四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その117)ネット歌会

2024年01月31日 05時43分53秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その117)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 薄紅梅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆1月に卯月の気温 庭の梅 覗けば蕾ほころびそうな
                         西BOOさん
★ぼこぼこと紅梅の咲く陽だまりに春の訪れ背伸びして待つ
                         夕庵さん
梅蕾 春を待ちつつ 殻を割り はじけ飛ぶよな ポップコーンのごと
                         西BOOさん
★好々爺 カラスの頭脳を褒めながら 歯抜けのもろこし並べてをりぬ
                         夕庵さん

☆寒の夜はぶり大根を炊きましょう あなたの好きな七味効かせて
                         夕庵さん
★おでんの具 昔はすじ肉より取りし 今は大根 苦味に満悦
                         西BOOさん
★白菜の収穫終えし菜園に 悩まし形の大根もあり
                         夕庵さん
★亡き父と大根収穫 二股で「これ男の子」ニタニタ笑う
                         西BOOさん
★恥ずかしげに白き大根足合わせ悩まし姿にシャッターを切る
                         夕庵さん

☆大寒の音なく氷雨に変わる夜は湯たんぽ抱きてねむる幾夜さ
                         夕庵さん
★湯たんぽよ はるかなる日よ ぬくぬくと しあはせ数多くれし母さん
                         みっちっち
★ぬくぬくの布団に眠るしあわせを 申し訳なく幾度と目覚め
                         夕庵さん
★ぬくぬくの猫の可愛さ思ふ時 被災の猫はいかに生くるや
                         みっちっちさん
★生きのびて野良になるとも軒下に身をかくしつも たくましき顔
                         夕庵さん
★軒下に命をつなぐ猫なれば 能登はやさしや 土までもとや
                         みっちっちさん
★猫とても環境かわれば顔の相 険しくなりて身構えている
                         夕庵さん
★被災地の人も環境変はりたり せめて気持ちは優しくあれと
                         みっちっちさん
★被災地に月も出でぬか 星さえも重たい雪が今日も降り積む
                         夕庵さん
★清らなる真冬の星は ことのほか 被災地に降れ すばるの煌めき
                         みっちっちさん
★親元を離れて受験の能登の子にやさしい光を冬のオリオン
                         夕庵さん
★被災地の受験の子らへ 流れ星 希望新たに歩む春をと
                         みっちっちさん
★このたびの入試全員合格と笑顔に雪も溶けゆくものを
                         夕庵さん

★能登の子よ 大きな試練は君たちの未来にきっと生かされるはず
                         夕庵さん
★アルバムは泥まみれでも 能登の子の 希望は高く 青空超へて
                         みっちっちさん
★アルバムは人の歴史を物語り 笑顔よければ良いほど悔し
                         夕庵さん

     「咲き初める蝋梅」

☆さよならと氷雨の窓になぞりたる最終バスのビロードの席
                         みっちっち
★ポケットの冷たい鍵の重かりし氷雨降る町バスを待つ身に
                         夕庵さん
★あたたかき君のポッケに手を入れて氷雨の京をふたり歩きし
                         みっちっちさん
★ポケットに結び合う手の温かさ この温もりに溶けてゆきそう
                         夕庵さん
★結び合ふ 我の環指へ 永遠の リングをはめし 君の求婚
                         みっちっちさん
★記念にとハワイで求めし「ペリドット」パワーストーンなる緑の輝き
                         夕庵さん
★永遠の愛を誓ひて 宝石は 求婚の夜の星の輝き
                         みっちっちさん
★見上げればオリオン星座はあのあたりチカチカ光る永遠のきらめき
                         夕庵さん
★天上に 酒枡星は あのあたり 亡父と酌みし酒を献盃
                         みっちっちさん
★枡酒に塩なめながら酔うほどに八代亜紀(やしろ)の歌を口ずさむ男(ひと)
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 黄水仙」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その117)

2024年01月31日 05時43分16秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その117) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】3日程前の暖かい気温の日を詠ませて頂きました。
☆一月に卯月の気温 庭の梅 覗けば蕾ほころびそうな
【詞書】自民党の裏金問題を詠ませて頂きました。
☆裏金を解散で意味すり替える こんな政府を解散すべし
【詞書】天気予報で北陸に大雪警報が出たことで詠ませて頂きました。
☆北陸に大雪警報 震災で残りし家の無事を祈らむ
                          西BOOさん
【解説】
 追加の出詠歌も含めて、三首拝受いたしました。
 「庭の梅」「裏金」「北陸に大雪警報」と、今現在の関心事を丁寧に詠んで
 頂き、世相が俯瞰できますね。
 一首目は、温かい気温に誘われ梅の蕾がほころびそうと、大寒の中で春を
 待つ想いが率直に詠まれ、良く分かる歌となっています。

 二首目の歌、長年にわたって繰り返されてきた裏金をめぐる「腐敗システム」。
 その実態解明が必須でもあるにかかわらず、
派閥解散で無かったものにする
 手法は詠われているように
「問題のすり替え」そのものですね。
 本来であれば、詠われている通り「政府を解散」、もしくは総辞職する
 相当する事案と考えます。

 このような事件の核心に迫る社会詠をタイムリーに詠むことは、詩人の
 役割としても必要な表現と思います。
 三首目は、皆さん共通の想いと思います。被災された酷寒の地に、さらに
 大雪が降る酷さを想い、家と人々に「無事を!」と祈りたいと思います。

【詞書】源氏物語や紫式部日記・紫式部集には和歌(巻名歌等)が沢山
  ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出します。返歌は源氏物語
  の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・
  地名からヒントをもらい詠みます。今週も源氏物語巻名歌から2首、
  紫式部集より1首の計3首提出します。
註)源氏物語巻名歌・2空蝉(うつせみ)
  歌の背景
  光源氏十七歳。空蝉の残していった小袖の元で休もうとするが、
  源氏は眠れず、歌を詠みます。空蝉は、夫を持つ身として源氏を
  受け入れられない耐えがたい思いを 、源氏が歌を書き贈ってきた
  紙の片端に記すのです。
 〇空蝉の 身をかへてける木のもとに なほ人がらのなつかしきかな 光源氏
 〇空蝉の 羽に置く露の 木隠れて 忍び忍びに 濡るる袖かな   空蝉
【作者返歌】
☆空蝉の 想いはいずこ 遠き空 夢で遭いたい なつかしき人
☆空蝉の 忍ぶ恋こそ 巡り会い 人の情念 河のようにも
【参照】
 空蝉~蝉の抜け殻の様子から、古来よりむなしいさま、はかないさまの
 例えとして使われる また短歌の枕詞としても活用される。
註)紫式部集・2 
 〇鳴きよわる まがきの虫も とめがたき 秋の別れや かなしかるらむ
【作者返歌】
☆思い出の 二人歩いた 海岸を 秋の別れと さびしく歩く
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「空蝉」と「光源氏」のそれぞれの歌への返歌、そして「紫式部」の歌への
 返歌を詠んでいくという、難しい道のりを歩み始めた作者にエールを送り
 たいと思います。
 大塚ひかり氏等の説によると「空蝉」のモデルは、紫式部自身とのことですね。
 一度の逢瀬で光源氏にとって忘れ得ぬ女性となり、夫の死後屋敷に迎えられた
 方は、この物語においては他に存在しませんのでそれだけ大切な方と考えます。
 そんな前提で物語と返歌を味わうと、状況が少し鮮明になります。
 二首目の空蝉の返歌。羽に付いた露が木に隠れて見えないように、私も密かに
 涙で袖を濡らしておりますよ、と詠った空蝉の哀しみの深さが偲ばれます。
 そんな空蝉が脱ぎ捨てた着物を見つめた光源氏。その立場にたつて返歌を
 詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★空蝉の 涙で濡れる袖みつめ 今宵は偲び泪かさねる
 三首目の「二人歩いた 海岸を」の状況設定がいいですね。一気に現代版と
 なりましたね。

     「陽だまりに咲く薄紅梅」

【詞書】クロード・モネ
☆水面(みなも)の画家は光を求め
       思ひ描くまゝ
  霧の中も
     闇も
【詞書】YouTube短歌:休日 シベリウス「樅の木」を聴いて

☆何ノ予定モ無イ日ハ
 何カ予定ヲ作ロウトシテイル
      執着カ?
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一首目は、上野の森美術館の「モネ 連作の情景」を観てきました。
 水面が、光で輝く一瞬の情景を描こうとしている様に、連作を見て
 思ったので。
 二首目は、その日は、お昼までにゴミを出す以外に何の予定も無いので、
 とりあえず古文を読んで、シベリウス: 5つの小品 樹木の組曲 から
 第5曲 「樅の木」を聴いていていました。午後から何をしよう?と
 考えた時、昔は、忙しく休みが少しでも欲しいと思っていました。
 そう言う境遇になった時、これが憧れていた休日なのか?そう言う時、
 動く事が習性になったのか?と思いました。
 11月なのに、最高気温が20℃を上回るとニュースで言っていて、
 天気までおかしくなっていて、珍しく予定を立て、その通りに行動して
 みる事にしました。「そもそも一期の月影かたぶきて、余算、山の端に
 近し」(方丈記 自分の寿命が尽きようとしているの意)への執着か?
 と、カタカナでコンピューターによる無機質的打ち出し表現にしています。
 シベリウスを下記URLに貼付していますので、御覧戴ければ嬉しいです。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/4f8b6536113c3d63de3b9f669ff90de2/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
【解説】
 一首目の歌、当時としては革新的な表現手法の一つであったモネの
 「連作」を、「水面が、光で輝く一瞬の情景を描こうとしている」と
 解説されたのは、作者の卓見と感じました。
 当初は風景として描かれていた「睡蓮」は、次第に視線が水面に集中して
 いったのは、モネ自身の視覚障害も関係しているかも知れませんね。

