四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「お別れの会」へ

2024年03月31日 10時15分55秒 | お出かけ

 八代亜紀さんについては、1月のブログでも触れさせて頂きました。昨年12月30日に急速進行性間質性肺炎のため死去していたことを所属事務所が公式サイトで発表しましたが、その際、別途「お別れ会」を開催する旨の発表もありました。

     「咲き初める あんずの花」

 その「お別れの会」が『八代亜紀 お別れの会 ~ありがとう…これからも~』と題して、蒲田にある「日本工学院大学・日本工学院専門学校」の「片柳アリーナ」で開催されました。このアリーナは約4,000名を収容できコンサート等で活用されているとのこと。

     「片柳アリーナ」 (ネットから拝借いたしました)
 
 たまたま休日だった近くに住む次男夫婦と共に車で出かけました。この日は朝から「春の嵐」にも似た土砂降りの雨。「雨の慕情」で「あめあめ、ふれふれ」と歌っていた八代さんにふさわしい「涙雨」の下での式となりました。12時開場に合わせて出発しましたが、着いた時には、もう芸能関係の方も含め沢山の方が集まっていました。

 
 この日は2回に分けての「お別れ会」でしたが、総勢で約3,000名の方が集まったとのことでした。私たちは「1部の会」に参加できましたが、この会には里見浩太朗、研ナオコ、小林幸子、山本譲二、五木ひろし、高見沢俊彦らをはじめ多くの芸能関係者の方が、出席されるとのことで、多くのテレビ局や、メディアの方々がカメラを構えて待ち受けていました。
 身分証明書を提示して中に入りましたが、式場までの通路に八代亜紀さんが着ておられた舞台衣装の数々、そして写真パネルが展示されていました。それを眺めながら涙する方が多く見受けられました。
 
 この「お別れ会」は平服で、さらに香典は受け取りませんとのことでした。細君はその香典分の「グッズを買わせて」とのことで、バック等も含めて思い出の品を買い求めていました。
なお、この売上金は地震などの被災地支援等を続けてきた八代亜紀さんの想いを継ぎ、今回も「能登地震」支援に活用させて頂きますとのことでした。

 席に着くといろいろな方にお会いし、ご挨拶することが出来ました。お会いしたいと思いながら中々会えずにいた人にも、思いがけなく20数年ぶりに出会うことができました。長男は若いころ「俳優座劇場」、「シアターVアカサカ」等を拠点に、劇団を率いて、自らも舞台演劇をしていました。その時代、良く舞台演劇を観に出かけていましたので、多くの役者さんにお会いしてきました。その時に出会った人たちにも会えて、それぞれの道で頑張っている様子も伺え嬉しく、懐かしく感じました。始まる1時近くになると芸能人、特に歌手の方たちが沢山入って来られ、会場もほぼ埋まりました。

      「ネモヒラ」

 祭壇には、八代亜紀さんのピンク色のドレス姿の写真が遺影として飾られ、八代さんが生前コンサートで使用していた美術セットや、愛した花で埋め尽くされていました。
 そして…、1時にまるでコンサートかと錯覚するような演出で始まりました。「皆さんお元気ですか、八代亜紀です。昨年残念ながら歌手人生に終止符を打ちました…」との八代さんの声が会場に流れました。一瞬、八代さんが舞台に立ったのかとの錯覚に陥りました…。
 これは、八代さんが4年前、400余の文章を朗読した際の音声を残していましたが、これを基にAI音声合成技術を用いて新たに生成された八代さんの“肉声”とのことでした。

 舞台中央に飾られた八代さんの舞台衣装を着たひと形に、ライトが当たり楽団の人たちによる生演奏が始まりました。「舟唄」を皮切りに、八代さんのヒット曲が次々流れ…八代さんが出てくるのではと錯覚するほどでした。八代さんの生い立ち、歌手人生を映像と、ヒット曲等により紹介しながら、コンサートさながらの演出で、しみじみとしながらも、心に沁みる舞台に思わず涙を誘われる場面もありました。

 途中、献花の時間になり、先ずは芸能関係者の人たちでテレビで見知った方々が次々献花して席に戻りました。私達も、それぞれピンクのカーネーションを受け取り献花させて頂きました。出席の皆さんの献花が終わるのには1時間ほどかかりましたが、その間は八代さんの歌がずっと流れていました。皆さんの献花が終わるといよいよコンサートの後半・・・何曲か思い出深い曲が流れ、締めの曲は「ダンチョネ節」でした。この日に会場で流れた曲は20曲とのことです。

     「雪柳」

 そして、フィナーレ。八代さんの声で「八代亜紀は幸せでした。本当にありがとうございました」「それでは皆さんありがとうね・・・バイバイ」との言葉で幕が下りました。最初から、締めまで八代亜紀さんらしい「お別れの会」でした。悲しみと共に心に響く、心温まる時間が過ごせました。「八代亜紀さん…には、私たちはいつも元気をもらってきました。本当にありがとうございました。どうか安らかにお眠りください。そして、先に逝った愛してやまないお父様、お母様と楽しく語らい、歌い続けて下さい」・・・と祈らせて頂きました。
 会場内では全ての写真撮影はご遠慮くださいとのことで、写真はかろうじて入り口のみを撮ることができました。八代亜紀さんのピンク色のドレス姿の写真が、遺影として飾られた祭壇は素敵でしたが、この映像も残念ながら撮れませんでした。

コメント (10)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その125)

2024年03月27日 05時27分23秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その125) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 椿『古金襴』」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語の
  内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名
  からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から1首、紫式部集
  より1首の計2首提出しますのでご指導よろしくお願いします。
註)源氏物語巻名歌・10松風(まつかぜ)
  歌の背景
  光源氏三十一歳。明石の君の一行は上洛し大堰に住むが、源氏は
  あまり訪れない。明石君はかつて源氏から贈られた琴を奏し、
  明石君の母の尼上はその音を耳にして、わびしさを歌に詠む。
〇身を変へて一人帰れる山里に 聞きしに似たる松風ぞ吹く  明石の尼君
「返歌」
☆訪ねしは 秋の愁いに かこつけて 明石の君に こころ届ける
註)紫式部集・10 
〇もみぢ葉を さそふ嵐は はやけれど木(こ)のしたならで 行く心かは
「返歌」
☆街並みは 秋の風情も 華やいで 色づく景色 もみじに染まる
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回は「明石の母、尼君」「紫式部の友」が詠まれた歌への返歌を、それぞれ
 一首ずつ詠んで頂きました。
 一首目は、明石君の母、尼君の歌ですが「尼姿となって一人帰ってきた山里に
 明石の浦で昔聞いたことがあるような松風が吹いている」と、娘が光源氏を
 待ちわびる寂しく辛い想いを、思いやりながら詠っていますね。
 その歌への作者の返歌は「こころ届ける」として、娘を想う母の心情が表れて
 いるとも読めますし、光源氏が明石君を思いつつ「訪ねてきましたよ」とも
 解釈できますね。いずれの解釈でも、明石君への思いやりが滲む温かな歌と
 考えます。
 二首目の元歌は、紫式部の友の詠んだ歌ですが「紅葉を誘う嵐は激しいけれど、
 この都ではないところへは行く気にはなれません」と解釈できます。しかし、
 この歌への返歌として、作者は「街並みは秋の風情も華やいで」と友の意図を
 かわして詠んでいます。しかし、友の想いをおもんばかり、「木の下=都」で、
 もみじ葉を眺めたいとのあなたの思いは私も同じですよ、との想いを込めた
 返歌にしてみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★もみぢ葉を木の下でこそ眺めんと 君の想いは吾の思いに

【詞書】ブログ友のクリンさんの記事で、江戸川乱歩の「押絵と旅する男」を
  読ませて頂いて、又コメント欄での朗読の紹介から、佐野史郎さんの朗読を
  聞きまして、その世界に惹かれました。
  又、亡き母は押絵とか陶器、掛軸、色々なものを残しており、いつまでも
  捨てられずにおります。そのことで三首出詠いたします。
☆不可思議な押絵に生くるおもひびと 妖しき乱歩の世界に惹かる
☆妣(はは)作の押絵の女(ひと)の白き顔 たおやなる目は何語らむや
☆断捨離の最中なれど妣(はは)のもの しばし眺めて 又箱の中
                         みっちっちさん
【解説】
 今回は「妖しき乱歩の世界」「亡き母」について詠んで頂きましたが、
 いずれも調べが良く、心楽しく鑑賞させて頂きました。
 特に、三首目は、断捨離という行為の中で、亡くなったお母様の遺品に
 向き合う心情を趣き深く表現しています。
 物を手放すことの決断と、それにまつわる感情の葛藤が無理なく表現
 されています。物を手に取り、一時的に思い出に浸るものの、最終的には
 また箱にしまうという行動が、前に進もうとする作者の意志とは裏腹に
 過去とのつながりは捨てがたく、保っていたいとの思いが示されています。
 淡々とした言葉の中にも、愛情と哀しみが込められていて心に深く響く
 歌と考えます。

【詞書】春の到来を詠ませて頂きました。
☆お水取り 過ぎて 春の温かさ 桜開花はもう目の前に
【詞書】南天を植えたことを詠ませて頂きました。
☆枯れかけた白南天を 庭に植え 気分は正に花咲か爺さん
【詞書】卒園・卒業シーズンを詠ませて頂きました。
☆弥生月 卒園・卒業 別れ月 金沢発の特急のごと
                         西BOOさん
【解説】
 「桜開花」「花咲か爺さん」「弥生月」と、春を先取りしたテーマで
 味わい深く三首を詠んで頂きました。
 一首目、「お水取り」は、春の訪れを告げる風物詩として長いこと親しまれて
 きました。天平勝宝4(752)年に始められ、現在まで途切れることなく続けられ、
 今年で1273回となることこと。正に、歴史と伝統に裏付け
られた悔過法要
 ですね。

 この歌は、春の訪れと、それに伴う自然の変化を美しく表現しています。
 「お水取り」は前述しましたように、春の節目を象徴する行事であり、
 その後の温かさが、桜の開花を予感させるとの情景が素直に描かれています。
 総じて、季節の移り変わりと、それを待ちわびる心情がワクワク感とともに
 伝わってくる爽やかな歌と思います。

