌と感じます。


     「咲き初める オリエンタルリリー」

【詞書】YouTube短歌:富田勲 展覧会の絵 チュイルリーの庭
☆皆で駆け巡れ!あらゆる場所に
     新たな発見が。

  今の道を迷ふな!
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 チュイルリーの庭の前にプロムナードがあるのですが、イメージが
 尽きたのか?出来ず、次のチュイルリーの庭を出詠します。後に
 出来ましたら、前後しますが、出詠したいと思います。
 富田勲のシンセサイザーの展覧会の絵は、1975年2月に発売された。
 前作の月光に次いで、7ヶ月で完成したそうです。1975年8月16日
 付けのビルボード・キャッシュボックスの全米クラシックチャートの
 第1位を獲得し、1975年NARM同部門最優秀レコード2年連続受賞、
 1975年度日本レコード大賞・企画賞を受賞しました。
 チュイルリーの庭は、 遊びの後の子供たちの口げんかと副題が
 付いている。フランスのテュルイリー宮殿の庭で遊んだ後に喧嘩を
 する子供たちの様子が表現されています。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ
 幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1fc6e5cf5c1017f003f7802b8e7f2bab
                         自閑さん
【解説】
 「短歌説明」にも記されていますが、「チュイルリーの庭」の曲は軽快で
 明るいメロディーが特徴で、子供たちが遊びながら口げんかをしている
 様子が音楽で表現されていますね。チュイルリー公園は、ルーブル美術館
 の隣に位置し、パリ市民の憩いの場として知られています。
 また、富田勲の曲は、ムソルグスキーの原曲に現代的な解釈を加え、
 シンセサイザーの多彩な音色を駆使して新たな魅力を引き出していますね。
 作曲による「本歌取り」とも言えますが、原曲を超える水準故に世界的な
 評価も頷けます。そんな曲のイメージから歌を紡ぐ営みは、やはり
 相当にしんどいものと拝察いたします。しかし「今の道を迷ふな!」の
 下の句は、「チュイルリーの庭」のイメージを表現するのみでなく、
 人生の指針として、自らにも言い聞かせる内容も含まれていると拝察
 させて頂きました。
 YouTube短歌の神髄とも言える、曲のイメージを膨らませ言葉に凝縮
 させる技を、改めて学ばせて頂きました。

【詞書】6月あたまだったか5月の終わりかに、朝日新聞土曜日の
  書評ページに紹介されていたのに興味をもって、書店に注文して
  6/28に買った「呪文よ世界を覆せ」という講談社のコミックの第1巻。
  イマイチ売れない芸人の青年(相方はブレイクして、ピン芸人の賞
  レースで優勝して、主人公にはまだ言っていないが、ピンでやりたい
  と思っている)が、なかなか売れないウケない、同棲していた彼女は
  他の男と居た上に、そいつにボコボコにされた、舞台はボロボロで
  相方に冷たい言葉を投げられ…で、劇場の裏で落ち込んでつぶやいた
  ひと言が、5・7・5・7・7になっていて、たまたま聞いた(劇場の上で歌会
  をやっていて帰るところだった)女性が「今の 短歌でしたね」と
  話しかけ…。という“短歌が繋ぐBoy meets Girl”から始まる物語
  です。作者はニコ・ニコルソン(日本の方やと思います)という女性で、
  この作品以前にも作品はあるんですが、失礼ながら全く初めての方
  でした。(月マガ系はあまり買わんし…)主人公の関西弁(私が長年
  住んでた堺市出身)も割と自然やし…。「世界ぜんぶ歌になるやんけ」
  と“気付いた”シーンは「うん…!」って共感しましたし…。
  (その前のシーンも良いです。…いくらか前のページで一カ所
  「うっ…」と刺さるところも…)ともかく“短歌”を扱うマンガも
  そんなにありませんが、買って良かった。面白いです。河野裕子さん
  (私でもお名前は存じております)の歌など実在の歌も作中で紹介
  されています。
  新聞の歌壇などとはまた違う、短歌へのアプローチとして、純粋に
  「どないなるんやろ?」と楽しみにして次巻を待ちます。
  (とはいえ…これ以上新しい作者の作品は増やさん方がええんです
  よね…。多分マンガの冊数軽く2000は越えてるやろうし…)
☆久々に買った新しいマンガ
        短歌に出逢った青年の話
【詞書】7/14(日)に、京阪宇治駅そばの公園(「茶づな」という施設が
  あります)に、京都アニメーションの放火殺人事件によって亡く
  なった36名を悼み、また遺族の方々、京アニに携わる人々、ファンの
  人達、宇治に訪れる人々の心を繋ぎ、想いを、志(こころざし)を繋ぐ
  為の象徴とし建立された碑、「志を繋ぐ碑」が完成しました。私は
  まだ行ってませんが、京アニの社員の方々がデザインをされたと
  いう、テレビで見たその碑は絵を描く紙のように白く、羽ばたく
  鳥達は天に向かって人々の心を届けてくれるかのように力強く
  羽ばたいている…関係者の気持ちにもファンの気持ちにも寄り
  添うような素敵なデザインでした。
  六地蔵の第一スタジオ跡には非公開の慰霊碑が建つそうです。
  「“慰霊碑”ではない」という「志を繋ぐ碑」はファンが京アニに、
  あの事件で亡くなった方々に心を寄せる新たな場所となることと
  思います。碑の正面に立った真っ直ぐ向こうを辿ると第一スタジオ
  跡なんだそうです。
  (まだ工事中のは見ました。この間「茶づな」でやってる“大河
  ドラマ展”を見に行った時に…。ポケモンのマンホールの蓋も
  すぐそばです…余談まで)
☆失われた命表す白き鳥
      36羽に祈りを託して
【詞書】昨日(7/15)の大阪の朝日放送の夕方のニュースワイド
  「newsおかえり」のお天気のコーナーで祇園祭宵々山の様子を
  やっていましたが、番組後半では気象予報士さんが“菊水鉾”
  に登って中継してました。その際、ずっと演奏している囃子方の
  人達を写したんですがその中に今年初めてお囃子に参加した
  という小学2年生(だった…と)の男の子がいました。後ろから
  お父さんらしき男性が鉦を叩く“ばち”を持った男の子の手を
  包むように手を添えて鉦を叩かせていたんですね。人手に関しては
  他の祭りも大変なところがあるかと思います。伝統ある祭を担う
  人材を育てるのも今携わる人達の大切な事なんでしょうね。手を
  添えられて鉦を叩いていた男の子が本番を無事にこなし、将来
  また後輩達を教え、伝統を伝えていけるといいなあと思います。
  …明日は山鉾巡行。願わくは雨よ降るなあっ!!
☆父が手を添えし子の目は鉦(かね)見据え
            祇園囃子に音は溶け込む
                         ちがやねこさん
【解説】
 「講談社のコミックの第1巻」「志を繋ぐ碑」「祇園囃子」と、今回も最新の
 事象をテーマ毎に作者の視点からじっくり掘り下げて
詠って頂きました。
 一首目のテーマ、「呪文よ世界を覆せ」は、少し目を通しましたが短歌を
 題材にした斬新なギャグ漫画ですね。ここで詠われている短歌はユーモアと
 感動に満ちており、心温まる物語と感じます。
 おっしゃるように「短歌へのアプローチ」の一つとしてもお薦めの書ですね。
 なお、2000冊のコミック誌とは壮観で、凄いですね。