 それにしても300点も睡蓮を描いたモネを突き動かした、本来の動機と、
 深層の想いを知りたいですね。
 詠われているように「霧の中も 闇」の中から、障害を越えてモネ自身
 が「光を求め」た結果とも感じられます。
 二首目の歌、短歌説明にもありますようにシベリウス「樅の木」は
 「樹木の組曲」の5番目の曲でしたね。曲には北欧の雪深い大自然の中で、
 しっかりと大地に根をはった、樅の木のもつ強く静かな生命力が感じられます。
 詠まれている「執着カ」は、「一期の月影かたぶき」まさに燃え尽きる、
 その時の、命の輝きゆえのではないでしょうか。私達に残された大切な日々は
 決して短くは無いと思いますので、大いに「予定ヲ作」ってエンジョイして
 参りましょう。そんな想いにしてくれる歌と考えます。

【詞書】夜明け前、目が覚めると部屋に白い霞のようなものがふわりと
  流れているように見えました。まるで雲の中にいるような錯覚を
  覚えました。
  最近の天災や訃報の多いなか、心を痛めていた心情のせいかも
  しれませんが、不思議な体験でした。
☆大寒の夜明けの部屋に流れるは黄泉へ誘う雲かと覚ゆ
☆大寒の音なく氷雨に変わる夜は湯たんぽ抱きてねむる幾夜
☆寒の夜はぶり大根を炊きましょう あなたの好きな七味効かせて
                          夕庵さん
【解説】
 詞書にもありますが「最近の天災や訃報の多いなか、心を痛めて」鬱々の
 日々を送っておられる方は、私たちの周辺にも多いと感じられます。
 一首目の歌は、そんな心情を反映した歌かと思いますが、黄泉への誘いは
 キッパリとお断りしましょう。そして、岡本かの子の詠われるように
 「いよいよ華やぐ命」を燃やして参りましょう。
 二首目の歌は、冬の寒さと、その寂しさを「音なく氷雨に変わる夜」との
 上の句で繊細に表現しています。その寒さに耐えるために湯たんぽを
 抱いて眠る様子も描かれていますが、人の温もりをも求める想いが「幾夜」
 の語に込められていると感じるのは深読みでしょうか。
 また、表現に古典的な情趣も感じさせる韻律の整った味わいのある歌と
 考えます。
 三首目で詠まれた「ぶり大根」のお味は、一度味わってみたいものと感じます。
 「七味効かせて」がまさに効いていますね。


     「白い山茶花」

【詞書】昔日の思いを三首、詠んでみました。
☆さよならと氷雨の窓になぞりたる最終バスのビロードの席
☆氷紋(ひょうもん)の窓を見つめて 君のこと 連結音の美(は)しきリズムよ
☆しあはせを逃さぬやうにマフラーを 鼻まであげて 君を想へば
                         みっちっちさん
【解説】
 「昔日の思い」を綴ったラブストーリーの三首。上質なドラマを見る
 想いで鑑賞させて頂きました。
 特に一首目は、最終バスの最後尾の窓に書いた「さよなら」の文字は
 すぐに消えていった文字でしょうが、楽しかったひと時への感謝も籠めた
 思いのたけを表した言葉だったとも感じられます。
 それは、青春の一瞬の輝きでもあったでしょうが、いつまでも鮮明に残る
 忘れがたい一齣でもあつたことと思います。そんな想いを温め続けられる
 方は、幸せな方でもあろうかと思います。それはきっと詩人の核を創って
 いく想いでもあると考えます。大切に温めていくことをお勧めします。
 実際の状況は異なっているかも知れませんが、私の推測した想いで書かせて
 頂きました。いずれの歌も、素敵で深読みしてしまいました。

【詞書】昨年12月、里の帰りに京都によりました。何と❗紅葉がとても
  素晴らしくひねり過ぎて((笑))うまくまとまりません。
  違う角度から辛うじてまとめました。
☆古都・京都
   紅(べに)のモミジに 抱かれて
         友と歩いた 遠き日思う 
☆古都・京都
   平定願い 将軍塚
       鎧・兜を 五山の郷に 
                         クロママさん
【解説】
 里帰りの際に京都の紅葉を見て来られたとのこと。220本のモミジが
 庭園を真っ赤に染め上げる「将軍塚青龍殿」は、京都市街を一望できる
 眺望と共に感動も一入だったと思います。
 この庭園は、一首目の歌に「紅(べに)のモミジに抱かれて」と詠われて
 いるように絶好の紅葉スポットで、ありし日の友との語らいを思い出す
 懐かしさに溢れていたことと思います。
 二首目の歌は、桓武天皇が京の地を都と定める際に、土の将軍の人形に
 甲冑を着せ、弓矢をもたせ、京都のほうに向けてこの地に埋め、平安を
 祈願したと伝わる故事を詠んだものと考えます。
 説明調を和らげ少し添削してみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★京の地の平安祈る将軍塚 もみじ燃えつつ都守るや

【詞書】「太陽の光 キターッ!」って言ってそう “SLIM”復活 現地は
  “夕方”関係者の予測通り!公転により西からの太陽光が当たって、
  月面探査機“SLIM”が電力復活!バンザーイ!🙌ロボット探査機
  “LEV-1“”LEV-2(SORA-Q)”も活動して画像が送られたりしました。
  今後の天界が楽しみです!
☆平安の人も見上げた月の上
     令和に働く日本の探査機
☆「太陽の光 キターッ!」って言ってそう “SLIM”復活 現地は“夕方”
【詞書】2019年7月18日から4年6ヶ月と7日(1652日)、1月25日に京都
  アニメーション放火殺人事件の判決が出されました。関係者には
  辛い4年半余りだったかと思います。一ファンとしてTV等で経過を
  追いましたが、予測はしていましたがいざ下ると、遺族の方の
  どなたかが仰ってましたが「亡くなった人は帰ってこない」悲しさと、
  いまだに苦しむ負傷された社員の方々の気持ちなどを思うと、やはり
  やりきれない気はします。弁護側から控訴されたらしいから、二審が
  あるのだろうけれど、再び同じ判決が出たら従って欲しい…という
  気がします。被告本人はまだ言いたいことがあるらしいけど…。
  (控訴と聞いてからもやもやが収まりません…。それが法治国家で
  ある日本ゆえなのは100も承知ではありますが…)
☆判決の重さは 36名の命と
        多くの人の人生
                         ちがやねこさん
【解説】
 「SLIM”復活」と、「京都アニメーション放火殺人事件の判決」と
 難しいテーマに切り込み、溢れる想いを籠めて詠って頂きました。
 一首目、二首目の歌は前回可能性を示唆して頂きましたが、予測通り
 「電力復活!」しましたね。ミッションの継続が可能となり、関係者は
 もとより、私たちにとっても、まさに「バンザーイ!」ですね。
 そんか喜びが歌から響いてきます。「平安」と「令和」の対比も
 面白い発想ですね。
 三首目、判決は遺族の方々、さらに「いまだに苦しむ負傷された社員の
 方々の想い」を汲んだものと理解しましたが…、「控訴」の事実には
 納得できない方は多いと考えます。一瞬にして36名の夢や未来を奪った
 所業は、どんな理由があっても許されないものと思っています。
 これからもよろしくお願い致します。

☆枯野にも微かに兆す浅みどり 花なき大地に惑う冬蝶
                         ポエット・M
【解説】
 この歌では、枯芝に覆われた草原の陽だまりに微かに萌える浅緑の
 存在に目を止めてみました。その芽生えたばかりの緑の、はこべらの
 上に冬蝶が惑うように舞っていました。未だ花開くには遠いはこべら
 ですが、冬蝶には一縷の望みをもって訪ねるに値するものに見えた
 のではないでしょうか。
 未だ厳しい冬の季節に微かに兆す春を求めて、まどいながらも生きる
 冬蝶の姿。痛々しさをまといながらも健気に舞う姿に惹かれて詠んで
 みました。
 
     「咲き初める河津桜とメジロ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(24)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
6.「短歌の章」 家のノラ猫(1)

   時たがへず厨戸に来るノラ猫を
           妻はいたはりて餌をあたえをり
            
   我が家の季陵とノラを名付けたり
           草群より身を起こし我に近づく

   おそらくは捨てられし飼い猫ならむ
           餌やれば むさぼらず妻に身を寄せむとす

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 文字数制限により割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますので、ご容赦願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その116)

2024年01月24日 05時00分46秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その116) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「陽だまりに咲き初める白梅」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。
  内容は紫式部の一生がテーマですが、源氏物語や紫式部日記・
  紫式部集を少し学んでみようかなと思いました。
  それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を
  口語短歌で提出しようと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や
  進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名から
  ヒントをもらい詠もうと思っています。これから毎週源氏物語巻名歌
  から2首、紫式部集より1首の計3首提出しますので
 註)源氏物語巻名歌・1帚木(ハハキギ)
   歌の背景
   光源氏十七歳。雨夜の品定めの後、「中の品の女」に興味を持った
   源氏は、空蝉を知ります。再度の逢瀬を願う源氏に対して伊予の
   介の若い後妻である空蝉は、自らの立場もわきまえて拒みます。
 ☆帚木の心を知らで園原の 道にあやなく惑ひぬるかな
                          光源氏
 ☆数ならぬ伏屋に生(お)ふる名の憂さにあるにもあらず消ゆる帚木
                          空蝉
【作者 返歌】
☆峻険な伏屋に生える帚木は 遭うこと難しと歌い残すも
☆中流の身分の違い頑なに 薄衣脱ぎ捨て拒み続ける
                          浅間山明鏡止水さん
【参照】
 ・帚木(ハハキギ)~ほうきの材料になる木(ここでは絵空事・
    歌空言的な存在をさす)
 ・園原~長野県下伊那郡阿智村智里
 ・伏屋~身分の卑しい者が住む貧しい小屋

 註)紫式部集・1
 ☆めぐりあひて見しやそれともわかぬまに 雲がくれにしよはの月かな
                          紫式部
【作者 返歌】
☆めぐり遭い君と僕との交差点 ロマンチックに時空のどこかで
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 「源氏物語巻名歌から2首、紫式部集より1首の計3首」への返歌を詠み続ける
 との企画は、「凄い」と言える野心的なものと考えます。

 また、「紫式部と言う方の古典にも触れることが出来て自分なりにワクワク
 感が一杯」と、おっしゃっていましたね。手ごわいかも
知れませんが、
 大いに挑戦されることをお勧めします。

 源氏物語には和歌795首が詠み込まれ、男女間の秘め事など話の核心部分
 などは、文章ではなく和歌によって婉曲に描かれる場面も多く、物語の
 品位が保たれていると感じます。従って、これらの和歌を理解すること
 なしに、この物語の核心部分には迫れないとも考えます。これらを踏まえ、
 作者の挑戦が継続され、成功することを祈っています。
 「空蝉」への返歌(二首目)を、空蝉の本心を類推し、少し吐露しつつ
 詠んでみましたが…、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★愛しくも叶わぬ定めと拒みいる 消ゆる帚木わが身切なき

【詞書】元日の能登半島地震を詠ませて頂きました。
☆元日に 震度7超 火事 津波 神と仏は何処へいずこへ
【詞書】成人の日を詠ませて頂きました。
☆制服は廃止の風潮ありけむも 変わらぬ振袖 成人の日
                         西BOOさん
【解説】
 一首目は、私も含めて皆さん共通の想いかと思います。
 正に、あの惨状下では「神と仏は何処へいずこへ」と叫びたくなりますね。
 そんな想いを直截に詠み共感を誘う歌になっています。
 二首目も、「現代の不思議」のひとつですね。制服廃止が叫ばれて久しく、
 年々制服は減っており、無くなりつつありますね。しかし、成人式の振袖
 姿は根強く残っています。
 和服メーカーと呉服商、さらにデパート等々の巧妙な販売戦略が依然として
 続けられているということでしょうか。最も人生に一度の、成人となる
 本人の切なる願いも反映されていることも大きいでしょうね。
 しかし、世の風潮へのひとつの「疑問符」の歌としても面白いですね。

【詞書】冬の蝶を三首詠みました。
  はかない命を最後までふりしぼり懸命に飛ぼうと羽ばたく可憐な美しい
  姿に打たれます。
☆落ちかけて なほいのち舞ふ冬蝶の 高さに日矢は 及ばざりしも
☆冬蝶の終章の地か 身を委ね 黄色灯せる 庭石の上
☆冬蝶のいのち今しもかすかなり かそけき息に揺るる薄翅
                         みっちっちさん
【解説】
 詞書にも記されていましたが、「はかない命を最後までふりしぼり」懸命に
 命を繋ごうとする冬蝶の姿が、いずれの歌でも繊細に、優しい
まなざしで
 詠まれています。

 特に、三首目は、「冬蝶のいのち今しもかすかなり」という上の句で、
 冬の蝶の命が、今まさに尽きようとしている様子を、哀しみをもって簡潔に
 表現しています。また、
「かそけき息に揺るる薄翅」という下の句では、
 蝶の息遣いが薄い
羽を揺らしている様を、繊細に表現しています。
 冬の蝶の儚い命に、作者自身が寄り添うかのように静かに、そして優しく
 描き出されています。

 また、一句一句の表現が精緻で、全体の構成もバランスが良く取れており、
 完成度の高い歌と考えます。


     「凍て空に咲く 蝋梅」

【詞書】来し方、これからのことを思うとき、余生は穏やかなれと、
  念頭に願ったことでした。
☆水草の流れのようにわが生も清貧にして穏やかなれと
【詞書】楽しみは娘とのショッピング、何気なく入ったお店で試しに
  手にしたのが黒いベレー帽でした。
☆嬉しいな 娘とお揃えのベレー帽 鏡に映して斜に構えたり
【詞書】先日来の暖かさで一気に蝋梅が咲き出しました。青空に
  レモン色が美しく映えています。
☆凍て空に花びら震わせ蝋梅は春の兆しの明かりを灯す
                         夕庵さん
【解説】
 三首の歌は、いずれも作者の「今」の感慨をすくい取り素敵に詠まれて
 います。

 一首目の歌は、私達世代の共通の想いでもありますね。「穏やかなれと」
 との想いは、私たちにも実感としてあります。

 二首目は、黒のベレー帽がお似合いの、作者のきりっとした立ち姿が
 思い浮かびます。斜に構えたり」の表現が利いています。

 三首目の歌は、蝋梅の花の美しさと、春の訪れを温もりのある季節感と
 ともに、
力強く表現した完成度の高い歌と感じます。

 下の句の「春の兆しの明かりを灯す」という表現は印象的です。
 「レモン色」の花びらを震わせ、春の訪れを告げる花の姿を鮮やかに
 表現しています。さらに、この歌には春への希望や、
ふくらむ期待も
 込められているように感じられます。

【詞書】19日(金曜日)10:30〜11:45 NHKテレビで宮廷歌会始の儀が
  放映されます! お題は「和」です。
  昨年は出版で忙しかったので私は今年はノビノビと暮らします。
☆歌に聞く「憎い会いたい恋しい」と人の情念これこそ命
☆鷹揚な夫の支えのあればこそ私は私飛び跳ね暮らす
                         リコさん
【解説】
 出版に関わった一年は諸々大変だったとは思いますが、一大事業を
 やり遂げた充実感もあったことと思います。
 「宮廷歌会始の儀」は、雅で厳かな新春の儀式ですが、時代の流れも
 反映し、学ぶべき要素もあり謹みつつ視聴させて頂きました。
 一首目の歌は、八代亜紀さんのヒット曲「雨の慕情」の歌詞の一節
 ですが、「人の情念これこそ命」は詠まれた通りですね。
 歌詞からの本歌取りの詠歌は、難しいのですが、成功した例と感じます。
 二首目は、長い歳月の中で築き上げて来られた絆と、ゆるぎないお互いの
 信頼故の歌と思います。すべからく「こうありたい」と思う奥様方は
 多いのではないでしょうか。御夫君への深いリスペクトも感じられます。

【詞書】こういう時は出詠させていただいたほうが返って良いかも
  しれませんので、今週も思いきって出詠させていただきます。
  能登半島地震で被災されました聴覚障害者の方々に思いを寄せて
  詠わせていただきました。
☆被災せし人に氷雨は降るなかれまして聞こえぬ人らの上に
☆連絡も聞こえがたかる障害を持ちて被災をしたる人々
☆食ふものにまず苦労して寝る場所の寒さに耐えてゐたる聾者ら
                         suisenさん
【解説】
 三首とも、能登半島地震で被災した聴覚障害者の方々の苦悩を詠んだ
 歌と考えます。地震の揺れや津波の警報、救助の声など、聞こえる人に
 とっては当たり前の情報が、聞こえない人にとっては届かないという
 現実を、切実に訴えた歌になっています。
 二首目の歌、発句の「連絡も」は、聞こえない人にとって、連絡と
 いうものが重要でありながら、いかに困難であるかを強調しています。
 「障害を持ちて」は、聴覚障害者のアイデンティティを表現すると
 ともに、社会的な障壁や偏見に直面していることも暗に示しています。
 また、この歌は、一人称ではなく三人称で書かれていますが、聴覚
 障害者の代弁者として語ることで、より普遍的なメッセージとして
 響いてきます。

【詞書】YouTube短歌 八代亜紀ジャズ
☆貴女のソウルは私に響く
    月夜ギンギンに冷やした酒を
【詞書】歳のディスティネーション
☆歳のディスティネーションは知らねども
  ただ電車に乗って
  ほうこうす
                         自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 八代亜紀さんが去年末に逝去されたとの報がありました。
 ご冥福をお祈りします。
 演歌の八代亜紀さんのジャズって、とても味わい深い。
 ソウル・ミュージックと演歌は、共通する物が有るのだろうと
 思います。お酒は温めの燗がいい~♩肴は炙った烏賊でいい~♪
 とは毛色の違うFry me to the moon、You'd be so nice to 
 come home toなので。
 共演したナベサダは、ジャズシンガーとの共演と言う意識で、
 演奏しています。天下の大演歌歌手。
https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/dd4d68af1411578e2c876334c37c4af5/?cid=25b98705961fd12dd260867ef1e7317b&st=0
 二首目は、年末に作ったもの。方向と彷徨の掛詞。
 本歌 新古今和歌集の寂蓮
  暮れて行く春のみなとは知らねども霞に落つる宇治のしば舟
 毎年、年末のさむい時期に、人気(ひとけ)の無い小石川の庭園を
 行くのが楽しみと言う変り者です。
 電車に乗っている最中、家内安全の願い事も有るので、せっかく
 だから伯父の祀られている靖國神社へも行く事にしました。
 電車に乗っていたら、英語のアナウンスが、ファイナル 
 ディスティネーション ホニャララと言っていた。英語無知なので、
 調べて見ると、「目的地,行き先;届け先;目標」との事。最終行先
 と云う意味かも。
 行き当たりばったりの性格なので、目的を持たず、寂蓮歌の本歌取りが
 思い付きました。
【解説】
 一首目の歌、紹介頂いた八代さんの歌う二曲、Fry me to the moon及び、
 You'd be so nice to come home toを視聴させて頂きました。
 八代さんは父親が買ってきた米国のポピュラー・ジャズ歌手、ジュリー・
 ロンドンのレコードを聴き、そのハスキー・ヴォイスに魅せられたのが
 歌手を目指すきっかけだったとのことですね。
 また、「夜のアルバム」のCDでは、この「フライ・ミー・トゥ・ザ・
 ムーン」を始めとした12曲のジャズを歌っていますね。いずれもかなり
 歌い込まれレベルの高い歌唱で、おっしゃるように「ソウルミュージック」
 の本流を感じました。私も車に乗る時、このCDを結構聴かせて頂いています。
 詠われているように、月光を浴びながらギンギンに冷やした日本酒を飲む。
 そして、酔うほどに響いてくるFry me to the moonの八代ジャズ。
 まさに「ソウルは・・・響」きますね。その場に漂う雰囲気と共に、景観を
 明確に表現し、想いまで滲まさせる上質の短歌に引き込まれました。
 二首目は、寂蓮の歌からの本歌取り、さらに方向と彷徨の掛詞等は心憎い
 技法と感じました。


     「咲き初める 河津桜」

【詞書】水仙の花が里にも咲き出し花の季節がゆっくりとした歩調で
  近づいて来ているようにも思える暖かい冬ですが〜
  地図が変わるほどに強烈な地震だったのですよね?被災地の方には
  まだまだ『花を楽しむ余裕はない』かもしれません。お辛い事だと〜
☆初春の 散歩始めは
   大塩湖
  光を浴びて 枯葉喰むクロ
☆心地よい 小春日和の
   縁側で
  腕に顎乗せ まどろみのクロ
☆能登の地を 突然おそう
   大地震
  朝市の里 瞬時に消える
                         クロママさん
【解説】
 最初の二首は、愛犬クロちゃんとの幸せなひと時を、丁寧に詠まれ
 ほのぼのとした想いにさせてくれる良い歌と思います。
 ただ、二首目の「小春日和」は,厳密には「秋の終わりから冬の始め頃に
 掛けての穏やかで暖かな気候を指す言葉」とのことです。

 しかし、最近は「春先の穏やかな日」と解釈している方が、ものの調査では
 4割を超えているとのことですのです。
この点だけ添削させて頂きました。
【ご参考】
 ★心地よい 温き日差しの
   縁側で
  腕に顎乗せ まどろみのクロ
 三首目は、地震と大火に同時に見舞われた「朝市の里」の状況を哀しみを
 籠めて、精緻に詠い共感の誘われる良い歌です。

【詞書】私が好きな某グループ、もといTHE ALFEEさんのベースとヴォーカル
  担当“ALFEEの向かって左のサングラスでヒゲの人”
桜井 賢さんが1月20日
  で60代最後の69歳になりはりました。

  めでたやめでたや!4月に二人のメンバーが70歳(!)になりはるんで、
  それまで約3ヶ月の間、同い年なんですね。

  今はX(旧ツィッター)とかに祝福のメッセージが溢れています。私はその
  辺はやっていないので、
せめて短歌でお祝いしようという…。
  そして、今年は彼らの
デビュー50周年です。ずっと(そしてこれからも)走り
  続ける彼らの50年目が楽しみです。

☆アルフィーが3人69歳に
   桜井 賢(まさる)氏お誕生日で🎉
【詞書】昨年9月に地球を出発した、日本の“月面探査機(SLIM)”が1月20日
  午前0時20分に月面に着陸したそうです。

  “SLIM”は、月面の「神酒(みき)の海」(地上から見える月を十字に4分割した
  として、右下の部分の横棒と言うか赤道に近い場所)
付近の“SHIOLI
  クレーター”に降りたそうです。目的地から誤差
100m以内の
  “ピンポイント着陸”に成功したらしく、飛行や着陸時の
データも取れたん
  だそうですが…。太陽電池のパネルが不具合を
起こして太陽光による
  発電が出来なくなったとか。1月23日の
朝日新聞の朝刊の記事によると、
  着陸から30分あまり後の午前2時57分
に(太陽パネルの不具合があっても
  内蔵のバッテリーで活動できて
はいた)、電源をオフにしたんだそうです。
  が、パネルは“西を向いている”そうで、月の“公転”の具合で太陽光が西から
  当たれば(太陽パネルが発電して)、再び稼働する
という可能性があるんだ
  そうです。その再起動のためにバッテリー
の電力を“12%残して”オフに
  したんだとか。ううっ!何とか
パネルよ復活してくれ!!っていう感じです。
  (1月22日夕刻に詠む)

☆肉眼で見えはしないが 探査機は「あの辺かな?」と月を見上げる
【詞書】どうか、“SLIM”の関係者の方々の努力が報われますように。
  “SLIM”が任務を全うできますように。太陽の光が“SLIM”の
  太陽パネルに届きますように。今は眠れ“SLIM”。再起動したら
  月の新たな姿を見せて下さい!…とは言え、月面の太陽が当たる
  部分の温度ってめっちゃ高いから、パネルの関係の機器がそれに
  耐えられるのかどうか…だそうです。…なかなか多難ですね…。
☆探査機よ再び目覚めよ太陽の光で
        月から“便り”届けよ
                         ちがやねこさん
【解説】
 一首目は、まさに、ホットな詠歌の出詠に、こちらまで、嬉しくなります。
 「THE ALFEE」の創設メンバーである桜井 賢氏も、誕生日1月20日に69歳に
 なりましたね。いずれのメンバーもしばらくは同一年齢で、
詞書にも
 ありますように「めでたやめでたや!」ですね。

 記念すべき日に、このように詠むのも短歌にはありですね。
 長い事フアンであった作者の喜びが、そのまま素直に歌に表現された明るい
 歌に共感します。
 なお、
月面探査機“SLIM”にまつわる二首の歌を追加で出詠頂きました。作者の
 ライフワークの分野の短歌で、私たちも周辺で学ばせて
頂いています。
 二首目の歌、私達から見たら誤差100mのピンポイントで、月面に着陸した訳
 ですから100点に近いかと思っていましたが、関係者から
60点との評価を伺い、
 関係者の皆さんの意気ごみと、決意のほどを知りました。

 太陽電池のパネルが稼働していないことが、そのマイナス点との事で、
 今後のミッションを考えると理解できます。ただ、改めて
日本の宇宙開発での
 技術水準の高さには感歎した次第です。

 三首目の歌は、ちがやねこさんの月面探査機“SLIM”への熱い想いを籠めた
 ワクワク感と、エールが感じられる真っすぐな良い歌と考え
ます。
 まさに、詠まれているように私たちも「月の新たな姿」を見出すため、
 “SLIM”の再起動を、祈りをこめて見守りたいと思います。
 
☆能登の地の切なき叫び海風に まぎれ届くや この浜辺にも
                         ポエット・M
【解説】
 能登地震は、令和6年1月1日に石川県能登地方を震源とする最大震度7の
 地震でしたが、この地震で石川県内で22日午後2時の時点で233人の方の
 死亡が確認されております。改めてご冥福をお祈り致します。

 能登の地では、昨日23 日から次第に冬型の気圧配置となりこの冬一番の
 強い寒気が流れ込んで大荒れの天気になる恐れがあるとの予報です。
 能登よりはるかに離れたこの地ですが、白波を伴う海風の咆哮は人の
 叫びとも感じられます。
 被災され未だなお雪に閉ざされ、凍てつく寒さに凍えながら避難生活を
 余儀なくされている方々。その方たちを想い詠ってみました。

 
     「未だ咲く路地に咲く シクラメン」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(23)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
6.「短歌の章」 雪(4)

   山峡に棲むけものらは穴隠り
           雪降る今日を寝て居るべし
            
   山寺を雪降りつつむこのしじま
           四方の結界音断えにけり

   雪の中にけもの道あり
           命あるものの通ひし一条の跡

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 文字数制限により割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますので、ご容赦願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その116)ネット歌会

2024年01月24日 04時50分28秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その116)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める白梅」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆制服は廃止の風潮ありけむも変わらぬ振り袖成人の日
                         西BOOさん
【詞書】娘の成人式はいとこの振り袖を着て、その費用でちゃっかりと
    車の免許証をとったものです。
★振り袖の代わりに娘は免許証を成人の日の記念としたり
                         夕庵さん
【詞書】運転中に人のクルマに擦り傷をつけてしまったのですが、
  駐車中の無人のクルマだったので点数を引かれずにホッとした
  ことを詠ませて頂きました。
★病にて人のクルマに擦り傷を ゴールド剝奪されずにホッと
                         西BOOさん
【詞書】7年前、交通事故に遭遇、2ヶ月のリハビリで歩けるように
  なりましたが、腰痛は今も頭痛の種です。
★リハビリに耐えて歩けるよろこびも 脇見運転 憎し 腰痛
                         夕庵さん
★交通の安全札に祈りつつ 事故をおこすは気のゆるみなり
                         西BOOさん
★台所に荒神さまのお札貼り 今日も家族の食事を作る
                         夕庵さん

☆冬蝶の終章の地か身を委ね黄色ともせる庭石の上
                         みっちっちさん   
★冬蝶の白きの纏う夕暮れは足早に去る 京の寺町
                         夕庵さん
★ 夕暮れの花見小路は乙女らが蝶舞ふごとくさんざめく街
                         みっちっちさん

☆歌に聞く「憎い会いたい恋しい」と人の情念これこそ命
                         リコさん
★八代亜紀 歌う女の情念よ 深い瞳の底に渦巻く
                         夕庵さん


