四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

短歌会 「復興へ・春」

2012年04月11日 21時15分16秒 | 短歌
先週末に久しぶりに東京目白の友人宅で短歌会を催しました。

4月初めの週末という日程もあり、入学式、入園式、引っ越し、海外旅行等々と、どうしても
外せないスケジュールと重なったメンバーが多く参加者はいつもより少なくちょっぴり寂しい会でした。

しかし、それぞれの歌を深く掘り下げた丁寧な批評が行われ、作者の思いと表現のかい離、
テーマの適切さ、さらに発句と結句の必然性等々穏やかな表現ながらも、厳しい相互批評が
展開されました。
私も、全体として結句甘さが目立つとの批評を受けました。これは、私の長年の課題であり、
なかなか越えられない壁でもあります。  

私の短歌は「復興へ・春」との題で、先のブログでも触れましたが、3月初めにささやかな
復興支援の真似事になればと、福島小名浜、スパリゾートハワイアンズに行った際の感慨を
中心にまとめたものです。
被災した現実を目の前にして、言葉を紡ぐ辛さと難しさを改めて感じた次第です。

推敲も十分ではありませんが短歌会に詠草として提出した短歌、20首を以下に掲載したいと
思います。皆様のご感想等伺えれば嬉しいです。なお、一部先に掲載したものと重複しますが
歌の流れもあり、あえて載せさせていただきます。

1) 厳冬の北の大地を包む雪 酷き牙秘め今は鎮もる
2) 闇を裂き放つ光の確かさよ「惨」の日越えて陽はまたのぼる
3) 果てもなき悲しみ癒えぬ日々の中 君の逝きたる 春や巡りし
4) にび色の海のうねりの運びくる がれきに乗るは手袋ひとつ
5) 復旧を遂げたる街よ小名浜は惨かかえるも足取り確かに

6) 月影を浴びてかがよう白梅の 香りほのかに浜に漂う
7) 海鳴りは今もかの地に響けるや重き思いを引きずる友よ
8) 海鳴りに紛れ流るる「祈り」唄 無きことうべなう酷き日々越え
9) 胸底の痛みは今もうずくとも抱きて歩むほかにすべなし
10) 緋のごとく大地に燃ゆる紅梅も 今は切なき血潮にも似て

11) 残りたるうす紅一樹の紅梅は 生命の極み燃やすがに咲く
12) 振り向けば薄紅染まる梅の里 かの日の君の笑顔のみ顕つ
13) 訪いて くれるが支援と福島のおみなの言葉温く聞きいる
14) 復興の前線に立つフラガール 秘むる想いは舞に滲むや
15) 不死鳥の思い秘むるやフラガール 復興担い前線に舞う

16) いかほどに熱き思いの籠るらんフラガールの瞳(め)の爛々として
17) しなやかに指先揺らすフラガール 招きよせるや希望の二字を
18) うす紅の花びら風に散りゆけど 白梅の舞淡々として
19) ただ一樹残りて立てる松の木よ 滅びに抗う矜持さえ見する
20) 巻き戻すことも叶わぬ時なれど 辛き思いを抱き越ゆるか
コメント
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