四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)

2023年11月29日 05時17分29秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 湘南ファンタジー」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年11月13日から17日までの「世界文化紀行」短歌より3首選択しました。
註)歌川広重「江戸百景 する駕てふ(駿河町)」より
☆賑わいは富士がそびえる駿河町 越後屋商い現銀掛け値なし
註)チューリップファイナルコンサート「エジプトの風」より
☆織りなすは光と影の物語 熱い風の中スフィンクス笑う
註)日本の祭り「甲府えびす講祭り」より
☆えびす講赤飯炊いて内祝い 華々しくも花火打ち上げ
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 今回も、「世界文化紀行」短歌より3首を選定して頂きました。
 「歌川広重・江戸百景」「チューリップファイナルコンサート」「甲府えびす講」
 と、異なったテーマですが、テーマごとのポイントをしっかり把握され手堅く、
 分かりやすい「紀行短歌」となっていると考えます。
 特に、一首目の歌に触れてみたいと思います。
 「越後屋」は、呉服店として「現金掛け値なし」の商法で当時の商慣習を覆す、
 革新的経営を貫きました。掛け値なしというのは手数料はとらず、値引きなどを
 しないで、正直に商いをすることを意味しました。
 この歌は、歌川広重の絵から連想し、駿河町の賑わいや富士山の美しさを背景に、
 越後屋の信用と誇りという商いの姿勢を端的詠い、味わいのある歌と考えます。
 当時、長く続く商習慣を改めることは、多くの困難もあったことと思いますが、 
 越後屋の改革の裏には、その身代をかけた「意気」があったのではないかと
 類推して詠ってみました。
 これは史実ではなく、歌詠みの一人としての私の想像です。ご批判もあろうかと
 思いますが、歴史の一齣へ想像で分け入る面白さに挑戦して詠って見ました。
【ご参考】
 ★富士を背に賑わい続く駿河町 意気の越後屋 正直商い

【詞書】相当、状態が良くなってきたのですが、まだ上を向く写真が撮れないので、
  紅葉が治癒を待って散らないでいてくれればという希望の気持ちを込めて
  詠ませて頂きました。
☆上を向く写真が撮れず紅葉の葉が治癒を待ち散らざりしかも
【詞書】植えてもいないサザンカが庭に咲き、年の瀬の庭の締めになりそうだと
  思い詠ませて頂きました。
☆あら不思議植えてもしないサザンカが 年の瀬の庭白花(はくか)で締むる
                          西BOOさん
【解説】
 一首目は、写真家としての切実な願いですね。一日も早い御回復をお祈り致します。
 二首目は、白いサザンカが咲き始め庭の点景として、その存在感を増していますが、
 その様子を「白花(はくか)で締むる」と表現し、歌の印象を深めています。
 なお、この歌の良さは、「あら不思議」という句で始まることで、私たちの興味を
 引きつけるところだと思います。また、「植えてもいない」という句で、サザンカ
 が自分の庭に偶然咲いたことを強調していますが、鳥さんたちの粋な贈物かも知れ
 ませんね。
 サザンカは「困難に打ち克つ」「ひたむきさ」などの花言葉を持ちますが、寒い冬に
 美しい花を咲かせるサザンカの姿に、自然の力や生命力を感じるということも暗に
 伝える良い歌と感じます。

【詞書】寒い冬が来ても、動物たちは生きていきます。
☆まほろばの山冬めきて けものらは命抱(いだ)きて丸く眠れり
☆珈琲を啜る窓辺にふくふくと 転がるやうに寒雀二羽
☆暁光の狭庭に集ふ色鳥よ 我が家の米に恙(つつが)なくあれ
                          みっちっちさん
【解説】
 夏の炎暑による「どんぐり」の不作も地球温暖化のひとつの現象でしょうが、
 けものたちにとっては死活問題ですね。このため、熊たちの人里への出現が問題と
 なっていますが、彼らも子育てもあり必死になっていることが分かります。
 詞書のように、寒い冬が来ても「動物たちは生きていきます」ね。そんな想いを
 込めた三首の歌は、何れも動物たちの命に寄り添う優しさを秘めた歌と鑑賞させて
 頂きました。
 一首目の歌は、冬の寒さに耐えるけものたちの姿が優しく表現されています。
 なお、「まほろば」とは、「素晴らしい場所」「住みやすい場所」という意味の
 古語で日本の国土や奈良県などを指すことがありますね。
 この歌では、「まほろばの山」という句で、美しい自然につつまれて、けものたち
 が体温を保つために身を寄せ合ったり、丸まったりして眠っている様子が表現
 されています。
 さらに、「命抱きて」という言葉には、けものたちの生命力や生きる意志を感じ
 させる力強さがあり、そこに想いを寄せる作者の温かな眼差しが、感じられます。
 冬の寒さと、けものたちの温かさという対比を表現し、歌を印象深いものに
 しています。

【詞書】バスツアーで琵琶湖南の善水寺、鶏足寺、マキノのメセコイアの並木道を
  めぐり、今年の秋を満喫してきました。
☆時雨うけ楓は艶めく葉を散らし 古寺の階(きざはし)朱く染めゆく 
☆黄葉のメタセコイアの並木道 音立てて鳴る湖風強し           
☆トンネルのメタセコイアを仰ぎ見る ゆれる狭間に冬の陽ひかる
                          夕庵さん
【解説】
 バスツアーで琵琶湖南の善水寺、マキノのメセコイアの並木道をめぐり、秋を
 満喫してこられたとのこと。三首の歌は満喫した「秋」が、詩情豊かに詠まれて
 いて、その場に誘われる思いです。
 一首目の歌は、時雨と楓の葉の美しさ、そして古寺の趣を巧みに表現しています。
 「楓は」ではなく「時雨うけ楓は」と表現することで、時雨が楓の葉の艶めきを
 より引き立てています。「古寺の階」は、楓の葉の散りゆく場所を特定しており、
 歌に物語性を持たせています。さらに、「朱く染めゆく」は、楓の葉が散り落ちて
 古刹の階を染めていく様子を、静謐かつ幻想的に表現し、時間の経過と変化も
 感じさせています。
 全体的に、言葉選びや表現が巧みで、情景が鮮やかに浮かび上がってきますし、
 時雨と楓の葉の美しさ、そして古寺の趣を、簡潔ながらも印象深く表現している
 点も秀逸です。
 二首目、三首目に関連し、ブログを拝見させて頂きました。マキノピックランドの、
 全長約2.4kmにわたる500本のメタセコイアのトンネルは圧巻ですね。圧倒され
 ながらも「湖風強し」「冬の陽ひかる」の情景を詠みきる、詩人としての目の
 確かさを感じました。

     「染まり始めた モミジ」

【詞書】先週短歌結社の校正のために京都に出向きました折に詠みました3首です。
  校正の始まる前に嵐山の紅葉を見に行きましたが、どういうわけか今年の
  紅葉は色が鮮やかではありませんでした。校正が終わってから京都御苑の紅葉
  も見に行きましたが、やはり例年のようではありませんでした。これは今年の
  異常な暑さが影響したのかと思わせていただきました。その日の校正は評論文を
  させていただいたのでしたが、なかなか面白いと思いながら読ませて頂いて
  いると偶然隣席がその評論を書いた青年でした。
☆嵐山、京都御苑と行きしかどいづれの紅葉の色もくすみて
☆この夏の異常高温もみぢにも及びてをらむ色くすめるは
☆有望な青年歌人と知らぬままその評論の校正をしつ
                          suisenさん
【解説】
 短歌結社の校正のために京都に出向かれたとのこと。このように日々献身的に
 活動される方のご尽力で、結社の短歌誌の発行も滞りなく行われていくものと
 思います。
 一首目、二首目の歌は、今年の京都の紅葉を美しいと愛でるのみでなく異常気象
 との関りも含めて詠んで頂きました。
 特に、二首目に触れてみたいと思います。この歌は、気候変動による夏の暑さが、
 秋の紅葉にも影響を与えているという現実を、哀愁と少しアイロニーを込めて
 表現しています。もみぢは、秋の京都の季節感を象徴するものですが、その色が
 「くすめる」と詠い、鮮やかさを失いくすんで見えることを、心を痛めつつ冷静に
 表現しています。このように、この歌は自然の美しさや豊かさが、このままでは
 失われてしまうのではとの、気候変動に対する警鐘を静かに鳴らしているとも
 言えます。
 三首目で詠われた青年歌人は、結社にとっても、短歌界にとっても希望の灯ですね。
 大いに期待して参りましょう。

【詞書】YouTube短歌 歌姫
☆歌姫は早すぎた
 ばどぢずでじどだ
 ぱりっぱ ぱりっぱ
 ブギとブルース
                          自閑さん 
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 たまたま、NHKの朝ドラの笠置シズ子の歌う「ラッパと娘」を見て驚愕しました。
 この回は、若い人にも受け、バズっているとか。昭和14年の歌との事。
 一方ライバルの淡谷のり子は、昭和11年「おしゃれ娘」を歌っています。
 共に戦中は、敵性歌曲として弾圧されているそうです。
 服部良一は、両歌姫に歌を提供しています。
 笠置シズ子は、戦後の東京ブギ、淡谷のり子は、わかれのブルースで有名だが、
 戦前にこんな最先端の歌を歌っていた事に驚きました。21世紀の今風。
【書き忘れ】自閑さんご自身の追記です。
 主演の趣里さんはどんな人かと調べたら、水谷豊さんと伊藤蘭さんのお子さん
 だとか。蛙の子は蛙ですね。以下URLに、三人の歌姫のYouTubeを貼り付けて
 おりますので、お聴き戴ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/6d4035006a5b325a1d18e443e688a201/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
【解説】
 短歌説明にありましたように、NHKの朝ドラの笠置シズ子の歌う「ラッパと娘」
 の曲は、若い方々はもとより、私たちが今聞いても、十分に新鮮な曲ですね。
 当時でも、トランペットの哀調あふれる音色に、笠置シズ子の絶叫にも似た歌声が
 絡み、戦前のジャズとは思えない斬新さですね。
 また、この曲は、戦争に突き進む沈みがちとなる当時の日本の世相に活気と希望を
 与え、笠置シズ子の歌声とともに多くの人々の心をとらえたものと考えます。
 詠われている「ばどぢず でじどだ」は、ホットなスキャット、シャウトする
 歌声で観客は魅了されたものと考えます。
 しかし、昭和10年代と言う時代背景を考えますと、詠まれていますように
 「早すぎた」感は否めません。しかし、当時の人々の鬱屈した心に響く素敵な
 曲で
あったと思っています。良い歌、曲は時代を超えて人々の感動を誘い共感を
 呼ぶものと、この歌から教えられ
ました。
 これからも、このような挑戦的な歌を詠まれることを、希望したいと
思います。