     「ラッパ水仙 白」

【詞書】松花堂には竹林が多く、水琴窟の音と竹の葉ずれが、絶妙の
  バランスで楽しませてくれました。
☆ひそやかに水琴窟は音澄みて 地底の楽も春を奏でる
【詞書】食事の後片付け 春のやわらかい水で洗っていると何だか
  気持ちがほぐれて楽しい気分になります。
☆ほとばしる水に茶碗を濯ぎつつ 裡なる鬱もさらり流して
【詞書】サツマイモを見ると子供の頃母がよく作ってくれたお粥に
  サツマイモを入た甘みと塩味を懐かしく思い出します。
☆早朝の厨に甘藷の粥を炊く 亡母の味して腹満ち足りぬ
                         夕庵さん
【解説】
 「水琴窟」「やわらかい水」「甘藷の粥」をテーマに、それぞれ情趣豊かに
 詠って頂きました。

 特に、一首目の松花堂庭園は、華やかな寛永文化の中心となって活躍した
 文人僧・松花堂昭乗ゆかりの庭園とのこと。「水琴窟の音と竹の
葉ずれ」の
 コラボレーションは、風情とともに「和の極み」でもありますね。

 この歌は、自然の静けさと春の訪れを結びつける繊細な情景描写が優れて
 いますし、「水琴窟は音澄みて」と表現することで、静かで
ありながらも、
 生き生きとした春の訪れを感じることができます。
また、締めの結句も
 効いています。

 二首目、三首目は、何れも下の句の詠いぶりが見事です。

【詞書】YouTube短歌:春の河 スメタナ『わが祖国』より
  「ブルタバ(モルダウ)」を聴いて
☆その河は静かに流れ
   ゆっくりと春を告げながら光輝く
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 「我が祖国」は、ベドルジフ・スメタナの代表的な管弦楽曲で、1874年
 から1879年にかけて作曲された6つの交響詩からなる連作交響詩。第2曲
 ブルタバ(ドイツ語名モルダウ)が特に著名です。初演は1875年4日4日、
 プラハ国民劇場だそうです。スメタナは、以下の詩をこの曲で述べている
 そうです。
 「この曲は、ヴルタヴァ川の流れを描写している。ヴルタヴァ川は、
 Teplá Vltava と Studená Vltava と呼ばれる2つの源流から流れだし、
 それらが合流し一つの流れとなる。そして森林や牧草地を経て、農夫たち
 の結婚式の傍を流れる。夜となり、月光の下、水の妖精たちが舞う。岩に
 潰され廃墟となった気高き城と宮殿の傍を流れ、ヴルタヴァ川は聖ヤン
 (ヨハネ)の急流 で渦を巻く。そこを抜けると、川幅が広がりながら
 ヴィシェフラドの傍を流れてプラハへと流れる。そして長い流れを経て、
 最後はラベ川(ドイツ語名:エルベ川)へと消えていく。」ハプスブルグ
 家の支配から民族独立しようとするチェコ人の気運の高まりと共に、
 この曲は演奏されたそうです。
 以下のURLに、我が祖国の曲を貼付しておりますので、雄大な流れを
 感じて戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/29b14d7f72771964c9b8427905176005
【解説】
 スメタナ『わが祖国』の「モルダウ」は、私も好きな曲のひとつですが、
 改めてユーチューブの曲をしみじみ視聴させて頂きました。
 詠まれた歌は、静かに流れる大河を題材に、春の訪れを鮮やかに描写し、
 清流、生命の息吹、そして光輝く水面を想像させ、私たちに希望と活力を
 与えてくれます。詠歌からスメタナの曲の旋律を思い浮かべることもでき、
 五感を通して春の訪れを表現した、美しい歌と考えます。
 なお、『わが祖国』は、チェコ音楽の代表作として世界中の人々にで
 愛されていますが、スメタナの民族主義的な音楽は、チェコ国民の
 アイデンティティの形成に大きな役割を果たしと言われていますね。
 優れた音楽は人々を鼓舞する力となることを、改めて痛感しました。

【詞書】日本時間今朝6時45分頃に、MLBドジャースの大谷翔平選手の通訳
  だった水原一平氏の違法賭博に関わる一連の事柄について、
大谷選手
  自身が会見を行いました。大谷選手は、自身は賭博には
一切関わって
  いない事や、それに関わる送金を自分ではしていない
事、韓国での
  開幕戦初日の後に聞いた事など、時にはメモに視線を
落としながらも
  はっきりと話しました。質疑応答が無いことに
不満を表す人やマスコミ
  もありましたが、まだ警察等の調査中で、
大谷選手サイドでも全て
  判っているわけでもないでしょうから、
それは仕方ない事かな?と
  私は思います。最も信頼していた、
通訳以外の幾つもの仕事をこなして
  いた水原氏の裏切りとも
言えるこの一件は、アメリカのファンをはじめ、
  日本全国に衝撃が
走りました。きっと開幕戦があった韓国のファンの
  方々も同様かと
思います。口さがない人々は、「大谷選手自身が(違法
  賭博を)やって
たんだよ」「永久追放だ」など言ってるようですが
  (数年前の選手は
罰金だったかと)勝手な騒音などお構いなしに、捜査は
  進んでいる
ことでしょうから、いつか真相が明らかになるだろうし、
  なって
ほしいものです。
☆真相は未だグレーの霧の中
     晴れてやロスの青空の様に
【詞書】次期戦闘機の第三国への輸出が閣議決定されたそうです。協定
  を結ぶ15カ国に限るんだとか…。世の中には“横流し”なんていう
  言葉もあるんやけどなあ…。協定外のどっか他の国に売り飛ばされ
  たらどうすんねん?!…なんてことが頭をよぎります。その昔某企業
  がソ連(そのくらい前です)に、スクリューを売った…なんて叩かれて
  ましたが(大川興業がそれについてはパロディソングを歌って
  ました。オチが可笑しかった「上手いなあ」って…)、日本が作った
  武器が人を大勢殺したりする可能性を想像した事あるんでしょうか
  ね?…もっとも、その辺に売っててラジコン飛行機とかを好きな人
  とか普通に買えるモーターか何かの機械が、ウクライナVSロシアの
  戦争で攻撃か偵察かに使われたドローンに使用されていたとか何と
  かいう話も聞いたことがありますから、悲しいかな人間は何だって
  武器として利用するのか、と暗鬱とした気持ちになった事があり
  ますが…。これだけあちこち戦いが尽きないと、“黒い幽霊団
  (ブラックゴーストfrom「サイボーグ009」”って本当に有るん
  ちゃうか…と、危惧してしまいます…。
☆にんまりと“死の商人”達ほくそ笑む 「次期戦闘機の輸出」の決定
【詞書】26日0:00頃。…せっかく「2355」(NHKのEテレの番組です。
  25日のこの回は「ISS通過中」という歌が流れました)が0時になる
  直前に満月である事、月面の“SLIM”が今このあたり(画面で
  示してくれてました)に居る事を言って、「月に思いを馳せて
  みては…」みたいに言ってくれたのに……晩から雨が降ってて、
  何かその瞬間にやたら音が大きく聞こえた気がしました…。
  アメリカでは、芋虫も動き出す季節という意味だかで、
  “WORM MOON”と言うそうです。…あの時間に晴れた夜空で
  綺麗に満月が見られた場所があったんでしょうか…?
☆「2355(にさんごご)」のラストで
    「今夜は満月」と聞く窓の外 めっちゃ土砂降り
                        ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「水原一平氏の違法賭博」「次期戦闘機の輸出」「ISS通過中」と
 最もホットなテーマに切り込み、手際よく詠って頂きましたが、時事詠から
 多くの学びを得ることができました。
 特に、二首目は、かつてから日本国政府が採ってきた武器輸出規制及び、
 運用面の原則「武器輸出禁止三原則」を、国会の決議を経ずに閣議決定
 のみで、なし崩しにうやむやにすると言う暴挙とも言える事柄が、背景に
 あります。
 この歌は、膨大な国家予算が原則をないがしろにしたまま国会決議を経ず、
 “死の商人”の為に使われる危険性をはらんでいることにユーモアを交えつつ
 警鐘をならしています。このような直截な指摘を詠う意味は大きいと
 考えます。
 三首目、土砂降りで、せっかくの「WORM MOON」が眺められずに残念
 でしたね。月面での“SLIM”の「つつがなき」ミッション遂行継続を
 祈りたいと思います。

☆落ち椿 踏まず避けゆく人のいる 森の小径に揺れる木洩れ日
                         ポエット・M
【解説】
 この歌は、いつも訪ねる観音崎公園での寸景を詠んでみました。
 この公園は、藪椿が森のそこかしこに植えられ、暮れから色鮮やかに咲き
 始め、既に
落花を迎える木々も数多あります。落ち椿は森の小径を紅に
 鮮やかに埋めて
いますが、多くの方はそれを避けて逍遥しています。
 そんなさり気ない
優しさを示す人々と、小径にそそぐ木漏れ日の揺れている
 情景を詠んで
みました。
 色鮮やかな落ち椿を、踏まないように避けて歩く人の繊細な心遣いが嬉しくて、
 何とか詠んでみましたが、少し平凡な感も否めませんね。

 
     「咲き初める 日本桜草」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(32)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。に
     
13.「短歌の章」 安房の海山(1)

   如月の海の潮騒さやけくて
           菜種黄に咲き春早き安房
            
   汐満ちて渚の岩に波あがる
           この静けさのうつつにぞ居る

   空の青かくばかりなりしか 仰ぎ見て
           たまきはる命たしかむとす
  
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 チョウキチさんよりコメントを頂きましたので掲載致します。
  「世の動き」 
   歌にも世の動きを取り入れると生き生き感が出て新鮮に感じます。

 ポエット・Mの返答コメント
  いつも、「水曜サロン」を見守って頂き、また心の籠った歌評も頂き
  ありがとうございます。
  おっしゃる通りですね。短歌も世情を抜きに詠むことは出来ませんので
  世の動きをウオッチしつつ、そのもとで暮らす人の想いに寄り添いながら、
  その一人一人の在り方に学び、感じながら歌に紡いでいくことが求められて
  いると感じます。

  「生き生き感が出て新鮮に感じます」との、チョウキチさんのコメントを
  嬉しさと共に、励ましと受け止めさせて頂きます。一行の詩という、ささやか
  でありながら、長い伝統の中で磨かれ、継承されてきた文学に「水曜サロン」
  に集う皆さんと共に、学びつつ取り組んでいきたいと思っています。


     「咲き競う 雪柳」

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字程度にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その125)ネット歌会

2024年03月27日 05時05分06秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その125)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「椿 沖の浪」


☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆めぐり逢い 深いつながり そこはかと 惹かれあうこそ 心許して
                         浅間山明鏡止水さん
★恩讐の彼方となりて巡り逢う 非情なるかや恋というもの
                         夕庵さん

