四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115)

2024年01月17日 05時18分22秒 | 短歌

第一部「口語短歌・水曜サロンの会」(その115) 短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 2024年 最初の「水曜サロンの会」となります。
 ☆☆☆ 本年もよろしくお願い致します。
 ☆☆☆ 能登地震で亡くなられた皆様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
     また、被災され避難を余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。

 ☆☆☆ 楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。
 ☆☆☆ 「水曜サロン」は以下の通り第一部、第二部構成に区分して運営致し
     ていますので、それぞれに詠歌、返歌を出詠願います。
     第一部 「口語短歌・水曜サロンの会」:従来通り三首まで出詠願います。
     第二部 「ネット短歌」       :返歌専用です。
 
 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を、毎週水曜日に掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。
 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見、ご提案等をお寄せ頂ければ幸いです。


     「咲き初める日本水仙」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】24年1月1日元旦のお屠蘇気分が一変に吹き飛ぶ「石川能登地震」
  でした。長野県全域震度4~5の強さで、自宅は大揺れしました。
  このような恐怖は移住後初めて体験しました。正月後いろいろと感じる
  こともあり3首詠んで見ました。
☆辰年の天災地変現象は 我が身を守る強い警鐘も 
☆地球こそ生命体の生き物で 持続可能な社会変革を
☆冠雪の朝日に輝く浅間山 幸多かれと安寧祈る
                          浅間山明鏡止水さん
【解説】
 詞書に記された通りですね。正に「甲辰」年は「変革(転機)」や「激動」
 が
示すように、時代が動く年となると言われてきましたが、元旦早々に
 「激動」の第一弾に襲われましたね。
 被災され、身罷った多くの方のご冥福をお祈りするとともに、未だ避難を
 余儀なくされている皆様にお見舞い申し上げます。
 長野県全域震度4~5の強さで、ご自宅も大揺れだったとの事。被害の
 程はいかがでしたでしょうか。自らも味わった地震の恐怖感を踏まえた
 歌は、「警鐘」「社会変革」さらに「安寧祈る」へと切実感も滲みます。
 一首目の歌は、「石川能登地震」を「辰年の天災地変現象」と表現し、
 それが自身の命を守るための警告であるというメッセージを詠っていると
 感じました。
 「甲辰」の年の謂れを踏まえた、この歌は、自然と人間の関係について
 改めて見直しを迫るものであり、自然の驚異に対して、人間はどのように
 対処すべきなのかを訴えていると拝察致しました。
 私たちは、自身を守るためにも、自然の力に対する畏敬と、自己防衛の
 意識をしっかりと持たねばと改めて感じました。
 そんな想いを籠めて詠ってみましたが…。
【ご参考】
 ★甲辰の年の初日を襲う地震(ない)地異に備えよ 重き警鐘

【詞書】自生した山茶花の横に椿が咲いているのを見て、今度は、寒椿が
  自生しないかと空想に浸り詠ませて頂きました。
☆自生した山茶花の横 椿咲く 次 寒椿生えてこぬかな
【詞書】眩暈が完治しないので、お参りは氏神様だけで、後は、神棚に
  全集中という現状を詠ませて頂きました。
☆病ゆえ氏神だけのお参りで 唯 神棚に祈りを込めん
【詞書】氏神様へ、初詣に行ってきました。
☆曙に氏神様へ初詣 途中 帰路にて初日を拝む
                          西BOOさん
【解説】
 一首目の歌、「柳の下のどじょう」ではありませんが、山茶花に続いて
 寒椿が自生してくれたら、言うことはありませんね。
 「一度あることは二度ある」とも言いますから実現するかもしれませんね。
 そんなユーモアを感じさせる明るい歌でもあります。
 二首目の歌は、未だ完治しない眩暈の緩解を、神棚に集中して祈っている
 旨を詠んで頂きました。一日も早い回復を私たちも祈らせて頂きます。
 そして、詩情に溢れた西BOOさんの写真に一日も早くお目にかかれることを
 期待しております。
 三首目の歌を、追加出詠頂きました。
 今年は日本列島の太平洋側の地域では、いずこも初日の出を見る事が出来た
 ようですね。日の出前に氏神様へ初詣し、その帰路初日に向かって一年の
 無病息災等をお祈りする。これは、日本各地で多くの方が経験された元旦の
 祈りであったことと思います。
 この歌は、新年の神聖さと祝福を感じさせる作品と言えます。
 淡々と詠まれていますが、調べも良く新年にふさわしい歌と考えます。


【詞書】YouTube短歌 未知との遭遇
☆全ての未來は未知との遭遇
   ラ・ラ・ラッ・ラ・ラ~
  遇ふことは楽しみ
【詞書】YouTube短歌:遠くの汽笛 「遠くで汽笛を聞きながら」アリスを
    聴きながら
☆今遠くで鳴った汽笛の汽車に乗れば
    帰れる。。。

  でもこの街しか
【詞書】帰郷して、ふるさとの曲を弾いたと聞きて
☆亡き父と思い出ばかり
   ふるさとを弾きて終えれば潮騒残る
                          自閑さん
【短歌説明】自閑さんご自身の説明です。
 一首目は、だいたい正月のテレビは、お笑いと映画だったが、未知との
 遭遇を放映していました。
 第3種接近遭遇を描いたスピルバーグの1977年の映画は、ヒットしました。
 今年は、どんな未知と出会うだろう?楽しみと短歌を作りました。
 しかし、元日早々、能登で大規模な地震、羽田空港飛行機事故と、
 悪い事ばかり。禍福に一喜一憂せず、人間万事塞翁が馬と過ごせと
 言うことかもしれません。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/1e0df1ede41c690ac6e83981069b432b

 二首目は、谷村新司さんは、昨年10月8日逝去されました。昨年、亡く
 なった人々の歌を冥福を祈りながら、YouTubeで聞いて居ました。
 「遠くで汽笛を聞きながら~♪」
 「何も~いい~事が~無かったこの街で~♫」
 谷村新司さんの説明では、青函連絡船の汽笛とか。私の解釈では上野発の
 汽車をイメージして、良い思い出ばかりの故郷には帰れない、そう言う
 思いかなと短歌にしました。
 汽車も汽笛も古い物となっているが、昭和も生きた私には、今も記憶の中で
 聞こえます。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/9559d50fa92eb512a5c9308f6114543f

 三首目は、知り合いの方が、帰郷の際、お亡くなりなったお父様を思い出し
 ながら、ふるさとの曲をピアノで弾いたと聞いて、その方の想いをイメージ
 して作りました。
 一般の方へは、定型で無いと短歌と分からないので、いつもそうします。
 「潮騒残る」は、「潮騒残り」、新古今風「潮騒の音」と迷いましたが、
 変わって行く故郷、変わらない潮騒、そして思い出から残るにしました。
 「弾きて」の「て」は歌病だと思いつつ。
【解説】
 一首目の歌は、「禍福に一喜一憂せず」との説明もありましたが、未来に
 対する希望と不安を表現したものと感じました。

  「全ての未來は未知との遭遇」という上の句は、未来がどんなことを
 もたらすかわからないということを強調しています。 しかし、その
 不確かさを恐れるのではなく、「遇ふことは楽しみ」という結句で、
 ポジティブに捉えています。「ラ・ラ・ラッ・ラ・ラ~」という音は、
 自閑さんの心の中で響いているもの、あるいは実際に歌っているもの
 でしょうか。いずれにしましても、この音は、希望に満ちたものと
 感じられます。
 また、この歌は、口語的で軽快なリズムを持っていますが、その中にも深い
 思慮が込められ、未来に向かって歩む姿を想像させる一首だと
考えます。
 二首目、谷村新司さんの歌はアリスの時代から私達世代の心のよりどころ
 でもあったと思っています。

 今回の短歌のテーマの「遠くで汽笛を聞きながら」も、あの時代の応援歌
 でもあったと思っています。

 特に、三番の歌詞「自分の言葉に嘘はつくまい 人を裏切るまい 
 生きてゆきたい 遠くで汽笛を聞きながら 何もいいことが
 なかったこの街で」の詞が胸に刺さった記憶があります。
 また、この歌は、心の葛藤を表現しているようにもとれます。
 遠くから聞こえる汽笛の音に、故郷や昔の思い出を想起しますが、
 今住んでいるこの街にも愛着や居場所を感じているとの想いも滲みます。
 「帰れる」しかし、「この街にとどまる」という心の揺れも繊細に表現
 されていますね。さらに、この歌は、心憎いまでに韻律も工夫
されており、
 よみやすい歌となっています。

 口語短歌で、歌の調べと十分な物語性が表現された学ぶべき詠歌と考えます。
 三首目は、友人の亡き父との思い出と、変わりゆく故郷の風景を結びつけて
 詠っていますが、「潮騒残る」という結句で、未だ
変わらぬ自然のあることを
 静かに示しています。

 潮騒は、悲しみや哀愁を感じさせる音ですが、それは友人の亡父への深い
 想い寄り添った、作者の想いをも感じさせます。

 三首とも、新春詠としての格調を備えた鑑賞しがいのある歌と感じました。

【詞書】新年を迎えて三首。
☆ぬばたまの黒髪濡るる金の湯に いよつつがなく年を迎へむ
☆六甲に初茜(はつあかね)さし ほのぼのと 身もこころにも 温かさ満つ
☆あらたまの春に沸き立つ彩雲の 竜昇るごと 夢よ叶はむ
                          みっちっちさん  
【解説】
 一首目の歌は、新年を迎えるにあたっての、作者の心境と心意気を詠った
 ものと拝察いたしました。
 「ぬばたまの黒髪濡るる金の湯」という上の句は、温泉に入って黒髪を
 濡らしている姿が浮かびますが同時に、その風景が美しく描写されています。
 金の湯とは、夕日や灯りに照らされて金色に輝く湯のことでしょうか。
 なお、この「金の湯」は有馬温泉にある「金泉」の事ではと、夕庵さんに
 教えて頂きました。
 いずれにしても、作者はご自分の身体を清めながら、新しい年を迎えるに
 あたっての期待や、祈りを込めて詠っていると考えました。 
 与謝野晶子の歌を彷彿させる、女性の豊饒さを感じさせる歌とも感じました。
 三首目の歌も、「沸き立つ彩雲の 竜昇るごと」の表現が秀逸です。


     「水仙の花」

【詞書】竜年の元旦から思わぬ大地震に見舞われた石川県、TVに釘付けの
  数日でした。ここにあらためて被災された方にお見舞いするとともに、
  大切な命を奪われた大勢の方たちのご冥福をお祈りいたします。
  こんな時にこんな歌をと思いましたが、余りの惨状に歌は出来ません
  でした。敢て用意していたのを出詠させていただきます。
☆竜年の弟も居て同胞は息災にして祝う新春
☆白粉の残り香ほのと漂わせ舞妓行き交う花街の春
☆つんつんと鋭き青い葉のなかに水仙一花元旦を咲く
                          夕庵さん
【解説】
 詞書に記された通りですね。私も、新年最初のブログに「甲辰」の
 年は「変革(転機)」や「激動」が示すように、時代が動く年と
 なると言われてきたと申しましたが、元旦早々に不幸にも
 「能登半島地震」と言う「激動の第一弾」が発生してしまいました。
 改めて、被災され、身罷った多くの方のご冥福をお祈りするとともに、
 未だ避難を余儀なくされている多くの皆様にお見舞い申し上げます。
 このような時こそ、それぞれの方が、自らを律して冷静にふるまう
 ことが求められていると感じます。短歌もその一助になると思って
 います。
 三首の歌を詠んで頂きましたが「同胞は息災」「花街の春」
 「水仙一花」と新年の始動を、静かに表現されていて共感を誘います。
 特に、二首目の「残り香ほのと漂わせ」の表現が良いですね。
 これは、舞妓の化粧や身だしなみに対する丁寧さや美しさ、さらに
 舞妓のもつ気品や控えめな態度を温かな眼差しで表していると感じます。
 また、花街の春という言葉は、賑やかさや華やかさを連想させますが、
 この歌には、そうした春の喜びだけではなく、舞妓の仕事や生活に
 対する苦労や哀しさをも気づかう、優しさも滲んでいます。
 三首目の「つんつんと鋭き青い葉の」の表現も、独特の視点を示し
 いいですね。