【詞書】暖かい冬のようです。各地、モミジが本当に綺麗な季節、いつものクロとの
  散歩でも真っ赤なモミジを見つけました。そして、先日行った軽井沢・雲場池が
  なんて『キレイ!!』
☆赤々と 燃えるモミジに
    抱き上げて
  クロと見上げる 夕映えの空
☆雲場池 燃え立つモミジ
    逆さ絵に 水鳥泳ぐ
  夕映えの波
                          クロママさん
【解説】
 軽井沢は雲場池、タリアセン(塩沢湖)等を始め紅葉の名所のオンパレード
 ですね。中でも、雲場池は紅葉が池面に映り絵になる
風景が随所に見られますね。

 そんな風景を詠んだ二首の歌は、愛犬のクロちゃんとの微笑ましい姿も表現され
 明るく、爽やかな歌になっています。

 一首目の歌を、「もみじ」を主格にして詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】

 ★抱き上げて クロと見上げる 夕空に
        くれない燃える もみじ葉のなみ

     「ピラカンサの実」

【詞書】11月23日に、前代未聞、史上初の試み、神戸三宮と大阪御堂筋で
  阪神タイガースとオリックス・バファローズが“同時”パレードを行いました。
  私はテレビで中継を見ていましたが、もの凄い人出で、人人人の波なのを見て
  「うひゃあ~」と言うばかりでした。…正確には「良かったなあ~」と「凄いなあ~」と
  「うひゃあ~」でしたが…。オリックスさんは日本一の時にパレードやってたりする
  からまあ、経験ある選手も居てはったようですが、タイガースは’85年の時でも
  パレードは無かったそうなので(私はうっかり“あった”と勘違いしてましたが…。
  あの時難波の書店でバイトしてたんですが、御堂筋を大勢のファンが行列しては
  いたと思います。…聞こえてましたし…)’85年のV戦士の平田コーチも初めて
  やったんでしょうね、めっちゃはしゃいではったのが何か微笑ましかったです。
  バファローズの皆さんも「二都スイッチ」のパレードは初で、お疲れだったかも
  知れませんが楽しそうで、こちらも嬉しくなりました。何にせよ良い天気で何より
  でした。できれば又見たいなあ…。
  そしてサッカーでもヴィッセル神戸の優勝!今年は兵庫県に縁のあるチームが
  強いですね!
☆ご覧アレ!堂々パレード虎戦士
      猛牛戦士も笑顔で手を振る
☆トラファンとバファローズファンの大移動 
      神戸・大阪 二都物語
【詞書】11月上旬にISS(国際宇宙ステーション)のクルーさんが船外活動中に
  うっかりツールバッグを「落として」(手を離れて)しまったとか。一時は紛失と
  いうか行方不明になったらしいんですが、のちにISSの“前”を飛んでいることが
  判明。将来的には(地球の引力に引かれると思うんですが)地球に落ちて燃え
  尽きるとか。何でも“6等星に相当する明るさ”でISSの前方にあるのが、
  地上からでも(双眼鏡を使えば)見えるそうです。12月2日から(だったはずですが)
  また日本でISSが観測できるそうなので、“道具袋”を見るのをトライしてみようか
  と思ってます。(😁)まあ、スペースデブリにならずに済みそうで良かったです。
  「プラネテス」というアニメではないですが、早いとこ国連とかがスペースデブリ
  処理の施設を作るとか考えたほうがいいと思いますけどね…。
☆ISSのクルーがうっかり「落とした」る
       バッグも地球軌道を回る
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回は、虎戦士、猛牛戦士の「二都スイッチ」のパレードと、ISSのこぼれ話を
 ワクワク感と共に、レポート的にしっかりと詠んで頂きました。
 一首目、言うまでもなくこの歌は、阪神タイガースとオリックス・バファローズの
 優勝パレードを詠んだものであり、2つのチームの選手が堂々とパレードする様子と、
 笑顔で手を振る選手の様子が、そのまま素直に表現され、共感を誘います。
 2つのチームの優勝を喜び、祝福する作者の思いがストレートに伝わり、リズム感も
 あり、良い歌と思います。「ご覧アレ!」の一句の表現が利いていますね。
 二首目は、ファンの大移動も含めて「二都物語」の表現は秀逸と思います。
 三首目は、ISSのクルーさんの不注意とは言え、「小さな衛星」が生まれた
 微笑ましい話ですね。大気圏突入の際燃え尽きることは分かっても、要注意の
 存在ですね。ISSを眺める際に、新たな視点も提供して頂き、興味深い歌と
 なっています。

☆舞い散るも もみじは既に色うせて 炎暑のなごり無惨にとどめ
                         ポエット・M
【解説】
 秋の遅いと言われる湘南地方ですが、ようやく紅葉に染まる季節となりました。
 このモミジ等はいつもの季節であれば、欅の黄葉とのグラデーションをなし見事な
 景観を見せてくれます。しかし、今年は夏の炎暑の影響でしょうか、くれないに
 染まらず既に枯れ葉となり、くすんだ色のままに散っていきます。
 一見、美しい風景を想像させる「舞い散るも もみじ」という表現ですが、
 次の句で「既に色うせて」ということで、その美しさはすでに失われていることを
 詠ってみました。
 そして、結句で「炎暑のなごり無惨にとどめ」と詠い、夏の炎暑の影響で紅に
 染まることなく、枯れて落ちていく「もみじ」の無惨を表現してみました。
 また、この歌は、一句目の「舞い散る」の動きと、二句目の「既に色うせて」の
 静けさとの、「動と静」の対比を強調してみましたが、狙いすぎでしょうか。


     「ホトトギスの花」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(18)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
5.「短歌の章」 友の葬り(1)

   時の間を耀き去りし人ありて
           秋落莫と陽はかたぶきぬ
            
   昭和史を生き残り来し我らなれば
           おのもおのもに証言のあり

   年ふればまさしく一期一会なり
           たまきはる命惜しめと告げぬ


     「風に揺れるススキ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)ネット歌会

2023年11月29日 04時51分10秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その111)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋薔薇 ジャルダン・ドウ・フランス」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆上を向く写真が撮れず紅葉の葉が治癒を待ち散らざりしかも
                         西BOOさん
★ほどほどのしあわせがよい 上見てもシャネルのバッグは不釣り合いなり
                         夕庵さん
★カメラ画素 上には上でキリが無し 低画素もまた味わい深し
                         西BOOさん
★低画素の写真アップの恥ずかしさ 下手の横好きデジカメなれば
                         夕庵さん
★本当はフィルム写真好きなのに 単価値上がりもう手が出せぬ
                         西BOOさん
★毎日の値上げの連鎖に閉口し 生きてゆくのもほとほと辛し
                         夕庵さん
★インフレで年金受給者困るのに なぜ看板が「デフレ脱却」
                         西BOOさん
★行列は何かと思えば風のなか ATMに並ぶ高齢者なり
                         夕庵さん

☆まほろばの山冬めきてけものらは命抱きて丸く眠れり
                         みっちっちさん
★猟犬は熊を追い立て吠えながら山へと返す仕事をこなす
                         夕庵さん
★街角の風にさざんか香り ふと 盲導犬を停めたる主よ
                         みっちっちさん
★長い髪ゆらして街を行く人よ 男か女か もはや思わず
                         夕庵さん
★さざんかの香の移りしや 黒髪を かき上ぐる 背に もの思ひたり
                         みっちっちさん
★咲き出した白い山茶花ほのほのと 薄紅の縁にじませており
                         夕庵さん
★ひたむきに寒さに耐へて山茶花は 我が市の花として咲き誇れり
                         みっちっちさん
★コスモスは可憐に秋を彩りて わが市の花と知ればなおさら
                         夕庵さん
★港から夜の六甲見渡せば 市章と錨 煌々と灯る
                         みっちっちさん
★鎮魂と平和を祈るルミナリエ 神戸の街は光の回廊
                         夕庵さん
★折り鶴に平和を祈る日本の 心よ今し世界へ届け
                         みっちっちさん
★折り鶴を園児に教える婆ちゃんの お国なまりを懐かしく聞く
                         夕庵さん
★京訛り 懐かしく聞く冬の駅 たはむれに ああ おしゃべりせし日よ
                         みっちっちさん
★あの人はふるさと訛りを気にもせず 笑いに変える人気者なり
                         夕庵さん

☆暁光の狭庭に集ふ色鳥よ 我が家の米に恙なくあれ
                         みっちっちさん
★渡り鳥旅の疲れを休めるか湖(うみ)のさざなみゆりかごならむ 
                         夕庵さん
★夕暮れの伊根の舟屋の灯は揺れて さざなみ超へて小舟帰りぬ
                         みっちっちさん
★夕凪の磯釣船は一艘の墨絵となりて ぼうと動かず
                         夕庵さん
★あけぼのの山にたなびく薄雲のひかりはぼうと墨絵めきたり
                         みっちっちさん
★秋の夜の月は雲居に閉ざされて泪のあとは誰がのみぞ知る
                         夕庵さん
★我が頬の泪のあとは冬の月のみぞ知るやも 震へし我が身も
                         みっちっちさん


     「未だ陽だまりに咲く ブーゲンビリア」

☆トンネルのメタセコイヤを仰ぎ見る ゆれる狭間に冬の陽ひかる
                         夕庵さん
★廃線の残る真暗きトンネルを 抜けて もみじの山道ゆかむ
                         みっちっちさん
★廃線にトロッコ列車 秘湯へと紅葉ただ中 山狭いの里
                         夕庵さん
★もみぢ葉のひとひら舞ひて トロッコの 子らの笑顔の咲く嵐山
                         みっちっちさん
★記念にと拾いしもみじ葉 紅の押し花つくり栞にせんと
                         夕庵さん
★賀茂川の土手に四葉のクローバー 君と見つけて栞にしたり
                         みっちっちさん
★読みさしの本には旅の栞あり今夜は何処の旅人ならむ
                         夕庵さん
★遠き日の旅の夜風に栞さし 今手にとりて旅のあれこれ
                         みっちっちさん
★新緑と黄葉の季(とき)に訪れし上高地こそ旅の醍醐味
                         夕庵さん
★わくわくとするは短歌の醍醐味よ 返歌重ねる楽しさ覚へ
                         みっちっちさん
★機知のある返歌に釘づけわれもまた時間忘れて応える一首
                         夕庵さん
★ひようひようと藤井八冠 勝利せし その身に機知と情熱秘めて
                         みっちっちさん

☆滅びにもあらがひ燃ゆるもみじ葉よ 森の夕映え その身に集め
                         ポエット・M
★悴みにあらがひ燃ゆるもみじ葉は 母の胸なる子の手の温み
                         みっちっちさん
★母の胸 もみじに似たる手をそえて 眠る幼子なにを夢見る
                         ポエット・M

☆母の胸 もみじに似たる手をそえて 眠る幼子なにを夢見る
                         ポエット・M
★一枚の写真は母に抱かれて手にえくぼあるわたしの記憶
                         夕庵さん
★遥かなる母のみ胸にいだかれし 記憶さますや吾子(わこ)抱く妻に
                         ポエット・M
★はじめての大地踏みしむ吾子なるを映写機まわしし夫(つま)の記憶よ
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「ツワブキの花」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (30)
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「秋の歌」に