☆嬉しいな 娘とお揃えの ベレー帽 鏡に映して斜に構えたり
                         夕庵さん
★亡き母と揃ひの瑠璃色ペンダント 薄きは母で 濃きは我なり
                         みっちっちさん
★「しあわせを祈る」とくれしペンダント 今も波打つ海色濃ゆく
                         夕庵さん
★地震(ない)の地の苦難に哭きて 祈りしは 波打つ海よ 鎮まり給へ
                         みっちっちさん

★過酷なる被災の人らに身を寄せて つましき夕食 菜刻みをり
                         夕庵さん
★はるかなる二十九年前の地震(ない) 揺るる恐怖は 今もこの身に
                         みっちっちさん
★地震(ない)逃れ京都へ転居もはや過ぎて 住めば都と人と馴染めり
                         夕庵さん
★大地震(おおない)の恐怖はあれど 今日の日を いのち限りに 愉快に生きむ
                         みっちっちさん
★昨日のこと 今日書く日記を 10余年 さざ波もあれ われの足跡
                         夕庵さん
★さざ波も大浪もなほ 地震(ない)さへも 乗り越へ生きむ いのちの限り
                         みっちっちさん

☆甲辰の年の初日を襲う地震(ない)地異に備えよ 重き警鐘
                         ポエット・M
★天変の重き警鐘受け止めて 支える力明日(あした)の糧に
                         浅間山明鏡止水さん
★容赦なき地異の惨状越え行かん かすかなれども槌音もして
                         ポエット・M
★頼もしき列車が再び走り出す 七尾・金沢 結ぶ線路に
                         夕庵さん
★孤立する町を繋げる線路わき 修理に命かけたる人ら
                         ポエット・M

☆風花の 未だ舞い来ぬ 街にいて 
       能登の厳しさ さらに感じて
                         ポエット・M
★避難所の 廊下に響く 子供らの
       声が伝える 明日への復興
                         浅間山明鏡止水さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「咲き盛る 山茶花」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (5) 掲載順序は原則、本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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香り届けよ

2024年01月22日 07時25分11秒 | 短歌

先週、柔らかな日差しに誘われて、細君共々観音崎公園へ
散策を兼ねて行って参りました。
微かな風はあるもののそんなに寒さは無く、散策には適した
気象でした。

久しぶりに少しハードな丘陵コースをめぐり、途中河津桜の
ほころぶさまに触れ、たたら浜という房総半島を望む海辺まで
出てみました。

     「咲き初める河津桜」

海を臨む南斜面には、水仙の群生が一斉に咲き競っており、
海風に紛れ水仙の仄かな香りが漂っていました。

夏の花の強いと異なり、水仙は、蝋梅や、梅の花とともに
仄かな香りが、浅い春を告げるかのように漂い、ちょっぴり
幸せな想いを届けてくれています。

未だなお、酷寒の地で避難生活を余儀なくされている能登の
皆さんを想うと、申し訳ない思いに囚われますが、この水仙の
香りだけでも届けたいとの想いに駆られます。


こんな思いを即興で短歌に詠んでみました。推敲もしていない
想い優先の歌ですが載せてみました。

 ☆海風に香り乗せたる水仙よ せめて届けよ能登の人らに

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第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115)

2024年01月17日 05時18分22秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 2024年 最初の「水曜サロンの会」となります。
 ☆☆☆ 本年もよろしくお願い致します。
 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める日本水仙」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】24年1月1日元旦のお屠蘇気分が一変に吹き飛ぶ「石川能登地震」
  でした。長野県全域震度4~5の強さで、自宅は大揺れしました。
  このような恐怖は移住後初めて体験しました。正月後いろいろと感じる
  こともあり3首詠んで見ました。
☆辰年の天災地変現象は 我が身を守る強い警鐘も 
☆地球こそ生命体の生き物で 持続可能な社会変革を
☆冠雪の朝日に輝く浅間山 幸多かれと安寧祈る
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 詞書に記された通りですね。正に「甲辰」年は「変革(転機)」や「激動」
 が
示すように、時代が動く年となると言われてきましたが、元旦早々に
 「激動」の第一弾に襲われましたね。
 被災され、身罷った多くの方のご冥福をお祈りするとともに、未だ避難を
 余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。
 長野県全域震度4~5の強さで、ご自宅も大揺れだったとの事。被害の
 程はいかがでしたでしょうか。自らも味わった地震の恐怖感を踏まえた
 歌は、「警鐘」「社会変革」さらに「安寧祈る」へと切実感も滲みます。
 一首目の歌は、「石川能登地震」を「辰年の天災地変現象」と表現し、
 それが自身の命を守るための警告であるというメッセージを詠っていると
 感じました。
 「甲辰」の年の謂れを踏まえた、この歌は、自然と人間の関係について
 改めて見直しを迫るものであり、自然の驚異に対して、人間はどのように
 対処すべきなのかを訴えていると拝察致しました。
 私たちは、自身を守るためにも、自然の力に対する畏敬と、自己防衛の
 意識をしっかりと持たねばと改めて感じました。
 そんな想いを籠めて詠ってみましたが…。
【ご参考】
 ★甲辰の年の初日を襲う地震(ない)地異に備えよ 重き警鐘

【詞書】自生した山茶花の横に椿が咲いているのを見て、今度は、寒椿が
  自生しないかと空想に浸り詠ませて頂きました。
☆自生した山茶花の横 椿咲く 次 寒椿生えてこぬかな
【詞書】眩暈が完治しないので、お参りは氏神様だけで、後は、神棚に
  全集中という現状を詠ませて頂きました。
☆病ゆえ氏神だけのお参りで 唯 神棚に祈りを込めん
【詞書】氏神様へ、初詣に行ってきました。
☆曙に氏神様へ初詣 途中 帰路にて初日を拝む
                          西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、「柳の下のどじょう」ではありませんが、山茶花に続いて
 寒椿が自生してくれたら、言うことはありませんね。
 「一度あることは二度ある」とも言いますから実現するかもしれませんね。
 そんなユーモアを感じさせる明るい歌でもあります。
 二首目の歌は、未だ完治しない眩暈の緩解を、神棚に集中して祈っている
 旨を詠んで頂きました。一日も早い回復を私たちも祈らせて頂きます。
 そして、詩情に溢れた西BOOさんの写真に一日も早くお目にかかれることを
 期待しております。
 三首目の歌を、追加出詠頂きました。
 今年は日本列島の太平洋側の地域では、いずこも初日の出を見る事が出来た
 ようですね。日の出前に氏神様へ初詣し、その帰路初日に向かって一年の
 無病息災等をお祈りする。これは、日本各地で多くの方が経験された元旦の
 祈りであったことと思います。
 この歌は、新年の神聖さと祝福を感じさせる作品と言えます。
 淡々と詠まれていますが、調べも良く新年にふさわしい歌と考えます。


【詞書】YouTube短歌 未知との遭遇
☆全ての未來は未知との遭遇
   ラ・ラ・ラッ・ラ・ラ~
  遇ふことは楽しみ
【詞書】YouTube短歌:遠くの汽笛 「遠くで汽笛を聞きながら」アリスを
    聴きながら
☆今遠くで鳴った汽笛の汽車に乗れば
    帰れる。。。

  でもこの街しか
【詞書】帰郷して、ふるさとの曲を弾いたと聞きて
☆亡き父と思い出ばかり
   ふるさとを弾きて終えれば潮騒残る
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一首目は、だいたい正月のテレビは、お笑いと映画だったが、未知との
 遭遇を放映していました。
 第3種接近遭遇を描いたスピルバーグの1977年の映画は、ヒットしました。
 今年は、どんな未知と出会うだろう?楽しみと短歌を作りました。
 しかし、元日早々、能登で大規模な地震、羽田空港飛行機事故と、
 悪い事ばかり。禍福に一喜一憂せず、人間万事塞翁が馬と過ごせと
 言うことかもしれません。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1e0df1ede41c690ac6e83981069b432b

 二首目は、谷村新司さんは、昨年10月8日逝去されました。昨年、亡く
 なった人々の歌を冥福を祈りながら、YouTubeで聞いて居ました。
 「遠くで汽笛を聞きながら~♪」
 「何も~いい~事が~無かったこの街で~♫」
 谷村新司さんの説明では、青函連絡船の汽笛とか。私の解釈では上野発の
 汽車をイメージして、良い思い出ばかりの故郷には帰れない、そう言う
 思いかなと短歌にしました。
 汽車も汽笛も古い物となっているが、昭和も生きた私には、今も記憶の中で
 聞こえます。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9559d50fa92eb512a5c9308f6114543f

 三首目は、知り合いの方が、帰郷の際、お亡くなりなったお父様を思い出し
 ながら、ふるさとの曲をピアノで弾いたと聞いて、その方の想いをイメージ
 して作りました。
 一般の方へは、定型で無いと短歌と分からないので、いつもそうします。
 「潮騒残る」は、「潮騒残り」、新古今風「潮騒の音」と迷いましたが、
 変わって行く故郷、変わらない潮騒、そして思い出から残るにしました。
 「弾きて」の「て」は歌病だと思いつつ。
【解説】
 一首目の歌は、「禍福に一喜一憂せず」との説明もありましたが、未来に
 対する希望と不安を表現したものと感じました。

  「全ての未來は未知との遭遇」という上の句は、未来がどんなことを
 もたらすかわからないということを強調しています。 しかし、その
 不確かさを恐れるのではなく、「遇ふことは楽しみ」という結句で、
 ポジティブに捉えています。「ラ・ラ・ラッ・ラ・ラ~」という音は、
 自閑さんの心の中で響いているもの、あるいは実際に歌っているもの
 でしょうか。いずれにしましても、この音は、希望に満ちたものと
 感じられます。
 また、この歌は、口語的で軽快なリズムを持っていますが、その中にも深い
 思慮が込められ、未来に向かって歩む姿を想像させる一首だと
考えます。
 二首目、谷村新司さんの歌はアリスの時代から私達世代の心のよりどころ
 でもあったと思っています。

 今回の短歌のテーマの「遠くで汽笛を聞きながら」も、あの時代の応援歌
 でもあったと思っています。

 特に、三番の歌詞「自分の言葉に嘘はつくまい 人を裏切るまい 
 生きてゆきたい 遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことが
 なかったこの街で」の詞が胸に刺さった記憶があります。
 また、この歌は、心の葛藤を表現しているようにもとれます。
 遠くから聞こえる汽笛の音に、故郷や昔の思い出を想起しますが、
 今住んでいるこの街にも愛着や居場所を感じているとの想いも滲みます。
 「帰れる」しかし、「この街にとどまる」という心の揺れも繊細に表現
 されていますね。さらに、この歌は、心憎いまでに韻律も工夫
されており、
 よみやすい歌となっています。

 口語短歌で、歌の調べと十分な物語性が表現された学ぶべき詠歌と考えます。
 三首目は、友人の亡き父との思い出と、変わりゆく故郷の風景を結びつけて
 詠っていますが、「潮騒残る」という結句で、未だ
変わらぬ自然のあることを
 静かに示しています。

 潮騒は、悲しみや哀愁を感じさせる音ですが、それは友人の亡父への深い
 想い寄り添った、作者の想いをも感じさせます。

 三首とも、新春詠としての格調を備えた鑑賞しがいのある歌と感じました。

【詞書】新年を迎えて三首。
☆ぬばたまの黒髪濡るる金の湯に いよつつがなく年を迎へむ
☆六甲に初茜(はつあかね)さし ほのぼのと 身もこころにも 温かさ満つ
☆あらたまの春に沸き立つ彩雲の 竜昇るごと 夢よ叶はむ
                          みっちっちさん  
【解説】
 一首目の歌は、新年を迎えるにあたっての、作者の心境と心意気を詠った
 ものと拝察いたしました。
 「ぬばたまの黒髪濡るる金の湯」という上の句は、温泉に入って黒髪を
 濡らしている姿が浮かびますが同時に、その風景が美しく描写されています。
 金の湯とは、夕日や灯りに照らされて金色に輝く湯のことでしょうか。
 なお、この「金の湯」は有馬温泉にある「金泉」の事ではと、夕庵さんに
 教えて頂きました。
 いずれにしても、作者はご自分の身体を清めながら、新しい年を迎えるに
 あたっての期待や、祈りを込めて詠っていると考えました。 
 与謝野晶子の歌を彷彿させる、女性の豊饒さを感じさせる歌とも感じました。
 三首目の歌も、「沸き立つ彩雲の 竜昇るごと」の表現が秀逸です。


     「水仙の花」

【詞書】竜年の元旦から思わぬ大地震に見舞われた石川県、TVに釘付けの
  数日でした。ここにあらためて被災された方にお見舞いするとともに、
  大切な命を奪われた大勢の方たちのご冥福をお祈りいたします。
  こんな時にこんな歌をと思いましたが、余りの惨状に歌は出来ません
  でした。敢て用意していたのを出詠させていただきます。
☆竜年の弟も居て同胞は息災にして祝う新春
☆白粉の残り香ほのと漂わせ舞妓行き交う花街の春
☆つんつんと鋭き青い葉のなかに水仙一花元旦を咲く
                          夕庵さん
【解説】
 詞書に記された通りですね。私も、新年最初のブログに「甲辰」の
 年は「変革(転機)」や「激動」が示すように、時代が動く年と
 なると言われてきたと申しましたが、元旦早々に不幸にも
 「能登半島地震」と言う「激動の第一弾」が発生してしまいました。
 改めて、被災され、身罷った多くの方のご冥福をお祈りするとともに、
 未だ避難を余儀なくされている多くの皆様にお見舞い申し上げます。
 このような時こそ、それぞれの方が、自らを律して冷静にふるまう
 ことが求められていると感じます。短歌もその一助になると思って
 います。
 三首の歌を詠んで頂きましたが「同胞は息災」「花街の春」
 「水仙一花」と新年の始動を、静かに表現されていて共感を誘います。
 特に、二首目の「残り香ほのと漂わせ」の表現が良いですね。
 これは、舞妓の化粧や身だしなみに対する丁寧さや美しさ、さらに
 舞妓のもつ気品や控えめな態度を温かな眼差しで表していると感じます。
 また、花街の春という言葉は、賑やかさや華やかさを連想させますが、
 この歌には、そうした春の喜びだけではなく、舞妓の仕事や生活に
 対する苦労や哀しさをも気づかう、優しさも滲んでいます。
 三首目の「つんつんと鋭き青い葉の」の表現も、独特の視点を示し
 いいですね。

【詞書】縁あって群馬に越して来て25年を過ぎました。遠い〜と思って
  いた千曲川や佐久平…実家への往復で雄大さを身近に感じます🎵
  住めば都ともいいますが、広い大自然に抱かれて生きる。とても
  贅沢な人生闊歩と思えます🙇今年も口語投稿楽しませて頂きたく。
☆朝霜に 凍りし青菜
    陽を受けて
  瑞々しさも 生き吹き返す
☆里山に あさげの煙
    たなびいて
  静かに流れる 初春の雲
                          クロママさん
【解説】
 群馬に越されて25年とのこと。おっしゃる通りで、まさに住めば都は、
 年々歳々その想いを深めておられることと思います。
 千曲川、軽井沢、佐久平も、お住まいからは比較的近く大自然に抱かれて
 生きている実感もおありと思います。
 新春を迎えた今の季節を「凍りし青菜」「初春の雲」の言葉に託して、
 明るく詠まれた歌は好感が持てます。
 特に、二首目の歌は、自然の美しさと静寂を詠み、自然の一部としての
 人間の存在をも表現しているとも考えます。また、韻律的にもよく練られ
 心地よい余韻を残しています。
 「初春の雲」は、朝げの煙との取り合わせで里山の長閑な雰囲気を
 醸し出し、さらに新鮮さや希望を感じさせてくれます。

【詞書】さる方が私の身を心配していると風の便りに聞こえてきましたから、
  その方に対するお返事の代わりとして、次の歌を詠いました。
☆疑はれゐたるこの身は隠し置く疑ひ晴れる日が来るまでを
☆曲げられて曲げられてこしこの名ゆゑ暫し黙して直るを待たむ
☆みづからは動かず神が直される日を待たむかなかうなりしかば
                          suisenさん
【解説】
 今回の出詠歌につきましては、作者の想いと、作者をめぐる皆様の想い
 との相違及び、乖離が結構ありますので、歌評等は控えさせて頂きます。
 ただ、「掲載うんぬん…」との作者からのコメントがありましたが、
 このサロンの在り方として、出詠頂きました短歌は誹謗・中傷、
 さらにヘイトスピーチ等に相当するものでない限り原則として掲載させて
 頂きます。これらの歌から、皆様で学びご参考として頂ければ幸いです。
 その点は、作者にも、皆様にもご理解頂ければと思います。


【詞書】地震のことを古語では「ない」というというのはいつ知ったこと
  だったのか…。初めて知ったのは阪神淡路大震災より後だったようで、
  震災にみまわれた当時の映像を思い出し、「ない」と言う言葉に“何も
  かも無くなる”印象を持って、「昔から恐ろしく、悲しいことやったん
  やな」と思った記憶があります。
  どうか、能登を始めとする北陸の方々が一日も早く心安らかな日々を
  送ることができますように。私自身は北陸とはご縁はないんですが、
  「スキップとローファー」(私はアニメで)の主人公の出身が能登という
  設定だったので、去年に地図など見て地名がいくつか頭に入っていた
  ので、尚更ショックでした。
☆「ない」という 古語から感じる恐ろしさ 地龍よ鎮めよ地下の世界を

【詞書】暮れに娘さんか息子さんが来られてたようですが、長いことお隣は
  ご不在が続いています。が、
数日前にフェンス越しに蠟梅が咲いているのに
  気付きました。世話を
する人は居ないけど律儀に、しかも綺麗に咲いて
  いるよなあと
感心するとともに、隣の人は誰もこの花を楽しむことは
  出来ないんだな
…と思うと、声を出して「綺麗やなあ!」と褒めてやるのが
  この花木への
せめてもの激励やと思ってます。
☆朝陽浴び 蠟梅青き空に映え
     主居ずとも咲く時違えず

【詞書】1月15日(旧、成人の日😅)は誕生日でした。1964年生まれなんで
  一応60歳になったようですが…。実感わかねえ~っ!!まあ、のんき者で
  鈍くさい私が、大事なくこの歳になったのは、まあ何と有難いことだよ
  なあ…。と一応思う訳です。“カンレキーズ”は、大好きな某グループこと
  THE ALFEEさんの2015年(もうこのあたりからライブに行けていません😥)
  のコンサート(クリスマスの武道館らしいです)で、GSのグループのような
  ミリタリールックで突然現れたグループだそうです。ちなみに英語の
  綴りでは“The KanLeKeez”です。彼らのおかげで、60歳を迎えることも、
  何てことなくなりました。
☆誕生日 何事も無く行き過ぎて
     「“カンレキーズ”か。有り難いこと」
                          ちがやねこさん
【解説】
 「龍🐲の年、龍もドラゴンも大好きな」作者、おっしゃる通り「災害が
 これ以上起こりませんように…」と祈りたいのは、皆さん共通の想い
 ですね。
 一首目の歌は、「ない」という 古語から感じる恐ろしさを実感を込めて詠い
 「地龍よ鎮めよ地下の世界を」の下の句も、願いと祈りを込めた重厚な
 詠いぶりに学ばせて頂きました。
 「地龍」は、地中に潜む龍のことで、古代中国では地震の原因とされる
 説もありました。この言葉を使うことで、作者は自然の驚異に対して祈りや
 願いを込めていますが、「鎮めよ」という命令形で私たちの
無力さを示す
 と同時に、地龍に対する敬意や畏怖も表しています。