 二首目の歌、京アニメの社員の方々がデザインをされたという「志を繋ぐ碑」
 は、詠われているように、あの事件で亡くなった方々に
心を寄せる新たな
 場所となるとともに、文字通り志を次の世代に
伝える出発を誓う場になって
 いくものと思います。また、上の句の表現がすっきりとしていて秀逸です。
 三首目の歌、伝統を守り次の世代に継承することの難しさが最近とみに
 言われていますが、祇園囃子の継承の様子が温かな眼差しをもって具体的に
 詠われています。このような視点こそ歌の命と思います。
 上の句を詞書を踏まえて少し整理させて頂きましたが、いかがでしょうか。

【ご参考】
 ★父が子に手を添え叩く鉦(かね)の音よ
            祇園囃子に溶け込みてゆく

☆梅雨晴れの花野行き交う人はみな 会釈かわして笑みも浮かべて
                         ポエット・M
【解説】
 梅雨は未だ開けませんが、梅雨の合間の晴れの日に、観音崎公園の
 「花の広場」に散策に出かけてみました。鬱々の日々の中でひと時、
 爽やかさを求めて花野を訪れる方が少なからずおられ、顔なじみの方も
 結構おられます。会釈し、笑みを交わし合うのみの間柄ですがお互いに
 安らぎも感じられ、このような淡い交流も又良いものと感じます。
 それは、緑に覆われた草原と、季節の花に溢れた花野という環境に
 よるところが大きいと感じます。
 人には色々な側面がありますが、このような穏やかな環境の中で人は心から
 優しくなれ、それを反映するかのように表情も和やかに見えます。

 世知辛い世情の中で、例えひと時でもそんな状況の中に身を置きたいものと
 感じ、詠んでみました。

 
     「咲き初める むくげの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(48)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
29.「短歌の章」 済州島日韓会議(1)

   夾竹桃の花咲き盛る島にして
           低き家並みの家居貧しき
           
   家毎に石積みて垣を囲らせり
           昨日も今日も風吹く島は

   海女潜く海は緑に耀よひて
           島めぐり行く風亘るなり

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)ネット歌会

2024年07月17日 05時35分11秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その141)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「今年初めて咲いた 月下美人」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆節電のためと購入 冷風機 冷房弱も 製氷MAX
                         西BOOさん
★夏祭りイチゴミルクのかき氷 浴衣の金魚も跳ねて道連れ
                         夕庵さん
★夏祭り 昔踊った盆踊り 今は打ち上げ花火に変わる
                         西BOOさん
★陸橋より仰いだ空に遠花火 弾ける音を君よ 聞いたか
                         夕庵さん

☆母の日の娘(こ)の贈り物紫陽花は年ごと彩を深めて咲きぬ
                         夕庵さん
★誕生日 娘からのプレゼント Ā5黒毛は喉を通らぬ
                         西BOOさん

☆万緑に埋もるる小歩危大歩危の天と地かずめ夏燕すい
                         みっちっちさん
★流線に飛び交う鳥の素早さに あれがツバメと孫(こ)に教えたり
                         夕庵さん
★原っぱにキャッチボールの少年を かすめ燕の飛び交ふ速さ
                         みっちっちさん

☆スーパーに和毛ふるえる白桃の少女のようなはにかみに合う
                         夕庵さん
★手のひらを桃の形に包めども 痛みし桃よ 少女のやうに
                         みっちっちさん
★傷ついた言葉は今も忘れない 少女の頃の教師の言い草
                         夕庵さん
★傷つきし心はずつと 教師らよ 子らのこころを育むことを
                         みっちっちさん

     「咲き盛る 西洋アサガオ」 

☆かんかんと遮断機降りて 佇めば 空に一閃夏のつばめよ
                         みっちっちさん
★真夏日の線路も揺れる踏切に チガヤは穂綿を白く飛ばしぬ
                         夕庵さん
★踏切の向かうに友の家があり 別れし友の背の揺れし夏
                         みっちっちさん
★二十年ぶり 偶然友との再会に 奇跡の時間は一閃のごと
                         夕庵さん
★同窓会 初恋の人は歳とれど 優しき瞳だけは変はらず
                         みっちっちさん
★肩組みて校歌を歌う同窓会 きみは今でもベストフレンド
                         夕庵さん
★肩組みてキャンプファイアー 頬染めて炎を見つめ歌ひし夜よ
                         みっちっちさん
★ソロキャンプ焚き火の焔を見守りつ 纏うしがらみ解きゆくのか
                         夕庵さん
★じつと見し炎に何を考える 人の深淵 いかに生くるや
                         みっちっちさん
★気炎吐くきみの主張は唐突で 聞き流すこつ いつか身につく
                         夕庵さん
★若き日にただ聞き流す勉強が 大切なると思ふ今なり
                         みっちっちさん
★深夜便 アナウンサーの囁きに心足らいて眠りにつきぬ 
                         夕庵さん
★今日の日も出来うる限り頑張った 自己満足の眠りにつきぬ
                         みっちっちさん
★酷暑なら抵抗せずに身を守り 昼寝が日課となってしまいぬ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き競う ゼフィランサス」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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今年初めての「月下美人」

2024年07月14日 09時50分13秒 | 作詞、ユーチューブ

 2024年、今年初めての我が家の月下美人が一昨日2輪、昨夜3輪が続けて開花しました。
最初の二輪は、開花日を見誤り、朝に萎れた状態で発見し残念な想いがしました。今回も、細君が大胆に剪定しましたので開花はあまり期待していませんでしたが…、ブログ友のfumiel-shimaさんのお宅で6月5日に開花したとの記事に触れ、花芽を観察すると5~6個の花芽がありホッとしました。

 例年通り、つぼみは18時過ぎに綻びはじめ、21時過ぎには7~8割りの開花となりました。
このころには、月下美人特有の甘やかな香りが部屋に漂い始めました。 22時頃にはほぼ満開となり香りも、 花姿も雅な花がオーラを放ち、毎回のことながら見惚れていました。そして、日の変わる24時過ぎには早くも萎み始めました。

 
     「初めて咲いた 月下美人」

 私は眺め、写真に撮るのみですが、日々、丹精に世話をしてくれる細君と、年々歳々健気に咲いてくれる花に感謝の想いが湧きます。また、見るたびに新たな魅力が見出され、惹きつけられる花ですが、それは、わずか数時間にも満たない花の命を、懸命に咲き切る花の潔さ故かもしれません。

 この月下美人の儚げながらも、凛とした花のたたずまいを「詞」に紡いでみました。この詞をもとに一昨年、ブログ友のYokiさんに素敵なオリジナル曲を作曲して頂きました。一昨年Yokiさんのユーチューブで公開して頂き、このブログでも紹介いたしましたが、今年初めての開花に合わせて、改めて掲載させて頂きます。

 「月下美人の香り」
     作詞  :ショー・ジロー
     作曲&歌:yokiさん

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

  1.
   宵闇に ひらきはじめた   月下美人  
   甘い香りを漂わせ   一夜限りの命としらず  
   闇にのびゆく花びらは   炎のように揺れている   
   憂いもつ君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  2.
   花びらの 白さ際立つ   月下美人  
   雅な香り漂わせ   一夜限りの夢に酔う  
   闇を切り裂く花びらは   炎のように燃えている   
   儚さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

  3.
   花びらが 耀き放つ   月下美人  
   深い香りを漂わせ   一夜限りのものがたり
   闇を照らせる花びらは   炎のように 凛として   
   気高さは君に君に似て   その刹那に命を燃やす

 ***********************************
  月下美人の花言葉は「艶やかな美人」「はかない恋」だそうです。
  なお、拙い詩ですが、著作権は放棄していません。
  無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ
  当方へ連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ
  嬉しいです。
 ***********************************

コメント (9)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140)

2024年07月10日 05時55分47秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める ハマボウ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・25柏木(かしはぎ)
  歌の背景
  光源氏四十八歳。亡き柏木への思いにしずむ落葉宮を見舞う夕霧は
  その様に心をうたれ思わず歌を贈る。しかし、夫を偲ぶ落葉宮は
  その気持ちを拒む。
〇ことならば 馴らしの枝に ならさなむ 葉守の神の 許しありきと 夕霧
〇柏木に 葉守の神は まさずとも 人ならすべき 宿の梢か」    落葉宮
(返歌)
☆枝先が 一つになって 宿縁も 葉守の神の お許しこそが
☆突然の お言葉にこそ 驚いて 心の浅い 方のようにと
註)紫式部集・25
〇ここにかく 日野の杉むら 埋(うず)む雪 
             小塩(おしお)の松に 今日やまがへる
(返歌)
☆日野山の 埋む雪見て ふるさとは 都懐かしむ 小塩山の松
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回は、夕霧、落葉宮、紫式部の歌、それぞれへの返歌を詠んで頂きました。
 一首目、夕霧の歌は、「同じことなら、この連理の枝のように、親しくして
 頂きたい。葉守の神(柏木)の許しがあったと思われて」と意訳できます。
 それに対して二首目、落葉宮の歌は、「柏木に葉守の神はおられなくても、
 他の人を近づけてよい宿の梢でしょうか」と意訳でき、夕霧の想いへ
 「だめですよ」と答えていますね。作者の返歌は、何れもこれらを踏まえ
 優しい想いのこもった歌となっています。
 夕霧の想いを、もう一歩進めて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★柏木の連理の枝のことわりに 君と吾への神の許しも 
 三首目の紫式部の歌は「暦に、初雪降ると書いてある日、見た目には近い
 日野岳という山の雪が、とても深々と積もっているように見えたので、
 今日は都の小塩山の松に降り積もっているだろう雪と見紛うばかりだ」と
 意訳できます。これを踏まえると作者の返歌は紫式部の想いをなぞる歌と
 考えます。作者の返歌で「ふるさとは」「都」を少し整理してみました。
【ご参考】
 ★日野の杉 うずむ雪見て 都なる小塩の松の雪懐かしむ

【詞書】「七月」の季語で三首詠みました。
☆七月の神戸の空にリニューアル ポートタワーの悠然と赤
☆七月の空にドクターイエローのラスト三年(みとせ)の勇姿疾走
☆七月の湖面を渡る比良の風 さざなみ淡く浮舟ひとつ
                         みっちっちさん
【解説】
 今年の「七月」は例年以上に異常な暑い月になりそうですが、この月を
 題材に爽やかに三首詠んで頂きました。
 特に、二首目の歌。ドクターイエローの最後の3年を疾走する姿を詠って
 いますが、旅人が草枕を探す楽しささえ感じさせる歌とも言えます。
 ドクターイエローは、老朽化などを理由に、JR東海の車両は2025年1月、
 JR西日本の車両は2027年をめどに運行を終えることが正式に発表されて
 います。この歌は、その終焉を讃えるものとして、感慨深い歌ですが、
 歴史を刻む歌ともなりますね。
 ちなみに、ドクターイエローは、東海道新幹線・山陽新幹線区間に
 おいて使われる点検用新幹線車両の愛称です。車体が黄色いことから、
 こう呼ばれています。
 三首目の歌で「さざなみ淡く」との表現がありますが、違和感を抱く
 方もおられるかと思いますが、「さざなみ淡く」という表現は、
 風によって水面にできる波が小さく、色が薄く見えるさまを的確に
 表現していると考えます。
 ちなみに、「淡く」のほかに、「かすかに」「微かに」「ほのかに」
 などの言葉もありますが、どの言葉を使うかは表現したいイメージに
 よって異なると考えます。この場合、風が弱い日で「さざなみ淡く」
 は適切な表現と考えます。

【詞書】先月、孫と生駒山上遊園地に行ったことから二首詠まさせて
  頂きたいと思います。
☆孫二人 アトラクションに乗りに行き 降りて瞬時に「もう一回乗る~」
☆ひきつけが治りし孫も もう三才 絶叫マシンにゲラゲラはしゃぐ
                         西BOOさん
【解説】
 お孫さんと生駒山上遊園地に行かれた際の、お孫さんの様子を愛情を
 込めて詠まれた二首の歌。何れもお孫さんが身体いっぱいに楽しさを
 爆発させる様子を、素直に詠われ微笑ましさが伝わる良い歌と考えます。
 なお、一首目の「もう一回乗る~」、二首に目の「ゲラゲラはしゃぐ」
 との言葉、事象の表現は、歌のリアリティーを増し取り入れたい技でも
 あります。
 なお、二人のお孫さんと遊園地で遊ぶのは楽しい反面、かなりの体力と
 気遣いも必要となり、結構お疲れだったことと思います。孫の為ならばと
 張り切る作者の、少年のような表情が歌から目に浮かび、私達世代の
 共感を呼ぶ歌でもあります。体調はいかがでしょうか。くれぐれも
 ご自愛ください。

【詞書】季節の花 3首です。
☆山法師 頭巾の形に花びらは 荒みし心にやさしさを説く
☆雨の日に化粧(けわい)したのか半夏生 雨滴は涙か零す手の上
☆二つ三つ今年も咲きぬ朝顔は かの絵日記の彩そのままに
                         夕庵さん
【解説】
 今の季節を彩る「山法師」「半夏生」「朝顔」を題材に抒情豊かに
 詠って頂きました。
 一首目の歌は、冒頭の「山法師 頭巾の形に花びらは」という表現が
 印象的です。山法師の花は、白い四片の総苞がまるで頭巾をかぶった
 法師のように見えることから名付けられたと言われています。作者は
 この花の特徴をよく捉え、簡潔な言葉で描写しています。
 なお、「荒みし心にやさしさを説く」という表現によって、山法師の
 花が持つ楚々とした美しさと優しさが伝わってきます。「荒みし心」と
 いう表現は、私達の心に訴えかける力があります。
 全体として、この歌は山法師の花の静寂さ、美しさと優しさを、視覚的、
 感覚的に表現し深い余韻を残す歌だと感じます。
 二首目の「雨滴は涙か零す手の上」の表現が秀逸です。


     「山法師の花」

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 古城
☆老ひぬるか
   まだ生きるか
  歩けるうちは幸せだ と

   鐘だけ鳴り響く
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 展覧会の絵シリーズの古城です。曲のイメージからのみで作歌しています。
 この短歌は、水曜サロンに、ボケて投稿し損なった時、自分の老いを
 感じていました。ポエット・M様には、ご迷惑をお掛けしました。
 まあ、歩けるうちは歩く、短歌が出来るうちは投稿するとしていきたいです。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/d55ec7a149b2459a52295e3e7256c536
                         自閑さん
【解説】
 ムソルグスキーの原曲「展覧会の絵」には、5つの「プロムナード」が
 ありますが、詞書でのテーマの「古城」は、その2つ目にあたります。
 優しげな「プロムナード」を挟んでから、場面は中世の幻想へと変わり、
 題名の通り「古城」の前で、吟遊詩人がリュートを奏でながら歌っている
 情景が表現されています。
 この曲の哀愁ただようイメージから紡がれた歌は「老い」を意識しながらも
 「まだ生きるか 歩けるうちは幸せだ と」の言葉通り、前向きに歩む
 作者の心意気、さらに決意がうかがわれます。私達世代が直面する老いの
 現実に対して、ひるむことなく前を向く秘められた潔さも歌に滲んでいます。
 「鳴り響く」鐘をエールに変えるエネルギーも感じられる歌と感じます。

【詞書】イギリスの首相が替わりましたね。労働党が保守より議席が上回り、
  労働党が第一党になり、党首のキア・スターマー氏が新しいイギリスの
  首相となりました。イギリスの低迷する経済を立て直し、さまざまな
  社会問題にどう向き合って解決に導くのか、その手腕が問われます。
  …私は、昔見た「モンティ・パイソン」の“スーパーマン達の国の自転車
  修理マン”のネタが頭にこびりついているんですが、近世近代の
イギリスは
  やはり労働者階級の人々が支えてきた、というイメージが
あるんですよね。
  (古いイメージかもですが)現代は、「とにかく一般
庶民の底力が試される」
  感があります。

  さて、ダウニング街10番地の首相官邸を前首相か退去し、新首相がその前で
  会見し、中に入るというのはよく見ますが、そういうニュース
を見ていて
  「…猫、おるやんなあ…」と思ってたら、ちゃんと写して
くれていました。
  「猫 ラリー君」御年17歳!!とてとてとてとドアの前に
来て座り、開けて
  もらうのを待っていました。我関せずみたいな
佇まい!!ちゃんと“ネズミ
  捕り部長”という役職についているとか。
こういうところ好きよ
  イギリスって…。(平安期の宇多天皇だったかも
そんな話があったような…)
☆住人が替われど猫はマイペース
        ダウニング街10番地にて
【詞書】7月8日(月)の朝4時過ぎでした。北北西辺りから見え出す(3時59分)
  ISS(国際宇宙ステーション)を見に行ったんですが、
(つくづく端から見たら
  不審者やわ…)ずーっと目で追って、スマホで
情報も見つつ、明るくなりつつ
  ある東の空を見渡せる所に移動して、
「あー、明け方に火星は初めて見たなあ。
  お、真東に出てるやん。
(ISSは)あれを過ぎたら消えるな」なんて言ってたら、
  火星に
“ぶつかりそう”になって、一瞬重なって(そう見えたんです!)、
  …通り過ぎた…。「え゙~っ!!こういうの星や月の“衝(しょう)”とか“合(ごう)”
  みたいやん!!」と一人で明け方にテンション爆上がりに
なってました。
  (あくまで小声か心の声です。マジの不審者になったら
あきませんので)
  うわあ~、ISSの人達から見えてるんやろか?とか、
画像か映像撮った人は…
  と思いましたが、それは見つかりません
でした。(以前のはありました。
  そのうち出るかもですが)でも、見に
行って良かった!
☆真東に明けの星のごと輝ける
         火星を横切るISSよ
【詞書】今日の「ゴゴスマ」で言ってました。今月に愛知県の東山動物園に来て、
  来月には展示の予定とか。…迫力あるやろなあ…。餌が凄そう
ですが…。
  …日本の動物園はドコモ…いや、どこも飼育してなかったん
ですね。…大変
  そうですがテレビとかで見るのが楽しみです。

☆ドラゴンズのお膝元へとやってくる
         コモドドラゴン迫力凄し!
                         ちがやねこさん
【解説】
 「猫のラリー君」「火星を横切るISS」「コモドドラゴン」と今回も、
 今日的な新鮮なテーマを作者らしい視点で活き活きと詠んで頂きました。
 一首目の歌、イギリスの総選挙で、最大野党・労働党が議会下院の650議席の
 うち400議席を超える大勝を収め、14年ぶりとなる政権
交代が決まりました。
 労働党のスターマー党首が5日、ロンドンの
バッキンガム宮殿でチャールズ
 国王に任命され、首相に就任し、
ロンドンで支持者を前に勝利演説を行い
 ました。その演説で
「変革はいま始まる」と述べ、国のために尽くす政治を
 行うと
強調しましたね。猫のラリー君は老齢ながら詠まれているように
 前職を全うされることと思いますし、皆さんで応援したいですね。
 ちなみに、平安時代前期の天皇である宇多天皇は、日本で最古の猫の飼育
 記録を記したと言われており、彼は飼っていた黒猫を
溺愛して、その猫日記
 「寛平御記」には詳細な記述を残しています。