2023年11月25日 15時49分42秒 | ボランティア

 「秋の日の ヴィオロンの ためいきの
    身にしみて ひたぶるに うら悲かなし」
は皆さんご存知のように、上田敏訳のヴェルレーヌ「落葉」の一節ですが、
この詩の情景がしみじみと思い浮かぶような秋の日が続きます。
ポール・ヴェルレーヌの原詩の題は「秋の歌 Chanson d'automne」ですが、
「落葉」の方が私達には馴染深いですね。

     「秋薔薇 マチルダ」

また、この詩の一節が第二次世界大戦の暗号に使用されたことでも有名です。
1944年6月6日のノルマンディー上陸作戦の際、イギリス・特殊作戦執行部が
フランス各地のレジスタンスに、工作命令を出すための暗号放送として、
「秋の歌」の冒頭が使われ、英国放送協会(BBC)のフランス語放送で
流されたとのことです。戦時下とは言え「粋」を感じます。

     「皇帝ダリア」

炎暑の夏から、一気に冬の季節の訪れを感じさせる日もありますが、短い
ながら秋の風情を感じられるひと時を、大切に味わいたいとも思っています。
散歩で訪ねる遊歩道や、公園の片すみに咲く秋の花をデジイチで撮って
みましたので、その一部を載せてみます。ささやかな晩秋の息吹を感じて
頂ければ幸いです。

     「色づき始めた モミジ」

ウクライナ、さらにガザの現状を見ると厳しい現実と惨状ばかりが目につきます。
眼を凝らしつつも、ガザにおける、ひと時の「戦闘休止」が、本格的な停戦と
なります
ことを祈りたいと思います。

上田敏訳の ヴェルレーヌ「落葉」の詩を載せてみたいと思います。

 秋の日の ヴィオロンの ためいきの
  身にしみて ひたぶるに うら悲かなし。

 鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて
  涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。

 げにわれは うらぶれて こゝかしこ
  さだめなく とび散らふ おちばかな。
               了

     「咲き初める ボケの花」

コメント (12)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)

2023年11月22日 05時24分14秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「小紫式部」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】神棚の真榊を購入したのですが、そのおまけに紙垂と紙が付いていて、
  その紙に「ほんのきもち」と記されていたことが、粋なはからいだと思い
  詠ませて頂きました。
☆真榊のおまけに附いた紙垂と紙 「ほんのきもち」と記されてあり
【詞書】薬の服用で相当状態はよくなったのですが。まだ、寝返りをしたとき等
  グルグル天井が回るので、次の二週、服用で完治するぞと思い詠ませて
  頂きました。
☆七日間服用するも完治せず あと二週にて完治をめざす
【詞書】大谷選手のMVP獲得は、「天は二物を与えず」なんて言葉は
  当てはまらないと思い詠ませて頂きました。
☆大谷のMVPで思うのは 天は努力で二物を与ふ
                          西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、「神棚の真榊」を購入した際に、そのおまけについていた紙垂に
 「ほんのきもち」と記されていたとのこと。その「粋」を詠んで頂きました。
 売り手の心遣いと、粋な計らい。それを粋と感じる作者、双方の心が通じ合った
 温かな歌と感じます。
 皆さんも、ご存知のように紙垂(しで)は、注連縄や玉串、御幣などにつけて
 垂らす、特殊な断ち方をして折った紙ですが、古事記の天の岩戸伝承のなかで
 既に書かれているとのこと。
 二首目の歌、未だ症状が続いている旨、お見舞い申し上げます。薬で治療可能と
 伺い、サロンの皆さんもホッとしていることと思います。「完治するぞ」との想い
 も大切ですが、くれぐれもご自愛ください。ただ、いつも前向きな作者の姿勢には
 私達も励まされる思いです。
 三首目の歌、この歌は、彼を知り、誇りに思うすべての人の、共通の想いでも
 ありますね。下の句の助詞を「努力に二物も与ふ」と少し変えて、「三物」以上
 への含みを持たせてみましたがいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★大谷のMVPで思うのは 天は努力に二物も与ふ

【詞書】23年10月23日から11月2日まで軽井沢の紅葉を撮影しました。
  名所ごとに紅葉を題材に詠みましたのでご指導願います。
 註)軽井沢プリンスホテルの紅葉
☆趣きはもみじ盆栽紅葉で 赤や黄色の芸術アート
 註)タリアセン(塩沢湖レイクランド)の紅葉
☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛す文化の香り
 註)八ケ岳倶楽部の紅葉」
☆八ケ岳豊かな自然散歩には 落葉松の木々秋のざわめき
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 京都同様に、軽井沢、八ヶ岳山麓も紅葉の名所には事欠きませんね。そんな
 スポットから、今回も厳選し、それぞれの紅葉を詠んで頂きました。
 二首目の歌、タリアセンの湖畔にある「睡鳩荘」は、軽井沢別荘建築史の中でも
 最上質のもので、昭和6年(1931)にアメリカ人ヴォーリズの設計により建てられた
 歴史的価値ある建造物とのことですね。この建物の所有者でもあった父から
 譲り受けた、フランス文学者、朝吹登美子はこの別荘を愛し毎夏この別荘を
 で過ごしたようですね。
 自然と調和し長い歴史の中で、軽井沢の良き伝統を守り伝えてきた文学者の
 魂と志。これらを「文豪愛す文化の香り」の句で簡潔に表現された歌は見事です。
 文豪を旧朝吹山荘の所有者、朝吹登美子に置き換えて詠んでみましたが、
 いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★湖畔には もみじに埋まる睡鳩荘 魂 燃えいるや 朝吹登美子の

【詞書】私の父が亡くなったのは7年前の冬の夜です。寒い冬が来ると、
  可愛いがってくれた優しい父を思い出します。
☆父逝きし寒夜(かんや)の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし
☆亡き父の温き胡座に包まれて 可愛ひがられし 我 今もなほ
☆父と子の影重なりし肩車 夕焼けよ その 懐かしき歌よ
                          みっちっちさん
【解説】
 三首の歌、いずれも可愛がって頂いたお父様との思い出と、「寒夜の月」に
 結びつけられた哀しい別れを、しみじみと詠って頂きました。
 いずれも、静かで深い情趣を湛えた良い歌ですが、三首目のリフレーンが
 良いですね。
 「肩車」は、父と子の親密さや楽しさを表し、「夕焼けよ」という句は、一種の
 呼びかけとなっていますが、夕焼けに対する感嘆や慕情が伝わってきます。
 「その 懐かしき歌よ」という句は二人で聞いていた歌、あるいは作者ご自身が
 歌った「夕焼け小焼け」かもしれません。この歌では、何の歌なのか、という
 具体的な表現はされていませが、それがかえって私達の想像力をかきたてます。
 また、「その」という言葉は、父と子にとって特別な歌であったことを示して
 いるとも察しられます。
 このように、この歌は父と子の幸せなひとときを描きながら、同時にその儚さや、
 今は亡きお父様への追慕を感じさせる味わいのある作品と考えます。

     「白いさざんか」

【詞書】暑かった秋も短く冬は一気にやって来たようです。そのような一日を
  詠んでみました。
☆秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
☆一輪の白いさざんか坪庭の 葉陰に咲きぬ立冬の朝
☆水曜日「短歌空間」に身をおきて歌詠むことはわが活力に
                          夕庵さん
【解説】
 炎暑の夏から、一気に冬となる、目まぐるしい気象の変化について行けない
 ものも感じますが、晩秋の何気ない一日を三首の歌で味わい深く詠んで
 頂きました。
 二首目の歌は、一見すると素直に白い山茶花を詠んでいるように感じますが、
 実は作者の今の心情を暗示しているとも感じますが・・・。
 例えば、一輪の白い花は、作者ご自身の清らかな心情を象徴しているとも
 感じられますし、坪庭の葉陰に咲くという表現では、喧騒から離れて静かに
 生きたいとの願いも読み取れます。
 これらから、この歌は、立冬の庭に咲く白い山茶花を通して、作者の願いや、
 祈りを表わしており、冬の寒さや孤独さに耐える人々にとって、心に寄り添う
 一首だとも考えます。
 三首目は、このサロンに集う皆さんの共通の想いと考えますし、そのような
 活力を高める「広場」を目指したいと思います。

【詞書】松島の瑞巌寺にて
☆地藏には紅葉を飾れ

    わたつみに
    沈みしひとを
 お救いねがうと
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一人で宮城の歌枕を訪ね、松島の瑞巌寺に行って来ました。あちらこちらに、
 東日本大震災の津波の傷跡が有りました。
 松島は、島々が防波堤の役割をして、大津波にはならなかったが、陸前、
 陸中は多くの人々が海中に没しました。
 多賀城市の末の松山は、でも波が越えなかったと
 古今和歌集の歌枕となり、当時の都人にも驚きで伝説となりました。
 東日本大震災でもその伝説は生きたが、津波は多くの地点で被害の
 傷跡を残しました。
 地藏菩薩は、六道に生きる衆生をお救いになる。地蔵に、お救いを
 祈念するしかないとその時思いました。
 本歌は、西行の
   佛にはさくらの花をたてまつれわがのちの世を人とぶらはば
 です。この仏を西行と解する訳も見掛けますが、亡くなった人を仏とするのは、
 法然の浄土宗もかなり経ってからで、西行時代には無かった概念。
 下二句の字余りで、3週間も悩んでいましたが、四句を解消しました。
 テーマが余りに重かったからです。
【解説】
 西行法師の歌を「本歌」として詠まれたと、歌の説明をして頂きましたが、
 本歌
以上に深い想いを湛えている歌と考えます。
 地藏は冥界の救済者として知られておりますが、紅葉を地藏に飾ることで、
 あの大震災の津波で、わたつみに沈み冥界に落ちた人々の御魂の救済を祈り、
 供養を願うという重い内容を静かに詠っています。
 この歌は定型に従っていますが、その中で「お救いねがうと」という句を最後に
 持ってきています。これは、歌の結びとして「字余り」がむしろ活き、強い
 印象を残すとともに、作者の
切なる願いを表す、深い祈りの歌となっていると
 考えます。本歌取りの成功例として学ばせて
頂きました。
 なお、ここで触れられた多賀城市では、平安時代の貞観11年5月26日
 (869年7月13日)、三陸沖を震源とする推定マグニチュード8.3の貞観地震が
 発生しました。この地震による津波が襲い、城下だけでも1,000人を
超える
 人々が溺死したと記録にあります。

 この時期、京都平安京でも、疫病が続き、不穏な状況となり、死者の怨霊などを
 払い鎮めるため御霊会などの儀式が行われました。これが、現在の
祇園祭の
 起源と言われています。