 二首目から「東風吹かば匂いよこせよ梅の花・・・」と詠んだ菅原道真が
 偲ばれます。主なくても律儀に咲く蝋梅に寄せた、作者の優しさが滲む
 歌となっていますね。しみじみとした薫り高い歌と感じます。
 三首目、1月15日(旧、成人の日)は誕生日とのこと。還暦を無事迎えられ
 おめでとうございます。「有り難いこと」は実感ですね。益々のご健勝を
 お祈り申し上げます。

☆風花の未だ舞い来ぬ街にいて 能登の厳しさ さらに感じて
                         ポエット・M
【解説】
 能登地震は、令和6年1月1日に石川県能登地方を震源とする最大震度7の
 地震でした。この地震では、石川県内で16日午後2時の時点であわせて
 222人の死亡が確認されており、重軽傷者は、県内全体で
1036人となり、
 1万1000戸以上が住宅被害を受けているとのことです。

 このような災害を受ける中で、さらに、降り続く雪に閉ざされ寒さに
 凍える能登の厳しさを想い詠ってみました。
 私の住む街は、未だ風花さえも舞う事のない地で、その申し訳なさも
 含めて、幾たびか尋ねた冬の能登の凍れる様を重ね偲んでおります。
 改めて、能登地震で亡くなられた皆様の御霊のご冥福をお祈りすると
 ともに、被害にあわれた皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。


     「ビオラ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(22)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
6.「短歌の章」 雪(3)

   病む窓に春の雪降る白々と
           一生(ひとよ)の想ひ清しかるべし
            
   雪降れりまなこ閉づれば清々と
           雪降りやまず まなこのうちに

   眼閉づれば わが血脈の打つひびき
           春降る雪の中に聞こゆる

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 文字数制限により割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますので、ご容赦願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115)ネット歌会

2024年01月17日 05時10分28秒 | 短歌

第二部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115)ネット歌会
            短歌の返歌を歓迎します!!

 ☆☆☆ 2024年 最初の「水曜サロンの会」となります。
 ☆☆☆ 本年もよろしくお願い致します。
 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 返歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「ネット歌会」について
      「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式では
      なく、「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」する
      という自然発生的な歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響く
      ものがありましたら、それへの返歌として大いに詠んで頂き第二部の
      コメント欄に記入して頂ければ幸いです。


     「咲き初める 日本水仙」

☆------------☆ 「ネット歌会」開始 ☆-----------☆
  「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌


☆あのころの白いスニーカー砂に埋めて もつれた糸はひきちぎられる
                         浅間山明鏡止水さん
★井戸端で洗った記憶のアップシューズたった一足のあの白い靴
                         夕庵さん

☆竜年の天災地変現象は 我が身を守る 強い警鐘も                     
                         明鏡止水さん
★龍神よ 何に怒れる新年に 地震(ない)
         引き起こし火災(ひ)を放つとは
                         夕庵さん

☆自生した山茶花の横 椿咲く 次 寒椿生えてこぬかな
                         西BOOさん
★逆境に強き山茶花 情熱の赤の色濃くさき継ぎてゆく
                         夕庵さん
★寒き日に咲く山茶花よ 花と花行きかう虫も少なかろうに
                         西BOOさん
★吉兆の千両箱を福笹に十日恵比須に人ら行き交う      
                         夕庵さん

☆曙に氏神様へ初詣 途中 帰路にて初日を拝む
                         西BOOさん
★絵馬の龍 色こそ違え大・小と共に大きな輪を作りをり
                         夕庵さん
★龍の年 ウクライナの子 今年こそ平和の大輪咲きますように
                         西BOOさん
★せめてもの「平和の大輪」咲かすべくひとひら募金に祈りを込めて
                         夕庵さん
★被災地に早く届けよ 電話にて僅かながらのドラえもん募金
                         西BOOさん
★ドラえもん 善意の心ポケットに僻地へ飛べよ 待つ人の居る
                         夕庵さん

☆亡き父と思い出ばかり ふるさとを弾きて終えれば潮騒残る
                         jikanさん
★海にむかい木の椅子ひとつそのままに潮騒聞くや亡き人の姿(かげ)
                         夕庵さん

☆白粉の残り香ほのと漂わせ 舞妓行き交う花街の春
                         夕庵さん
★淑気満つ 花見小路の 寒椿 舞妓の髪に紅きをさして
                         みっちっちさん
初詣 玉砂利 踏みて前をいく 巫女の挿頭(かざし)の紅椿
                         夕庵さん
★清らなる巫女が頬染め 鈴振りて 掛け声響く恵比寿の神事
                         みっちっちさん
★福笹に絵馬と福銭結びつけ 京のえべっさん満開の笑み
                         夕庵さん
【詞書】以前テレビでやっていて、可愛い猫ちゃん好きなので、
  一度行ってみたいなと思って詠みました。
★累々と猫型絵馬の重なりて 猫好き集ふ猫神社ありと
                         みっちっちさん
★襖絵と天井画にも猫の居て あなたを招く 猫猫寺は
                         夕庵さん
【詞書】猫猫寺、京都にあるのですね。知りませんでした。
  楽しそうですね~
★猫猫寺(にゃんにゃんじ) 大日如来ではなくて
       大日猫来(だいにちにゃらい)がご本尊とな
                         みっちっちさん
★連れ合いを亡くせし友はニャンコさえ居れば生きると
     胸に抱きしむ
                         夕庵さん
【詞書】卓球のユーチューブを見て研究するのと、ニャンコの
  ユーチューブに癒されるのが日課です。
★我が家にはペットいないが ネットにて ニャンコの動画に
     癒さるる日々
                         みっちっちさん
【詞書】テトは10歳のトイプードルです。
★わたしより先に逝くなと抱きしめる テトの瞳の潤みに語る
                         夕庵さん

☆ぬばたまの黒髪濡るる金の湯に いよつつがなく年を迎えむ
                         みっちっちさん
【詞書】能登半島の地震。有馬温泉には金泉、銀泉の湯があります。
  金泉は茶色 銀泉は無色 ともに美人の湯です
★叶うなら冷えし身体の被災者に暖まってほしい金泉の湯で
                         夕庵さん
★まほろばの国を襲ひし地震(なゐ)と事故 神や仏に 祈りたきこと
                         みっちっちさん
   
☆冬の日のおでんは美味し
    はふはふと湯気のなかより大根さがす
                         夕庵さん
【詞書】もう20年近くか以上前かは定かではないんですが、12月23日か24日
    某グループの武道館公演開場待ちの際、余りに寒くて、武道館の
    正面階段前の広場の片隅にあったおでんの屋台が目に入りました。
    そこへ行きおでんダネを見てるとふと“ちくわぶ”が目に入り
    大根と一緒に買い食べた記憶が蘇りました。「…もう判った。
    二度は食べへんな…」がその時の印象でした。
★冬の日に開場待ちの武道館
     試しに“ちくわぶ”食べた屋台よ
                         ちがやねこさん
★今一度食べてみたしよ”ちくわぶ”を記憶にないから期待を込めて
                         夕庵さん
★夕闇に提灯明かりの滲む路地 屋台の主は今夜も無口
                         夕庵さん

☆水走る海のかなたの富士の山 初日を映し 燃える白銀
                         ポエット・M
★新春のひかりを浴びて堀端に番の鴨は水脈ひきてゆく
                         夕庵さん
★水脈ひきて鴨のつがいは凪海へ 街を呑みたる記憶遥かに
                         ポエット・M
★癒やしとも凶器ともなる大自然 人の英知の微々たるものを
                         夕庵さん
★間借りする大地を壊し省みず おごる我らに戒め重く
                         ポエット・M
★大地震(おおない)に大地は裂けて山崩れ
            家呑まれしをぼうとして見る
                         夕庵さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


     「冬薔薇」

【運営にあたって】
 (1) 投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) 「水曜サロン」に掲載された短歌への返歌を「第二部」のコメント欄へ
    投稿願います。出詠頂いた返歌は、そのまま掲載します。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
    仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
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 (6) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了

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心に残る風景

2024年01月14日 09時40分16秒 | 日々の歩み

 ある冊子の求めに応じて「心に残る風景」を取りまとめてみました。
そこから抜粋し、ここに記したいと思います。

 私の心に残る風景としてまず第一に浮かぶのは・・・、
「小諸なる古城のほとり」の歌碑が建立されている、長野県小諸市にある
懐古園から眺める千曲川の景色です。
信州の大地を北に向かって蛇行しながら、ゆったりと流れるその川の雄大さと、
たたずまいは今でも鮮明に胸に焼き付いています。

 当時、住んでいた佐久市から高校のあった上田市まで約二時間をかけて
通学していました。小諸は小海線の乗換え駅で、土曜日などは途中下車して、
懐古園まで学友たちとよく散策に出向いたものでした。