 二首目の歌、明け方に火星とISSとが交差した瞬間を詠まれた歌は作者の
 感動がそのまま表現され、ワクワク感が歌に溢れています。

 歌は、このような感動を凝縮し記録する媒体として最適なものと改めて
 感じました。朝の眠気に打ち勝った成果でもありますね。

 三首目の歌、コモドドラゴン(正式な和名は「コモドオオトカゲ」)は、
 大型なトカゲの一種とのことで、毒を持っており、噛み
付かれた獲物は
 敗血症を発症して死亡することがある結構怖い
トカゲですね。詠われて
 いるように「ドラゴンズのお膝元」に
来て、守り神になる可能性もあり
 ますね。フアンの方としては期待
したいですね。

☆木漏れ日に はにかみ咲くや山法師 笑みに隠せる哀しみも知る
                         ポエット・M
【解説】
 「山法師」の花は、一見するとそれほど艶やかに咲くわけでもなく、
 楚々とした印象の花でもあります。しかし、木漏れ日に照らされて白く
 浮き立つ様子には清楚な印象が際立ち、息を吞むほどの美しさを感じる
 ことがあります。
 しかし、その清楚さ故でしょうか、花に秘められた哀しみを感じてしまう
 ことがあります。これは宗旦むくげのひと日花にも感じるものですが、
 白く穢れを寄せ付けない花のまとう孤高さ故かも知れません。
 なお、遠い青春の日、山法師の花が好きなその友が、悲しみを笑みに
 隠して凌いでいたことを思い出します。山法師を見ると、そんな想いも
 浮かび詠ってみました。
 また、「笑みに隠せる哀しみも知る」という表現で「擬人法」という
 表現技法にも挑戦してみました。

 
     「百合 カサブランカ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(47)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
28.「短歌の章」 わが書斎(1)

   《書物は死の花》《思想の墓処》と言える詩人あり
              さはれ われまた《死の花》に埋もれる
           
   二人静庭に手折りて瓶にさし
           書斎に春の光を移す

   しょうまの花白きを活けて雨の夜の
           書斎すがすがと物書き続く
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140)ネット歌会

2024年07月10日 05時43分49秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その140)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める ハマボウ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆孫二人 アトラクションに乗りに行き 降りて瞬時に「もう一回乗る~」
                         西BOOさん
★大好きも飽きるも早い孫たちよ 追いかけ追われて大きくなあれ
                         夕庵さん
★プリキュアも今年でシリーズ三作目 卒園もしてそろそろ卒業
                         西BOOさん

☆ひきつけが治りし孫も もう三才 絶叫マシンにゲラゲラはしゃぐ
                         西BOOさん
★遊園地のメリーゴーランドは夢の国へ 白馬の王子が道案内す
                         夕庵さん
★ディズニーのラプンツェルを思い出し メリーゴーランドの白馬へダッシュ
                         西BOOさん
★王子待つお城へ白馬と駆けてゆく きみはいつでも夢見る少女
                         夕庵さん

☆七月の湖面を渡る比良の風 さざなみ淡く浮舟ひとつ
                         みっちっちさん
★ボート部の十二の御霊眠らむか 夕焼け染まる滋賀の湖
                         夕庵さん
★七月の空へと昇りし たましひよ 京都アニメの御霊やすらに
                         みっちっちさん

山法師 頭巾の形に花びらは 荒れし心にやさしさを説く
                         夕庵さん
★地震(なゐ)の地の瓦礫の隅の 山法師 白き花びら ほのとやさしき
                         みっちっちさん
★再生のひまわり大きく花開き 仮設の空き地に友垣生まれ
                         夕庵さん
★遠き日のひまわり畑に 友垣と 背比べして遊びし頃よ
                         みっちっちさん
★歳重ね低くなりゆく身の丈に スカート丈を短めにする 
                         夕庵さん
★炎天の体育館に卓球す ショートパンツに脚さらせど汗
                         みっちっちさん

    「桔梗 白色」

☆七月の神戸の空にリニューアル ポートタワーの悠然と赤
                         みっちっちさん
★七月のなにわの空に通天閣 ビリケンさんはしあわせの神
                         夕庵さん
★七月の空に二重の虹立ちて 君と祈りし しあわせの未来
                         みっちっちさん
★きみたちは腹を満たしてしあわせか 今日を怯ゆるスーダンの子ら
                         夕庵さん
★平生の腹は満たせど 内乱のニュースに心痛みゐるのみ
                         みっちっちさん
★戦争の犠牲はいつも子どもらに 澄んだ瞳は恐怖の涙
                         夕庵さん
★寄りて来る 長き睫毛の奈良の鹿 黒く澄みたる目に癒さるる
                         みっちっちさん
★放映の地獄のガザの母親は 涙も枯れて 乞う停戦を
                         夕庵さん
★世の中のすべての戦争なくなれと 七夕の日に幾たび祈らむ
                         みっちっちさん
★笹の葉の願い事とて消え失せて あなたの星が遠くなりゆく
                         夕庵さん
★七夕の祈りは空へ昇りゆき 満天の星よ 願ひ叶へよ
                         みっちっちさん
★帰り来ぬ人の無念を祈るとき わが生でさえ罪と思わむ
                         夕庵さん
★生くるのが罪と思へば 戦争を 始める心こそが大罪
                         みっちっちさん
★人類の歴史の汚点戦争は学びの甲斐なく滅びの道へ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める ノウゼンカズラ」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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八代亜紀さん「お別れ会」

2024年07月07日 10時20分42秒 | 鎮魂

 八代亜紀さんの「お別れの会」が、去る2024年3月26日に東京都蒲田にて
「 ~ありがとう・・・これからも~」と題して開催されました。

 その旨は、先にこのブログでも触れさせて頂きましたが、
そのダイジェスト映像がユーチューブに公開されましたので、
ここに改めて掲載させて頂きます。
 既にご覧になった方もいらっしゃると思いますが、ご視聴頂ければ
幸いです。

 

コメント (6)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139) 

