四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その59)

2022年11月02日 05時50分38秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その59)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆


 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の詠まれた
 短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に短歌を
 投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。



     「薔薇 プリンス・ドウ・モナコ」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】先日秋晴れの下、奈良県の般若寺へコスモスを見に行きました。
    満開のコスモスに本堂も石仏も花に埋もれていました。
☆コスモスのほほと揺れいる古寺の眉美しき石の仏よ
☆コスモスの迷路へ一歩足を入れさ迷うわれは異邦人なり
☆花びらの数だけ苦しいこともあり秋桜けさはほのと揺れいる

                         夕庵

【解説】
 般若寺の境内一帯には、15万本のコスモスが開花し境内に並ぶ石仏を包み込む
 ように咲いているとのこと。この景観は風情があり、正に「花と仏」ですね。
 「眉美しき石の仏よ」「さ迷うわれは異邦人なり」の表現は秀逸と考えます。
 なお、三首目についてコスモスを主体に詠んでみました。
 【ご参考】
  ★コスモスのまとう哀しみ 寄り添いて 慰めいるや石仏の笑み


【詞書】10月21日御代田・ココラデで昼食を、その日は良く晴れていまして、
    愛犬たちと老夫婦が何組か散歩していました。そして浅間山の上空には
    秋の空代表する「いわし雲、うろこ雲、羊雲」等がありました。
    それで短歌を詠みました。
☆いわし雲 空晴れ渡り 次々と 浅間の山に かかりて消える
☆晴れた日に 羊雲たち くっきりと 眺める犬も のどかに遊ぶ
☆のんびりと 愛犬連れの 老夫婦 晴れ渡る空 うろこ雲流る

                         浅間山明鏡止水 (knsw0805)さん

【解説】
 秋空に浮く雲と、すっくと聳える浅間山を眺めながらの「御代田・ココラデ」での
 昼食とは良いですね。今の季節、外の庭園のベンチで頂く昼食も良いでしょうね。
 三首の歌は、そんな状況を反映し雄大で、爽やかな歌に仕上がっていますね。
 一首目の「いわし雲 空晴れ渡り」の「いわし雲」が浮く空は晴れていますので
 「空晴れ渡り」は二重表現となるかと思いますので、少し整理してみましたが…。
 【ご参考】
  ★いわし雲 浅間の山に かかりては 次々消えて 秋も深まり



     「群れ咲く 秋桜」

【詞書】十勝岳の標高1,000m付近に野趣満点の「吹上露天風呂」があります。
    自転車で登りひと風呂浴びるのが至福の楽しみになつています。今年も休み休み
    何とか行けました。
    零餘子という俳人の句碑があり、以前、調べたことがありますが、冬の十勝岳に
    馬橇で登った時の句であることを知り、今年はそのことを考えたりしてペダルを
    踏んでいました。因みに句碑には、以下の通り刻まれていました。
     -鬼欅の中の温泉に来ぬ橇の旅-
☆吹き上げの温泉に建つ句碑ひとつ零餘子という俳人を知る
                         I.SATO(楕円と円)さん

【解説】
 標高1,000m付近にある野趣満点の「吹上露天風呂」は、自転車でそこまで登った
 方への「ご褒美」で、まさに至福のひと時を過ごすことが出来たことと思います。
 そんなワクワク感を抑えて、長谷川零餘子( はせがわ・れいよし)の句碑の存在を
 詠う奥ゆかしさを感じます。また、「句碑ひとつ」の表現が凛と響きます。
 なお、長谷川零餘子は、北海道の俳句界に多大の影響と足跡を残した俳人とのこと。
 俳句の大結社、ホトトギスを離れて、俳誌「枯野」の創刊主宰された経緯は諸説
 ありますが、そこに反骨の想いを感じます。
 創刊後、「枯野」への投句者は北海道から九州、台湾、朝鮮、支那までの広範囲に
 及び、五年間に八千人以上を数え、俳壇での活躍は著しかったとのことですね。
 激しい吹雪の中、馬橇とは言え吹上温泉まで、12時間かけて辿り着く気骨をもった
 方との事で、いわゆる「文弱の…」の印象は無いですね。


☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆どれほどの虫がすだくや夕闇の花野の底に命つなげて 
                         ポエットM
★夕闇に消ゆる花野を見る人の聞こえぬ耳に集く虫の音
                         水仙さん
★突然の訃報に呆と言葉なし軒の下葉の虫も時雨よ
                         夕庵さん
★遥かな日心残して別れるも 訃報に呆と虫時雨止み
                         ポエット・M

☆晴れた日に羊雲たちくっきりと眺める犬ものどかに遊ぶ         
                         浅間山明鏡止水様  
★窓をゆく神の使いの羊雲ふわふわ巻き毛の詩おりてくる      
                         夕庵さん

☆恐れなく 人の命を 軽んじる 罪と思わぬ 我欲の者ら
                         クロママさん
★為政者の犠牲になるは大衆で 罪なき人の怨嗟聞こえる
                         浅間山明鏡止水さん

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆

☆ナラ枯れの大樹に絡む蔦紅葉 滅びはともに艶やかにして
                         ポエット・M

【解説】
 鬱蒼と茂る森のそこかしこに、ナラ枯れと言われる枯れ木の一群がありました。
 かなりの巨木も、その例にもれず葉を既に枯らしながら、幹は依然として艶を
 帯び、ひと際存在感を放っていました。その幹に絡んだ蔦紅葉が鮮やかな紅に染まり
 滅びを前に終焉の輝きを放っています。滅びゆく巨木と運命を共にするかのように
 絡みゆくその姿に、なぜか共感し人の世の哀しみを重ねて詠んでみました。



     「秋桜の群れ」 

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (2)
 
 1.貴女へのレクイエム(2)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    良を見て
      貴女は微笑む
          永遠の
       微笑のごとく
          貴女はほほ笑む

           助けてと
             叫ぶあなたを
            助くべき
              たった一つの
             術もなき我

               唇の
                次第に乾く
                  貴女を見て
                 急に浮かんだ
                   レモン哀歌よ

         病院を
           脱兎のごとく
              飛び出して
            急ぎ購う
               一つのレモン

     病室に
       ぱっと広がる
          まだ青き
         青きレモンの
            レモンの香り



     「紅に染まりつつある 酔芙蓉」
   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しいことであります

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「白いコスモス」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
コメント (17)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする