四季の彩り

季節の移ろい。その四季折々の彩りを、
写真とエッセーでつづって参ります。
お立ち寄り頂ければ嬉しいです。

「口語短歌・水曜サロンの会」(その62)

2022年11月23日 06時41分07秒 | 短歌
「口語短歌・水曜サロンの会」(その62)   短歌の投稿を歓迎します!!

 ☆☆☆ 明るく、楽しく、和やかな短歌の交流広場を目指したいと思います。 ☆☆☆
 ☆☆☆ 短歌の投稿と共に、投稿歌の歌評、感想、ご意見等もお寄せください。☆☆☆

 「口語短歌・水曜サロンの会」は、このブログにお立ちより頂いている皆様の
 詠まれた短歌を掲載し、その作品の鑑賞を行うサロンです。

 短歌の初心者の方から、ベテランの方まで、所属する短歌会等を越えて、自由に
 短歌を投稿し、鑑賞しあえる「賑わいのあるサロン」を目指したいと思っています。
 皆様の短歌の投稿と、歌評、ご意見等をお寄せ頂ければ幸いです。

【サロンの運営について】
 運営等につきましては、末尾に記させて頂きますので宜しくお願い致します。


     「咲き満ちる皇帝ダリア」

「ブログ友の投稿短歌 交流コーナー」

【詞書】11月8日ココラデ、紅葉に染まる浅間山、山が赤黄緑そして雲の黒い影と
    色彩のまだら模様で何とも言えない魅力がありました。その様を詠んで
    みたくなりました。
☆浅間山麓の村は秋深く その色彩は片岡 球子
☆浅間山雲が映りて影黒く 色鮮やかさ不思議な景色」
☆浅間山まだら模様で不思議さも 色濃く反映秋の絶景」

                         浅間山明鏡止水さん

【解説】
 レストラン・ココラデから眺める今の季節の浅間山は、その圧倒的な存在感と
 優美な山容を秋空の下に見せていたと思います。「その色彩は片岡 球子」と
 詠われる通り、紅葉の美しさと共に力強さもありますね。
 片岡 球子と言えば、その型破りな構成と大胆な色使いで、今までの日本画の
 イメージを塗り替えた方との印象があります。
 箱根にあります成川美術館で彼女の作品を見た時「これも日本画?」と
 驚いた記憶があります。それだけ物の本質に迫る迫力が画面にみなぎっていた
 のかも知れません。
 一首目は、そんな画家の描く風景のイメージを、浅間山の秋の風景に重ねて詠い
 色彩のグラデーションを明確に表現していると感じました。
 一首目につき、少し誇張もありますが手直ししてみました。いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★秋たけて 浅間の裾を染める色 片岡 球子の絵をも凌ぎて


【詞書】先日娘と京都の宇治を訪れた時の歌です。今回はテト(子犬)を
    連れてのドライヴだったので、何回も行った平等院とその参道
    のみでした。源氏物語ミュージアムも見せてやりたかったのですが、
    パスしてお茶を楽しみました。
☆お茶を煎る芳し匂いに誘われて三色団子を茶屋で一服
☆「宇治十帖」物語する名を今に「朝霧橋」や「早蕨の道」
☆宇治川の速き流れに目をやりて遥かな物語(はなし)の「浮舟」しのぶ

                         夕庵さん

【解説】
 京都の宇治は、喧騒はあるものの「源氏物語」の世界に浸るには、いい季節
 でしょうね。テトちゃんを連れて施設の訪れは、結構制約はあるでしょうが
 テトちゃんにとっては楽しい一日になったことと思います。
 なお、「宇治十帖」は『源氏物語』の最末尾にあたる第3部のうち後半の橋姫から
 夢浮橋までの十帖をさして呼んでいますね。そんな物語を今に留める「早蕨の道」、
 「浮橋」をめぐり詠うことは、まさに「歌枕の旅」でもありますね。
 三首目は、薫と、匂宮との板ばさみになって揺れ、自死までも決意する「浮舟」の
 哀しさに寄り添い詠んでみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★「浮舟」の 秘めたる想い哀しみも 浮かべ逆巻く宇治の流れよ


【詞書】平地でも雪がちらつく季節になりました。
    春先に農作業の手伝いに行った農家の新米の湯気に一年を感じるこの頃です。
☆寒風に苗運びし春の日を思い浮かべて新米食す
                         I.SATOさん

【解説】
 作者の活躍のフィールドの広さに驚かされます。自転車の全国旅行はもとより、
 農作業やカメラの撮影、さらに短歌等々、いずれの分野も手を抜かず極められて
 いる、その姿勢に頭が下がります。
 詞書にもありますように「農作業の手伝いに行った農家の新米」を今の季節に
 味わう、作者の至福のひと時を、詠歌と共に思い浮かべています。
 「寒風の苗運び」等、生産に関わった思い出と共に味わう新米の味も格別と
 思います。
 厳しい環境の中でも美味しいお米に育てた「ゆめぴりか」や「ななつぼし」に
 至る開発の歴史を思うと、そこに払われた先人たちの血の滲むような尽力の跡に
 粛然とした思いにさせられます。
 これからも、大地に足を付けた骨太な詠歌に期待しています。