2024年07月03日 05時44分49秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され依然として避難を余儀なくされている皆様に
     お見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「額紫陽花」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏
  物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や
  自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から
  1首、紫式部集より1首の計2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・24若菜(わかな)
  歌の背景
   光源氏四十歳。今は髭黒の北方になっている玉鬘が、源氏の四十賀を
   祝って、若菜を捧げる。
〇小松原 末の齢に 引かれてや 野辺の若菜も 年を摘むべき 光源氏
(返歌)
☆算賀での 客のもてなし 飲食は 心ばかりの 若菜贈られ 
註)紫式部集・24
〇おいつ島 島守(も)る神や いさむらむ 波も騒がぬ わらはべの浦
(返歌)
☆百々(もも)神社 大蛇(おろち)のみたま祀るのは
                    静かなること海をいさめて

                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 一首目、「若菜」の巻は源氏物語中で最も長い巻の一つですが、「歌の背景」
 説明にもありますように、光源氏の40歳の祝いの席で、養女の玉鬘が若菜を
 差し出したことから名付けられています。
 光源氏は、玉鬘に若菜を献上されて詠んだ歌は「小松のように若いあなた達の
 末永い将来にあやかって野辺の若菜(私)も歳をかさねていけるでしょう」
 と意訳できますね。意中では「年齢のことなど考えたくもないと」と言い
 たかったかも知れませんが…。
 年齢のことなどはさておいて、私はもう一花咲かせましょうとの光源氏の
 本音を返歌として見ましたが如何でしょうか。
【ご参考】
 ★年積みて野辺の若菜を賜るも 君にあやかり花咲かすらん
 二首目は、「おいつ島を守る神様が諌めたのだろう。童の浦なのに波も静か
 なのは・・・」と意訳できますね。作者の返歌は「大蛇のみたまを祀る」
 神社なので、その神が海をいさめたのだろうと詠い、紫式部の想いを肯定
 しています。このような返歌も、時空を超えて作歌した紫式部の励ましと
 なると考えますし、密かな楽しみとなりますね。

【詞書】夏の野原は草の香に包まれて気持ちいい、夏の季語です。
  夏野で三首詠みましたので出詠させて頂きます。
☆のんびりと君と寝転ぶ夏野ごと ふはり抱きしめくるる太陽
☆父と子のキャッチボールは弧を描き 夏の野原を幾たび行き来
☆たてがみを靡かせ阿蘇の親子馬 風となるやにカルデラを駆く
                         みっちっちさん
【解説】
 夏の季語「夏野」をテーマに、爽やかで雄大な景観を連想させる三首を
 詠んで頂きました。
 特に三首目の歌は、リズム感があり、朗詠しても気持ち良い歌と感じます。
 阿蘇のカルデラを舞台とすることで、草原に吹き渡る風と共に雄大な景観と
 季節感を感じさせることに成功しています。
 作者は阿蘇で実際に馬が疾走する姿を見たことがあり、その印象詠んだ歌
 なのかもしれません。その感動が歌に込められているからこそ、このような
 力強い作品に仕上がっているとも感じます。
 二首目も、夏の野原で「父と子のキャッチボール」する姿が、明瞭に浮かぶ
 微笑ましい歌と感じます。子にとっても深奥に刻まれた父との鮮明な思い出
 として残ることと思います。

【詞書】雨を見上げながら詠ませて頂きました。
  石上(いそのかみ)は、「降る」の枕詞で、ただ、家の神棚に石上神宮を
  祀らせて頂いていることから、石上神宮のある「布留」の御利益と
  詠ませて頂きました。
☆石上降るとも雨を見上げれば 布留の御利益祈り給わん
【詞書】日頃を詠ませて頂きました。
☆起きもせず眠りもしない日頃かな 君の病が治癒するまでは
                         西BOOさん
【解説】
 一首目で詠まれた、石上神宮は、奈良県天理市布留町にある神社ですが、
 この神社は日本最古の神社の一つで、荘厳な雰囲気が漂っていますね。
 石上神宮の御祭神は「布都御魂大神」で、起死回生や除災招福などの
 ご利益があるとされています。奥様の介護の日々にあたって「回生」
 への切なる祈りも込めて詠まれた歌と感じました。
 二首目も、介護の日々を穏やかに詠まれています。淡々と日々介護に
 対応されている様子にエールを送りたいと思います。
 なお、「連理の枝」と言う言葉がありますが、皆さんもご存知のように
 夫婦仲が睦まじい様子を表す言葉ですが、作者の二首の歌から、そんな
 お二人の様子がほのぼのと浮かんできます。
 ちなみに、「連理の枝」の言葉の由来は中国の唐代の詩人である白居易の
 長恨歌とのことです。

     「金糸梅」

【詞書】竹の葉擦れの音は涼しさを呼び、いつまでも聞いていると
  歌のフレーズが浮かんでいます。
☆さやさやと竹吹く風の心地よさ 言霊きらり光りて降りぬ
☆水たたう棚田の畦に位置占めて 根付きいるらし枝豆の苗
☆雨の日のたったひとりの訪問者 訃報の葉書ポストに沈む
                         夕庵さん
【解説】
 「竹の葉擦れ」「水たたう棚田」「雨の日の」と、今の季節を調べを
 整えつつ詠って頂きました。
 一首目の歌は、風が竹を吹き抜ける音やその心地よさを表現していて、
 「さやさや」という擬音語が風の音を生き生きと伝えています。
 なお、「竹吹く風」は単に涼しいだけでなく、心身ともに癒される
 ような心地良さを感じさせる表現です。
 また、「言霊きらり光りて降りぬ」という部分は、竹の葉擦れの音に
 触発されて歌の言の葉が「降臨」するさまをドラマチックに詠い
 印象的です。
 三首目の「ポストに沈む」の表現が、「訃報の葉書」の内容の重さを暗に
 表現しています。このような表現方法にも学んでいきたいと思います。