     「地蔵にもみじを

【詞書】過日電車で神戸に参りましたが、朝はラッシュの混雑、帰途は下校の
  学生で混雑していました。が、帰途の混雑の中で大学生と思しき青年に
  席を譲ってもらって、同じ大学生の東京の孫のことを思い出して詠いました。
☆思ひやりあふれる青年つと立ちて席ゆずりくれしときの嬉しさ
☆わたしにも優しき大学生の孫ゐること思ひださせてくれる
☆東京の大学生の孫もまた人に親切する人であれ
                          suisenさん
【解説】
 ラッシュ時、神戸へ往復され、その混雑の中で、大学生に席を譲って頂いたとの
 こと。その模様を詠まれた三首の歌は、親切な大学生と、ご自分の
お孫さんの
 姿が重なり、この世代への共感と、評価、さらに希望をも表現されて
います。
 今の若者たちのもつ思いやりや、優しさへの感謝も滲む良い歌と思います。

 殺伐としたニュースが溢れる世情の中で、このような「優しさ」に触れると
 ホッと
します。

 歌は、社会の片すみで日々行われる、このようなさりげない善意を拾い上げて盛る
 大切な器でもあると考えます。このような分野こそ、大いに詠って参りましょう。
 特に一首目、「席ゆずりくれしときの嬉しさ」は、素直に想いが表現され、
 ほのぼのとした良い歌と思います。

【詞書】少~し口が開きかけのサザンカ(元は白く先は少し濃いめのピンクの花びらで、
  名前が未だに判りません。「朝倉」でないのだけは確かなんですが)の花に頭を
  突っ込むようにしたり、花のそばにとまって枝をしならせたりとてもかわいいです。
☆まだ咲かぬ山茶花の蕾のぞき込み
         二羽のメジロは枝を行き交う
【詞書】ヒヨドリが来るんですよ。ヒヨそのもの様子は、目元の赤いところとか可愛
  いんですが、サザンカが咲き出すとメジロたちが蜜を吸いに来ていたりするのを
  「どけどけどけっ!」って感じで蹴散らすように来るんですよ。
  「あ~あ、来よった」とか言いつつ、毎年その攻防を見るともなく見て楽しんでます。
  ヒヨドリよ、すぐそばに南天の実が赤くなってるで~、とか思うんですがヒヨドリ
  もたまには甘いもんの方がええねん、的な感じなんでしょうか?
☆山茶花の蕾の膨らみ見届けて
        ヒヨドリ一羽 睨みきかせて
                          ちがやねこさん
【解説】
 蕾の膨らむ山茶花を訪れる、メジロとヒヨドリの様子を正確に写生し、ちょっぴり
 ユーモアを交えて詠って頂き、彼らの生態が良く分かる歌となっていると考えます。
 ここにも星の観察で鍛えた眼が活きていますね。
 なお、メジロやヒヨドリは蜜を求めて椿や、山茶花にやってきますが、彼らは蜜を
 吸っているわけではないようですね。舌を使って、蜜をのどの奥まで運んでいる
 ようです。くちばしを花粉で黄色に染めているヒヨドリは、蜜を求めつつ受粉に
 貢献しているとのこと。鳥が受粉を媒介する花を鳥媒花と呼び、日本の鳥媒花
 では、ツバキや山茶花が代表的だと、ものの本から学びました。
 一首目は、二羽のメジロが枝を行き交う様子は、初冬の静けさと対比されるもの
 ですが、同時に「蕾のぞき込み」に、メジロの可愛らしさと生命力が感じられます。
 二首目の歌、花の蜜をめぐってヒヨドリとメジロのバトルは見ていても微笑ましい
 ですね。最も彼らにとっては死活問題かもしれませんが、いずれにしろ良い学びに
 なりました。

☆滅びにも あらがい燃ゆるもみじ葉よ 森の夕映えその身に集め
                         ポエット・M
【解説】
 秋の訪れが遅いと言われる関東のこの地でも、少し標高の高い丘陵地帯の
 もみじ葉はくれないに染まり始めています。いち早く葉を落とした冬木立も
 連なる森の中で、その滅びへ向かう木々の移ろいにあがらうように、紅に染まる
 もみじ葉の様子を詠んでみました。
 あたかも、森を包む夕映えの茜色をその身に集めて、燃えるようにも見える
 そんなもみじ葉の生命力と、孤高さが表現できればと思いました。


     「森のもみじ葉」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(17)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(9)

   室生時雨木の葉濡らして過ぎしかば
           僧一人鐘楼に登り行きたり
            
   女人また参ずることを許されて
           室生寺の一山の間華やぐ

   わくら葉は風にまろびて 逝く人に
           秋の陽赤く輝りわたるなり


     「咲き初める 皇帝ダリア」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)

2023年11月22日 05時08分26秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その110)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「秋明菊」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆秋深し紅燃ゆる塩沢は 文豪愛する文化の香り
                         浅間山明鏡止水さん
★文豪の旧居は奈良の高畑に「暗夜行路」を編みしサロンは
                         夕庵さん

☆誰を待つ、 ポツンとひとつ 椅子一つ 木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
                         クロママさん
【詞書】山口美由紀さん著の「フィーメンニンは謳う」というマンガがあります。
  ある日主人公の
少女が道で、少年が椅子を作っているところに出会います。
  その後、少女は椅子にすわって物語が展開してゆくんですが、
この
  ファンタジー作品の導入部の大事なシーンだし、好きなシーンなので
印象に
  残っているんです。クロママさんが見られた椅子も、かつて誰かが
景色を
  みてもらおうと置いたものだったりして…。と思い、このマンガのこの
シーンを
  連想したので作った歌です。

★「花を見て」と 椅子を置きたる少年が
        出て来るマンガを思い出したり
                         ちがやねこさん

☆真榊のおまけに付いた紙垂と紙「ほんのきもち」と記されてあり
                         西BOOさん
★のし袋に「ほんのきもち」とひらがなで 100円ショップにやさし日本語
                         夕庵さん
★100均に売っていると頼まれて 商品見ると220円
                         西BOOさん
★ダイソーは楽しい迷路買うことを忘れ便利な品に目移り
                         夕庵さん
★多種類の便利グッズが100円で 国の豊かさ実感すなり
                         西BOOさん
★飢餓に泣く子らの映像見るにつけ 飽食の日本 TVの堕落
                         夕庵さん
★イスラエル病院爆破 地獄絵図 せめて子どもを殺すの止めよ
                         西BOOさん
★国連よ 今こそ義務を果たすとき 血にさまよえる民を救えよ
                         夕庵さん

☆七日間服用するも完治せずあと二週間にて完治をめざす
                         西BOOさん
★予定表一週間後の紅葉を旧友(とも)と会うべくはやる心は
                         夕庵さん

☆父逝きし寒夜の月を見上ぐれば 凍へんばかりに我が身震へし
                         みっちっちさん
★幾たびぞ月を見上げて願いしは この身の脱皮を夢見た日々よ
                         夕庵さん
【詞書】卓球の試合に負けた日を詠みました
★月光に試合の負けを慰めむ 明日には脱皮せし我を見よ
                         みっちっちさん
★駆けよりて涙の勝利に酔うときも明日には受けて立つ身とならむ
                         夕庵さん
★本物の実力持てば必勝ぞ 明日を目指して努力の日々ぞ
                         みっちっちさん
★贋物を鋭きまなこで透視する 古き器の弘法市に
                         夕庵さん
★冬空へ背をまつすぐに少女騎手 前を見据へる鋭きまなこ
                         みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
                         夕庵さん
★仲良しの夫(つま)を亡くせし友の背のちさく震へて涙を誘ふ
                         みっちっちさん
★もの言わぬ動物の目の愛しさよ限りある命ともに生きむと
                         夕庵さん
★もの言へぬ病人らをも追ひ込みてガザの病院いかになるやも
                         みっちっちさん
★亡き人は布団の下に紙切れの「すまぬ」の一言残して逝きしと
                         夕庵さん
★亡き母は眠り続けてふと起きて 吾の顔じっと見つめて逝きぬ
                         みっちっちさん
★一時間違えて起きてまだまだとラジオのスイッチ入れて二度寝を
                         夕庵さん

     「咲き初める 山茶花」

☆亡き父の温き胡座に包まれて可愛ひがられし 我今もなほ
                         みっちっちさん
★ほっこりと胡座にまるく位置占めてしばしの夢にまどろむ子犬
                         夕庵さん
★その場所は誰(た)にもやらぬと幼き日 父の胡座に眠りし我よ
                         みっちっちさん
★少女らは胡座をかいて車座にすらりと伸びた素足眩しき
                         夕庵さん
★大地蹴り子ら冬空へ倒立す 天へ届けと足まつすぐに
                         みっちっちさん
★街頭に反戦のうた繰り返し 天に届けと声はりあげて
                         夕庵さん
★冬空にジョンレノンの歌 響きたる 平和を祈るイマジンの歌
                         みっちっちさん
★難病に倒れし君の「愛は勝つ」と叫びの声は永久に響きけり
                         夕庵さん
★カラオケで「愛は勝つ」を熱唱せし君の笑顔は今も忘れず
                         みっちっちさん
★デュエットの君は今でも変わらない素敵な紳士ね そっと肩組む
                         夕庵さん
【詞書】朝ドラ「らんまん」であいみょんが歌った「愛の花」毎朝楽しみでした。
★万太郎夫婦の愛の花の歌 ほつこりと観し朝のひととき
                         みっちっちさん
★名も知らぬ花いち輪を手折りきて話しかけたり朝のひととき
                         夕庵さん
★夕闇の四条通りに肩触れし 気になる君よ 名も知らぬのに
                         みっちっちさん
★碁盤目の京都の地図は上ル下ル 方向音痴はそれでも解せぬ
                         夕庵さん
★地図見れば 京都の右側 左京区で 左は右京区 不思議なるかな
                         みっちっちさん

☆冬空へ背をまっすぐに少女騎手 前を見据える鋭きまなこ
                         みっちっちさん
★背の丸き友の背ぽんと叩きやる 互いの姿鏡に映して
                         夕庵さん

☆母の名の消えかかりたる木製の 物差し今も裁縫箱に
                         みっちっちさん
★木製の玩具は在りぬ兄弟の 手垢が残す成長のあと
                         夕庵さん
★ふるさとの家の柱に弟と 背丈はかりし跡そのままに
                         みっちっちさん
★鳩時計律儀に時刻(とき)は知らせどもきみも老いたか籠もりがちなる
                         夕庵さん
★このところ籠りがちなる近隣の友と笑顔を交はすゴミの日
                         みっちっちさん
★明晰なカラスはゴミの日鳴き立てて仲間を連れて偵察にくる
                         夕庵さん
★カラスらはテニスコートにゲーム観て我ミスすれば仲間と笑ふ
                         みっちっちさん
★「人」の文字飲み込んだ後の発表はミスなく終わりほっと息つく
                         夕庵さん
★後ろから靴音響く冬夜道 家近づかばほつと息つく
                         みっちっちさん
★靴音で 家族とわかる愛犬の 聴覚人の4倍なりし
                         夕庵さん

☆秋去りて冬の気配の濃くなる日 優しき小花のパジャマを縫いぬ
                         夕庵さん
★夜なべして瑠璃色セーター編みくれし 亡き母の背の丸きを偲ぶ
                         みっちっちさん
★夜なべせし母の姿の尊けれ 指ぬきいまは吾の手に添いぬ
                         夕庵さん
★母の名の消へかかりたる木製の物差し 今も裁縫箱に
                         みっちっちさん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「秋蝶とキバナコスモス」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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走水の海

2023年11月18日 18時41分02秒 | 日々の歩み

かつて、このブログでは横須賀 走水(はしりみず)神社について幾たびか触れて
参りました。

     「秋薔薇 ソリドール」

『古事記』『日本書紀』では、日本武尊が相模から上総に向かった際、海上で暴風雨に遭い、弟橘媛が海へ身を投じて暴風雨を鎮めたとの記述があります。数日後、海岸に弟橘媛の櫛が流れつき、村人は旗山崎(御所ヶ崎)に社を建てて櫛を納めたとされています。この社が弟橘媛を祀る「橘神社」ですが、明治18年(1885年)に旗山崎が軍用地になった為、「走水神社」の境内へ移されたとのことです。

     「走水神社 全景」

走水神社公式ホームページでは、この弟橘媛命と走水とを『古事記』を引用し、
次のように記しています。
 ―日本武尊は、上総国へ軍船でいっきに渡ろうと船出されましたが、突然強い風が
  吹き、海は荒れ狂い軍船は波にもまれ進むことも戻ることもできず転覆するかの
  危機に遭いました。
  日本武尊に付き添ってこられた御后の弟橘媛命が「このように海が荒れ狂うのは、
  神の荒ぶる心のなせること、尊様のお命にかえて海に入らせて下さい。」と告げ、
   ★さねさし さがむのおぬにもゆるひの ほなかにたちて とひしきみはも
  との御歌を残し、海中に身を投じられました。
  たちどころに海は凪ぎ、風は静まり日本武尊一行の軍船は水の上を走るように
  上総国に渡ることが出来ました。以来、水走る走水と言われております。―

この弟橘媛命の歌碑は走水神社の裏山に建てられています。

     「弟橘媛命の歌碑」

この走水の海岸を過日訪ねてみました。房総半島を望む浦賀水道は、かの弟橘媛命が身をもって鎮めた荒れ狂う海とは打って変わって、秋空の下でどこまでも静かに凪いでいました。海岸の砂浜からは横須賀の街並みの背後に、遠く白銀をまとう富士山も望め、一幅の絵のような景観が広がっていました。

     「走水海岸からの 冠雪の富士山」


     「東京湾を挟んで 横須賀の街と富士山」

横須賀から東京湾を挟んで富士山が眺められると申し上げると「信じられない」と、おっしゃる方もあまたおられます。しかし、この地から上記の画像の通り四季折々に鮮明な富士山の雄姿が眺めることができます。ただし、距離の関係もあり、気象の影響もありますので、11月から2月は比較的眺めることが可能ですが、他の月は結構難しいとの印象があります。機会がありましたら、お立ち寄り頂ければ幸いです。

     「走水海岸から 横須賀の街、富士山を望む」

この景観に寄せて即興で一首短歌を詠んでみました。
 ☆いにしえの弟橘媛(おとたちばな)の歌さえも
               今は遥かに 海は凪ぎいる 

コメント (4)
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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)

2023年11月15日 06時04分35秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「未だ咲く 酔芙蓉 薄紅に染まる」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】23年10月23日から11月2日まで軽井沢の紅葉を撮影しました。
  名所ごとに紅葉を題材に詠みました。
 註)ハルニレテラス遊歩道の紅葉
☆渓流の音に誘い赤紅葉 揉み出すもみじ木々が色づく
 註)千ケ滝温泉紅葉
☆秋深く燃える紅葉千ケ滝 古都の趣味わい深く
 註)軽井沢レイクガーデン
☆紅葉を愛でて楽しむ美しさ 秋の風情は薔薇にも映えて
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「ハルニレテラス遊歩道」「千ケ滝温泉」「軽井沢レイクガーデン」と、
 今まさに「燃える秋」を象徴的に示してくれる「ザ・軽井沢」を三首の歌で詠んで
 頂きました。作者のブログも拝見させて頂きましたが、こちらでは中々眺める
 ことのできない鮮やかな紅葉に圧倒されました。その鮮やかに燃える紅葉の様が
 三首の歌、それぞれに作者のワクワク感、感動と共に表現されています。
 感動は歌心の核心とも思いますので、これらの景観に真向かうことにより作者の
 感性が益々磨かれることと思います。
 二首目の歌の「燃える」は、紅葉の鮮やかな色彩と燃え盛るような勢いを表現し、
 さらに地名「千ケ滝」が、この歌の具体的な舞台を特定し、リアリティを与えて
 良い歌と思います。ただ、「古都の趣味わい深く」の下の句が上の句との関連で
 少し唐突感が感じられます。このような詠み方ではいかがでしょうか。
【ご参考】
 ★鮮やかに燃える紅葉の千ケ滝 古都のおもむき残す民家も

【詞書】日頃は思ってもいないが、いざ病気にかかると健康第一だと思う自分の
  身勝手な気持ちを詠まさせていただきました。
☆突然の眩暈を起こし思うのは 日頃と違い「一に健康」
【詞書】昨日よりも、体調が良くなっている様ですので、もう一首詠ませて頂き
  たいと思います。
☆真夜中に電気あんかの線入れる 凍える寒さ今日は立冬
                          西BOOさん
【解説】
 突然の眩暈の発症はご心配でもありますよね。お見舞い申し上げます。少し回復
 されてきたとのことでホッとしております。
 一首目の歌は、病となったとき、皆さん一様に思われる感慨を詠んで、納得感の
 ある歌と思います。「日頃と違い」に実感が籠っています。
 追加された二首目の歌は、病をおして詠んで頂きました。あれほどの炎暑の夏も
 過ぎ、立冬ともなれば暦通りの「凍える寒さ」となる、その実感がリアルに
 詠まれて共感を誘います。
 作者の歌いぶりは、さりげなく詠みながらもポイントをしっかり押さえ、しかも
 詩情も滲む手堅い歌と感じます。

【詞書】幼なじみが亡くなった事を人づてに知りました。三首出詠します。
☆朋友の訃報届きて 見上ぐれば 冬天澄みて 青極めけり
☆中学の渡り廊下に 飽きもせず 恋の話を語りし友よ
☆残照の下校の道に 椿咲き 恋の話の引きも切らずに
                          みっちっちさん
【解説】
 三首とも、「幼なじみの朋友」への、心の籠った挽歌と考えます。
 「朋有り遠方より来る、また楽しからずや」という孔子の言葉を引用するまでも
 なく、相互に信頼しあい、心置きなくつき合える友だちはいくつになっても大切な
 存在ですね。そんな方の訃報に接しての心情を、拝察しております。
 一首目の歌について、少し、内容に触れますと、冒頭の「朋友の訃報届きて」と
 いう句が、友人の訃報を聞いたという状況を簡潔に表現し「見上ぐれば」という
 句が、友人のあまりに早い死を受け入れることができず、天を仰いで悲しみを
 噛みしめている様子が詠われています。「冬天澄みて」でも、冬の澄み切った
 空の様子を表現し、その澄んだ空が、友人の死を受け入れられない心情を象徴して
 いるようにも感じられます。
 さらに、「青極めけり」という結句は、青く染まる冬の澄み切った空の色を表現
 しつつ、友人の死を悲しみながらも受け入れ、その死を悼むという心情への変化を
 表しています。この歌は、友人の訃報接したときの悲しみと喪失感を、冬の澄み
 切った空の様子に仮託して、情感豊かに表現した挽歌と考えます。

【詞書】妹の娘(姪)は発病から回復することなく3人の子どもを置いて旅立ち
  ました。50代の若さでした。自分より若い人が先に逝くのは理不尽と、かえす
  がえすも残念でした。今年も姪の大好きだったコスモスが満開でした。
☆娘(こ)を亡くした妹の嘆きを如何にせむ 嗚咽の電話聞き取り難し
☆秋雨の弔問ましてや姪ならば涙に迷う山科の道
☆妹は足取り危うく帰りゆく風になびけるコスモスの道
                          夕庵さん
【解説】
 詞書にもありますように、「自分より若い人が先に逝くのは理不尽」であり、
 まして妹さんの娘さんであれば、その理不尽さは悲しみを通り越して怒りさえ
 湧く想いであることは察するに余りあります。
 挽歌を詠むには未だ生々しく、想いを整理できないことはお察しいたしますが、
 いずれの歌も、惑いなく詠いきっていることに作者の芯の強さを感じました。
 二首目の歌についてですが、姪御さんの葬儀に参列したときの悲しみと喪失感が
 情趣深く表現されています。
 秋雨の降る中での弔問という状況を簡潔に表し「ましてや姪ならば」という句が、
 姪御さんの死に対する悲しみと喪失感を、さらに強調しています。
 また、「涙に迷う山科の道」という句が悲しみに打ちひしがれ、道に迷ってしまう
 ような、喪失感の深さを表していると考えます。悲しみと喪失感を、秋雨の情景を
 借りて、繊細かつ趣き深く表現した優れた歌と考えます。

     「咲く継ぐ コスモス」

【詞書】昨日は次男の子供二人の七五三のお祝いのため、神戸に出向いており
  ました。この次男は、上の二人よりも10年ほど後で生まれましたので育てる
  のも大変でした。が、こうして結婚をして孫もふたり見せてもらうことが
  できて苦労が報われた気持ちです。その上、結婚後八年目にして家まで手に
  入れた次男は立派な親孝行をしてくれました。自慢話めきますが、最近は
  死ぬほど嫌なこともありましたから、あえてそれらを歌にして詠いました。
☆ひ孫とも思へる孫の七五三おそく生まれた次男の子らは
☆いやなことありても孫の顔見れば悲しみも消え生きむと思ふ
☆子の買ひし家は広くて交通の便がよろしく喜ぶわれら
                          suisenさん
【解説】
 お孫さんの七五三のお祝いに出向いた際の作者の喜びと、誇らしさが率直に
 詠まれた三首の歌は、いずれも微笑ましい良い歌と感じます。
 我が子と、さらにお孫さんの成長は何よりもうれしい事と思いますし、それを
 素直に表現できる状況は喜ばしいものと考えます。
 二首目の歌は、お孫さんをもつ多くの方の共通の想いと思います。子供たちの、
 また孫たちの生命力にあふれた笑顔は、諸々の悩みや、悲しみも瞬時に消し
 去る魔法の力を秘めていると感じます。それが例えひと時のものであっても、
 それに力を得て「もうひと踏ん張り」の決意を促す、十分な活力となると
 感じます。そんな想いを湛えた味わいのある歌と考えます。