 二年生となり、進路について家の経済状態も含めてかなり悩み、鬱々と
した日々が続きました。

そんなある日、土曜日で早めに帰れたこともあり一人で懐古園を訪れました。
丁度、雲水のお坊さんが歌碑の前で、草笛を奏でている場面に出会いました。
公園はまさに秋たけなわで、見事に染まった紅葉があたり一面を覆っており、
もみじ狩りの人出も多く、そこそこの賑わいでもありました。

 たまたま「藤村詩集」を図書館から借りて持っていましたので、雲水の
奏でる曲に合わせて「千曲川旅情の歌」の詩をなぞっていました。
その中に、

 ♪ 昨日もまたかくてありけり
   今日もまたかくてありなむ
   この命なにをあくせく          
   明日をのみ思ひわづらふ

の詩が目に入りました。草笛の切なくなるような響きと、その詩が
胸いっぱいに広がった瞬間でした。詩の深い意味は解らないながらも
「この命なにをあくせく」の言葉が強烈に胸に刺さったことを、今でも
鮮明に思い出します。
「一日一日を精一杯生きよう。その結果を素直に受け入れよう」と、
なぜか開き直って考えられるようになったのも、その瞬間でした。

 そんな想いで眺めた千曲川の景色。佐久平を削りながら、北へ向かって
伸びる雄大なその景観は、なぜかとっても新鮮に映り、私の行く末を暗示して
くれているかに感じました。
西に傾き始めた陽に照らされ、輝きながらゆったりと流れる千曲川は太古から
変わらぬ姿で水を湛え、田畑を潤し、多くの民人に豊穣の
実りを届けてきた
ことは言うまでもありません。そんなことすら
そ知らぬふりで滔々と流れる
川の姿は「くよくよするな」とも
言っているようでした。

 その後、自分を信じ、理系の学びを経て大手の電機会社の本社に入社し、
当時黎明期であったコンピュータのソフトウエア開発の世界にどっぷり
浸かっていきました。
 コンピュータがICT社会の中枢になっていった時代、数々のプロジェクトの
リーダーとして、寝る間も惜しみ多くの開発現場に転戦を重ねてきました。
その中で、100名を超えるSE部隊を率いてシステム開発等を担う責任者として、
厳しいながら得難い経験を積むことも出来ました。
技術者として、また、ビジネスマンとしても環境にも、同僚、先輩にも
恵まれた良き時代を過ごすことができました。

 今思えば、島崎藤村の詩に触れ、千曲川の雄大な眺め「忘れ得ぬ風景」に
勇気づけられたあの日々が、出発点であったとしみじみ思っています。

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八代亜紀さん

2024年01月10日 19時48分17秒 | 日々の歩み

 「舟唄」「雨の慕情」「愛の終着駅」などの名曲で知られ「演歌の女王」とも言われた、歌手の八代亜紀さんが、昨年12月30日に急速進行性間質性肺炎のため死去していたことを、所属事務所が公式サイトで発表しました。

 デビュー当時から密やかなフアンの一人でもありましたが、改めて長年のご活躍とボランティア等々へのご尽力へ感謝を込めて、ご冥福をお祈り申し上げたいと思います。

 昨年8月28日にブルーノート東京でバースデーライブを行い、いつもと変わらない歌声で観客を魅了し、つづく9月9日には埼玉県熊谷市での公演「日野皓正クインテット」にゲストとして登場していました。その3日後の9月12日に所属事務所を通じて膠原(こうげん)病を患っていることを公表し、年内の活動を休止することが発表されていました。

 ボランティアに尽力していたことでも知られています。73年に「なみだ恋」がヒットしたことで「ヒットのお礼に恩返しがしたい」とボランティア活動をスタートされました。同年に少年院への慰問を始め、81年から女子刑務所の慰問公演を開始し、ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領の両親が、八代さんと同じ熊本県出身という縁で、ペルーへの支援も行い、94年には学校(ヤシロアキ工業技術学校)を設立しました。

 2011年の東日本大震災の後に被災地を訪れ、体育館で寒さに震える被災者の姿を見て数千枚の畳を届け、その心遣いに涙する被災者もいたと報道されています。熊本地震の後も被災地でコンサートの開催をし続けました。得意な絵については、個展の開催を呼び掛けられた時に交通遺児の助けになるようにチャリティー絵画展にするなど、いつも助けを必要としている人々の心に寄り添っていた印象があります。


 私の現役の時代、先輩、同僚達は指揮者カラヤンが全盛の時代に青春時代をおくったこともあり、クラシックフアンが多く、演歌へのアレルギーがある方も多くいました。そんな中で八代亜紀さんのフアンを表明するのは、結構勇気のいる事でした。しかし、彼女の唄う心に沁みるような演歌には「日本で一番過酷」と言われた、コンピュータ・ソフトウェア開発業務の厳しさを忘れさせ、また、幾たびか癒される思いを味わいました。

 演歌に相当する音楽は、南米やスペイン、イタリアなど多くの国々にも存在します。南米のアルゼンチンやウルグアイのタンゴ、スペインのフラメンコ、ポルトガルのファド、イタリアのカンツォーネという音楽が有名です。いずれも大地にしっかりと根を下ろし、生活者としての苦しみや喜び、さらには人々の愛や郷愁などの感情を抒情豊かに表現する歌でもあります。

 このように、日本の演歌に相当する音楽は、それぞれの国や地域の歴史や文化を反映した音楽であり、演歌と同様に、それぞれの国の人々の心に響く音楽と考えます。
 さらに、突き詰めて言うと人々の苦しみや、哀しみ、叫びに寄り添い、その人々の表現できない深い想いを汲み取り歌ったのが、演歌の本質ではないかと勝手に解釈しております。その意味では短歌にも通じるものもあると考えています。八代さんのコンサートには細君共々幾たびか伺いましたが、その席上でよく言われる「代弁者」と言う表現が、演歌そのものの本質を表していると感じたことがあります。


 こんなことも含め、長い事八代亜紀さんのフアンでありましたが、細君も大病を患い大きな手術後のリハビリの中で、八代演歌に慰められ、勇気づけられた一人でもありました。
 また、あまり知られていない八代亜紀さんのボランティアに保護猫活動があります。たまたま中学生の孫の一人のイラストが八代さんの目に留まり、昨年3月八代さんとコラボで絵本「ちーたんとあきちゃん」を出版すると言う幸運にも恵まれました。この出版はチャリティー事業として行われ、本の収益金が保護猫活動に役立てられていると伺っています。
(出版時、孫は未だ中学生であり、マスコミ等への開示は避けたいとの配慮もあり、イラスト担当は「ひまり 14才」との表示に留めました)

 偉大な歌手でもあった八代亜紀さんですが、誰にでもフレンドリーに接し、子供達からも親しまれ、愛され「身近な友だち」を貫き通した歌手は、中々存在しないとの感慨があります。

 改めて、一フアンとして心からのご冥福をお祈りしたいと思います。

コメント (8)
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新年始動へ

2024年01月06日 12時07分30秒 | 日々の歩み

2024年も明け、既に6日を経ています。
新年初のブログで、「甲辰」の年は「変革(転機)」や「激動」が示すように、時代が動く年となることが予測されます・・・と、申し上げました。その予測をなぞるように、当日の午後四時過ぎに最大震度7を観測した能登半島地震が発生しました。

     「三浦半島 諸磯湾からの富士山の眺望」

発生から6日目となった本日6日、報道によりますと石川県の死者は輪島市で4人増えて98人に上り、安否不明者は222人とのことです。輪島市は救助通報の内容などから、建物倒壊により人が下敷きになったとの情報が100件ほどあるとしており、自衛隊や警察が捜索を急いでいます。
亡くなられた皆様のご冥福をお祈りするとともに、安否不明者のご家族、さらに被災され避難を余儀なくされている皆様に心からのお見舞いを申し上げます。

     「白い山茶花」

現地で厳しい状況におかれている皆様の想いに寄り添うとともに、復旧・復興に向けて自身の出来る貢献を、ささやかなりとも続けて参りたいと思っています。

このような心の重い日々ではありますが、正月は子どもたちも受験期の子供を抱えたり、それぞれ身動きが出来ない状況もあり、比較的身軽な次男家族と共に、私たちが彼らの家に「お年玉」を届けに訪問し三が日があわただしく終わりました。そんな日々も過ぎ、初詣の参拝も行い、ようやく日常を取り戻しつつあります。

     「シクラメン」

まず、体力維持を兼ね温水プールでの初泳ぎと、遊歩道の散歩から始めました。初泳ぎの公営プールはいつものように、午後から出かけました。館長さんやスタッフの方々に新年のご挨拶を行い泳ぎ始めたものの、かなり空いており私たちも含めて数人と、貸し切り状態でゆったりと泳ぐことができました。初泳ぎでもあり、あまり無理をせずに1500mほどで切り上げ、水中歩行やストレッチを十分行ってきました。

     「東京湾を挟んで 横浜みなとみらいの街並み」

また、遊歩道での散歩も平年に比べ比較的気温も高く、散策には適した状況です。既に水仙の蕾も膨らみ、中にはほころび始めています。四季咲きの薔薇も冬の寒さの中しっかりと花をつけ、マチルダでしようか純白と薄紅の見事なコントラストの花を冬の日に耀かせています。また、野生化したシクラメンも小ぶりな花ながら咲き継ぎ、菜の花も陽だまりに咲き初めています。そんな花たちを眺めながらの散策はひと時の安らぎでもあります。

     「冬薔薇 マチルダ」

また、凪の海は湖さながらにどこまでも静かな海原が続き、能登半島を襲う津波の怖さを忘れさせ、それゆえ自然の秘める脅威を改めて感じさせられました。

こんな感慨を抱きながら、「甲辰」の年を歩み始めました。
本年も、お立ち寄り頂ければ幸いです。よろしくお願い致します。

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