【詞書】YouTube短歌:冨田勲 展覧会の絵 プロムナード2
☆やれやれ
  今日も歩いたわい
   もうじき日が暮れる

    さて結ぶ草を探すか
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 本歌 「新古今和歌集」 羇旅歌 鴨長明
  枕とていづれの草に契るらむ行くをかぎりの野べの夕暮
 短歌に、本歌取りをするのは、タブーですが、これをするのも個性と
 御容赦下さい。かの正岡子規も俳句で、
 春や昔十五万石の城下町で、伊勢物語(月やあらぬ春や昔の~)の
 本歌取りをしています。
 鴨長明の歌では、旅の心もとなさを歌ったが、もうそう言う旅も
 慣れて、野宿の場所を探す楽しさを味わうとしました。
 展覧会の絵には、絵と次の絵の間のに、プロムナードと題する曲が
 いくつか挿入されております。
 下記URLに展覧会の絵を貼付しておりますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/cc492d37075db0a9ea01955f49a26ed6
                         自閑さん
【解説】
 鴨長明の、羇旅歌からの本歌取りとのこと。「短歌説明」では、野宿の
 場所を探す楽しさも味わっているとの説明で、旅の達人の域に達した
 鴨長明のゆとりと人となりに言及されています。ただ、この歌から旅人
 としての心情や孤独感も、微かに滲んているとも感じてしまいます。
 なお、「本歌取り」について説明して頂いていますが、名高い芭蕉の句
   〇ほととぎす啼(なく)や五尺の菖草(あやめぐさ) 芭蕉
 がありますが…、『古今和歌集』の作者不明の恋の歌
   〇ほととぎすなくや五月のあやめ草あやめもしらぬ恋もするかな
 の歌の上句の「五月」を「五尺」をしただけの、9割以上の本歌取りも
 あります。ちなみに、この古今和歌集の歌で表現したかったのは
 「理屈じゃないよ、恋は」との意味になりますが…。
 また、本歌取りは、元歌を上回るとの作者の意志と、潔さがあれば大いに
 挑戦されることを是としたいと思っています。
 冨田勲氏の「展覧会」については先週も触れましたので、省かせて頂き
 ますが、作者の歌は、鴨長明の歌を彷彿させつつも、孤独感を感じさせず
 旅慣れた人の、ゆとりとユーモアが感じられる歌となっていると考えます。
 旅人が草枕を探す楽しささえ感じさせる歌とも言えます。


     「クチナシの花」

【詞書】2015年4月から始まった、京都アニメーションの作品「響け!
  ユーフォニアム」のテレビアニメシリーズ、NHKのEテレで今年4月から
  始まった「~3」の最終回が放送され、悲しい事件もあったりしましたが、
  足かけ9年の物語が終了しました。作品は主人公黄前久美子の高校の
  吹奏楽部員として過ごした3年間の話ではあるんですが…。私自身、
  宇治川沿いにある観光センターにあるファンノートに事件の直後に
  書きましたが「時間がかかっても第3期が作られるのを信じて」いましたが、
  始まる時は嬉しかったけど、いざ終わってしまうと寂しいものです。
  「~3」は2017年頃なのですがラストにはあちこち風景の変わった現在の
  宇治が出て来て何か感動したりしてました。宇治にもたくさんの人が
  来てくださいました。(リピーターも大勢…)いろいろ楽しかった!
  京アニさん有難うございました。ひとまずお疲れさまでした…!!
☆シリーズの9年に及ぶ集大成
        心に響いた最終回よ
【詞書】ここ何年かずっと花の咲かないアガパンサスの鉢の、はみ出た
  株を取り除いてやった6月のある日、みよ~んと茎が伸びてきて、蕾を
  包んだものが出来て、今はいくつか花が咲いてるんです。…窮屈に
  していてごめん。咲いてくれて有難う…!!って感じです。
☆窮屈な株整理して花芽伸び
        お帰りなさいアガパンサスよ
【詞書】京都ら辺は6月末に“水無月”という三角に切った外郎に
  小豆が乗ったお菓子を食べる…みたいで、だいたいその頃スーパーに
  並ぶんで何か買ってしまって食べてます。(堺に居た頃にはあまり
  見た記憶のないお菓子です)が、「いつに何を食べる」というなら
  7月1日の半夏生(はんげしょう)には蛸を食べんとなあ…と思って
  居たのにすっかり忘れてた…と。ただそれだけの話です。験担ぎの
  食べ物って他の地域はどうなんでしょう?
☆6月の末に「水無月」食べて居り
       蛸食べそびれた7月1日(しちがつついたち)
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「京アニ」「アガパンサス」「半夏生」について、身近な
 題材をテーマに作者の想いを滲ませ三首の歌を詠んで頂きました。
 一首目の歌、京都アニメーションは前代未聞の不幸な事件に遭遇
 しましたが、詠われていますように「響け!ユーフォニアム」の
 テレビアニメシリーズは足かけ9年の物語が終了しました。
 この最終シリーズ完成に向けて払われたアニメーターを始め、
 多くの関係者の筆舌に尽くしがたい奮闘と、尽力に改めて拍手を
 送ると共に、お疲れ様でしたと申しあげたいと思います。日本の
 アニメの現場の底力と技術を超えた心意気を讃えたいと思います。
 何よりも、北宇治高校吹奏楽部のコンクール出場を目指す青春
 ストーリーの爽やかさを感じていきたいと思っています。
 三首目の歌、日本には春秋の七草、土用の丑の日にウナギを等々
 季節ごとに特定の食物を食べる風習があります。詠われている
 ように7月1日の半夏生に蛸を食べる風習は、京都をはじめ関西
 地方を中心に、香川県や奈良県などでも見られますね。
 これは、旬を迎える蛸を食べることで、夏バテ防止になると考え
 られていたようですね。
 このように、歌に詠むことで季節を再確認することも一興ですね。

☆くだけ散る波のしぶきを浴びて咲く 青の紫陽花 藍を深めて
                         ポエット・M
【解説】
 度々紹介している観音崎の、海辺に咲く紫陽花の波飛沫に負けずに
 咲き続ける様子を詠んでみました。
 風向きによっては荒々しい波のしぶきを浴びることもある海辺の
 紫陽花は、それを受け止め枯れることなく、青から藍色へと彩りを
 深めています。そんな花の生命力を改めて見直しながら、花の矜持にも
 似た想いを感じて詠んでみました。
 なお、結句の「深めゆく」という表現で、紫陽花の色の変化が時間と
 ともにゆっくりと進んでいく様子を表現してみました。

 
     「藍深める 紫陽花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(46)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
27.「短歌の章」 喜寿となる日(2)

   筧の水細々と落ちて昼下り
           この静けさにわがいのちあり
            
   一杯(ひとつき)のにはあれどこの夕べ
           妻と二人のみの ほがひ酒くむ

   われと妻のよわひ重ぬれば151才
           珍しからずとも よろこびとせむ
 
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 今回は割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字以内にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139)ネット歌会

2024年07月03日 05時23分05秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その139)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「ガクアジサイ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆石上降るとも雨を見上げれば 布留のご利益祈り給わん
                         西BOOさん
★石上神社神宮(いそのかみ)の杉の木に鳴く尾長鶏
                  神の使いのひと声聞きたし
                         夕庵さん
★八尾市にて玉祖神社朝詣り 長鳴鶏が鶏舎で合唱
                         西BOOさん
★深碧の色の勾玉 神宿り 常に携え身の護りとす
                         夕庵さん