【詞書】いつも行く公園の散歩道にポツンと一脚だけの椅子があり、苔むした
  この椅子に誰か座るだろうか?などと思いながら通り過ぎる私です。
✩誰を待つ、 ポツンとひとつ
  椅子一つ
    木洩れ陽ひかる 枯葉舞う道
✩公園の 木洩れ陽そそぐ
   川沿いに
     蒼苔かぶる 椅子一つあり
                          クロママさん
【解説】
 二首の歌は、何れも甘楽公園への散歩道を詠まれたものと拝察致しますが、
 紅葉の下で楽しく散歩する、クロちゃんとの日常が思い浮かぶ、ほのぼの
 とした良い歌と思います。
 二首目は、写生がリアルで情景が鮮明に浮かぶ、すっきりとした歌と考えます。
 一首目の「ポツンとひとつ椅子一つ」は韻を踏んでリズミカルではありますが、
 「ひとつ」の繰り返しが少し気になります。
 このように詠みなおしてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★誰れ待つや 苔むす椅子に 枯れ葉舞い
        いざなうように 揺れる木漏れ日

【詞書】開かずの踏切
☆君に言う言葉も忘れちまった
    開かずの踏切を待つ間に
【詞書】夏のおもいで
☆ポシェットに仕舞いこんだ潮騒
   時々取り出す
      あの日のおもいで
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一度に4首考えていて、結局1首も出来ず、以前作った短歌を投稿します。
 以前は、思い付いたまま、三十一文字になりましたが、今は考え過ぎなのかも
 知れません。
 ただ、踏切を待っていただけ、三浦海岸の浜で貝殻を拾っただけでしたが。
【解説】
 かつて、バブル期の三浦海岸は浜辺一杯に広がる海の家と、海水浴客に埋まって
 いましたが、今は真夏でも、比較的静かな海を楽しむことができます。貝殻も
 桜貝を始め比較的豊富で採集には適した海岸でもありますね。
 二首目の歌は、そんな三浦海岸での思い出を詠った歌でしょうが「ポシェットに
 仕舞いこんだ潮騒」の表現が秀逸と考えます。
 また、この歌は、海という自然の要素とポシェットという人工の物を対比させて、
 思い出と現実の間の距離感をさりげなく表現していますね。さらに、潮騒という
 音をポシェットに入れるというロマンチックな発想を促す、心憎い表現と感じ
 ました。「あの日のおもいで」というのは、具体的に何をしたのかは明かされて
 いませんが、恋人あるいは友人との楽しい時間だったのかも知れません。物語
 の広がりを感じさせる味わいのある歌と考えます。

     「横須賀走水海岸からの 白銀の富士山 2023年11月14日撮影」

【詞書】東日本の11月の記録的な暑さが…とか言ってたら、立冬前の7日には都心で
  27.5℃を記録したとか。最高気温を100年ぶりに更新したとか…。立冬の8日は
  富士山の山頂に雪が無い!思わずテレビを二度見しました。10月30日頃は
  山頂が冠雪してたのに…。何でも、6~7日にかけては山頂に雪ではなく雨が
  降ったそうな。こういう目に見える気象の異変を見逃さずにいないと
  いけませんね。国同士にらみ合っていたり、争ったりしてる場合じゃないと
  思うんですが…。
☆温暖化 衝撃映像 立冬の 富士の高嶺に雪は溶けたり
                          ちがやねこさん
【解説】
 今回の歌、「温暖化」問題は、まさに喫緊の課題である旨を、リアルに詠んで
 頂きました。「こういう目に見える気象の異変を見逃さずにいないと…」は
 おっしゃる通りですね。「○○は細部に宿る」ではありませんが、一つ一つの
 具体的な事象の裏にある、真実を見極める眼差しと、感性を私たちも鍛えて
 いきたいと思います。さらに、「国同士にらみ合っていたり、争ったりしてる
 場合じゃない」のも事実ですね。
 詠まれたように「立冬の 富士の高嶺に雪」がない映像は、「衝撃映像」 です。
 私たちも、これらの事象に敏感にならないといけないと考えます。警句を含んだ
 良い社会詠と考えます。

☆埋火のほむらに似たる帰り花 惑える季(とき)の ほころびに咲く
                         ポエット・M
【解説】
 先週に続いて「帰り花」について詠ってみました。
 晩秋の森の中で北風を受けながら、季節に惑いながらもなお、咲き継ぐ山桜の
 「帰り花」を詠ってみました。埋もれ火が微かにほむらを上げるように、儚さを
 まとう花でありながら、凛と咲く芯の強さに惹かれます。
 「帰り花」は視点を変えてみますと、季節に惑って咲くと言うより、いち早く
 訪れる季節の予兆を感じ、「先駆けて」咲く花とも言えます。
 どんな時代にも、その時代の潮流を洞察し、やがて来る時代を先読みし、いち早く
 その流れに身を投ずる、龍馬のような先駆者が存在します。少し大げさですが、
 「季(とき)のほころびに咲く」と詠い、そんな姿を「帰り花」に重ねてみました。


     「帰り花 山桜」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(16)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(8)

   宍道湖をめぐる山なみ雲深く
           わが行く旅に秋の雨降る
            
   あしたより時雨煙らふ宍道湖に
           しじみ取る舟掉さして出づ

   人の世の いさかひなどは遥けくて
           水は静かに雲を映せり


     「未だ咲く 西洋アサガオ」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)

2023年11月15日 06時02分47秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その109)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「薔薇 アイスバーグ」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆突然の眩暈を起し思うのは 日頃と違い「一に健康」
                         西BOOさん
★迫力の風と波との渦潮をゆれながら見た遠い秋の日
                         夕庵さん
★温暖化 「台風来るぞ」思えども 少ない事も異常気象か
                         西BOO
★温暖化のツケで地球が軋みだし 人が狂えば熊も狂いぬ
                         夕庵さん
★熊の保護 生活圏に降りて来て 人の命を保護する時ぞ
                         西BOO
★テディベア 親子のベストが似合ってる 今日はちょっぴり淋しそうなり
                         夕庵さん

☆真夜中に電気あんかの線入れる 凍える寒さ今日は立冬
                         西BOOさん
★いずくより聞こえる音の不気味さや 家も呼吸(いき)する真夜中のこと
                         夕庵さん

☆朋友の訃報届きて 見上ぐれば 冬天澄みて 青 極めけり
                         みっちっちさん
★今日の日を悔いなく過ごすと務めよう 人の命のわからぬならば
                         夕庵さん
★今日の日の悔ひも涙も流さむと ざぶりざぶりと髪を洗はむ
                         みっちっちさん
★増えてきた白髪も愛しこれからは このままでいい あるがままいく
                         夕庵さん
★ピアスなく化粧もなくて 我が日々は 笑顔取り柄のスポーツウーマン
                         みっちっちさん
★いつも会う笑顔素敵なあの人は三人の子のシングルマザー
                         夕庵さん

☆残照の下校の道に 椿咲き 恋の話の引きも切らずに
                         みっちっちさん
★あと一歩踏み出せぬまま過去形の 恋の話は切なかりしよ
                         夕庵さん
★言い出せぬ恋よ 下校の靴置き場 君を探せし切なき日々よ
                         みっちっちさん
★一足の 眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
                         夕庵さん
★純粋に恋に恋した若き日のテニスコートは今も健在
                         夕庵さん
★若き日のテニスコーチへの憧れは 自己に厳しきことへの憧れ
                         みっちっちさん
★なかなかに厳しきこと自問する 昨日の言葉に自信を持ちて
                         夕庵さん
★スポーツの向上なるは なかなかに 一歩一歩の はるかなること
                         みっちっちさん
★何事も努力あっての前進と墨擦りはじむ朝のひととき
                         夕庵さん
★卓球のラケット見れば傷多く そつと拭きたる朝のひととき
                         みっちっちさん
★晩秋の冷えゆく夜は古傷も疼くことあり 腰に手をあて
                         夕庵さん

✰一足の眠れるごとき重き靴 心模様を映す下駄箱
                         夕庵さん
★見上ぐれば こころ模様を映すやに 彼(か)のかなたへと彩雲走る
                         みっちっちさん
★彩雲を病窓に見た君にこそ 全快の日はきっと近いと
                         夕庵さん
★高台のこども病院 無菌室 窓辺の虹に喜ぶ子らよ
                         みっちっちさん
★窓ガラス キュッキュッと磨き遠くまで見渡す稲田に風ふき渡る
                         夕庵さん

     「木守りの柿」

☆美しき背信なるや帰り花 日差しに火照る 我がこころさえ
                         みっちっちさん
★許されぬ背信なれどこの恋に 生きてもみたし今生の夢
                         夕庵さん
★この恋は許されぬもの 花ならば 狂咲きとて もてはやさるる
                         みっちっちさん
★人間の理性を信じ生きる術 ひとつの恋の成就こそよし
                         夕庵さん
★月光の下に誓ひし愛 永久に 続けよ 月の欠けてゆきても
                         みっちっちさん
★月明かり かざすグラスの乾杯に今年も会えた それだけでいい
                         夕庵さん

✰秋雨の弔問 ましてや姪ならば涙に迷う山科の道
                         夕庵さん
★大切な方亡くされた悲しみよ かなたの空へ虹を届けむ
                         みっちっちさん
★架けくれし虹を渡って涙川 今し越えゆく姪にしあれば
                         夕庵さん
★戻り橋に戸惑ひつつも虹渡る その白き顔 今し忘れず
                         みっちっちさん
★堀川の戻り橋に佇みて 待つ人 行く人 ドラマを生まむ
                         夕庵さん

☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
                         ポエット・M
★美しき背信なるや 帰り花 日差しに火照る 我がこころさへ
                         みっちっちさん
★帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遥かに闇に散りゆく
                         ポエット・M
★かりそめの命なるやも 帰り花 咲き増ゆることかなはずもなほ
                         みっちっちさん
★かりそめの命なれども 帰り花 実り求めずなおも咲きつぐ
                         ポエット・M

☆裸木の河津桜の帰り花 楚々たる花は風に真向かう
                         ポエット・M
★愛犬は潮風うけて砂浜に 毛並み逆立て凜と立ちおり
                         夕庵さん
★潮風に毛並み逆立て愛犬は なに真向かうや 虚空見つめて
                         ポエット・M
★潮風に鍛えた漁師は腕組みし天候いかにと虚空を睨む
                         夕庵さん

☆帰り花 惑いて咲くも己が命 火照り遙かに闇に散りゆく
                         ポエット・M
★闇深く散りし恋ゆえ誇らしき しみじみ語る傷秋の夜に
                         夕庵さん
★実らずに散りし恋ゆえ今もなお 秋愁に淡くよみがえりくる
                         ポエット・M
★晩秋の風が身にしむ夜の更けに 人恋しくてアルバムを繰る
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「陽だまりに未だ咲く 芙蓉」