     「薔薇 プリンセス・ミチコ」

【詞書】今日の風景を 人生の扉 竹内まりやを聴いて
☆明日が大事ではなく今が重要
  その積み重ね
     この風景を

                          自閑(jikan314)さん
【短歌説明】自閑(jikan314)さんご自身の説明です。
 スランプなので、旋頭歌など作ってみましたが、いまいちしっくり来ないので、
 温故知新と2010年に作った短歌を投稿します。この時代の作風の良かった点、
 足りない点をもう一度思い返して、省みようと思っております。
 他のblogに投稿していたのですが、今度廃止になるので、gooblogに引っ越しです。
 何もない今日のこの風景ずっと覚えていたい。と言うイメージです。
 竹内まりやさんも67歳とか。いつまでも最前線でご活躍されています。
 下記URLに曲を張り付けておりますので、御覧頂ければ幸いです。
 https://blog.goo.ne.jp/jikan314/e/8375f31fc644ef302ae7222f00d45f90

【解説】
 竹内まりやが50代を迎えて作った曲「人生の扉」を、ご案内頂いたユーチューブで
 視聴させて頂きました
 耳に心地よく響く歌声と英語の歌詞が魅力的なナンバーで、私たち世代の心にも
 十分響く曲で、感動しつつ聴かせて頂きました。
 四季折々の素敵な映像を背景に紡がれる歌声と、歌詞に改めて酔いました。
 特に、「ひとつひとつ人生の扉を開けては 感じるその重さ」は深い詞ですね。
 作者の詠歌の「明日が大事ではなく今が重要」に繋がります。

  「人生の扉」の歌詞(部分)
    満開の桜や色づく山の紅葉を
    この先いったい何度見ることになるだろう
    ひとつひとつ人生の扉を開けては
    感じるその重さ
    ひとりひとり愛するひとたちのために
    生きてゆきたいよ


【詞書】紅に染まる和美(わみ)峠で、クロちゃんとの散歩の様子を詠みました。
☆夕映えに 萌えるモミジの
   和美(わみ)峠
     クロの尾っぽに
    枯れ葉がひとつ

                         クロママさん

【解説】
 今回の出詠歌も愛犬クロちゃんとの散歩の風景が愛情深くを詠まれていますね。
 夕映えに燃え立つもみじが、クロちゃんの尾っぽにゆっくりと散る様子が素敵に
 表現されていると考えます。文言の整理を少ししてみましたが、いかがでしょうか。
【ご参考】
 ★夕映えに 燃えるモミジの
   和美(わみ)峠
      クロの尾っぽを
    かすめ散りゆく



     「秋明菊」

☆-----------☆ 「ネット歌会」開始 ☆------------☆
【詞書】先週に引き続き「ネット歌会」として展開された詠歌を掲載致します。
    注) ☆:元歌  ★:返歌

☆夕映えを映し燃え立つもみじ葉よ 季(とき)の形見も華やかにして
                         ポエット・M                    
★あの人に愛されし季(き)を形見とし紅葉(もみ)づりはてし吾(あ)は冬に入る
                         水仙さん
★紅葉(もみ)づりを 君の想いの形見とし 互いの秋を 偲ぶよすがに
                         ポエット・M
★親しみし黒きレースの手袋よ 母の形見と尽きぬ語らい
                         夕庵さん
★香り立つ黒きレースの手袋に かの日の母の想い偲ばん
                         ポエット・M

☆------------☆ 「ネット歌会」了 ☆------------☆


☆山一つ紅に染め沈みゆく 秋の落暉は 瞬きに似て
                         ポエット・M

【解説】
 「秋の日は釣瓶落とし」と久しく言われていますが、海辺を縁取る森の木々が秋の
 落日を受け燃え立つように染まっています。紅一色ではなく黄葉、緑葉も交じり
 絶妙なグラデーションが落日に染まり目の前に展開されています。
 その輝きもまさに一瞬で、入日とともに薄闇の中に沈んでいく景観を目の当たりに
 しました。木々がまとう終焉の耀きにも似た鮮やかさも一瞬に反転する、そんな
 自然の営みを詠歌に留めようと、あがきつつ詠ってみました。


     「落暉に染まる紅葉」

「五行歌集 ―君へのレクイエム― 」鑑賞 嵯峨吹雪著 (5)
 
 1.貴女へのレクイエム(5)


   貴女(きみ)の御霊よ!永遠に安かれ!