☆枯れかけた白南天を庭に植え 気分は正に花咲かじいさん
                         西BOOさん
★黄の花を四方に咲かせ葉は紅く 触れれば鋭しヒイラギナンテン
                         夕庵さん
★縁起物難を転じて邪気払う 触ると刺さるも一石二鳥
                         西BOOさん

☆弥生月 卒園 卒業別れ月 金沢発の 特急のごと
                         西BOOさん
★卒園のわが子と手つなぐ晴れの日よ よくぞこの日をママの感涙
                         夕庵さん
★遠いので卒園式には行けないが 友達自慢 これから先も
                         西BOOさん
★半世紀わが窮地には寄り添いて 静かに見守る親友なれば
                         夕庵さん
★もう年で賀状のみの行き来だが 小学校からかかさず続く
                         西BOOさん
★「またね」というライン・スタンプ暖めて 約束できる日を待っている
                         夕庵さん
★亡き父の携帯嫌いの影響か 未だにラインの世界を知らぬ
                         西BOOさん
★知ることも知らないこともあってこそ 知れば興味のふつふつと沸く
                         夕庵さん
★1にカメラ2にカメラだが そのカメラとて時代が昭和
                         西BOOさん
★ギャラリーに昭和時代の写真展 歴史ある街 蘇り来る
                         夕庵さん

☆ほとばしる水に茶碗を濯ぎつつ 裡なる鬱もさらり流して
                         夕庵さん
★春眠の布団でくつろぐ夢心地 眩暈もどこかへ消えゆきそうな
                         西BOOさん
★芽吹き時 身体の器官もそろそろと正しく動くうれしい予感
                         夕庵さん
★八割は治りしものの後少し 急がぬように焦らぬように
                         西BOOさん
★急がない こけたらおしまい焦らない 振り返らずに確かな足取り
                         夕庵さん
★亡き伯母が 九十六で転倒し 十年間も寝たきりで逝く
                         西BOOさん
★不安定な世の長命は願わねど 戦なきこと切に願うも
                         夕庵さん
★ウクライナ 苦戦強いられ胸痛む 米、武器援助も滞るまま
                         西BOOさん
★テロ・戦のニュースの絶えぬ今の世のしあわせなんてほんの一瞬
                         夕庵さん

☆断捨離の最中なれど妣(はは)のもの しばし眺めて 又箱の中
                         みっちっちさん
★断捨離はユニクロ設置の箱の中 役立つものと思(も)えば 軽し
                         夕庵さん
★ユニクロの洗ひざらしのジーンズで 草に寝転ぶ君とのデート
                         みっちっちさん
★膝頭破れているのがお洒落だと 細い素足を風に晒して
                         夕庵さん
★ジーンズの破れそのまま 少女らの 足の長きが闊歩する街
                         みっちっちさん

     「ラッパ水仙 白」

☆妣(はは)作の押し絵の女(ひと)の白き顔 たおやなる目は何語らんや
                         みっちっちさん
★白き顔伏せて車窓に映る女(ひと) 答え探しの旅は辛きに
                         夕庵さん
★片恋にさよならを告げ 新しき街へとバスはひかりの中を
                         みっちっちさん
★観光客多くて街は潤うも バスにも乗れぬ地元の嘆き
                         夕庵さん
★春の陽のバスに揺れれば うとうとと 池塘春草の夢のごときよ
                         みっちっちさん
★鈍行にゆられ春陽を背(せな)に受け 眠る少女の花の背表紙
                         夕庵さん
★夜汽車にて連結音を聞きながら 亡母の膝にまどろみし頃
                         みっちっちさん

☆ほとばしる水に茶碗を灌ぎつつ裡なる鬱もさらり流して
                         夕庵さん
★渓流にほとばしる水 ごくごくと 飲み干す君の喉仏見ゆ
                         みっちっちさん
★豪快に落ちる瀧の飛沫浴び 小さなことなどみんな吹き飛ぶ
                         夕庵さん
★歌碑の坂登れば姿見へねども 滝音しかと心に響く
                         みっちっちさん
★滝坂の山の懐 朝日観音像(かんのん)は瀬音聞きます目を伏せながら
                         夕庵さん
★たをやかに霞をまとふ涅槃像 半目のまなこ何を見つむる
                         みっちっちさん
★灌仏会 花の御堂の釈尊に 園児のそそぐ 甘茶芳し
                         夕庵さん
★闇に舞ふ火の粉の散華 水取りは 夜空に浮かぶ二月堂にて
                         みっちっちさん
★ウイスキーの小瓶をポケットに忍ばせて
           シャッターチャンスを待つ人のいる

                         夕庵さん
★激戦の雨のラグビー 泥まみれ シャッターチャンスはトライの瞬間
                         みっちっちさん
★春泥をつけて元気に走るくる 親子の犬の背(せな)に花びら
                         夕庵さん
★春泥のホームベースに滑り込む 九回裏の逆点ヒット
                         みっちっちさん
★幼日の お砂遊びの 懐かしや 土饅頭の 輝き自慢
                         夕庵さん
★幼日の春夕焼に輝きて 崩れぬままに砂城よ しかと
                         みっちっちさん

☆さねさし相模の小野に燃ゆる火の 火中に立ちて 問ひし君はも
                         弟橘媛
★嵐やむ 龍神様も鎮まるる 媛の捧ぐる命と引きかえ
                         西BOOさん
★龍神の怒り鎮めし媛なれど 櫛に滲むは深き哀しみ
                         ポエット・M
★嵐止み 龍の怒りも止みしとも 媛の命も止むるべきかな
                         西BOOさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 雪柳」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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荒ぶ走水の海

2024年03月24日 18時39分08秒 | 日々の歩み

 春分の日も過ぎたのに、寒の戻りにも似た寒い日が続きましたが、
これは「花冷え」と言うとのことです。気温が上がり桜の開花時期を
迎えているにも関わらず、一時的に
気温が低くなることを指すとのこと。


      「咲き初める 椿」

 そんな日に、富士山の見える走水海岸に出向いてみました。通常ですと、
3月も
中旬を過ぎると、この海岸からはすっきりとした富士山を眺めるのは
不可能と
なりますが、当日は東京湾を隔てて眺めることができました。

     「東京湾の果てに見える冠雪の富士山」

折からの風速10mを越える強い風の中ですが、何とか白銀に覆われた
富士山の雄姿を
デジカメで撮ることができました。
 この状況を知ってか、お馴染みさんも含めて、カメラを構えた方が
海岸にはかなり
訪れていました。

     「波荒ぶ 走水海岸」

 強風にあおられ3mを越える波しぶきをあげる荒れ狂う海を見ていますと、
古事記に記された
倭建命の妃である弟橘媛の伝説が、ふっと思い浮かびます。
前にも、このブログでも
記しましたが…。

 倭建命は東国に遠征中、妻である弟橘媛を伴って走水(現在の東京湾・
浦賀水道)を渡ろうとしましたが、大嵐に遭遇しました。この危機を
救うため、弟橘媛は
「私の命を捧げ、海峡の龍神の心を鎮めましょう」と
言い、海に身を投じました。その辞世の歌が
 さねさし 相模の小野に 燃ゆる火の
           火中に立ちて 問ひし君はも
でした。
 その結果、海は鎮まり、倭建命は無事に上総国へ上陸できたと伝えられて
います。
その後、弟橘媛が髪に挿していた櫛が近くの海岸に流れ着き、
それを拾った土地の
人々は弟橘媛の遺品と知り、御陵を作って手厚く
葬ったとされています。

 これは、神話の世界の話でありますが、弟橘媛の御陵は諸々の変遷を
経て、
この走水海岸の上の丘陵の一角に「走水神社」としてまつられ、
現在に至っています。
 そんな神話の世界も、さもありなんとする荒ぶる海の様子が目の前に
広がっていました。

コメント (9)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その124)

2024年03月20日 06時05分54秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その124) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める 椿」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が
  沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は
  源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・
  単語や自然・地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻
  名歌から2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・9澪標(みをつくし)
  歌の背景
  光源氏二十九歳。源氏が住吉神社に参詣したとき、明石の君の参詣も
  偶然重なってしまった。源氏の君の一行の素晴らしさに気おされて
  しまった明石君に、源氏は歌を贈る。
 〇みをつくし 恋ふるしるしに ここまでも
          めぐり逢ひける えには深しな 光源氏
 〇数ならで 難波のことも かひなきに 
          などみをつくし 思ひそめけむ 明石君
「返歌」
☆めぐり逢い 深いつながり そこはかと 惹かれあうこそ 心許して
☆恋ごころ 出会いの不思議さ 深い縁 愛おしく思う 相手のすがた
  名歌から2首、紫式部集より1首の計3首提出します。
註)紫式部集・9
 〇あらし吹く 遠(とお)山里の もみぢ葉は
          つゆもとまらむ ことのかたさよ
「返歌」
☆もみぢ葉は 秋を急いで 散りてこそ 遠山里の 名残惜しくも
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回取り上げて頂いた、光源氏と明石君との和歌のやり取りは源氏物語で
 最も美しい返歌と言われてきましたが、私も改めてそのように感じます。
 源氏が送った歌は、「この身をつくして恋するしるしに、ここでも
 めぐり逢うことができました。私達の縁は深いのですね」との歌ですね。
 この歌を受けとった明石君の返歌は「数にも入らないわたくし。何に
 つけても甲斐のない身なのに、どうして身をつくして、あなたを
 思いそめてしまったのでしょう」と詠っています。
 それぞれの歌への返歌として、作者の詠まれた二首の歌は、想いも籠り、
 素敵な表現と感じます。
 二首目の明石君の歌を、明石君本人の立場に立ち光源氏への想いを
 直截に詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★甲斐もなき吾が身なれども君ゆえに 愛しさ募り思い溢るる
 三首目の「あらし吹く…」の歌意は、「激しい風が吹く遠い山里の
 もみぢ葉は、ほんの僅かの間も枝にとどまることが難しいものですよ」
 と解釈できますね。友が都を去るのを嫌がっても、友の夫の意思が
 強ければ「とどまることが難しいものですよ」、つまり、夫の意思に
 従わざるを得ませんねと詠っていますね。これを踏まえた作者の返歌には
 想いが篭もり「名残惜しくも」の結句が効いていると感じます。

【詞書】北陸新幹線について詠ませて頂きました。
☆新幹線 敦賀までの延伸は 震災復興 希望のレール
【詞書】国税庁について詠ませて頂きました。
☆国税は確定申告出せと言い 国会議員の裏金黙認
【詞書】裏金問題について詠ませて頂きました。
☆裏金は国の議員である以上 被災地宛てに寄付できぬものか
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、「北陸新幹線」「裏金黙認」「被災地宛てに寄付」と今日的な
 時事にふれ、その核心に切り込みつつ的確に詠んで
頂きました。
 一首目、3月16日に開業した北陸新幹線は敦賀まで延伸され、北陸の地に
 暮らす皆さんの、かねてからの悲願が、ようやく実りましたね。