【読者からのコメント】前週に続き掲載させて頂きます。
☆fumiel-shimaさんからのコメントです。
 皆さんの詠われる短歌の光景や情景を頭に浮かべ、三十一文字にまとめられた
 その始まりから終わり迄の物語の中に・・或いは一部を切り取って私もその
 場にいるかのような妄想と共に思いを馳せてみました。
 その画像が遠くかすむように・・またその思いが拡大され、何秒か後に残像を
 残したままフェードアウトしていくような優しい想いを感じました。
 そして短歌の詠めない私も豊かな気持に・・・

★ポエット・Ḿの返礼コメントです。
 いつも、「水曜サロン」を温かく見守って頂き、また、心を込めたコメントを
 頂きありがとうございます。
 短歌はご存知のように、31音の短い詩ですが、それゆえに読む方の想像力に
 よって宏大な世界を思い描く力を持っていると考えます。また、そのような
 喚起力を備えた歌こそ優れた歌なのだと思っています。
 その意味では、fumiel-shimaさんに「その場にいるかのような妄想」を促した
 歌こそ、優れた歌のひとつと考えます。
 fumiel-shimaさんは「短歌は詠めない」と謙遜されますが、多くのコメントは、
 そのまま詩であり、散文詩となっています。水曜サロンに集う少なからぬ
 方々が、fumiel-shimaさんをお慕いしているのも頷けます。
 これからも、水曜サロンの「伴走者」として、諸々アドバイスと感想等を
 お寄せ頂ければ嬉しい限りです。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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「観音崎フェスタ」へ

2023年11月11日 13時19分41秒 | お出かけ

 散策で時々訪れる観音崎公園。ここで昨年に続き今年も「観音崎フェスタ」が行われるとのことで先週末細君共々行って参りました。昨年はコロナ禍でもありましたが、3年ぶりに規模を若干縮小して行われましたが、今年は本来の規模で行ったとのこと。この観音崎フェスタは、当初親子で楽しめるイベントとして開催され、今年度で21年目を迎えます。

     「観音崎フェスタの会場 外観」

 観音崎園地をメイン会場として、日本舞踊・民謡、横須賀出身のアーティスト、鴨居小学校ソーラン踊り、アイドルユニットなどの舞台アトラクションをはじめ、スタンプラリー、観音埼灯台特別公開などの催しのほか、地元町内会・自治会を中心とした模擬店も並び、多くの方々が集い楽しんでいました。
 また、メイン会場の裏側に位置する「たたら浜エリア」では、メイン会場と無料バスでつなぎ、観音崎自然博物館の催しと合わせて、たたら浜会場を盛り上げていました。

    「芝生広場に咲く コスモス」

 前回の経験から、駐車場が満杯になる前にとのことで9時過ぎに家を出ましたが、着いたときには既に3分の2は車で埋まっていました。着いてすぐにイベントは開始になりました。
先ずは、模擬店を一回りして昼食となる焼きそばや総菜類を購入し、舞台のセレモニーを少し聞きながら灯台クルーズの乗船場へ回りました。既に乗船する方がかなり集まっていて10時出航とのこと。チケット2枚を購入して少し待っていましたが、ほどなく出航となりました。

     「観音崎クルーズ船」

 いつも散策している、観音崎灯台、たたら浜、東京湾海上交通センターのタワー等を、海から初めて眺めることができました。観音崎の景観と歴史等に触れた詳しい説明もあり20分ほどの乗船でしたが、十分楽しめました。殆どの方は2階のデッキに上がっていましたが私たちは下で座って海を眺めつつ、写真撮影も楽しみました。
クルーズの後、すぐ近くにある横須賀美術館に向かいました。ここは観音崎フェスタに合わせて無料開放とのこと。美術館には最近あまり立ち寄らなかったので、この際にとのことで入館してみました。

     「観音崎たたら浜側から 東京湾を望む」


     「海から見る 観音崎灯台と東京湾海上交通センターのタワー」

 常設の絵画展は幾たびも鑑賞していますが、今回は「ロイヤルコペンハーゲンと北欧デザインの煌めき」と銘打った特別展の開催中でした。ロイヤルコペンハーゲンの陶磁器は他の美術館等でも見てきましたが、今回はそれだけでなく銀器、ガラス器等々と北欧デザインの魅力がたっぷりと詰まった作品に触れることができました。
箱根にある「ガラスの森美術館」とは趣きも、作品数も異なりますが、完成度の高い、意匠を凝らしたガラス器の素晴らしさに感動しきりでした。残念ながら館内は撮影禁止で、写真は撮れませんでした。
その後常設の絵画を見て、地域の先輩でもある島田 章三氏の絵画に対面し、その迫力を改めて感じた後、美術館を後にしました。

     「横須賀美術館」

 ちなみに、美術館に併設されたレストランは美味しいと評判で、平日でもランチを楽しむ人たちで賑わっているのですが、当日は10時過ぎなのにほぼ満席で、美術館を出る頃はさらに長い行列ができていました。その後はメイン会場のイベントが海辺で開催されているのでそこに足を運びました。

      「美術館併設のレストラン」

 午前中は横須賀出身アーティストや、アイドルユニットの歌と踊りでしたが、それぞれ追っかけのフアンが大勢いるらしくその人たちの応援の声が海辺に木霊し、舞台と一体となり盛り上がりとても楽しそうでした。

     「アイドルユニットの歌と踊り(1)」

午後は地元の子供達や大人の日本舞踊・民謡、ソーラン踊りなどがあるようでしたが買い求めた昼食を、広場の芝生で頂き帰路につきました。

     「アイドルユニットの歌と踊り(2)」

 駐車場に向かって驚いたのは、駐車場の空き待ちで何台も行列し待っていたことです。1台出ると1台は入れるので私たちもスムーズに駐車場を後にしました。イベントは午後3時半迄続くので、これから来る方もかなりの数と思いました。久しぶりのイベントでしたが秋の陽ざしの下、たっぷり3時間ほど十分楽しめました。  了

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「口語短歌・水曜サロンの会」(その108)第一部

2023年11月08日 05時42分20秒 | 短歌

「口語短歌・水曜サロンの会」(その108)第一部 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 10月18日(水)以降、以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「秋明菊 赤紫」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】季節を間違えて秋に咲く桜を期待して、それは外れましたが、葉の色が
  日に日に赤くなってきていることを詠ませて頂きました。
☆秋に咲く桜は期待外れるも 葉は日に日にと紅に染む
【詞書】公園のイチョウの木を見に行ったのですが、日当たりの良い木は、葉が
  黄色になっていて深まる秋を感じたことを詠ませて頂きました
☆陽の当たるイチョウ木の葉の色は猶 黄色に変化 深秋を告ぐ (推敲後)
                          西BOOさん
【解説】
 一首目で詠まれている「季節を間違えて秋に咲く」花は、一般的に「帰り花」
 「忘れ花」とも言われますね。「小春日和」が続く中、草木が「春が来た!」と
 勘違いして、花を咲かせることがあり、今の季節方々で散見されています。
 春のように爛漫と咲き誇る様子は見られませんが、葉が紅葉に染まる中、
 季節に戸惑うように咲く桜は痛々しさもありながら、儚げな姿に惹かれることが
 あります。そんな想いも詠み込まれた良い歌と感じます。
 二首目の歌の結句「深秋を告ぐ」という表現が、この歌のテーマを明確にして
 います。陽に照らされたイチョウの木の葉の色が、一段と黄色に染まり季節の
 移ろいを象徴的に示しています。この歌は、深秋の情景を哀愁を帯びた筆致で
 描き、その美しさを滲ませる技を感じさせます。

【詞書】23年10月30日~11月3日、5日間分の「世界文化紀行」です。
  「広重の江戸百景」「財津和夫のファイナルコンサート」「辻仁成のパリ生活」
  「日本の祭り」「ルート66」等です。そのうちから3首投稿させて頂きます。
 註)財津和夫のファイナルコンサート「思えば遠くに来たものだ」より
☆春の風おもてを吹くたび思い出す 一緒に過ごした昔のことを
 註)日本の祭り香川県「獅子舞大国さぬき」より
☆鳴り響く銅鑼の音量大きくて 迫力演舞に皆酔いしれる
 註)ルート66「セントルイス1」より
☆人々は自由をもとめ西目指す 開拓基点の風は爽やか
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 三首の歌で、「世界文化紀行」も、いよいよ佳境を迎えつつありますね。
 いずれも、それぞれのポイントを抑えた歌となっていると感じます。
 一首目の歌、私たちの青春に重なる「チューリップ」の歌声は、今聞いても
 ワクワクしますね。「思えば遠くに来たものだ」は、当時歌の想いがイマイチ
 分からないところがありましたが、今聞くと心に沁みますね。特に・・・、
 「思えば遠くに来たものだ これからどこへ行くんだろう」の、
 「これからどこへ行くんだろう」の言葉に、当時の時代背景も重ねて、青春の
 惑いを色濃く感じます。
 「一緒に過ごした昔」を少し進めて詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★春の風 おまえと娘 ともに浴び 一緒に暮らす夢も遥かに

☆青空の濃くなほ広く赤とんぼ すいと飛びきて 女児の帽子へ
☆夕焼けの牧場に憩ふ親子馬 子馬の背へと赤とんぼ すい
                          みっちっちさん
【解説】
 いずれの歌も赤とんぼを、メルヘンチックに、詩情豊かに詠んで頂きましたね。
 特に、二首目の歌は、夕焼けに染まる牧場の広がりと、そこに憩う親馬、仔馬の
 睦まじさが素敵に表現されています。
 さらに、その仔馬の背に止まる赤とんぼを詠み、自然の美しさだけでなく、
 家族や親子愛なども重層的に表現され、味わい深い歌となっています。
 また、「すい」という言葉は、赤とんぼが仔馬の背にとまる様を表現し風景と
 共に、音や動きを表現することで、より豊かなイメージを与えてくれ描写力を
 感じさせる優れた歌と考えます。

【詞書】阿倍文殊院へ。「三人寄れば文殊の知恵」の知恵の神様、文殊菩薩は
  大きな獅子に乗り四人の脇侍を従え、雲海を渡り説法の旅に出かける、
  渡海菩薩というお姿をされています。また、阿倍一族のゆかりの寺で、
  安倍清明や阿倍仲麻呂が祀られています。
  ここのコスモスは迷路で丁度満開で大きな花びら、浮御堂の美しさ、奈良の
  秋を存分に楽しみました。ここまでは観光客も来なくて独り占めの感でした。
☆浮御堂の入り日に向かい阿倍仲麻呂(なかまろ)の忘却のうた口ついて出る
☆名物の亀パンはやくも完売でご縁なきままコスモス迷路へ
☆こすもすの揺れる迷路に踏み込みて彷徨うことの楽しさに居る
                          夕庵さん
【解説】
 阿倍文殊院は、大化元年(645)に創建された日本最古に属する寺院との
 ことで、詞書にもありますように、御本尊は文殊菩薩で、約7mを誇る日本最大
 の木像で、快慶作の国宝とのことですね。
 三首の歌は、この阿倍文殊院の紹介も兼ねて丁寧に詠って頂きましたがいずれも
 余情を湛え、調べも豊かです。
 三首目の歌は、コスモス迷路に入り込んで、迷路の中で迷いながらも、その
 楽しさを感じている作者の姿が浮かんできます。また、コスモスが風に揺れる
 様子と、コスモス迷路の美しさ、さらに、その彷徨の楽しさが表現されています。
 これらから、風景や音を感じさせることで、より深淵なイメージが喚起される
 素敵な歌となっています。


     「未だ陽だまりに咲く ブーゲンビリア」

【詞書】ショットガン・マリッジ プッチーニ 「ジャンニ・スキッキ」
  私の
お父さんを聴いて
☆お前だけが心配
 Babbo, pieta, pieta!
   お前を幸せにしない奴だ!
   Babbo, pieta, pieta!