【詞書】縁あって群馬に越して来て25年を過ぎました。遠い〜と思って
  いた千曲川や佐久平…実家への往復で雄大さを身近に感じます🎵
  住めば都ともいいますが、広い大自然に抱かれて生きる。とても
  贅沢な人生闊歩と思えます🙇今年も口語投稿楽しませて頂きたく。
☆朝霜に 凍りし青菜
    陽を受けて
  瑞々しさも 生き吹き返す
☆里山に あさげの煙
    たなびいて
  静かに流れる 初春の雲
                          クロママさん
【解説】
 群馬に越されて25年とのこと。おっしゃる通りで、まさに住めば都は、
 年々歳々その想いを深めておられることと思います。
 千曲川、軽井沢、佐久平も、お住まいからは比較的近く大自然に抱かれて
 生きている実感もおありと思います。
 新春を迎えた今の季節を「凍りし青菜」「初春の雲」の言葉に託して、
 明るく詠まれた歌は好感が持てます。
 特に、二首目の歌は、自然の美しさと静寂を詠み、自然の一部としての
 人間の存在をも表現しているとも考えます。また、韻律的にもよく練られ
 心地よい余韻を残しています。
 「初春の雲」は、朝げの煙との取り合わせで里山の長閑な雰囲気を
 醸し出し、さらに新鮮さや希望を感じさせてくれます。

【詞書】さる方が私の身を心配していると風の便りに聞こえてきましたから、
  その方に対するお返事の代わりとして、次の歌を詠いました。
☆疑はれゐたるこの身は隠し置く疑ひ晴れる日が来るまでを
☆曲げられて曲げられてこしこの名ゆゑ暫し黙して直るを待たむ
☆みづからは動かず神が直される日を待たむかなかうなりしかば
                          suisenさん
【解説】
 今回の出詠歌につきましては、作者の想いと、作者をめぐる皆様の想い
 との相違及び、乖離が結構ありますので、歌評等は控えさせて頂きます。
 ただ、「掲載うんぬん…」との作者からのコメントがありましたが、
 このサロンの在り方として、出詠頂きました短歌は誹謗・中傷、
 さらにヘイトスピーチ等に相当するものでない限り原則として掲載させて
 頂きます。これらの歌から、皆様で学びご参考として頂ければ幸いです。
 その点は、作者にも、皆様にもご理解頂ければと思います。


【詞書】地震のことを古語では「ない」というというのはいつ知ったこと
  だったのか…。初めて知ったのは阪神淡路大震災より後だったようで、
  震災にみまわれた当時の映像を思い出し、「ない」と言う言葉に“何も
  かも無くなる”印象を持って、「昔から恐ろしく、悲しいことやったん
  やな」と思った記憶があります。
  どうか、能登を始めとする北陸の方々が一日も早く心安らかな日々を
  送ることができますように。私自身は北陸とはご縁はないんですが、
  「スキップとローファー」(私はアニメで)の主人公の出身が能登という
  設定だったので、去年に地図など見て地名がいくつか頭に入っていた
  ので、尚更ショックでした。
☆「ない」という 古語から感じる恐ろしさ 地龍よ鎮めよ地下の世界を

【詞書】暮れに娘さんか息子さんが来られてたようですが、長いことお隣は
  ご不在が続いています。が、
数日前にフェンス越しに蠟梅が咲いているのに
  気付きました。世話を
する人は居ないけど律儀に、しかも綺麗に咲いて
  いるよなあと
感心するとともに、隣の人は誰もこの花を楽しむことは
  出来ないんだな
…と思うと、声を出して「綺麗やなあ!」と褒めてやるのが
  この花木への
せめてもの激励やと思ってます。
☆朝陽浴び 蠟梅青き空に映え
     主居ずとも咲く時違えず

【詞書】1月15日(旧、成人の日😅)は誕生日でした。1964年生まれなんで
  一応60歳になったようですが…。実感わかねえ~っ!!まあ、のんき者で
  鈍くさい私が、大事なくこの歳になったのは、まあ何と有難いことだよ
  なあ…。と一応思う訳です。“カンレキーズ”は、大好きな某グループこと
  THE ALFEEさんの2015年(もうこのあたりからライブに行けていません😥)
  のコンサート(クリスマスの武道館らしいです)で、GSのグループのような
  ミリタリールックで突然現れたグループだそうです。ちなみに英語の
  綴りでは“The KanLeKeez”です。彼らのおかげで、60歳を迎えることも、
  何てことなくなりました。
☆誕生日 何事も無く行き過ぎて
     「“カンレキーズ”か。有り難いこと」
                          ちがやねこさん
【解説】
 「龍🐲の年、龍もドラゴンも大好きな」作者、おっしゃる通り「災害が
 これ以上起こりませんように…」と祈りたいのは、皆さん共通の想い
 ですね。
 一首目の歌は、「ない」という 古語から感じる恐ろしさを実感を込めて詠い
 「地龍よ鎮めよ地下の世界を」の下の句も、願いと祈りを込めた重厚な
 詠いぶりに学ばせて頂きました。
 「地龍」は、地中に潜む龍のことで、古代中国では地震の原因とされる
 説もありました。この言葉を使うことで、作者は自然の驚異に対して祈りや
 願いを込めていますが、「鎮めよ」という命令形で私たちの
無力さを示す
 と同時に、地龍に対する敬意や畏怖も表しています。

 二首目から「東風吹かば匂いよこせよ梅の花・・・」と詠んだ菅原道真が
 偲ばれます。主なくても律儀に咲く蝋梅に寄せた、作者の優しさが滲む
 歌となっていますね。しみじみとした薫り高い歌と感じます。
 三首目、1月15日(旧、成人の日)は誕生日とのこと。還暦を無事迎えられ
 おめでとうございます。「有り難いこと」は実感ですね。益々のご健勝を
 お祈り申し上げます。

☆風花の未だ舞い来ぬ街にいて 能登の厳しさ さらに感じて
                         ポエット・M
【解説】
 能登地震は、令和6年1月1日に石川県能登地方を震源とする最大震度7の
 地震でした。この地震では、石川県内で16日午後2時の時点であわせて
 222人の死亡が確認されており、重軽傷者は、県内全体で
1036人となり、
 1万1000戸以上が住宅被害を受けているとのことです。

 このような災害を受ける中で、さらに、降り続く雪に閉ざされ寒さに
 凍える能登の厳しさを想い詠ってみました。
 私の住む街は、未だ風花さえも舞う事のない地で、その申し訳なさも
 含めて、幾たびか尋ねた冬の能登の凍れる様を重ね偲んでおります。
 改めて、能登地震で亡くなられた皆様の御霊のご冥福をお祈りすると
 ともに、被害にあわれた皆様に、心からのお見舞いを申し上げます。


     「ビオラ」

「山法師 短歌の章」鑑賞 紅林茂夫著(22)

  「山法師」はエコノミストでもありました著者の経済学の論文を始め、小説、
  短歌等を著者により厳選され著作を集めた著者渾身の著書でもあります。
  その著書から、短歌を抄出し三首づつ紹介させて頂きます。
     
6.「短歌の章」 雪(3)

   病む窓に春の雪降る白々と
           一生(ひとよ)の想ひ清しかるべし
            
   雪降れりまなこ閉づれば清々と
           雪降りやまず まなこのうちに

   眼閉づれば わが血脈の打つひびき
           春降る雪の中に聞こゆる

【短歌入門・質問・紹介・提案コーナー】
 文字数制限により割愛致します。

【運営にあたって】
 (1)投稿期間は、原則として毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
   なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2)おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
   なおブログの字数制限(コード30,000字)等により詞書等編集させて頂く
   場合もありますので、ご容赦願います。
 (3)口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4)投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5)作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6)掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7)掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
                     了


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21 コメント

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Unknown (1948219suisen)
2024-01-17 05:52:30
掲載していただき、ありがとうございました。

詞書なしですけれども分かる人には分かっていただけると信じています。
返信する
短歌投稿 (knsw0805)
2024-01-17 06:27:08
Shouさん、おはようございます。
浅間山明鏡止水です。
短歌投稿します。

「詞書」24年1月7日日曜日NHK大河ドラマ「光る君へ」が始まりました。内容は紫式部の一生がテーマですが、源氏物語や紫式部日記・紫式部集を少し学んでみようかなと思いました。それらには和歌(巻名歌等)が沢山ありますが、その和歌の返歌を口語短歌で提出しようと思いつきました。返歌は源氏物語の内容や進行に合わせてではなく、短歌に沿った言葉・単語や自然・地名からヒントをもらい詠もうと思っています。これから毎週源氏物語巻名歌から2首、紫式部集より1首の計3首提出しますのでご指導よろしくお願いします。

源氏物語巻名歌・1帚木(ハハキギ)
歌の背景
光源氏十七歳。雨夜の品定めの後、「中の品の女」に興味を持った源氏は、空蝉を知ります。再度の逢瀬を願う源氏に対して、伊予の介の若い後妻である空蝉は、自らの立場もわきまえて拒みます。

「帚木の心を知らで園原の 道にあやなく惑ひぬるかな」 光源氏
「数ならぬ伏屋に生(お)ふる名の憂さに あるにもあらず消ゆる帚木」 空蝉

返歌
「峻険な伏屋に生える帚木は 遭うこと難しと歌い残すも」
「中流の身分の違い頑なに 薄衣脱ぎ捨て拒み続ける」

参照
帚木(ハハキギ)~ほうきの材料になる木(ここでは絵空事・歌空言的な存在をさす)
園原~長野県下伊那郡阿智村智里
伏屋~身分の卑しい者が住む貧しい小屋

紫式部集・1
「めぐりあひて 見しやそれとも わかぬまに 雲がくれにし よはの月かな」 紫式部

返歌
「めぐり遭い君と僕との交差点 ロマンチックに時空のどこかで」
返信する
Unknown (西BOO)
2024-01-17 07:13:29
おはようございます。
早速、二首出詠させて頂きたいと思います。

元日の能登半島地震を詠ませて頂きました。

元日に 震度7超 火事 津波 神と仏は何処へいずこへ

成人の日を詠ませて頂きました。

制服は廃止の風潮ありけむも 変わらぬ振袖 成人の日

よろしくお願い致します。
返信する
suisenさんへ (ポエット・M)
2024-01-17 20:18:27
suisenさん こんばんは。
ご丁寧なコメントを頂き恐縮しています。

歌評は申し訳ありませんが、控えさせて頂きました。
返信する
Kenさんへ (ポエット・M)
2024-01-17 20:26:40
kenさん こんばんは。
早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

「源氏物語巻名歌から2首、紫式部集より1首の計3首」への返歌を
詠み続けるとの企画は、「凄い」と言える野心的なものと考えます。
また、「紫式部と言う方の古典にも触れることが出来て自分なりに
ワクワク感が一杯」と、おっしゃっていましたが、手ごわいかも
知れませんが、大いに挑戦して行かれることをお勧めします。

源氏物語には和歌795首が詠み込まれ、男女間の秘め事など話の核心部分
等は、文章ではなく和歌によって婉曲に描かれる場面も多く、物語の
品位が保たれていると感じます。従って和歌を理解することなしに
この物語の核心部分には迫れないとも考えます。これらを踏まえ、
Kenさんの挑戦が継続され、成功することを祈っています。