 折からの能登地震に襲われた皆さんにとっても、復興への一筋の光明に
 なったのではないかと思っています。
 そんな想いのこもった「希望のレール」の表現がいいですね。
 二首目、今回は衆議院に続き、参議院でも政倫審が開催されましたが、
 対象議員は一貫して「知らぬ」「記憶にない」「その立場にない」との
 言い訳に終始し、政治と金の闇がさらに深まったとの印象が
あります。
 そんな事態には財務省の出番でもありますが、詠われているように
 庶民と議員への対応に落差があり、疑問、さらに怒りが湧きますね。
 せめて三首目の提案のような、心ある対応を望みたいと思います。

【詞書】きゅんとするような春の恋、三首を詠んでみました
☆あと一便 君を待つ駅 春風の きらり光れば君来る合図
☆靴紐を結びくれしは 早春の ぶきつちよなりし 君の指先
☆追ひつかぬやうに君追ふ 鬼ごつこ 春の雲まで 君と走らむ
                         みっちっちさん
【解説】
 詞書にも記されているように、三首いずれも「胸キューン」の
 「アオハル」の歌。懐かしくトキメキとともに鑑賞させて頂きました。
 二首目の歌は、季節の移り変わりと共に、君の手の動きを通して
 感情を繊細に表現し、「靴紐を結ぶ」というさり気ない気遣いの
 一コマを取り上げながら、新鮮な感触を連想させます。
 また、「君の指先」という言葉によって、作者との関係性や芽生えつつ
 ある愛情の、さらなる深まりも感じられます。
 全体として、この歌は繊細で情緒豊かなイメージを表出しており、春の
 訪れとともに、恋の深まりをも予感させる爽やかな詠歌と
なっています。
 三首目の「春の雲まで 君と走らむ」の、下の句の表現が印象的です。

【詞書】避難先の寒い廊下で毛布を被って受験勉強をしていたあの子の
  結果はどうなったのか気になります。
☆能登の子よ 大きな試練は君たちの未来にきっと役立つものと
【詞書】山崎貴監督の「ゴジラー0・1」がアカデミー賞視覚効果賞を
  受賞しました。雪の降る大涌谷の観光客の震える映像を見て・・
☆大涌谷の温泉卵胸に抱き われは二匹のゴジラを生まむ
【詞書】いつもはパン食ですが、お漬物がおいしく漬かった日は
  さらさらとお茶漬けが美味しいです。
☆薄氷割りて取り出す京壬生菜 けさのお茶漬け喉もと清し
                         夕庵さん
【解説】
 一首目の歌は、能登地震で厳しく、苦しい状況にある受験生に寄り添い、
 励ましと、応援の想いを篭めて詠んで頂きました。

 家屋も含めて壊滅的な被害を受け、途方もない困難に直面しながらも
 未来への希望を失わずに勉強を続ける受験生。その強さと、彼らを
 支えようとする作者を始めとした周囲の人々の温かい心、さらに、共に
 あろうとする想いが集まり生まれた歌とも感じます。
 「大きな試練は君たちの未来にきっと役立つものと」という言葉は、
 読む人に勇気と力を与え、励ましの言葉として機能していると考え
 ます。また、深い思いやりと強いメッセージを秘めております。
 このような歌の励ましも、復興への力強いエールと考えます。
 三首目の「喉もと清し」の感覚表現がいいですね。

     「咲き競う オキザリス」
 
【詞書】残梅花
☆あわれ知る人の為にや
    残る花
  昨日の風も
    今朝の寒さも
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 正岡子規が、古今集を否定して以来、古今調の短歌を作る者はいなく
 なりました。
 誰も作らないものを、個性だと思いますので、古今調で作ってみました。
 本歌は、こんな歌が確かあったはずとは思いましたが、新幹線の中で
 作ったので、ちょっと思い出せませんでした。
 梅は、厳しい寒さの中、蕾を脹らませて徐々に開花し、途中、春一番の
 風や寒の戻りにも耐えて、貴方が元気になって、共に観られるのを
 待っていたのですよ、と言う公園へ行こうと言うお誘いの意です。
                         自閑さん
【解説】
 「古今調の短歌を…」との説明がありましたが、私のかつて所属した短歌会も
 「アララギ系」ではありませんでしたが、「古今調の短歌」に対する否定的な
 風潮と言うかアレルギー反応がありました。従って、正岡子規の歌論の影響は、
 かなり根強く歌壇に浸透し、長い事残っていたと実感しています。
 今回の詠歌は、自由律ではなく正に「古今調」で詠って頂きました。

 上の句では、花が散っていくことを「あわれ」と表現し、人の心と想いを
 ふるわす美しさがあることを示唆しています。

 下の句では、「昨日の風」と「今朝の寒さ」という具体的な言葉を用いる
 ことで、時間の流れと自然の厳しさを合わせて表現しています。

 この歌は、花が散っていくという自然の営みを詠みながら、その儚さ
 中にこそ美しさを見出すという、幽玄さを感じさせる歌と感じます。

 韻律も整った正統の短歌を、感動とともに味合わせて頂きました。

【詞書】13日の午前に和歌山県串本のロケット発射場から打ち上げられた、
  民間会社(スペース・ワン社)が初めて手掛けたロケット「カイロス」
  初号機が発射直後に爆発し、打ち上げは失敗しました。前回「打ち上げ
  出来ず」だったこともあり、地元の住民の方々のみならず近場、遠方
  問わず発射に期待を掛けた見物客の人達も、残念!という面持ちでした。
  JAXAだけでなく、民間が人工衛星を積んだロケットを
飛ばすというのは
  「夢あるなあ~」と思ってました。「和歌山から
上がったら、この辺(宇治)
  から見えるやろか?」なんて気もしてて、
結構楽しみだったんですが…。
  “カイロス”は何かギリシャ神話で
見たような…と、大学の時に趣味と
  実益(ゼミの参考書ってか教科書)
を兼ねて買ったギリシャ神話の本を
  見ても載って無かったので、
ネットを頼りました。それによると「時間」を
  司るクロノス
(主神ゼウスの父)とは別の「時」の神でゼウスの末子の
  “カイロス”
という神が居て、“時刻”や“瞬間”という“時”の神なんだとか。
  で、ラテン語では“機会”という意味を持つのだそうです。その姿…特に
  頭が特徴的で後ろ頭が禿げていて前髪を垂らしている
とか。…そうです。
  “チャンスの前髪”という言葉の由来なんだ
そうです。そういう縁起の良い
  名を持つ“カイロス”だったら、
後に控える2号機、3号機はきっと成功!!…
  だといいなと切に願います。

☆名が体を表すのなら 「カイロス」は
         “チャンス”の神よ きっとまた翔ぶ
【詞書】3月18日、世界ラリー選手権連覇(’91、’92)、パリ・ダカールラリー
  日本人初の総合優勝(’97年)を果たしたラリー・ドライバーの
篠塚建次郎
  さんが膵臓がんで死去された、とのニュースを見ました。

  ’90年台前半ぐらいにテレビでたまたま見て、「何やこれ?!砂漠走ってんの?!
  面白っ!」と見出して、何回かはテレビで見てました。

  パリからセネガルのダカールまで、とんでもない距離、砂漠など過酷な環境を
  走るコース、紛争がある地域の近くも通ったり(確か、紛争地帯を
走って
  スタッフかが撃たれた例もありましたが)…篠塚氏は日本人
ドライバーと
  いうことで注目していました。

  私はその時初めて見た車種“パジェロ”も気に入って、篠塚氏、三菱のチームを
  応援したりしてました。見ていた年にリタイア(砂漠で丘を
パーンと飛び
  出したら急に下がっていて砂に車の頭を突っ込んだ…
なんて場面も見たり
  しましたが…)されたりもあったりでしたが、
トップのチームがゴールする
  まで見てましたね。ゴール地点が近づくと
“ラック・ローズ(バラ色の湖)”と
  呼ばれるピンク色した不思議な
湖の岸辺を走る風景が見られました。後に、
  コースが変わってしまい、
地上波でも放送されなくなって、見なくはなり
  ましたが、篠塚氏は
ラリードライバーを続けておられるんだなあ,と思って
  ました。

  ’97年の優勝は新聞かの記事で読んだんやったかな…と記憶しております。
  あんまり篠塚氏が乗る“パジェロ”が気に入って、
買ったトミカのミニカーは、
  居間の弾かないアップライトピアノの
上でちょっと経年劣化して何となく
  砂漠を走ったあの頃みたいな
感じになってます。しばらくはこれを見ながら、
  今に続く“ラリー”
の功労者である篠塚氏を偲びたいと思います。(数年前に
  タレント
さんが清里の篠塚氏の奥様が経営されてるペンションを訪ねて、
  篠塚氏の写真やトロフィーが並ぶ部屋を見て驚いてたのが妙に可笑し
  かったなあ…。奥様の弟さんの三浦友和さん、追悼のコ
メント出されて
  ましたね)

☆パジェロ駆り
   砂塵巻き上げ「パリ・ダカ」の
      “シノケン”の勇姿瞼に留(とど)めん
【詞書】3月10日にイラストレーターの いのまたむつみさんが自宅で亡くなった
  ことを、本人の妹さんが18日にいのまたさんのX
(エックス)で公表なさった
  んだそうです。(私はネットニュースで
知りました)1984年ぐらいから
  カドカワノベルズの「宇宙皇子
(うつのみこ)」という、脚本家の藤川桂介氏が
  書かれた、飛鳥時代
の日本を舞台にした歴史伝奇ファンタジー小説の表紙
  イラストや
挿し絵などを手掛けられていました。(劇場版アニメも観に行き
  ました)他にもアニメやゲーム(「テイルズ・オブ~」のシリーズの何作か。
  私はゲームはしませんが絵は見たことありました)の
キャラクターデザイン
  などもされていて、’80~’90年代はすごく
人気があったなあという記憶が
  あります。

  その中に小説「ドラゴンクエスト」のイラストもあり、訃報を知った
  「そういえば…!」という感じでした。ゲームのキャラクター
デザインは
  鳥山さん、その小説版のイラストはいのまたむつみさん
と、たて続けに亡く
  なるなんて(お二人とも60代!)、「ドラクエ」
関係者やファンは辛いだろうな…
  と…。今「ガンダムSEED  
FREEDOM」が上映中ですが、テレビの“SEED”その
  続編の“~
DISTINY”のキャラクターデザイン協力として、いのまたさんは
  名前を連ねています。2002年頃~、「SEED」にハマった私には、最近は
  その魅力的なキャラクターの元を造られた方、というイメージの方が強い
  です。女性だというのは知っていましたが、
小説「ドラクエ」の表紙や
  「宇宙皇子」のキャラクターの目の力強さや
美しさが印象的でした。
  ご冥福をお祈り申し上げます。

☆鳥山氏に続き いのまたむつみさん
         ドラクエファンはさぞ辛かろう
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も、「カイロス」をはじめ、「篠塚建次郎氏」さらに、
 「いのまたむつみさん」をテーマに、作者の想いの溢れた歌を詠んで頂き、
 新たな視点に気付かせて頂きました。

 一首目、「チャンスの神様は前髪のみしかない」と言われてきましたが、
 おっしゃるように、古代ギリシャ神話に登場する「カイロス」という
 神様からきており、その姿は前髪が長く後ろ髪がない美少年として
 描かれていますね。チャンスが目の前に現れたら、その瞬間に前髪を
 掴むように、
しっかりと行動することが重要であると理解しました。
 詠まれていますように「きっとまた翔ぶ」を信じて、エールを篭めて
 見守っていきたいと思います。
 二首目は“シノケン”氏への、作者の尊敬の想いのこもった何よりの挽歌で
 あり、力強さ、躍動感、さらに
韻律も整い作者の哀悼の想いが滲む優れた
 歌と
なっていると感じます。また、「パリ・ダカ」での総合優勝は後世にも
 語り継ぐべき、まさに金字塔と
考えます。
 三首目で詠まれた、「いのまたむつみさん」と共に、心からのご冥福を
 お祈りしたいと思います。

☆胸ゆするG線上のアリア聴き 鬱(ふさ)ぐ季節を 凌ぐエールに
                         ポエット・M
【解説】
 彼岸入りとは言え、夏日に近い日から、いきなり冬日に変わる激しい気象
 変化故でもありましょうが、能登地震、ウクライナの惨状、
さらにガザの
 状況を見るにつけ心痛む日々が続きます。こんな日々に
自閑さんのブログの
 記事で紹介されたバッハ作曲G線上のアリアの曲を
ユーチューブで視聴
 させて頂きました。

 改めて、そのアリアの優雅な、そして、切なげな旋律が鬱々とした想いを
 和らげ、励ましを込めた力強いエールとして響いてきました。

 そんな想いを詠んでみましたが…、歌としては推敲途上です。ご意見を
 頂ければ幸いです。 
 
     「咲き初める こぶしの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(31)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。に
     
12.「短歌の章」 古希の歌(1)

   歳月の早きを言ひて桃節句
           ひいな取り出す妻も老いたり
            
   落ち葉たく煙は細きひと筋に
           未だ芽吹かぬ木の間にのぼる

   古希となる実感なけれど越し方を
          今日は静かに想ひ見るべし
  
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 文字数制限により、今回は割愛させて頂きます。


     「咲き競う ミモザ」

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字程度にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その124)ネット歌会

2024年03月20日 05時33分24秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その124)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「椿 岩根絞り」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆新幹線 敦賀までの延伸は 震災復興 希望のレール
                         西BOOさん
★小説の舞台を歩くひとり旅 駅弁買って 途中下車して
                         夕庵さん
★撮り鉄に憧れ流しシャッターを 簡単そうでフィルム全滅
                         西BOOさん
★それ今だ シャッター押せども反応なし 電池切れとは人には言えぬ
                         夕庵さん
★サブ電池 ポッケにしのばせ 撮影も シャッターチャンスの 電池切れ多々
                         西BOOさん
★花ひとつ撮るも背景むつかしく 笑うに笑えぬ苦労は尽きぬ
                         夕庵さん
★シャープさとボケ味の二兎を追いつつも だからダメかと自問自答す
                         西BOOさん
★素人ゆえデジカメ大事に使用して お気に入り一枚保存しておく
                         夕庵さん
★ブログ写真 拝見させていただくも 撮影テクは まさに玄人
                         西BOOさん
★おだてられ豚も木の上落ちぬよう 日々精進を重ねましょうか
                         夕庵さん
★何事も好きこそものの上手なれ 写真そのもの愛を感じゆ
                         西BOOさん

☆薄氷割りて取り出す京壬生菜 けさのお茶漬け喉もと清し
                         夕庵さん
★ヨーグルト・全粒粉入りパンメニュー 腸内活性 日常の朝
                         西BOOさん
★高原のホテルの朝食 地場産のアスパラガスのゆでたてを食ぶ
                         夕庵さん
【詞書】現在は閉鎖されてしまったのですが、橿原市に湯葉の
  直営店があり、袋詰めを買うと湯葉の耳というのを入れて
  くれ、食べた思い出を詠まさせて頂きました。
★奈良の湯葉 工場直営 買付けに 非売品の「耳」が絶品
                         西BOOさん
★湯葉の「耳」いかなるものや知らないが 湯葉の天ぷら意外に美味し
                         夕庵さん
【詞書】湯葉の耳は分かりにくくてすみませんでした。食パンの
  耳と一緒で、湯葉の製造過程で四隅にできる湯葉のおこげの
  様なものです。普通の乾燥湯葉の3倍程、分厚いです。
★値が張るが 生の湯葉を取寄せて 刺身まぐろと一緒に味わう
                         西BOOさん
【詞書】湯葉の「耳」の説明よくわかりましたが、普通より3倍の
  厚みがあれば、さぞや美味しかったことでしょう。(笑)
★生湯葉とまぐろの刺身とマッチング ほんにBOOさん食道楽と
                         夕庵さん
【詞書】マッチングは、美味しかったです。「湯葉久商店」で
  検索していただくと、いまだにホームページがでてきますが、
  新着情報に「廃業」と記されています。後継ぎがおられ
  なかったそうで、ショックでした。
★松坂牛食べし帰路にて トラックに運ばる牛と目が合い懺悔
                         西BOOさん
【詞書】橿原市に老舗の湯葉屋さんがあったのですね。三代も
  続いたのに残念です。一度食べてみたかったです。
★手を合わせ「いただきます」という習慣 仕草言葉も命に感謝
                         夕庵さん
★それ以来 外でステーキ 食べられず 牛の涙目 思いださるる
                         西BOOさん
【詞書】切ない場面ですね・・・
★トラックの嫌がる牛に「許せよ」と別れの鳴き声耳を離れず
                         夕庵さん
★「光る君」 まひろの恋は砕かれて 帝(みかど)の
                  数珠となりにけるかも
                         西BOOさん
★恋破れ まひろの才は開花して 壮大な物語(はなし)
                    生むこととなり
                         夕庵さん

☆能登の子よ 大きな試練は君たちの未来にきっと役立つものと
                         夕庵さん
★地震(ない)の地の瓦礫の隅をふと見れば ちさき芽吹きに希望繋がり
                         みっちっちさん
★今日の陽のこの温もりを届けたし 仮設の家の冷え冷え建つも
                         夕庵さん
★下町の人情長屋 思はるる 仮設の家も助け合へれば
                         みっちっちさん

☆靴紐を結びくれしは 早春の ぶきっちょなりし 君の指先
                         みっちっちさん
★美しい君の指から落ちる砂 秋の海辺の悲しい記憶
                         夕庵さん
★さよならと君の名書きし砂浜に 辛き記憶も波に消へゆく
                         みっちっちさん
★啄木のかなしみの声波に聞く 母の砂山作っては消え
                         夕庵さん
★大海に向かひてひとり 波の音 ただ啄木のこころ知りたき
                         みっちっちさん

     「咲き競う ボケの花」

☆後一便 君を待つ駅春風の きらり光れば君来る合図
                         みっちっちさん
★エンドウの蔓はのびゆく浅緑 春のひかりの柔らかきこと
                         夕庵さん
★産院に産声響き 柔らかき春のひかりのなかの誕生
                         みっちっちさん
★春の陽の陽炎のように園児らが光の中を跳びはねてをり
                         夕庵さん
★ブランコを空いつぱいに漕ぎたくて 春のひかりの彼方までもと
                         みっちっちさん
★青空をまっぷたつに分けてブランコを高く漕ぎたり鴉が見てる
                         夕庵さん
★空を分く 地震雲とは 真実はジェット気流の仕業なること
                         みっちっちさん
★真実を明かせば納得するものを 世の中不思議なこと多くして
                         夕庵さん
★諺や言ひ伝へらに惑わされ こころ煩ふことも多しや
                         みっちっちさん
★先人の言い伝えには一理あり 時代に添わねど吟味するべし
                         夕庵さん
★先人の枕草子 源氏など文学作品いまも読み継ぐ
                         みっちっちさん
★NHK「光る君へ」の豪華さよ 衣装や舞台に釘付けとなる
                         夕庵さん
★道長とまひろの恋は如何なるや 廃屋のシーンに胸高鳴りぬ
                         みっちっちさん
★しのび逢うふたりの恋の行く末を暗示するよな指の妖しさ
                         夕庵さん
★愛すれど身分違ひの時代なり 北の方にはなれぬ切なさ
                         みっちっちさん
★隠れ家に逢瀬かさねるつかの間を かき抱く姿闇に浮かびぬ
                         夕庵さん

☆空を分く地震雲とは 真実はジェット気流の仕業なること
                         みっちっちさん
★幾本もの天使の梯子が降りそそぎ 胸に手を当てメッセージを待つ
                         夕庵さん

☆追ひつかぬやうに君追ふ 鬼ごっこ 春の雲まで君と走らむ
                         みっちっちさん
★点滅の横断歩道は走らずに 一歩さがってゆるり待ちます
                         夕庵さん
★まだ消へぬ「手術」の灯り 長椅子に 心もとなき長き夜を待つ
                         みっちっちさん
★廊下にて待つ回診の短さに 退院間近を確信しをり
                         夕庵さん
★高台のこども病院 青空に 二重虹立ち退院間近
                         みっちっちさん
★やすらかな眠りを祈る病窓に 灯りがひとつまたひとつ消ゆ
                         夕庵さん
★病棟のICUは夜さへも 灯りは消へず機械音響く
                         みっちっちさん
★黙々と 休みなき日の冷蔵庫 深夜に響く氷生む音
                         夕庵さん
★黙々と交通整理の手さばきは 判断速く 夜も助かる
                         みっちっちさん
★黙々と植木の刈り込みこなしゆく シルバーセンター派遣のグループ
                         夕庵さん
【詞書】シルバーと言えど皆様お元気で、仕事振りも素晴らしく
  びっくりしました。
★ふるさとの家の始末もシルバーのおじさま方にお世話になりし
                         みっちっちさん
★あの家も馴染めぬままに転居され空き家の目立つ町となりゆく
                         夕庵さん
★ふるさとに移住決めたる若夫婦 農に勤しみ村盛りあげよ
                         みっちっちさん
★日本の文化遺産の修業に スマホ・恋愛 禁止の若者
                         夕庵さん
★農継ぐと決意新たに若者は スマホを捨てて鍬しかと持つ
                         みっちっちさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める 雪柳」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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地域の中学校の卒業式へ

2024年03月17日 09時23分45秒 | ボランティア

 過日、土砂降りの雨の中で挙行された地域の公立中学校の卒業式に招かれ出席して参りました。この学校の学校運営委員として関わっているための招待でしたが、コロナ禍、さらにインフルエンザが依然広がっている中で招待をかなり限定したとのことでした。

     「未だ咲き盛る 白花水仙」

 この中学校は横須賀市の中でもマンモス校のひとつで、卒業生も200名を遥かに超えていました。従って卒業生全員に「卒業証書」を授与するだけでもかなりの時間を要しましたが、それぞれの生徒の卒業に当たっての想いを秘めた表情が垣間見れ、少なからぬ感動を味わいました。

 また、校長先生の卒業生への言葉も、心の籠った説得力のあるもので私達まで改めて学ばせて頂きました。曰く「今までは解答のある問題ばかりが用意されていましたが、これから君たちが立ち向かう世界は容易に解答が見いだせない場面ばかりです。その中で挑戦しつつ自ら解答を見出す努力を粘り強く続けて欲しい」との言葉が印象として残りました。

     「ガザニア」

 想えば、コロナ禍とインフルエンザ等々による、相次ぐ行事の中止や、学級閉鎖等々の試練を乗り越え無事卒業に漕ぎ着けた卒業生たち。入学時に比べ心身ともに一段と成長し、逞しさを身に着けてきたように見えました。

 この中学校とは、子供たちがお世話になっていた関係から、PTAの責任者を担って以降、地域連携の教育力推進委員、技術教育講座の講師、学校評議員さらに、学校運営委員等々、ボランティアの一員として微力ながら関わって参りました。
 途中、業務の繁忙さもあり、抜けざるを得ない場面もありましたが、友人たちの助けを借りながらも、なんとかつながりを保ってきました。卒業生の巣立ちの場にも幾たびか立ち会って来ましたが、いつも新たな決意に満ちた生徒たちの表情に触れ、こちらまで励まされる思いを抱いて参りました。

     「咲き初める 椿」

 今回も在校生の贈る言葉に応えた、想いのこもった群読と合唱は「素晴らしい」の一語では表現し尽くせない、卒業生の決意と底力を感じるものでした。200名を超える生徒たちが心を一つにして、在校生に、父母に、先生に、さらに地域の人々へ感謝を込めて残す言葉は、一つ一つが心に沁みるものでした。
 これも、生徒たちが実行委員会を作り自主的に創り上げたものと聴き、感動を新たにした次第です。地域から巣立ち、地域をさらに日本の未来を託するに足りる子供たちが育っていると改めて頼もしく感じた瞬間でした。

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その123)

2024年03月13日 05時51分54秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その123) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き盛る 白モクレン」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」


【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語
  の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・
  地名からヒントをもらい詠みます。今週は源氏物語巻名歌から1首、
  紫式部集より1首の計2首提出します。
註)源氏物語巻名歌・8花散里(はなちるさと)
  歌の背景
  光源氏二十五歳。世の中を煩わしく思う源氏は、亡き桐壺の帝に女御の
  一人として使えていた麗景殿の女御と御妹の三の君(花散里)を訪れ、
  女御と桐壺の帝が在世であったころの御物語などをあれこれとする。
 〇橘の香をなつかしみほととぎす 花散る里を たづねてぞとふ 光源氏
「返歌」
☆ほととぎす 今も変わらぬ 優しさに 安らぎ想う 花散る里に
註)紫式部集・8
 〇露ふかく おく山里の もみぢ葉に かよへる袖の 色をみせばや
「返歌」
☆山里の 紅葉且つ散る 切なくて 人には見せぬ 心知るべし
                         浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回は、「橘の香をなつかしみ」「おく山里のもみぢ葉に」の二首への
 返歌を詠んで頂きましたが、源氏物語もいよいよ佳境に入ってきましたね。
 一首目で詠われている、「花散里」の帖は源氏物語五十四帖の中で最も
 短い帖となっていますね。
 光源氏が詠んだ歌は「昔を思い出させる橘の香を懐かしんで、ほととぎす
 がこの邸を探してやってきました」と意訳できますが、「昔契りを結んだ
 女性の袖の香がよみがえってきましたよ」とは、殺し文句ですね。
 この時代、光源氏を取り巻く情勢が厳しくなる中、やすらぎを求めて
 行く先は、花散里のもとしかなかったと物語にはありますね。光源氏は
 この後、須磨へ流されることになりますが、これらの状況を踏まえた
 作者の返歌は、的を射て詠んでいると考えます。
 二首目は、友が都から遠く離れたところに、行こうか行くまいかと思い
 悩んで、山里から紅葉を折って届けた歌は「露がたっぷりとかかった
 奥山の紅葉の色に似ているわたしの袖の色を見せたいわ、私は嘆き
 苦しんで血の涙を流しているの…」と、解釈できますね。それへの
 返歌として、紫式部は「都から遠くへ行くことは役目ゆえやむを
 得ませんね」と結構冷静に返歌しています。しかし、友の心情を汲んで
 次の返歌を詠んで見ましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★もみぢ葉を 風は誘うも留まりて つかの間なれど吾と語らん

【詞書】庭の水仙の花を詠ませて頂きました。
☆みぞれ降る凍える寒き夜見れば 凛と咲き居り庭の水仙
【詞書】眩暈は完治しておりませんが、空を背景にする写真が
  撮れたことを詠ませて頂きました。
☆少々の眩暈・クラクラ残りつつ 空背景のシャッター押せた
【詞書】オークションでカメラのワインダーを購入したのですが
  故障品であったことを詠ませていただきました。
☆「作動する」記載あるのに作動せず オークションにて騙されたのか
                         西BOOさん
【解説】
 今回も、追加も含めて身近な題材をテーマに3首詠んで頂きました。
 一首目の歌は、冬の寒さと、その中で咲く水仙の美しさを対比させる
 ことで、水仙の凛とした強さを際立たせています。みぞれが降る
 寒い夜にも、水仙が堂々と咲いている様子が浮かび上がり、自然の
 厳しさの中での一点の美しさが、詩的なイメージを強く印象づける
 良い歌と思います。
 二首目、青空を背景にシャッターを押せるまでに回復したとの詠歌。
 もう一息ですね。じっくり治して参りましょう。
 三首目は、オークションの怖さですが、防ぐ手立てと保証システムの
 確立が待たれますね。

     「陽だまりに咲く 富士さくら」

【詞書】母を偲ぶ短歌を三首、出詠いたします。
☆手に慣れし箸よ 茶碗よ 亡き母のやはらに盛りし 豆のごはんよ
☆追ひ越して 母の筈なきセーターは 母の遺愛の 美(は)しき瑠璃色
☆春眠に目覚めて夢を見しやうな そばに母ゐて 母なほ若し
                         みっちっちさん
【解説】
 お母様を偲ぶ、さらに「母恋」の3首の歌はいずれもお母様への深い
 愛情と、過ぎ去った日々への哀切さが滲んでいます。
 特に二首目の歌は「追ひ越して」「筈なき」「遺愛の」
 「美(は)しき」など、情緒に満ちた言葉が並んでいますが「遺愛の」
 という言葉は、お母様への深い愛情を感じさせます。また、
 「瑠璃色」という鮮やかな色彩は、セーターだけでなく、歌全体に
 華やかさを添えています。
 また、鮮やかな色彩を用いることで、歌に深い余韻を与えることに
 成功しています。
 三首目は、女性ゆえの感性でしょうか。「母なほ若し」の表現は
 私たちには中々歌えないものを感じてしまいました。

【詞書】春の歌3首です。
☆目の悪い友の手の上(へ)に紙雛をのせて祝いぬ弥生よき日
☆うつむきて固き蕾の三椏と共に待ちます春の足音
☆さりさりと青きレタスの歯ざわりにジグソーパズルのピース埋めゆく
                         夕庵さん
【解説】
 春を待つ三首の歌を詩情豊かに詠んで頂きました。
 二首目の歌は、まだ固い蕾をつけた三椏の花と共に、春の訪れを
 待つ様子が鮮やかに描写され、冬の寒さが残る中、春の訪れを
 待ちわびる気持ちが切々と詠われています。
 「うつむきて」「固き蕾」「三椏」など、硬質な言葉が並んで
 いますが、これは、冬の寒さや三椏の蕾の硬さを強調する効果が
 あります。また、「待ちます」という表現には、春の訪れを待つ
 作者の強い意志を感じさせ、希望に満ちた春が訪れることを
 予感させる歌となっています。
 三首目の「さりさりと」の表現が新鮮です。

【詞書】YouTube短歌:G線の絆
☆絆は一本だけ
   細いG線だけ

     でも深く響き渡る
           心に
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 YouTubeで、多くのG線上のアリアを聴いてきました。バイオリン、
 チェロ、オーケストラ、ピアノやオルガン独奏、フルート。
 伴奏もピアノ、ギターだったりします。流される映像も違っています。
 演奏者の表現方法それぞれが違っていても、心に響き渡って来ます。
 それだけヨハン・セバスチャン・バッハが偉大なのだろう。
 正式名称は「管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068」第2曲「エール (Air)」
 です。
 下記URLに様々なG線上のアリアの映像を貼付しております。最初は、
 令和 6年2月6日にお亡くなりになった小澤征爾さん指揮のオーケストラ。
 1995年1月23日演奏と言う事で、阪神淡路大震災の犠牲者の哀悼の
 意があり、小澤さんは一瞬黙祷をしていました。
 それぞれのAir on G Stringを楽しんで、自分の好きなものを選べば
 良いと思いますので、御覧戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6f4d74e06c660b8719355fa791bcae86
【解説】
 【短歌説明】でも記されていますように、「G線上のアリア」は、バッハ作曲
 『管弦楽組曲第3番ニ長調 BWV1068』の第2曲「エール (Air)」の通称ですね。
 ヴァイオリンのG線のみで演奏できるように編曲されたもので、
 ヴィルヘルミによる編曲が有名で、原曲よりもゆったりとしたテンポで演奏
 されることが多いと言われています。
 G線はヴァイオリンの4本の弦の中で最も太く、温かみのある音色を持ち、
 哀愁漂う美しい旋律を奏でていると感じます。
 詠われているように「でも深く響き渡る 心に」の句が、小澤征爾さんの 
 姿と共に心に沁みます。特に「心に」の改行に作者の工夫の跡が偲ばれます。
 自由律でありながら、静かに訴えかける韻律を感じます。