 いつも いつも
 Babbo, pieta, pieta!
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 古典を勉強中に、プッチーニの歌曲が流れて来て、妻子もいないのに、ふと、
 もし娘を持っていたら、父の言葉より、恋人の言葉を信じるだろう、悔しいと
 思いました。実際に年頃の娘さんをお持ちの方なら、相手をショットガンで追い
 払いたい心境だろう? Babbo, pieta, pieta! お父さん、分かって、お願い!
 もう恋人の言葉しか信じていないと言う娘のイタリア語をコラージュとして
 入れており、字数にはカウントしていません。
 下記URLに、プッチーニの名曲を貼り付けていますので、世のお父さん、悔し
 がって下さい😆
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/f7007a0fde746a6e52f0968567bcca13
【解説】
 プッチーニの歌劇「ジャンニ・スキッキ」は、1918年に初演された作品で、
 プッチーニの最後の傑作とされていますね。フィレンツェの貧しい靴職人の
 ジャンニ・スキッキが、金持ちの老人の息子に嫁がせるために、自分の娘の
 結婚を犠牲にして、奇妙な契約を結ぶという、コメディタッチの物語でした。
 なお、フィナーレの「春の歌」は、希望に満ちた美しい曲になっていますね。
 適齢期となった娘と、その父親のとの葛藤は、時代が変わっても永遠と続く
 ものでしょうね。この時期の娘たちは「父の言葉より、恋人の言葉を信じる」
 でしょうし、分かっていても諾うことの出来ない父親の哀しさを、この歌は
 現しています。そんな父親の想いが色濃く滲む味わい深い歌と感じます。
 なお、フィナーレの「春の歌」に溢れる希望に父も娘も救われる思いが致します。

【詞書】ここ2年近く私に対する非難が絶えませんでしたが、やっとその原因が
  分かりました。さる女性が私から冤罪の被害を受けていると、そのブログに
  書いていたからでした。それだけではなく、私が非公開に書き込ませて頂いた
  コメントが全て公開されていたことにも驚きました。が、事件の根本原因が
  わかり私はホッとしています。
  今までは見えない魔物に怯えていましたが、やっと正体がわかったのですから。
  しかし、私はその女性を責めることはしたくありません。が、したことは認めて
  欲しいと思っています。
  掲載はポエット・M様のご判断にお任せします。また、詳しいことをお知りに
  なりたい方は私のブログを読みに来て頂ければと思います。
☆冤罪と人の同情得るための記事あることを昨日知りたり
☆わたしより被害を受けたと書く記事のありてわれへの非難やまざり
☆非公開コメントすべて公開をされてをりたることに驚く
                          suisenさん
【解説】
 前にも申し上げましたが、「水曜サロン」へ出詠して頂いた皆さんの歌を私の
 判断で「掲載しない」ことは、原則としてあり得ません。
 もちろんヘイトスピーチ等民族差別や、人権侵害に関わるもの、さらに誹謗
 ・中傷等を内容とする短歌は、ご了解を頂きつつ控えさせて頂きますが…。
 三首の歌は、長年続いた作者のブログへの非難の原因が解明されたことを詠んだ
 とのことですが、先ずはホッとしました。
 コメント等、文章によるコミュニケーションでは、お互いの想いを100%理解し
 合うことは難しいとの前提の上で、相手を思いやる一つ一つの会話の中で、
 理解を深めていく心遣いが大切と思っています。その意味でネットでの対話は、
 自らをも客観視し、相手へのリスペクトもしつつ辛抱強く重ねることの大切さを
 改めて感じます。
 三首目の、「非公開コメントすべて公開」は、お互いの信頼関係が崩壊した場合の
 状況として、今の世の中には、あまた溢れている事象ですが、当事者にとっては
 かなりショックな
事と思います。歌にはそんな「ショックと驚き」が直截的に
 表現されて、一つの
警句ともなっています。機微情報も含めて、個人情報として
 公開をはばかるものは
吟味の上、ネットには掲載しない等の配慮は必要と感じます。

 しかし、一度は信頼した友人の事ですので、そこに至ったその方の想いと背景をも
 理解しつつ、辛いことですが、学びの授業料として乗り越えて参りましょう。

【詞書】(11月2日に詠める)裏庭の地面にきれいな赤い実が軸がついたままで
  3、4粒落ちていました。ふと見上げるとサンシュユ(山茱萸)の木にまだついた
  ままの実が、ちょうど差し込んできた陽の光に当たって、ぴかぴかつやつや✨と
  光っていたんですね。きれいだなあー…美味しそうだなあー…でも、甘くないんや
  なあ…とか思いつつこの歌ができました。花もかわいいですよね。
☆裏庭に差し込む午前中の陽(ひ)に
        つやつや赤く山茱萸の実よ
【詞書】(これは10月下旬に作っていたものです)ホトトギスは蕾の形がロケット
  みたいで、咲くと真ん中の“花柱”はぶわっと噴水が噴き上がっているようで、
  周りの花びら(幅が広い“外花被片”と、細い“内花被片”)は、その噴水を取り囲む
  ようにデザインされレイアウトされた部分という風に見えました。

  一つの花で、ロケットと噴水なんて、まったく違った物を連想してしまいました。
  ちなみにうちのはまだ咲いています。
☆ロケットのような蕾が開いたら
      ホトトギスの花噴水のごと
【詞書】まさしく「長かったよなあ!」が実感です。阪神タイガースが1985年から
  38年振りに、「アレのアレ」日本一…チャンピオンになりました。在阪のテレビ局の
  ニュースワイドとかではまだまだ噛み締めまくるかのように、「阪神タイガース
  優勝」の話題を取り上げています。
  今は’85年には無かったクライマックスシリーズがありますし、ほんまハラハラ
  させられました。けど本当に楽しかった!!ありがとう、そしておめでとうございます。
  阪神タイガース!!そしてオリックス バファローズ、あなた方が強かったからこその
  この盛り上がりでした。また日本シリーズで戦えることを祈っています。
☆日本一ああ日本一やで長かった!
        まだ噛み締めてる「日本一」を
                          ちがやねこさん
【解説】
 「山茱萸の実」「ホトトギスの花」そして、「阪神タイガース日本一」と季節の
 象徴と、38年振りの悲願達成を心を込めて、感動的に詠って頂きました。
 三首目の歌、「長かったよなあ!」が、阪神フアンの共通の実感ですね。それゆえ
 喜びも爆発したことと思います。『まだ噛み締めてる「日本一」を』が三首目の
 結論であり、歌の締めでもありますね。本当におめでとうございます。これらは、
 すべての阪神フアンの方々と分かち合いたい想いでもありますね。この歌はその
 記念碑にもなります。
 二首目は、作者緻密な観察眼の光る歌でもあります。「一つの花で、ロケットと
 噴水」との発想も、緻密な観察故と思います。このような感性は歌を詠むうえで
 大切な資質とも感じます。
 一首目の歌も、作者の詩人としての感性が光っています。少し調べを調整して
 見ましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★朝の陽に山茱萸の実はつやつやと 赤み際立てさらに耀く
 なお、今回も詞書を字数制限との関連で編集させて頂きました。ご容赦願います。

☆裸木の河津桜に帰り花 楚々たる花は風に真向かう
                         ポエット・M
【解説】
 季節に惑い秋に咲く花は、一般的に「帰り花」と言う旨は西BOOさんの解説でも
 申し上げました。今の季節、桜の「帰り花」が方々で散見されます。
 いつも散策で訪れる観音崎公園にも、葉をすっかり落とした河津桜や、桜の冬木立
 が並んでいます。その何本かの木々にひっそりと「帰り花」が咲いていました。
 如月の空に鮮やかに咲き誇る河津桜とは趣も異なる、ひっそりと咲く花でしたが、
 それでも吹き抜ける北風に真向かい、凛として咲く花の姿は感動を誘うものでした。
 そんな花の姿に惹かれて詠んでみました。季節に惑いながらも、帰り咲く河津桜の
 花を通して、花の持つ力強さや希望をも感じさせる歌となればと思っていますが…。


     「帰り花 河津桜」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(15)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
4.「短歌の章」 秋拾遺(7)

   ななかまどの赤きつぶら実さわにつき
           弘前の街夕冷ゆるなり
            
   親方町は荷駄方の親分のみ住し町
           そを思ひつつ歩むは親し

   弘前の街は曲り輪の如くにて
           いにしえの道に秋風亘る


     「ランタナに憩う 秋蝶」

【短歌入門・質問・提案コーナー】
【投稿外コメント】前週に続き掲載致します;。
 自閑さんよりコメントを頂きました。皆さんの学びにもなると考えましたので
 掲載させて頂きます。

 下鴨神社の和歌を紹介したので、上賀茂神社関係の和歌を紹介します。
  みそぎするならの小川の川風に祈りぞわたる下に絶えじと(八代女王)
 禊ぞ夏の験なりける(藤原家隆)の本歌。ならの小川は上賀茂。しかし
 八代女王は奈良時代の歌人なので、奈良の小川かも?藤原家隆の歌碑は
 上賀茂神社に有ります。
  いかなればそのかみ山のあふひ草年は経れども二葉なるらむ(小侍従)
  ほととぎすそのかみ山の旅枕ほのかたらひし空ぞわすれぬ(式子内親王)
 神山は、上賀茂神社に有る御山。式子内親王にとって、外に出る事が
 出来る葵祭は、将に一生の思い出の旅だったのでしょう?
  鏡にもかげみたらしの水の面にうつるばかりの心とを知れ(賀茂御歌)
  年を経て憂き影をのみみたらしの変る世もなき身をいかにせむ(周防内侍)
  月さゆるみたらし川に影見えて氷に摺れるやまあゐの袖(藤原俊成)
 御手洗川は、神社の前を流れる川。ちなみに御手洗団子の由良は、下鴨神社。
  郭公こゑ待つほどはかた岡の森のしづくに立ちや濡れまし(紫式部)
 上賀茂神社の摂社で片岡社が横に有ります。通り過ぎずお詣りしましょう。

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
    なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
    場合もありますので、ご容赦願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

コメント (21)
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