    昼も夜も
       食べてよく寝る
            猫の良
        昨夜はろくに
           食わず眠らず

          猫さえも
            いやいやもしか
                 猫のみが
               真にあなたの
                  死を知り嘆く

                 凍りつく
                   冬の朝(あした)に
                        はらはらと
                      天より白き
                        雪の舞い散る

         深々と
           降る白雪や
              昏々と
            永遠の眠りの
              貴女(きみ)が朝(あした)に

     教会は
       終(つい)の我らの
           安住の
        天の住家の
            影か平安



     「ツワブキの花」

   
【短歌入門・質問・提案コーナー】
 この「水曜サロン」に集う皆様の直近のコメント等に記された、短歌を作るうえでの
 ヒント、質問、諸々の疑問点、さらにご意見等について触れていきたいと思います。
 皆様からのご提案、歌評、さらに素朴な疑問も含めて、コメント欄にお寄せ頂ければ
 幸いです。
 なお、私の「質問への回答」は、あくまでも一つの「解」でありますので、他の回答、
 反論、ご意見等もありましたら、このコーナーで大いに議論して参りましょう。
 それが学びに繋がれば嬉しい限りです。

【サロン参加者からのコメント】先週に引き続き掲載いたします。
   自閑さんよりのコメントです。
 今回は、新古今から離れて、建礼門院右京大夫を紹介します。

 建礼門院右京大夫は、建礼門院(平徳子)に出仕し、平資盛と恋仲となり、
 平家の都落ちで生き別れ、壇之浦の後、建礼門院を大原に訪ねる様子が、
 建礼門院右京大夫集にあります。
 滅多に古典を現代語に訳さないのですが、右京大夫集と今昔物語集だけは、
 訳をblogに掲載しております。右京大夫のイメージとして、若尾文子さんが、
 語りかける様にと自分では思っております。

  寿永の平資盛との別れ
   またためしたぐひも知らぬ憂きことを見てもさてある身ぞうとましき
    拙訳 また他に前例の無く、同じ樣な事も知らない生き別れという辛い経験を
       したのに、まだこうしてそのままに生きている自分がうとましい…

  大原訪問
   今や夢昔や夢と迷はれていかに思へどうつつとぞなき
    拙訳 今の詫び住まいが夢なのか、昔の栄華が夢なのか迷ってしまい、
       どう考えても現実のことと思われません

   仰ぎ見し昔の雲の上の月かかる深山の影ぞ悲しき
    拙訳 昔、宮中で拝見致しました雲の上の月の樣にお美しかった建礼門院樣が、
       この樣な深山にお住まいの御樣子を拝見致しますとは悲しい事であります。

   山深くとどめおきつるわが心やがてすむべきしるべとをなれ
    拙訳 (建礼門院樣のお住まいになる)この山深い大原に残して置いてきた
       私の心が、やがて出家するという導きの道標となっておくれ

 右京大夫集は、再度注目されたのが、太平洋戦争で、夫や恋人を出征で戦地に送った
 方々から読まれたとの事です。
 大原の寂光院の裏山には、右京大夫の墓との伝承の墓石があります。観光客も
 そこまでは行かないです。

【ネット歌会について】
 「ネット歌会」は、「お題」を決めて短歌を詠みあうという方式ではなく、
 「水曜サロン」へ掲載された、各位の歌に対して「返歌」するという自然発生的な
 歌会です。従って掲載された歌の中に自分に響くものがありましたら、それへの
 返歌として大いに詠んで頂き、コメント欄に記入して頂ければ幸いです。
 各位に記入して頂いた短歌を基に、編集させて頂きます。
 従って、統一性や「お題」に向けた収斂性には欠けますが、面白いと思っています。
 当面は、手探りでやってみたいと思っています。さらに、良いアイデアがあれば
 各位よりお寄せ頂ければ嬉しいです。


     「ガーベラの花」

【運営にあたって】 注)文頭から移しました。
 (1) 投稿期間は毎週水曜日から翌週火曜日17:00までと致します。
    なお、変更がある場合は、その都度ご連絡致します。
 (2) おひとり様 3首まで(1首でも可)コメント欄に投稿願います。
 (3) 口語短歌を基本としますが、文語混じりでも構いません。
   仮名遣いは新仮名遣いとし、旧仮名遣いは極力避けて頂ければ幸いです。
 (4) 投稿頂いた短歌は、そのまま掲載します。皆様から感想等頂ければ幸いです。
 (5) 作者名は投稿頂いたペンネーム等を、そのまま掲載します。
 (6) 掲載順序は、原則本ブログのコメント欄への到着順と致します。
 (7) 掲載された短歌の著作権は、投稿者に帰属します。
 (8) 最近心無い「スパムメール」等がコメント欄に届いています。
    誠に心苦しいのですが、今後コメントは「許可制」にさせて頂きます。
 (9) 投稿に当たっては、ご自身のブログのアドレス(url)も記入願います。
    ニックネームのみでIDのない方、あるいは匿名の投稿は内容により掲載
    できない場合もありますのでご了承願います。
                     了
コメント (15)
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