     「咲き初める ミモザ」

【詞書】3月8日は国際女性デーで、“ミモザの日”とも言われます。
  この日は、イタリアでは昔から女性に感謝の気持ちを込めてミモザの
  花を贈るんだそうで、“ミモザの日”はそれに由来しているのだとか。
  感謝も良いですが、全世界的に(当然、勿論、確実に!日本も含めて!)
  女性の、女の子たちの人権が普通に認められますように。ミモザの
  輝くような花色は、それを願い、そのために闘う全ての女性にとって
  灯台の光のような希望の象徴でありますように…。日本でもまだまだ
  性暴力や性被害、理不尽な出来事の中に晒されている女性は多いです。
  どうか女性が心を押し込めずに、その人らしく生きられますように…。
  “女の子”“女性”ということでの不利益を私でさえ受けた事は
  あります。(世間的には微々たるものではあるでしょうが)…どうか
  “些細な事”からでも女性への人権が認識されますように…。
☆女性への感謝を示す黄金(きん)の花 ミモザよ心に光を灯せよ
【詞書】3月8日に衝撃的なニュースがありました。「Dr.スランプ」
  「ドラゴンボール」など、アニメも共に、世界的にも人気のある
  作品を創り出してきた漫画家、鳥山明氏が3月1日に68歳で亡く
  なられていたということです。「早い!」と思い、高校時分から
  しばらく「週刊少年ジャンプ」を読んでいて、(目当ては違う
  漫画でしたが)「Dr.スランプ」は割と初期に近いの頃 から、
  「D.B」は連載開始から読んでいました。「Dr.~」のコミックスは
  1~4巻しか買ってなかったんですが(甥にあげたはず)、「D.B」は
  10巻ぐらいまでだったはずですがまだあると思います。
  かわいいのにむちゃくちゃなアラレちゃんや、強くて…いや、
  強くなろうと頑張っていた悟空が好きでした。ギャグや個性的な
  キャラクターも面白く、魅力的で絵そのものの雰囲気も初めて
  見た時は他とは一線を画していると感じました。各コミックスの
  表紙なんて、人物も素敵に描いておられたけど、車やバイクなど
  何らかのメカが必ずと言っていいくらい描かれていて、それは
  もうセンス良く、カッコ良かったです。一枚もののポスターで
  欲しいななんてよく思いました。…世界中のファンが先生の訃報
  に接して悲しんでいました。謹んでご冥福をお祈り致します…。
  楽しい世界をありがとうございました…。
☆「お疲れ様、ばいちゃ!」と言って送りたい 世界が悼む鳥山明氏
【詞書】3月8日の鳥山明さん死去の報に続いて、翌9日にも悲しい
  ニュースがまた一つ流れました。34年続く人気アニメ
  「ちびまる子ちゃん」のまる子役を初回から34年演じた声優さん、
  TARAKOさんが3月4日に63歳で亡くなられたそうです。長く続く
  アニメ作品は脇役キャラクターのみならず、時には主役の声優
  さんも交代される場合があります。(今までも、主役の声優さんの
  死去による交代は、よく知られている例なら「ルパン三世」の
  ルパンが現在の栗田貫一さんに代わられたことなど、あると
  言えばあります。高齢などの理由なら、「ドラえもん」が主要キャラ
  だけでなく脇のキャラも一斉に交代した例などがあります)
  しかし、体調を崩して闘病中だったとか、アフレコの様子(車椅子
  で臨んでおられた)などは知らなくて、あまりに急でしたから驚き
  ました。
  年齢も近いし…。TARAKOさんは、「機動戦士ガンダム」の次の次に
  (私が高校の頃、’81年か2年ぐらい)放送していた「戦闘ロボ
  ザブングル」というアニメで初めてお名前を見ました。主要キャラ
  の一人?で小さい子供のキャラでした。それから10年かそこらで、
  まるちゃんでしたか…。かわいいけど毒があり、わがまま言ったり
  友達と笑ったりお姉ちゃんとケンカしたりお祖父ちゃんとまったり
  したり…ふつうの小学生の女の子を34年間演じられた…。
  お疲れさまでした。まる子ちゃん、好きでしたよ…。謹んで哀悼の
  意を表します…。
  …しかし、アニメ、漫画、小説などのキャラクターってそれに携わる
  人が亡くなっても、人々が忘れない限り永遠ですね…。(光源氏しかり…)
☆アフレコに車椅子でも参加した
      プロの根性 TARAKOさんかな
                         ちがやねこさん
【解説】
 今回も「国際女性デー」「鳥山明氏哀悼」「TARAKOさんの訃報」と
 ホットな題材を、心を込めて詠んで頂きました。
 特に一首目の歌、「国際女性デー」はマスコミ等での盛り上げが、若干
 少なかったと感じましたが、その中で「国際女性デー」について詠んで
 頂き貴重な詠歌と考えます。
 「国際女性デー」は、1904年3月8日、ニューヨークで女性労働者が
 婦人参政権を求めてデモを起こしたことが起源となっているとのこと。
 この歌は、黄金色のミモザが心に光を灯すことを詠い、希望や前向きな
 気持ちを象徴していることを表現しています。歌は簡潔ながらも
 「女性の人権尊重」を始め、深いメッセージを伝える力を持っており、
 心に響く美しい作品と考えます。
 おっしゃる様に人権意識も“些細な事”から、しっかり取り組んで
 いくことが大切と思いますし、心してかからねばなりませんね。
 二首目、三首目、日本のアニメ史を開拓し、支え、発展させ、世界に
 冠たるものにした功労者とも言える、お二人の訃報は寂しい限りですね。
 その想いを、作者の人柄が滲む表現で詠って頂いた味わいのある挽歌に
 なっています。私達も、謹んで哀悼の意を表したいと思います。

☆デブリなお 取り出されずに潜みいる 原発荒野の象徴として
                         ポエット・M
【解説】
 デブリとは、福島第一原発の事故発生時、メルトダウンにより炉心に
 格納されていた燃料が過熱・溶融し、冷えて固まったものです。ここから
 毎時73シーベルトという強い放射線が放出され、この放射線量を浴びると
 人間はわずか5分間しか生きられとの報告があります。
 原発の1号機から3号機の内部には、総計で約880トンの燃料デブリが
 今現在存在しています。燃料デブリの取り出しは、廃炉作業の中核となる
 重要なステップですが、当初予定を変更し23年度後半に延期されました。
 しかし、未だ1グラムも取り出されていない状況にあります。
 
 福島第1原発では、今もデブリに水をかけて冷やし続けており、1日平均
 100トン程度の汚染水が発生しています。これは「原発荒野」の氷山の
 一角ですが、原発の再稼働も計画されている中、3.11の節目にこのような
 事実にも、しっかり目を向けていきたいとの想いで詠んで見ました。
 
 
     「未だ咲く シクラメン」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(30)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。に
     
11.「短歌の章」 嵯峨野の春(2)

   一盞の酒かたぶけてまどかなる
           月に向ひて何頼むべき
            
   嵯峨野行き鮎の宿訪ひつたやにて
           初鮎を妻と今宵食ぶる

   嵯峨豆腐 春浅ければ湯豆腐を頼みて
          一杯(ひとつき)の酒に酔ひたり
  
【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】前週に続き掲載致します。
 fumiel-shimaさんからのコメントを掲載致します。

 毎回、お邪魔するごとに拙いコメントでも何か一言…と思う
 のですが、今日は思い切って私の感想を述べてみます。
 的外れかもしれませんがご容赦願います。
 私には短歌は詠めませんが皆さんの短歌をそっと読ませて
 いただき、いつも感動で胸が震える思いです。
 ☆西BOOさんの歌について
  ・今は25歳になった私の孫娘と同じ目線で見たあの日の景色…
   日ごとに変わるような天気と自分の思いを併せて気付けば
   未だ2月をあらためて知るような気持・・そして遠い日の
   2月の思い出・・・。懐かしさでいっぱいになりました。
 ☆夕庵さんの歌について
  ・熱い湯豆腐を口に運ぶ映像と冷たさを思わせる2月の雨も
   優しい薄絹に喩え、こず枝の梅の蕾に思いを寄せる情景は心に
   沁みました。
  ・さらに「春霖」という言葉で春を先取りし、その中に
   ゆったりと身を置く作者の気持の豊かさに感動しました。
   きっと良い転寝だったのでしょう。
 ☆自閑さんの歌について
  ・「ニューシネマパラダイス」は私も大好きな映画で、何度も
   何度も観ましたが、サルヴァトーレ(トト)とアルフレードの
   心温まる友情はその音楽と共に心に響き、忘れることは
   できません。車の中でもサウンドトラック(モリコーネ)を
   よく聴いています。
 ☆みっちっちさんの歌について
  ・どの季節についても母を想い、母との思い出を大切にする
   作者が鶯の声で空を仰ぎ、さらに母の深い愛を知る情景が
   浮かんでくるようです。
  ・私は息子夫婦と飲む機会は多いのですが、娘の夫は下戸なので
   娘たちと一緒に飲むことはなく、羨ましく思いましたが、その
   機会があるとすればやはり朝まで語り明かすだろう‥と思いました。
  ・「同じ人想ひし友よ・・」に信頼できる親しき友とお互いに
   心中密かに競い合うような乙女心を感じ、切なくもあり、
   楽しくもある気持ちが伝わってくるようでした。

ポエット・Mの返答コメント
 fumiel-shimaさん いつも、水曜サロンに温かな励ましと、的確な
 歌評を頂きありがとうございます。
 fumiel-shimaさんの歌評は決して「的外れ」ではなく、歌の本質に
 迫っていると感じます。
 そして、西BOOさんもおっしゃるように、何よりも詠む方の
 「歌を詠むモチベーションがUP」していることに繋がる歌評と
 思っています。これこそ、歌評の神髄と学ばせて頂いています。
 これからも水曜サロンを温かく見守って頂ければ幸いです。

     「咲き初める 紫ハナ菜」

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますのでご容赦願います。詞書は一首200文字程度にまとめて
    頂きたくご協力願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その123)ネット歌会

2024年03月13日 05時50分54秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その123)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 白モクレン」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆みぞれ降る凍える寒き夜見ても凜と咲き居り庭の水仙
                         西BOOさん
★満開の群れ咲く丘の水仙は 風の靡けば海へとなだる
                         夕庵さん