☆たてがみを靡かせ阿蘇の親子馬 風となるやにカルデラを駆く
                         みっちっちさん
★森鴎外(おうがい)は馬にまたがり社寺巡る「鷗外の門」奈良に残れり
                         夕庵さん

☆父と子のキャッチボールは弧を描き 夏の野原を幾たび行き来
                         みっちっちさん
★誰も居ぬ公園にぽつんとサッカーボール 助走をつけて蹴る恥ずかしさ
                         夕庵さん
★誰もゐぬ夜の園には 砂の城 姫とこびとのダンスパーティー
                         みっちっちさん
★砂丘には「砂の美術館」儚きよ 砂像で楽しむフランス旅行
                         夕庵さん
★はまなすのほのかに香る道ゆけば 砂丘の先に潮騒聞こゆ
                         みっちっちさん
★潮騒を聞きつつ君の詠む歌の ちさき千鳥の足跡たどる
                         夕庵さん
★鳥の声聞きつつ朝の散歩道 君への返歌考えながら
                         みっちっちさん
★リズムよく囀る鳥の声聞いて 鳥語で返事口笛吹いて 
                         夕庵さん
★高原にひとり口笛吹きそめば 歌を興せり卒業旅行
                         みっちっちさん
★懐かしき美ヶ原の白樺よ あの旅こそはわが青春譜
                         夕庵さん
★懐かしき京のやしろや仏閣よ 君と巡りし我が青春譜
                         みっちっちさん
★朱印帳 求めて巡るバス旅行 ガイドに頼み涼とる人ら
                         夕庵さん


     「スカシユリ」

☆雨の日のたったひとりの訪問者 訃報の葉書ポストに沈む
                         夕庵さん
★雨の日のたったひとりの訪問者 どこかの猫と会話楽しむ
                         みっちっちさん
★初対面の人と話すは苦手でも 話せば意外に馬の合う人
                         夕庵さん
★初めての人には笑顔で話しかけ 気の合ふ友となれば幸せ
                         みっちっちさん
★薬より人をやさしくする笑顔 白い歯のぞけばなおさらのこと
                         夕庵さん
★母親に抱かれし嬰(やや)へあやしかけ 笑顔に和むエレベーターなか
                         みっちっちさん
★久しくも聞かぬ赤子の泣き声に にわか若さの戻り来る町
                         夕庵さん
★産声を待ちたる暗き長椅子に 今ぞ一声 誕生の声
                         みっちっちさん
★元気よく産声上げし天使たち 背中の白い羽よ褪せるな
                         夕庵さん
★ステップは軽くこまやか バレリーナ その細き背は羽化するごとく
                         みっちっちさん
★ステップも軽々リードして踊る ホールの帝王 齢(よわい)九十
                         夕庵さん
★ひよいひよいと卓球の球打ち返す 九十歳の女(ひと)の笑顔よ
                         みっちっちさん

☆つがいかも ホタル舞う闇深くして 命をつなぐ営み妖し
                         ポエット・M
★ほうたるよ はかな恋なら怯まずに飛べよ飛べ飛べ燃え尽きるまで
                         夕庵さん
★闇に舞う蛍の恋は哀しくも 水辺の森に尾を引きてゆく
                         夕庵さん
★闇に舞う蛍の恋は艶やかに 燃える想いに我が身焦して
                         ポエット・M
★限られた命と宣告されたなら 何に燃やすか迫り来時間
                         夕庵さん
★告げられし命の期限半年と それでも吾はミモザを植える
                         ポエット・M
★残り世の僅かな命に灯を灯し それでも私は歌詠むだろう
                         夕庵さん
★巡り来るミモザの花の開くとき 風は囁く「あなたに会いに」
                         夕庵さん
【詞書】岸恵子著「わりなき恋」では、ミモザは象徴的な花 
★ミモザ咲く 「わりなき恋」の別れにも「今でもすき」と風にささやく
                         ポエット・M
★くちなしの妖しのかほりに逝きし人 わりなき別れに残る悔恨
                         夕庵さん
【詞書】川田 順の「墓場に近き老いらくの恋は怖るる何もなし」から
★「老いらくの恋は怖るることなし」も エネルギー不足で前へ進まぬ
                         夕庵さん
☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「紫陽花 墨田の花火」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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百合の花束

2024年07月01日 17時12分25秒 | 日々の歩み

 今日から7月。早いもので能登半島地震で始まった2024年も既に半年が経過しました。
この地震は1月1日16時10分に、石川県の能登半島地下16 kmで発生した内陸地殻内地震でしたが、気象庁マグニチュード(Mj)は7.6であり、内陸部で発生する地震としては日本でも稀な大きさの地震であったとのことです。

 現在、災害関連死を含めた犠牲者は299人となり、未だ2200人以上の方が避難生活を送っています。石川県によりますと6月27日の時点で能登半島地震で、全半壊した建物を自治体が取り壊す「公費解体」は、2万800頭余りの申請に対して、完了したのは911棟と申請に対しておよそ4%にとどまっている状況とのことです。復旧の最初の一歩とも言える「公費解体」の一日も早い進捗が必要と考えます。
 能登半島地震で犠牲となられた皆様に改めて哀悼の誠を捧げるとともに、未だ避難生活を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 話は変わりますが、先日近くに住む息子が「仕事先で頂いた」とのことで、百合の花束を抱えてやってきました。自宅では飾らないので「お母さんへの贈物」として細君に渡してくれました。
 最近、我が家も仏花を除いて、生花は余り飾ることが無くなりましたが、沢山の、しかも豪華な百合の花束を抱えて細君は嬉しそうでした。大輪の百合が、赤、白、黄色と10数輪もあり、どう飾ろうかと思案に暮れる状態のようでした。大きな備前の鉢もあるのでそれに飾ることも検討しましたが、水替えが大変とのことで持っている花瓶を総動員して分けて飾りました。

 置く場所も玄関、リビング、寝室と分けて飾ったのですが百合の花の甘く濃厚な香りが部屋中に漂い、香りに酔う状態でした。
 咲いている状態を切り花として即届けられたようで、夏の暑さの中でも花は結構長持ちし、また、蕾も次々開花し、しばらくは見惚れる状態で、細君も嬉しそうに眺めていました。なお、白色の大輪の百合は「八重咲カサブランカ」と呼ばれるとのことですが、豪華な花で私も初めて見る花でした。

     「八重咲きカサブランカ」

 細君は、好みから言うと都忘れ等の楚々とした可憐な花が好きですが、今回の見事な百合の
大輪の花は嬉しそうに眺めていました。自宅では飾らず、花好きの細君に届けさせた息子のお嫁さんの心遣いにも感謝した次第です。

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