「空蝉」への返歌(二首目)を、空蝉の本心を類推し、少し吐露しつつ
詠んでみましたが…、いかがでしょうか。
★愛しくも叶わぬ定めと拒みいる 消ゆる帚木わが身切なき
返信する
西BOOさんへ (ポエット・M)
2024-01-17 20:28:08
西BOOさん こんばんは。
早々に「水曜サロン」へ出詠頂きありがとうございます。

一首目は、皆さん共通の想いかと思います。
正に、あの惨状下では「神と仏は何処へいずこへ」と叫びたくなりますね。
そんな想いを直截に詠み共感を誘う歌になっています。

二首目も、「現代の不思議」のひとつですね。制服廃止が叫ばれて久しく、
年々制服は減っており、無くなりつつありますね。しかし、成人式の振袖姿は
根強く残っています。
和服メーカーと呉服商、さらにデパート等々の巧妙な戦略も依然として
続けられているということでしょうか。最も人生に一度の、成人となる本人の
切なる願いも反映されていることも大きいでしょうね。
しかし、世の風潮へのひとつの「疑問符」の歌としても、面白いですね。

今年もよろしくお願い致します。
返信する
浅間山明鏡止水です (knsw0805)
2024-01-17 21:42:40
ご指導ありがとうございます。
元歌
「数ならぬ伏屋に生(お)ふる名の憂さに あるにもあらず消ゆる帚木」 空蝉
返歌
「中流の身分の違い頑なに 薄衣脱ぎ捨て拒み続ける」
ご指導返歌
★愛しくも叶わぬ定めと拒みいる 消ゆる帚木わが身切なき

やはりご指導返歌は全句に空蝉の切なさが滲み出ています。特に4句と5句の繋がりが抜群と思いました。今までは世界文化紀行での対応でしたが、源氏物語の和歌になってきますと男女のロマンスですので艶やかで楽しいです。

今回は空蝉の短歌に上手く嵌まりましたが、次回からは言葉や文字だけの返歌になる可能性が多いと思いますのでくれぐれもよろしくお願いします。
返信する
Unknown (みっちっち)
2024-01-18 06:36:52
おはようございます。
冬の蝶を三首詠みました。

はかない命を最後までふりしぼり懸命に飛ぼうと羽ばたく可憐な美しい姿に打たれます。

⭐️落ちかけて なほいのち舞ふ冬蝶の 高さに日矢は 及ばざりしも

⭐️冬蝶の終章の地か 身を委ね 黄色灯せる 庭石の上

⭐️冬蝶のいのち今しもかすかなり かそけき息に揺るる薄翅

よろしくお願いいたします。
返信する
今週の詠草です。 (夕庵)
2024-01-18 09:10:47
おはようございます。
詞書
来し方、これからのことを思うとき、余生は穏やかなれと、念頭に願ったことでした。

☆水草の流れのようにわが生も清貧にして穏やかなれと

詞書
楽しみは娘とのショッピング、何気なく入ったお店で試しに手にしたのが黒いベレー帽でした。

☆嬉しいな 娘とお揃えのベレー帽 鏡に映して斜に構えたり

詞書
先日来の暖かさで一気に蝋梅が咲き出しました。
青空にレモン色が美しく映えています。

☆凍て空に花びら震わせ蝋梅は春の兆しの明かりを灯す

よろしくお願いします。
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Unknown (risukurumi48は)
2024-01-18 10:03:12
リコです。
今年もよろしくお願いします

明日の19日(金曜日)10:30〜11:45 NHKテレビで宮廷歌会始の儀が放映されます! 「和」

昨年は出版で忙しかったので私は今年はノビノビと暮らします。
詠草、
歌に聞く「憎い会いたい恋しい」と人の情念これこそ命

鷹揚な夫の支えのあればこそ私は私飛び跳ね暮らす

よろしくお願いします。
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