☆さりさりと青きレタスの歯ざわりにジグソーパズルのピース埋めゆく
                         夕庵さん
★最近に、はまりし前菜スプラウト ブロッコリーの旨味秀逸
                         西BOOさん
★百歳を目指す免疫身につけよ 野菜の王様ブロッコリースプラウト
                         夕庵さん
★抗酸化ポリフェノールにEPA 現代食は気づかい多し
                         西BOOさん
★あれがいいこれがいいぞとコマーシャル もう間に合わぬ今さらなにを
                         夕庵さん
★コマーシャル 初回に限り 安くして 2回目からは 財布が持たぬ
                         西BOOさん
★買い物はカード決済多くして 大きな財布は薄い財布に
                         夕庵さん
★決済は現金主流なりとても カメラ買い過ぎ薄い財布に
                         西BOOさん
★西BOOさん カメラの趣味もほどほどに
           山の女神(かみ)さま怒り出すぞえ
                         夕庵さん
★「もう最後」何度も幾度も思いつつ 購入するは一つの病気
                         西BOOさん
★一途なり 写真の神髄求めむと趣味の域でて高みを目指す
                         夕庵さん
★プロ並みと言われ極限プレッシャー カメラ・レンズを信じ切るのみ
                         西BOOさん
★信ずれば花開く と言うように その一枚は家族の宝 
                         夕庵さん

☆うつむきて固き蕾の三椏と 共に待ちます春の足音
                         夕庵さん
★ふるさとの山いつぱいに三椏の 黄色溢るる知らせを待ちぬ
                         みっちっちさん

     「咲き初める 富士さくら」

☆手に慣れし箸よ 茶碗よ 亡き母のやはらに盛りし豆のご飯よ
                         みっちっちさん
★朝夕に手に馴染みきし塗りの箸 娘(こ)と求めしよ輪島朝市
                         夕庵さん
★金沢に輪島朝市復活の 朝のニュースに春の訪れ
                         みっちっちさん
★朝市で魚の捌きを教わりし 店のあの娘は如何に居ますや
                         夕庵さん
★大まぐろ解体ショーを 和歌山の 黒潮市場に楽しみしこと
                         みっちっちさん
★打ちつける 荒波に浮く円月島 海蝕洞に夕陽の沈む
                         夕庵さん
★隠岐島の奇岩に夕陽沈みゆき ローソク灯る奇跡の景色
                         みっちっちさん
★近頃は旅費の値上げにひと思案 年金者にはぐっとこらえて
                         夕庵さん
★近頃は旅する暇もなきほどに ジムに卓球 楽しむ我よ
                         みっちっちさん
★三月も半分過ぎて思うこと 予定をこなし腰を伸ばして
                         夕庵さん
★三月は卓球戦の多くあり 予定こなすは体力勝負
                         みっちっちさん

☆目の悪い友の手の上に紙雛を乗せて祝いぬ弥生よき日
                         夕庵さん
★今いちど優しく撫でて 流し雛 川を流れて大海までと
                         みっちっちさん
★紙雛も役目を終えて箱のなか 黒髪撫でれば息の通いぬ
                         夕庵さん
★幾とせも箱に眠りて お雛様 おとろへ知らぬ黒髪の艶
                         みっちっちさん
★陽の射せばきわ立つ白髪のほろ苦さ 春雪ならば溶けゆくものを
                         夕庵さん
★白髪はそのままにして 亡き母の 春日に萌ゆる笑顔を今も
                         みっちっちさん
★わが子さえ白髪数える歳になり何恥じらうや八十路のわれは
                         夕庵さん
★白髪をうすむらさきに染めし女(ひと) 八十路愉快と春日に萌ゆる
                         みっちっちさん
★みっちっちさん 「八十路愉快」になるほどと好きな短歌と日がな遊んで
                         夕庵さん
★夕庵さん「八十路愉快」の大先輩 見習ひの吾(あ)はついてゆきます
                         みっちっちさん
★どこまでもついてゆきます花嫁の 花の三月チャペルの鐘に
                         夕庵さん
★教会のきざはし降るるカップルは フラワーシャワーのきらめきの中
                         みっちっちさん
★教会の懺悔の涙を流しいる ヴェールの下の白い横顔 
                         夕庵さん
★花嫁を奪ふ衝撃「卒業」よ チャペルで叫ぶダスティホフマン
                         みっちっちさん
★記念にと卒業の日の金ボタン胸に揺れてる想い出いまも
                         夕庵さん

☆人にあり AIもたぬゾーンあり 肌のぬくもり 想いのゆらぎ
                         ポエット・M
★AIに 意識・感情は創れない 養老先生するどき眼で
                         夕庵さん
★AIに 人の温もり求めるは 水に字を書く 技に似たるか
                         ポエット・M
★人間は神の創りし宝物 水の上(へ)歩くこと 叶わぬて
                         夕庵さん
★賜りし ひとつの命それぞれに 守り生きるは一義の使命
                         ポエット・M
★大切な わが命なり 災害の 避難場所など 再確認す
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き初める ラッパ水仙」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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 13年目の「3.11」へ

2024年03月10日 09時36分24秒 | 鎮魂

―東日本大震災で被災された皆様へ―

 2011年(平成2 3年)3月11日14時46分に発生した東日本大震災は、明日で13年目となります。
TBSの3月9日の報道によりますと、この東日本大震災での死者は15,900人、行方不明者は6県で2,523人とのことで、死者・行方不明者ともに去年の3月から増減はなく、いずれの数字も更新されなかったのは今回が初めてとのことです。
 この大震災で被害に遭われ身罷った御霊に哀悼の誠をささげるとともに、未だ行方不明となっている方と、そのご家族の皆様に改めてお見舞いを申し上げたいと思います。
この間、被災された皆さんの筆舌に尽くしがたい労苦と闘いの日々を、そしてそこから立ち上がり前を向く多くの皆さんの歩みを、私たちも改めて想い起したいと思います。

     「未だ咲く 河津桜」

 昨年も、このブログで掲載させて頂いた内容ですが、再び巡りくる3.11を前に、改めて「共にある」ことの確認を込めて、重複となりますがこの記事を掲載いたしと思います。なお、福島第一原子力発電所では燃料が溶けた1~3号機は、安定的に冷却されているとは言え、原子炉内の溶融した燃料(燃料デブリ)の取り出しは、未だ1グラムも取り出されていない状況にあります。従って廃炉も、さらに遠い道のりになると考えています。

 今から13年前、多少でも手助けになればとボランティアで訪れた福島の海辺の町は、すべてを破壊しつくされた瓦礫の街でした。今回の能登地震の惨状が重なりますが、その廃墟とも言えるその地で、 しっかりと日々の生活を立て直し、明日を見据えて踏ん張る多くの方たちに接し、 私たち自身が励まされる思いがしました。
 お手伝いの合間に、現地の皆さんのお話を聞くことが出来ました。言葉少なに、自らの現状に折り合いをつけつつ、 絞り出すように語ってくれた多くの方達の言葉は、 私たちの想像を遥かに超えていました。目の前で、大津波にご主人も、お子さんもさらわれたと言われる一人の女性。立ち直ることも出来ないであろう厳しい状況に直面し、涙も枯れ果てたと言いながら、それでも気丈にふるまう方。
  その方の想いに寄り添い「あの子の分も」との題で、私なりに詞に紡いでみました。ずーと心に留め、しまっておいた歌詞ですが、昨年、東日本大震災から12年目の節目に当たって「共にある」ことを再認識するとともに、 あの想像を絶する事態を改めて心に刻む意味で、詞を少しブラッシュアップしてみました。

 その詞の作曲・歌唱依頼を含めてYokiさんに提案させて頂きました。今回もYokiさん、じいじさんの多大なご尽力で、歌詞に命が吹き込まれました。先に本ホームページで紹介させて頂いた、Yokiさん作曲・歌唱の二曲の延長に、「あの子の分も」の楽曲を、皆さんにお披露目出来ることに感謝したいと思います。

「あの子の分も」の楽曲公開に当たっては、工藤慎太郎さんの楽曲「旅の途上(なか)」の作詞の際、 ペンネームとして「ショー・ジロー」を頂きましたので、今回も前二曲に続いて、それを踏襲させて頂きました。 作曲&歌はyokiさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂きました。改めて感謝申し上げます。

今回は、2022年3月11日に、改めて Yokiさんに歌って頂いた曲を掲載させて頂きます。

画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

ユーチューブの背景画像はYokiさんに選んで頂いた「ニゲラ」という花で、
花言葉は「未来」です。

 「あの子の分も」
     作詞*ショー・ジロー  作曲&歌*yoki  ギター*じいじ

  1.あの子の声がこだまとなって 
    今でもはっきり響いてくる  
    目の前で波に呑まれ さらわれた
    あの子が今でも目に浮かぶ
    あんなに身近な海なのに
    今は見るのも つらい 
    切なくて 悲しくて 
    眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
    でも・・・涙はお日様に預け
    もう泣かない   
    あの子にもらったこの命 
    抱えてしっかり 生きて行くわ

     2.あなたの声がこだまとなって 
       今でもはっきり響いてくる
       目の前で波に呑まれ さらわれた 
       あなたが今でも目に浮かぶ
       あんなに好きな海なのに
       今は見るのもきらい
       寂しくて 苦しくて
       眠れぬ夜をいくつ重ねたことだろう
       でも・・・涙はお日様にあずけ
       もう泣かない
       あなたにもらったこの命 
       抱えてしっかり生きて行くわ

  3.あれからもう10年たつのね 
    やっと探した写真には
    あの子とあなたの笑顔が写ってる  
    家も町も光の中輝いてる
    津波が全てを奪っていった
    あの日々が 愛おしいまでによみがえる
    辛いけど 寂しいけれど
    私の愛したあなたと あの子の思い出を
    抱えてしっかり生きて行くわ
    あなたの分も あの子の分も
    私のこの胸にずっと ずっと

 「あの子の分も」の楽曲作成に当たって作曲&歌はyokさん、ギター&ハーモニカはじいじさんに担って頂いた旨は先に申し上げました。ギター&ハーモニカを担って頂いた、じいじさんに「あの子の分も」をカバーして頂きましたので、一挙に公開させて頂きます。

 画像をクリックしますと「Youtube」を視聴できます。

 なお、拙い詩ですが、著作権は放棄していません。
無断転載等はご遠慮願います。転載いただけるのであれば、あらかじめ当方へ
連絡を頂き「ポエット・M」の作者名を明記して頂ければ嬉しいです。
                        了

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